2019/11/02追記:
●読売新聞の誤報・捏造 富山県・魚津市・小矢部市の談話を捏造
2021/09/29追記:
●町長の「帰還しない職員は昇格・昇給なし」発言、記者の捏造だった
2022/09/01追記:
●宮崎勤のアジトをスクープ 完全捏造多数なのに叩かれなかった理由 【NEW】
2014/9/27:
●主張に合わなかったため?取材協力した永井和氏の論文を隠蔽
●読売新聞記者、慰安婦強制連行肯定の永井和論文を否定と誤読
●本来なら考えられない読売新聞記者の誤読 結論ありきのせい?
●読売新聞の誤報・捏造 富山県・魚津市・小矢部市の談話を捏造
2019/11/02追記:読売新聞の誤報についてはまとめ投稿がなかったので、とりあえず、こちらに追加。富山県内の自治体のSNSを使った情報発信について紹介した記事で、読売新聞の記者が県や自治体の談話をねつ造していたことが判明したという話です。全然読まれていなかったページなので、再利用して有効活用しておきます。
読売新聞富山支局の24歳の男性記者が、SNSを使って観光や行政の情報を発信する富山県内の自治体の取り組みをテーマにした記事を書きました。2018年10月月25日の朝刊の富山県版に掲載されています。この記事には、県広報課の「内容が派手な動画や写真に負け、なかなか見てもらえない」という談話が載っていました。
しかし、<読売新聞記者 自治体の談話をねつ造「重大な記者倫理違反」>(2019年10月29日 11時40分 NHK)によると、その富山県からの指摘で捏造が発覚。また、発言を捏造していたのは富山県だけでなく、魚津市や小矢部市の担当課の談話も取材せずに捏造していたそうです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191029/k10012154741000.html
●町長の「帰還しない職員は昇格・昇給なし」発言、記者の捏造だった
2021/09/29追記:似た話があったので追記。読売新聞グループ本社は、読売新聞に掲載した福島県楢葉町の松本幸英町長の発言を巡る記事で、いわき支局の男性記者(25)が町などに内容を確認しないまま記事を書き、町長の談話を捏造(ねつぞう)していたと、2017年3月15日付朝刊で発表していたそうです。
<記者が談話を捏造したのは、一部地域の7日付夕刊、8日付朝刊で掲載された「帰還しない職員 昇格・昇給なし 楢葉町長」という記事。東京電力福島第一原発事故による避難指示が2015年9月に解除された楢葉町の松本町長が昨年11月の庁議などで「避難先から帰還しない職員は昇格・昇給させないようにする」との趣旨の発言をしたという内容だった。
記者は、7日付の他紙の朝刊に掲載された記事を参考に、町や町長などに取材しないで記事を書いた。町長が7日の読売新聞記者の取材に答えた内容として「(発言は)町職員が率先して帰還する姿勢を示すべきだという思いからだった。今後については改めて協議したい」とする談話も掲載していた。記者は社内調査に対し「締め切りが迫る中、取材しないまま安易に書いてしまった」と説明したという>
(
読売記者、福島・楢葉町長の談話を捏造 他紙参考に作成:朝日新聞デジタル 2017年3月15日 11時03分より)
楢葉町によると、町側がウェブサイトに掲載された記事の談話に疑問を持ち、読売新聞社側に問い合わせて判明したとのこと。町長の政治的な評判をぶっ潰してしまう…という、他の捏造事例と比べても相当ひどい捏造だと思うのですが、検索してみた感じ、あまり問題にならなかったみたいですね。
●宮崎勤のアジトをスクープ 完全捏造多数なのに叩かれなかった理由
2022/09/01追記:宮崎勤事件はマスコミのオタクバッシングもひどかった事件なのですが、このアニメバッシングとは別件で読売新聞が捏造をやらかしていた…と初めて知りました。詳細なスクープなのに全部捏造…ということで、このレベルの捏造はほとんど聞いたことがなく過去最悪クラスの捏造に見えました。
<1989年8月17日、読売新聞は夕刊一面トップで、東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件(宮崎勤事件)の容疑者である宮崎勤の潜伏するアジトを発見したと報道した。記事ではアジトの詳細な様子が語られており、「奥多摩山中・小峰峠近くで発見」「自宅から南東へ約1.5キロ」「宮崎家の使用人だった男性が住んでいた小屋」「警察が多数の有力物証を押収」「遺体放置場所もこのアジト内」「遺体観察にかよう」「宮崎供述の矛盾、疑問点がことごとく解明」などと続き、アジトのある山小屋付近の地図まで掲載されていた。
しかし、警察の捜査本部は即座に全面否定するなど、当初からその真偽について疑問が呈され、ほどなく報道内容が全くの誤りであることが判明。翌日には虚偽の内容を掲載したことに関する「おわび」を出したものの、記事が掲載された経緯について釈明する検証記事の発表まで2か月を要し、その内容も「激しい取材競争の中で一線記者が冷静さを失い、断片的な情報を総合する段階で、強い思い込みから不確かな『事実』を間違いのない『事実』と信じ込んだ(同年10月15日付朝刊)」といった抽象的なものであった>
読売新聞の宮崎勤事件に関する捏造事件 - Wikipediaでは、<読売新聞の「宮崎のアジト発見」の虚偽報道は、朝日新聞の珊瑚損傷記事捏造(同年4月20日)や毎日新聞のグリコ・森永事件の犯人取り調べ記事捏造(同年6月1日)と並ぶ一大スキャンダルであった>としています。
にも関わらず、全然問題にならず。なぜか?というと、「朝日新聞の珊瑚事件の影に隠れてほとんど話題にされなかった」ためだといいます。読売新聞は処分の内容も、記事を書いた記者の名前も明らかにしなかったため、この事件の全容は未だ判明していない…ということで、まんまと逃げ切りました。
「朝日新聞の珊瑚事件」は私も悪かったと思いますが、かと言って、読売新聞が叩かれずに済んだというのはおかしな話。朝日新聞は「謝罪をちゃんとしていない」でも叩かれましたが、この点でも読売新聞はそれ以上。前述の通り、極めて多数の項目を捏造しているために、悪質性は最高レベルだと思うんですけど…。
●主張に合わなかったため?取材協力した永井和氏の論文を隠蔽
2014/9/27:朝日新聞の慰安婦報道誤報の話は一段落した感じなんですが、あと二つほどやっておきたい話が…。すみません。
読売新聞のお役に立てなかった私の論文 - 永井和の日記 - 従軍慰安婦問題を論じる(2014-09-01)によると、永井和京都大学教授は読売新聞政治部の記者から、永井教授の論文「日本軍の慰安所政策について」の理解がまちがっていないかどうか、確認してほしいという依頼を受けたそうです。引用に承認はいりませんから、朝日新聞批判のコメントでも取れたら…と思ったのかもしれません。
しかし、この読売新聞の政治部記者の論文理解というのが、てんで正しくありませんでした。というか、そもそも永井和さんは読売新聞にとって極めて都合が悪い人、読者に存在を知らせると読売新聞の立場が不利になるという人だったようです。
はてなブックマークでは、「永井先生から読売が期待するようなコメントが取れると思っている時点で、勉強不足が見え見え」「秦郁彦ならまだしも永井先生に河野談話攻撃ネタをもらおうと思うのは強者。知的能力に何か欠陥がある?」「小保方擁護コメを若山教授から取りに行くような真似すれば激怒されて当然」などと言われていましたが、読売記者の読んだ論文は本当は以下のような内容でした。
【「慰安婦」と強制連行との関連】
①現存する1937年末から1938年初にかけての警察報告をみるかぎり、和歌山での婦女誘拐容疑事件(これは大阪の警察が慰安婦の「公募」証明を出したことによって容疑者は釈放された)を除き、警察は「強制連行」や「強制徴募」の事例を一件もつかんでいなかったと言わざるをえない。だとすれば、「副官通牒」から「強制連行」や「強制徴集」の事実があったと断定ないし推測する解釈は成り立たないことになるし、また、これをもって「強制連行を業者がすることを禁じた文書」とする主張も誤りと言わざるをえない。
②秦郁彦氏の研究でも就労詐欺や誘拐によって女性が集められた事例が多いことが明かになっている。「軍慰安所で性的労働に従事する女性を、その本人の意志に反して、就労詐欺や誘拐、脅迫、拉致・略取などの方法を用いて集めること、およびそのようにして集めた女性を、本人の意志に反して、軍慰安所で性的労働に従事させること」をもって「慰安婦の強制連行」と定義してよいのであれば、軍から依頼された業者が詐欺や誘拐によって女性を軍慰安所に連れてきて働かせ、しかも軍慰安所の管理者である軍がそれを摘発せずに、事情を知ってなおそのまま働かせたような場合には、日本軍が強制連行を行なったといわれても、それはしかたがないであろう。
●読売新聞記者、慰安婦強制連行肯定の永井和論文を否定と誤読
上記は永井教授が読売新聞記者に説明したものですが、記者の理解は以下でした。全く逆と言って良い方向性です。
【慰安婦「強制連行」との関連】
「副官通牒(通達)から『強制連行』や『強制徴集』の事実があったと断定ないし推測する解釈は成り立たない」
警察資料を根拠に、少なくとも日本本土においては強制連行がなかったという「作業仮説」のもとで解釈を行っている。
永井教授は「いったい、どういう理解をすれば、上記のような要約が出てくるのか不思議である。この記者の論文読解力はいったいどうなっているのか」とおっしゃっていました。
そして、"この記者が「強制連行の有無」にしか関心を寄せていないこと、つまり「慰安婦問題とは強制連行の有無の問題にすぎない」という枠組みでしか、この問題をみようとしない人物"だと指摘。"サンケイ新聞の古森義久記者と同じ思考をする人物"といった批判の仕方もしていました。
●本来なら考えられない読売新聞記者の誤読 結論ありきのせい?
先程都合が悪いと書いたように、当然、強制連行の否定こそが大切だと考えている読売新聞からすると、永井教授のこの論文は使えません。記事には使われなかったようです。
おそらくここらへんを踏まえてでしょう。「ああなるほど、それで藤岡信勝の談話をもってきた、と。読売は朝日読者に対して、捏造新聞からウチへ乗り換えたらキャンペーンをしているらしいが、読売のやってることが捏造レベルやん」といったはてなブックマークコメントもありました。
ただ、これをもって捏造レベルってのは、どうでしょうね? 主張と合わない論文を採用しないくらいなら、捏造レベルとまでは行かないと思います。
ひょっとしたら論文を正反対の意味で使おうとしたから…ってことでしょうかね。これは実際にデタラメな理解のまま載せていれば立派に捏造だったものの、結局未使用だったので捏造レベルは的確な表現とは思えません。
それ以外だと、藤岡信勝さんを使うことが問題って主張かもしれません。というのも、「藤岡信勝先生辺りを『識者』とせざるを得ない読売新聞の事情w」というブックマークコメントもあったためです。この藤岡信勝さんというのは、新しい歴史教科書をつくる会会長だった人で、読売新聞の主張に好都合な意見を間違いなく言ってくれる方でした。
なお、研究の不正の一種として、思わしくない結果が出た実験だけ公開しないといったものがありますので、捏造レベルとまでは行かないとは言うものの、不正に近いところはあるかもしれません。非主流のトンデモ論文なんかはむしろ強調した方が不正に近い感じで、場合によりけりで難しいですけどね。
あと、私としてはこの論文不採用が卑劣…というよりも、逆方向の主張の人による全く違う結論の論文を都合の良いように誤読してしまったという方が衝撃でした。朝日新聞の誤報で言うと、元ネタそのものが捏造で誤読はしていない吉田証言・慰安婦問題より、誤読してしまった福島第一原発事故の吉田調書問題の方によく似ていると思います。朝日新聞も読売新聞も結論ありきでやっているために、誤読に気づかなかったのでしょう。
朝日新聞の吉田調書報道のような誤報が起きる確率は、意外に高そうです。
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