早稲田大博士号に価値なし 不適切学位論文も屁理屈で取り消しせず

　早稲田大博士号問題。前回の小保方晴子の博士号、猶予つき取り消し 早稲田大が新手法を考案は小保方晴子博士メインの話。もう1回書くつもりですが、今回は小保方さん以外の博士の方の話です。

　常田聡研究室など盗用論文多発の早稲田大に擁護、コピペは普通でチラッと書いたように、小保方晴子さん以外の早稲田大卒業生からも論文のコピペが見つかっています。紹介しなかったかもしれませんが、コピペの単純な文字数では小保方さんを上回る方もいらっしゃったようです。

　そういった状況ですと、小保方晴子が早稲田大を初期化？全博士論文のコピペ不正など調査へ で書いたように、まともに全員の博士論文を調査し、適切な処罰を与えた場合、マジで早稲田大の博士課程は吹っ飛びかねません。そのため、彼らの扱いがどうなるのか？というのは非常に気になるところでした。


　しかし、他の卒業生についての話を突っ込んでいる記事は昨日パッと目を通した限りでは、あまりなさそうでした。ただ、小保方さんの博士号「学位を取り消す」早稲田大学が「猶予付き」の決定・配布資料（全文）|弁護士ドットコムニュース(2014年10月07日 16時38分)だとずらっと全文なので、他の博士号の扱いもわかります。

　早稲田大の配布資料としては、「3．その他の不適切な博士学位論文について」がそれですね。"すべての研究科に対して不適切な博士学位論文の有無に関する自主調査を依頼し"ていて、まだ全部は終わっていないようです。ただ、既に"約700件の確認が終了している"そうです。

　で、その終了分については、"すべての博士学位論文について学位授与に相当する研究の実体が確認されたが、研究の本質的な部分以外の部分に不適切とみなされる箇所のある博士学位論文が複数発見された"とされています。

　コピペ・盗用ですので当然不適切なわけですが、「不適切」と書いてあるからと言って早とちりしてはいけません。「研究の本質的な部分以外の部分に」だけ不適切な箇所が見つかったという言い方をしています。これだけでももう屁理屈をこね回す気満々を感じる部分ですが、この後ご丁寧に「研究の本質的な部分」に関する説明が載っていました。

研究の本質的な部分とは、学位論文に記載されている研究の根幹をなす著者独自の着想あるいは新規な事実の発見とそれに基づく学問的帰結のことであり、学位授与の判定において特に重視される部分をいう

　この後はもし不適切な博士学位論文が見つかったら、「学位を取り消す」と書いています。ただ、これまでのやり方を見ている限り、早稲田大で不適切な博士論文が見つかる日は永遠に来ないでしょうね。

　さらに早稲田大は念には念を入れて、直後に「学位の取り消しにあたらなくても、その博士学位論文の放置が不適切と判断される場合は、本人と連絡を取り、適切な是正措置を行い、経過を公表する」と続けていました。小保方さんと同じく救済措置をとるという宣言でしょう。二段構えで博士号剥奪を阻止する構えです。

　なお、何度か書いているように、早稲田大は以前問題が生じたときは博士号を取り消しています。早稲田大学、中国人の晏英の博士号剥奪 小保方晴子なら生活破壊なので学位維持？の件です。ですので、ダブルスタンダードで今回は特別扱いしているのでは？と疑われるのは当然です。

　また、特別扱いという意味では、小保方さんと他の学生で扱いが違うというのも気になります。小保方さんの論文がひどかったのは間違いないわけですが、他の「研究の本質的な部分以外の部分に不適切とみなされる箇所のある博士学位論文」が小保方論文とどう違ったのかがイマイチ見えてきません。


　早稲田大にとっては、小保方さんの博士号取り消し以上に、全博士論文の見直しの方が被害が大きいです。そのため、当時私は早稲田大が全論文の調査をすると言い出したことに驚いていました。

　確かにコピペ続出で早稲田大の博士号に中身が伴わないことが判明した以上、早稲田大が信頼を取り戻す＝博士号に価値があるということを証明するには、不適切に与えた博士号を取り消すなどといった思い切った対応が必要なことはわかっていました。しかし、「全論文調査」というのは、その前の対応からして早稲田大らしからぬ真摯な対応だったため、不思議に思っていたのです。

　それで、小保方晴子が早稲田大を初期化？全博士論文のコピペ不正など調査へ では、"ここまで手を付けてまさか「調査したけど、全然問題ありませんでした。終わり！」とは行かないでしょうし…。ひょっとして甘く考えているんですかね？"と書きました。

　しかし、早稲田大は本当にこれで終わらせるつもりのようです…。


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