有力候補というのはそうそう変わるものではありませんので、前年と同じ顔ぶれになりそうですが、ノーベル賞の医学生理学賞の日本人有力者についての記事を新たに読んでみた…という話です。
2021/10/02追記:
●森和俊教授などおなじみの日本人4人、再び有力候補で名前が出る 【NEW】
●ノーベル医学生理学賞・日本人有力候補 森和俊,遠藤章,竹市雅俊など
2014/10/2;
くらしナビ・科学:ノーベル賞、6日から発表 日本の科学者受賞に期待(毎日新聞 2014年10月02日 東京朝刊)によると、"今年は長く対象になっていない「がん研究」「公衆衛生」分野に光が当たる"という予測があるようです。日本人で言うと、"米国最高とされる医学賞ラスカー賞の基礎医学部門に先月選ばれた京都大の森和俊教授が注目され"ているとのことでした。
最初に「前年と同じ顔ぶれになりそうです」と書いたのに、いきなり未紹介の方。ラスカー賞受賞者はノーベル賞の登竜門的な存在で、ノーベル賞受賞者を輩出することが多い賞として知られています。森教授は"09年にカナダのガードナー国際賞も受賞"しています。この2冠は2012年にiPS細胞(人工多能性幹細胞)を開発してノーベル賞を貰った京都大の山中伸弥教授と同じです。
研究内容としては、"細胞内に不良なたんぱく質がたまるのを防ぐ仕組み"の解明です。"異常があると糖尿病や心筋症などにつながる"ということです。この森教授について今検索かけると、思い切り「ノーベル賞の登竜門」という形でニュースになっていましたわ。
ラスカー賞:京大の森和俊教授が受賞 ノーベル賞の登竜門(毎日新聞 2014年09月09日 01時26分)
<細胞内の小胞体と呼ばれる小器官で、タンパク質が折り畳まれて正しく機能するための仕組みを解明した。米カリフォルニア大サンフランシスコ校のピーター・ウォルター教授との共同受賞。19日に米ニューヨークで授賞式が行われる。
日本人の受賞者は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を開発して2009年に受賞した山中伸弥京都大教授に次いで7人目>
ラスカー賞受賞者としては、東京農工大の遠藤章特別栄誉教授もいます。08年にラスカー賞の臨床部門で受賞。"高脂血症などの治療薬スタチンのもとになる物質を発見"したという功績です。遠藤特別栄誉教授は、
日本のノーベル賞級研究者 澤芳樹, 遠藤章, 岸本忠三,細野秀雄らでも紹介しています。
●小川誠二氏らが有力と予想…大隅良典特任教授は後に実際に受賞
毎日新聞ではこの他に学術論文の引用回数を元に有力候補を数人挙げています。トムソン・ロイター引用栄誉賞の予想者ですね。昨年候補に挙がった方は、
ノーベル賞予想、候補者に日本人 大隅良典・水島昇・細野秀雄らでも書いています。毎日新聞の紹介は以下のような感じ。
ノーベル生理学・医学賞予想 竹市雅俊、小川誠二、審良静男(トムソン・ロイター引用栄誉賞)で書いたうちの2人の名前も挙がっています。
・東京工業大の大隅良典特任教授と東京大の水島昇教授 生物が細胞内のたんぱく質を分解して再利用するオートファジー(自食作用)の仕組みを解明した。この分野で引用数が世界トップ。(2021/10/02追記:その後、大隅良典氏は実際に受賞。水島昇教授は受賞しませんでした)
・東北福祉大の小川誠二特任教授 脳研究に活用される機能的MRI(磁気共鳴画像化装置)の基本原理を発見した。
・理化学研究所の竹市雅俊発生・再生科学総合研究センター長 細胞の接着分子を見つけた。
竹市雅俊センター長については"STAP細胞問題で管理責任を問われた影響を懸念する声もある"としていました。私は
理研の野依良治理事長、過去に3300万申告漏れ 脱税で追徴課税ににおいて、ノーベル賞に人格は関係ないと書いています。ただ、受賞前にこれだけ悪名を轟かせてしまうと、さすがに審査者もためらうのではないかと思いました。
●森和俊教授などおなじみの日本人4人、再び有力候補で名前が出る
2021/10/02追記:
ノーベル賞、mRNAワクチンに注目 自然科学分野は4日から発表:朝日新聞デジタル(2021年10月2日)では、タイトルの通り、「m(メッセンジャー)RNAワクチン」関連を有力とする記事。この分野は日本人は関係なく、ファイザーと共同開発した独ビオンテック社の上級副社長カタリン・カリコさんなどが候補。同年の2021年にノーベル賞の登竜門ラスカー賞を受賞しています。
記事では日本人の話もあり、この投稿で書いていた森和俊教授らの名前が出ていました。すべてうちでも紹介したことがある人でおなじみのメンバー。ただ、今年のワクチンのようなトレンド的なものならあり得ますが、新しい人が有利ということはないでしょう。むしろ受賞を順番待ちしている状態からすれば、古くから名前が上がっている…というのは、悪い状況ではないと思われます。
<国内では、細胞がたんぱく質を作る際の「品質管理」の仕組みを解明した京都大の森和俊教授、細胞をくっつける分子「カドヘリン」を発見した理化学研究所の竹市雅俊・名誉研究員が有力視されている。
体を守る免疫が過剰に働くのを抑える「制御性T細胞」を発見した大阪大の坂口志文・特任教授と、コレステロール値を下げる物質「スタチン」を発見した東京農工大の遠藤章・特別栄誉教授も評価が高い>
【本文中でリンクした投稿】
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日本のノーベル賞級研究者 澤芳樹, 遠藤章, 岸本忠三,細野秀雄ら ■
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