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STAP細胞事件とよく似たITベンチャーの架空技術投資事件


 STAP細胞が呼び起こすITベンチャー事件:日経ビジネスオンライン(村沢 義久 2014年9月8日)は、STAP細胞、ベンチャー、事件…というキーワードが並んでいて、セルシード社の話を思い出してしまいましたが、ITベンチャーですのでそうではありません。
(関連:STAP細胞問題とセルシード 新潮45がインサイダーの可能性を示唆)

 作者の村沢義久さんは、10数年前に関与したITベンチャーC社の「事件」を、「STAP事件」で思い出したとしていました。この話を読んでみると、本当にSTAP細胞問題とよく似ています。共通点がいくつもあるのです。


●肩書き・権威の問題
 残念なことに、人が学歴や経歴だけで信用されるというケースが少なくない。C社の創業者A氏は、東大工学部卒。しかも、世界的なIT企業I社のW研究所の上席研究員の経歴を持つ。そのA氏が、I社を退職した後、一種のコミュニケーションツールの開発を行う会社C社を立ち上げた。

 STAP細胞問題でも肩書きや権威が悪い方向に働きました。本当の師匠がいなかった小保方晴子、どこへ行っても客分の特別な立場で書いたように、小保方晴子さんは肩書きで立派な科学者だと信頼されました。

 また、バカンティ・笹井芳樹・若山照彦・丹羽仁史 評判が高いのは誰?で書いたように、共著者らの過去の実績がNatureへの論文掲載のための強い力となりました。


●本人はできるが、他の人はできない。コツがいる
 集まった経営幹部に対し、創業者は、このソフトの「プロトタイプは完成している。あとは、詳細の詰めと商品化だけ」と言っていた。また、売り込みに際しては「アメリカB社での実施例」を披露していた。その通りだとすると、日本市場向け製品の完成までにそんなに時間はかかならない。間もなく複数のベンチャーキャピタルが億単位の投資を行った。やはり、この創業者の経歴に惹かれてのことである。

 ここらへんはさっきから続いて経歴の力。また、本人が「できている」と言い張る点でも共通点があります。

 しかし、本当に似ているのはこの後の部分。こりゃ、もうすぐモノになるね…と思ったら、すべての前提が崩れるたいへんな問題が判明します。
「できている」はずの「プロトタイプ」が動かないのだ。A氏がやれば動くが、他人がやると全く動かない。A氏は「動かすにはコツがいる」と言う。STAP風に言えば、「レシピがある」ということだ。


●思い込みが強く、誇張する

 "A氏のデモ機は見せ球"であり、「替え玉ソフト」で代用していたそうです。しかし、本人は悪気はなかったようなのです。それはそれで恐ろしい話なんですけどね。
 「プロトタイプができているというのは嘘なのか」という幹部の問いに対し、創業者は、「理論的にはこの通り動くのだから嘘ではない」と言う。しかし、その時点で「プロトタイプ」が存在しなかったことは間違いない。ならば、「どうやってB社に納入したのか?」と聞くと、「B社には提案したがまだ実施していない」「しかし、やればできるので嘘ではない」という返事だった。

 この創業者は、思い込みが強く、しかも個々の話を少しずつ誇張していたのだ。つまり、①「見せ球のデモ機ができた」⇒「プロトタイプができた」、②「B社に提案した」⇒「B社の実施例がある」、という具合だ。(中略)

 この創業者は、強烈な思い込みに基づき、誇張した表現を次第にエスカレートさせていった。一つ一つは小さな誇張であっても、それが積もり積もって大きな虚構に発展したのだ。本人は「騙したという認識は全くない」と言う。しかし、数億円の資金が霧散し、彼自身も完全に信用を失った。結果的には、「嘘」と同じである。

 C社はこの後ベンチャーキャピタルが撤退して倒産しています。STAP細胞でも展開されるような陰謀論を唱えて擁護することは可能なのですが、まあ、創業者ができると思っていただけで現実にはできないものだったと確定したと考えて良いでしょう。

 一方、STAP細胞の件は現在進行中の話であり、まだ断定できません。ただ、論文に関しては既に改竄などが認定されている部分もあります。

 そういった状況にも関わらず、小保方晴子さんには反省の色は見られません。そして、彼女の発言を聞いていると、嘘をついているという認識が本当にない可能性も感じます。小保方さんを性悪な詐欺師と考える方もいるでしょうが、私はこのベンチャー創業者の方に近いものを感じます。

 少なくとも計算づくで綿密な偽装をするような人ではないでしょう。捏造は粗が目立ってずさんでした。

 言い方はいろいろとできそうですが、自分の嘘を信じこむタイプだとか、自分が絶対に悪いと思わないタイプだとかいった感じでしょうか。


●成果へのタダ乗り

 さて、ここからうって変わって創業者の周囲の方々についてです。"ベンチャーキャピタルは専門用語だけは知っているが、実際の技術レベルは低い"そうです。
 途中退社した幹部の一人は、自分の懸念を他の幹部やこれから投資しようとするベンチャーキャピタルに話している。しかし、彼らは耳を貸さなかった。結局、残った幹部もベンチャーキャピタルも「うまい話に相乗りしたい」という願望が強すぎて、目が曇っていたのだ。

 STAP細胞で言うと共著者らや小保方さんを優遇した理研CDB幹部に当たるでしょうね。研究所幹部が暴走したのはSTAP細胞問題の特殊性ですが、共著者のタダ乗り問題というのは何度も指摘されています。記事では出てきませんが、「ギフトオーサーシップ」と呼ばれています。
 これも非常に残念なことだが、研究の世界でも「相乗り」願望は強い。学術論文では、多くの執筆者が名を連ねていることがある。本当に書いたのなら良いのだが、実際には大学院生や若手教員が書いた論文に上司(教授)が相乗り(ただ乗り)しただけ、というケースも少なくない。

 教授の中には、自分が指導している(ことになっている)大学院生や准教授、助教などが論文を書いた場合、「自分の名前を入れないのはけしからん」と公言する人もいる。だから、実質的に貢献したわけではなく、指導したわけでもないのに論文に自分の名前が載るのだ。

 筆者が東大の特任教授だった時代、「自分でも知らないうちに論文15本書いていたんですよ。アハハ」と豪語する教授がいた。


 このように研究不正の問題は、ビジネスでの話と似ている面が多々見られます。研究者の方は普通の会社と研究所は違う…と改革を拒む傾向があるのですけど、研究者が特別道徳心が強いわけじゃないというところは認めていただきたいです。


 関連
  ■STAP細胞問題とセルシード 新潮45がインサイダーの可能性を示唆
  ■本当の師匠がいなかった小保方晴子、どこへ行っても客分の特別な立場
  ■バカンティ・笹井芳樹・若山照彦・丹羽仁史 評判が高いのは誰?
  ■研究不正はなぜ嫌われる?STAP細胞問題の追求は嫉妬と憎悪なのか?
  ■石井俊輔STAP細胞元調査委員長の論文、改ざんでも不正なしの結論
  ■研究不正疑惑についての投稿まとめ

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