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アメリカを侵略した日本からの外来種マメコガネ(ジャパニーズ・ビートル)


 ヒアリに関するニュースが目立っているのですが、過剰反応的なところを感じます。過去の話題としては、デング熱と似た印象を受けました。
(関連:デング熱は人から人へは感染せず蚊からのみ 蚊も10月頃には死ぬ)

 このページは、そのデング熱が話題になっていた頃の"NHK・日経新聞・朝日新聞ランキング2014年9月(重大ニュース参考用メモ)"で使っていたもの。後から見る需要はないかなということで削除して再利用しています。

 で、再利用はヒアリの話ではなく、別の外来種問題の話。海外から日本へというパターンではなく、日本から海外にわたり、現地に大きな被害をもたらしたというマメコガネ(ジャパニーズ・ビートル)の話です。


●2017年夏の日本はヒアリパニックに

 ヒアリの話をやらないと言いつつ、最初だけ少し。今見ている人は良いですが、後から見た方にヒアリ騒動の雰囲気を伝えるという趣旨です。

 日本農業新聞 - 戦々恐々 強毒ヒアリ 既に6カ所、女王も 国内で発見相次ぐ(金哲洙、隅内曜子)では、"強い毒を持つ南米原産の特定外来生物「ヒアリ」が国内で初めて兵庫県尼崎市で確認されて以来、11日までに繁殖能力のある女王アリも含め4都府県6カ所で見つかり、各地で警戒を強めている"と書いています。

 環境省によると、ヒアリは、赤っぽくつやつやし、働きアリが2.5~6.5ミリと大きさにばらつきがあるとのこと。大きさすら一定でないせいか、専門家が顕微鏡を使って観察しなければ判断できないとしていました。なので、そもそも素人には無理な話だろうと思うのですが、同省は「ヒアリと疑われる個体や巣を見つけても、踏んだり壊したりして刺激しないで」と呼び掛けているそうです。

 ただ、この記事は意外に危機感を煽るような内容ではなく、"「殺人アリ」など過剰な報道があることに対し、同省野生生物課の植田明浩課長は「むやみに怖がらず、蜂と同程度の危険度と認識してもらいたい」と冷静な対処を呼び掛け"ているとありました。ハチといっしょだと考えても、危険なことには変わりありませんけどね。

 上記以外に、ヒアリに関する死者数についても、大げさな報道が出回っていると指摘する根拠は曖昧 北米だけでヒアリ死者年間100人はホントか|暮らし|ライフ|日刊ゲンダイDIGITALという記事も見つけました。

 これによると、東京都は、「毒に対してアレルギー反応を起こす例が、北米だけでも年間1500件近く起こり、100人の死者が出ている」(自然環境部計画課)と明記しています。が、環境省では、「100人という数字は確認できていない」(環境省外来生物対策室)と否定的。

 100人という数字は、アリを研究する米生物学者スティーブン・ベルトンさんの著書が元ネタではないかと推測されていました。ただ、根拠のある数字ではないとう説明。同様に、"人口3億2000万人の米国で、年間1000万人以上の人が刺されているというのも、フツーに考えれば刺され過ぎ"と疑問を呈していました。32人に1人が毎年刺されているという計算をしているみたいですね。


●アメリカを侵略した日本からの外来種マメコガネ

 ヒアリの話が長くなってしまいました。紹介したかったのはマメコガネです。出典が不十分だというタグがついているページですが、マメコガネ - Wikipediaによると、成虫は体長8mm-15mmほどで、小型のコガネムシ。頭・前胸・小楯板と前翅接合部が金属光沢のある緑色の、なんてことのない昆虫です。日本全土に分布しています。

 ところが、これがアメリカで大暴れ。1916年にアメリカ合衆国のニュージャージー州・リバートン(Riverton)で初めて発見されると、天敵の少ない北アメリカで一気に分布を広げ、重大な農業害虫となってしまいました。

 エルトンの著書『侵略の生態学』によると、その発見の年の分布域は4アールであったが、以降の6年間で8、18、123、262、691、1880(平方キロ)と爆発的に広がってゆき、1941年にはすでに5万平方キロに達したという書き方をしていました。(「平方キロ」は「平方キロメートル」の略のようです。本来は不適切ですね)

 大した虫に見えないといったことを書いたのですが、わりと簡単に捕えることができるということで、動きも鈍いです。ただ、何しろ増え方がすごいですからね。『侵略の生態学』によると、1919年には、桃が56本植わっている果樹園において、二時間で採集した量が945リットル。しかも翌日にはほとんど減っていないように見えるほどの個体数であったと言います。

 このころにマメコガネの餌となった植物は250種以上、そこに重要な農作物が1ダース以上含まれていました。アメリカはマメコガネに非常に手を焼いていたようです。


●太平洋戦争時、アメリカで憎い日本の象徴に?

 マメコガネが移入した北アメリカでは"Japanese beetle"(ジャパニーズ・ビートル)と呼ばれて、たいへん恐れられていたと私は読んだ覚えがあります。そして、そこには太平洋戦争絡みのエピソードもあったと記憶していました。

 が、今見ると、Wikipediaには記載がありません。検索したら、過去のWikipediaではありました。以下のような内容ですけど、削除されたところを見ると、出典不明の不確かな話だったのかもしれません。

"マメコガネは天敵の少ない北アメリカで一気に分布を広げ、重大な農業害虫となってしまい、太平洋戦争時には「日本憎し」の宣伝材料にマメコガネも使われたほどであったといわれる。日本発の外来種であることから、現地では"Japanese beetle"(ジャパニーズ・ビートル)と呼ばれて嫌われている"

 なお、日本の昆虫はみんな強いという話で、このジャパニーズ・ビートルの話題を出している人がいたんですが、どうかなぁ?という話。ヒアリでいえば、ヒアリがもともといた国の人が日本の騒動見て、「さすが我が国の昆虫は強い」と盛り上がるってことですからね。


●未だに猛威を振るっている「ジャパニーズ・ビートル」

 Wikipediaでは、"その後、フェロモンによる誘引トラップや農薬の他、生物農薬の導入も行われ、駆除が行われている"とあり、現在では問題は発生していないかのように書いていました。

 ところが、マメコガネ アメリカでトウモロコシの害虫になった日本の固有種 | FOOCOM.NET(2011年9月8日 池田 二三高)によると、2011年にも"アメリカのイリノイ州やミズリィ州では大発生してい"たと言います。

 一方の日本では、"時々農作物に大きな被害を与えることもありますが、最近は大きな被害を聞いたことがありません"とのこと。これは、やはり天敵の有無といった環境の違いがあるのかもしれません。

 また、環境の違いで興味深いのが、同じ種類なのに食べ物が違うこと。農作物害虫の発生生態や防除法の研究に従事している作者の池田 二三高さんは、アメリカの大豆畑とトウモロコシ畑で大発生したことについて、「マメコガネは日本でも大豆害虫ですが、トウモロコシを囓ったという事例を筆者は聞いたことがないので、これには驚きました」と書いています。

 ただし、"侵入害虫が母国と違った食性を示すことは多々"あるとのこと。日本に侵入した外来種でも、よく似た事例があるそうです。"この現象は害虫学的に見ても不思議なことですが、その理由ははっきりしていません"とも書かれていました。

 それから、こういう昔から知られている害虫であっても、未然に発生を予察するのが難しいというのも、日米いっしょのようだといった説明もされていました。これからも苦労することになりそうです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■デング熱は人から人へは感染せず蚊からのみ 蚊も10月頃には死ぬ

【その他関連投稿】
  ■蜂に刺されて死ぬ人は熊による死者の16倍 10年間で200人ほど死亡
  ■大事な役割を持つ便所コオロギ(カマドウマ) 川魚の栄養の6割を占める
  ■ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
  ■【クイズ】次の女王アリ誕生 巣から出るのは新女王・旧女王?
  ■蛾と蝶の違い そもそも生物分類学上は同じ種類 触覚が見分け方の一例だが…
  ■遺伝子検査蚊を用いた蚊根絶プロジェクト 生態系破壊で人類に影響は?
  ■動物・植物・生物についての投稿まとめ

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