クマが出現しやすい年というのは、ある程度わかるようです。意外なことにその年のエサの少なさだけでなく、エサが多い年というのも重要な情報となるとのこと。ただ、こうした情報だけで絶対クマに出合わないようになれるか?というと、現実にはそうではないでしょう。もしクマに合ってしまったら、また、クマに出合う確率を下げるには?といった話もやっています。
2017/11/11追記:
●かわいいんですけど…北海道のたそがれているヒグマが話題に
2021/07/01追記:
●市街地にクマ出没増加!ただし、普通に森林に近いところだった… 【NEW】
●クマの出没が増えたのは市街地との緩衝地帯がなくなったため? 【NEW】
●「凶作」だけじゃない…クマの出没が多くなる理由
2014/10/6:ある日、森の中でクマさんに出合った…ならあり得ることなので仕方ないのですが、最近は人里や町の中でもクマさんに出くわすことがあるので予想外です。
クマ大量出没中 ある日、人里で出合ったときの心得:朝日新聞デジタル(渡辺洋介 2014年9月22日01時45分)によると、2014年は熊が出る確率が特に高いようです。
なぜ今年多いと言えるか?と言うと、報告例が既に多いというのももちろんあります。しかし、熊出没が多くなる理由がある程度わかっているという理由も大きいです。
"岩手県や森林総合研究所によると、昨年、エサとなるブナの実が豊作でメスが子グマを多く出産した一方、マイマイガの大発生で春から夏にかけてのエサとなる木の葉が不足したこと"が熊の出没増加の理由です。普通に餌の問題なのですが、その年の凶作だけでなく、前年の豊作も関係しているというのは、意外性がありますね。餌が多ければ多いで、翌年そのギャップが問題になるようです。
さらに今年ヤバイのが"冬眠に備えて栄養を蓄えるため、広範囲にエサを探し回る"これからのシーズンに、"東北では今秋、この時期の主なエサとなるドングリ類が凶作の見込みだ"ということです。熊被害が多くなることは明らかなようです。
●ある日町の中でクマさんに出合ったら?熊対策・注意点・出没理由など
記事では、熊をおびき寄せないための対策、熊と出合ったときの対策を以下のようにまとめていました。(順番は入れ替えています)
<クマの注意点>
【クマをおびき寄せないために】
・隠れやすいやぶの除去や見通しの悪い場所の下刈りをする
・収穫後の農産物や家庭の生ゴミを野外に放置しない
・家の周囲でハチの巣を見つけたら早めに取り去る
【出合わぬために】
・クマ鈴など音の出るもので人間の存在を知らせる
・出没情報のあった場所に近づかない
・山とつながっている林や川沿いのやぶでは特に注意する
【クマに出合ったら】
・背を向けずにクマを見ながらゆっくり後退する
・大声を出したり走って逃げたりしない
・襲われたら両腕で顔や頭の大ケガを避ける
●自然のままである方がクマが出現しやすい
蜂の巣はそれだけでも危険ですけど、熊もおびき寄せちゃうんですね。確かに熊ははちみつ好きの印象がありますけど、アニメっぽさがあり、本当に好きなんだ!とちょっと驚き。蜂の巣については少し検索かけてみると、はちみつだけでなく幼虫も奴らの狙いみたいです。
あと、やぶを自然と呼ぶかはわかりませんが、あるがままではなくきれいに刈ってしまって人工的な状態にする方が良いようです。熊も隠れる場所がないと近づきがたいのでしょうか? やぶ関係では「山とつながっている林や川沿いのやぶでは特に注意する」というのもあります。
ここで出てきた川について検索してみると、水音がするために熊が人間の存在に気づかないという危なさもあるようです。この音に関する注意点は上記に多いです。
●クマ対策は音を出して…という理解が命取りに
「クマ鈴など音の出るもので人間の存在を知らせる」は、やはり音を出して熊に人間がいるよ!と気づいてもらうもの。人がいることがわかれば、熊も危険をおかしてまで無理に近づいてくることはないということでしょう。
しかし、一度熊に出合ってしまうと、今度は音に対する注意点は正反対に。逆に大きな音を出してはいけないという「大声を出したり走って逃げたりしない」が出てきます。遠くで音がしている分には熊は警戒して近づかないものの、近くで大きな音を出すと熊も驚いてしまい、身の危険を感じて攻撃に転じる可能性が高まるのかもしれません。
また、出合ってしまったときの熊からの離れ方は、「背を向けずに後退」というのはポイントみたいですね。軽く検索してみると、みんな同じことを書いています。
出合いたくないものですが、最初に書いたように町の中まで来る事例もありますからね。覚えておいて損はないです。
●かわいいんですけど…北海道のたそがれているヒグマが話題に
2017/11/11追記:アイヌの人々は昔コグマを犬みたいな感じで、飼っていたそうです。コグマでなくてもクマは一見かわいく見えます。しかし、実際には恐ろしい動物です。なので、あまり親しみやすさを与えるのは良くないと思うのですが、実際かわいいんですよ。以下のようなツイートがありました。
「黄昏てる」は「たそがれる」と読みます。本来は「日が暮れて薄暗くなる」「盛りを過ぎて衰える」といった意味なのですが、おそらく最近使われることが多い「ぼーっと物思いにふけっている」といった意味で使われているものと思われます。ちょっとしょんぼりした感じで共感を読んだのでしょうね。
ただ、私は海の様子を眺めていたのかな?と思いました。「このあと飛びこんだらしい」ともあったので、それを知ると、「飛び込びたいけど怖い。どうしよう?」と尻込みしているようにも見えてきて、それはそれでかわいいです。…が、前述の通り、クマは本当は怖い動物ですからね。それはくれぐれも忘れないようにしてください。
●市街地にクマ出没増加!ただし、普通に森林に近いところだった…
2021/07/01:クマの生態を専門とする石川県立大学の大井徹教授も、大量出没と凶作の年は対応していることは認めていました。一方で、秋と違って、キイチゴなどエサの量の変動が小さい夏の目撃情報も、毎年増えていることに着目。エサの豊凶と別にある要因を探るため、金沢大学周辺で調査を始めたそうです。
結果、クマが市街地に頻繁に現れるのは、エサの凶作だけが理由ではなく、近くの林にすみ着いているからと分析。秋については、エサの凶作が理由と推測するものの、夏に、移動範囲が小さいとされる子連れのメスグマが撮影されていたことから、都市近郊林で定着と繁殖が進んでいることも影響しているとしていました。
市街地などでの目撃情報の82%は、都市近郊林を含む森林地帯から100メートル以内という森林に極めて近いところだとのこと。そこで、大井徹教授は、目撃情報のある場所で、柿の木などを取り除いたり、クマが身を潜めるやぶを刈り払ったりといった対策を集中的に進める必要があるほか、都市近郊林で計画的にクマを捕獲するべきだとしていたそうです。
森に近いところでクマが多いのは当たり前じゃん!と思うでしょうが、私が興味あるのは、以前はあった森と人が住む場所の間にある緩衝地帯がなくなったことがクマ出没が増えた原因という説。上記の「柿の木などを取り除いたり、クマが身を潜めるやぶを刈り払ったり」というのは、たぶんそういった意味ではないかと思われます。
●クマの出没が増えたのは市街地との緩衝地帯がなくなったため?
上記は
クマ大量出没、背景に「すみ着き」か 大学教授が調査:朝日新聞デジタル(平川仁 2021年6月29日)にという記事からでしたが、緩衝地帯の話が知りたかったので、
クマ大量出没の北陸 森の衰退が背景に 緩衝地帯が必要:朝日新聞デジタル(平川仁、沼田千賀子 2020年12月26日 11時00分)という記事も読んでみました。
<60年代以降、都会への人口流出で、狩猟は衰退、森や畑を手入れする人も減った。結果、白山麓(ろく)では、里山という「緩衝地帯」が減り、クマが人の暮らしのそばに出やすくなったという。
「緩衝地帯の維持」。それはクマと人との共生を考える上でとても重要なキーワードだ。
(中略)市街地での出没多発の原因には餌となる木の実の凶作があるが、他の要因として北陸3県の担当者がそろって挙げるのが、山口さん(引用者注:石川県立白山ろく民俗資料館長の山口一男さん(71))も指摘する緩衝地帯の衰退だ。過疎化で森に人が入らなくなって下草が生えたり、耕作放棄地がそのままになったりすると、クマが身を潜めやすくなる。
「クマは本来、怖がりでおとなしい。市街地に出てしまったクマは、車の音や人の多さにパニックになっている。森・里山・市街地の区分がはっきりしていれば、人の気配がする里山には近づかない」と、石川県自然環境課の担当者。自治体は今、森と市街地との間の「緩衝地帯」の整備を呼びかける。柿やクリなどは早めに採り、森林の間伐をする。クマが川伝いに移動しないように河川敷のやぶを払う、といった具合だ>
ただし、石川県自然環境課は、県内での大量出没は、生息数の増加と生息域の広がりが背景にあるとしており、緩衝地帯以外の理由もありそうだと思いました。すると、1つ目の記事でも出てきた石川県立大学の大井徹教授が登場。最初と同じ緩衝地帯の整備と捕獲の二本立てが必要だという主張をしていました。単純化せず、複合的に対策していくべきでしょうね。
<ただ、それでもクマは市街地に出没する可能性がある、と石川県立大学の大井徹教授は言う。その場合は、緩衝帯の整備にとどまらず、周りの森林にわなを設置するなどの対策もとるべきだ、とも。「人間の生活圏に近すぎるクマは除去し、山に入る時は人間がクマに配慮する。そうしたすみ分けが必要です」>
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