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提訴された若者応援企業「残業代という考えは捨ててください」


●提訴された若者応援企業「残業代という考えは捨ててください」

2014/10/12:厚労省・ハロワ推奨の若者応援企業をブラック企業だとして提訴 で気になっていた若者応援企業の提訴について。2014年9月23日放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)で取り上げられていたようで、番組内容について書いた「私はモノではないし、ゴミでもない!」 ブラック企業を訴える若者たちの反撃(キャリコネニュース 2014年09月25日 03:45)というものがありました。

 こちらによると、提訴したシステムエンジニアの女性が1か月の研修期間のときに渡された「研修マニュアル」には、驚くべきことが書かれていました。「ルールは会社側にある」「3年間は絶対続ける、絶対辞めない」「無駄な事は考えずにただ、ひたすら頑張ってください」などというのは序の口。一番すごかったのは、「勤務観と労働観」の項目です。

「我々は、普段、労働をしているわけではなく『勤労』をしています。労働とは苦役の事で、ほんらい奴隷が行う仕事です。お金のため、食べて行くために苦しみながら身体を労し働く事です。一方勤労とは働く事を通して、心身を磨き、自分を成長させることです」

 お金のため、食べて行くために労働する…というのは一般的な認識だと思われますが、それは奴隷が行うことだとしています。では、このような奴隷の仕事をさせない若者応援企業でやるのは何か?というと、「勤労」だそうです。そして、この「勤労」というのは、「働く事を通して、心身を磨き、自分を成長させること」だと言います。本来、仕事と言うのはお金や食べていくためではなく、自分のためなんだよ…という話。まあ、こういった教訓めいた話そのものはなあ良しとしましょう。

 ここで問題なのは、若者応援企業が文字通り、お金のためでない仕事をさせるため…つまり、ブラック企業論理を通すために、上記のような主張をしていたらしいということです。提訴したシステムエンジニアは、「(これは労働ではなく)勤労なので時間は関係ない。残業代という考えも捨ててください」と会社から言われたそうです。クズ中のクズですね。


●あの有名ブラック企業もカネのために働いてはいけないと教えていた

 ただ、立派な理念を掲げて自主的にサービス残業をさせるように仕向ける…というのは、他の企業でもやっていました。こういった問題ではお馴染みのワタミが確か同じようなことを…と思ってブログ内検索しましたが、出てきたのを見るとそこまで似ているわけではありませんでした。

 検索で見つけたワタミ渡邉美樹、29年考えてできた理念「365日24時間死ぬまで働け」で出てきたすてきな格言は、「365日24時間死ぬまで働け」「出来ないと言わない」といったものでした。自民党から政治家になった渡邉美樹さんのワタミも同様の論理を強調して働かせていたブラック企業なんですね。

 質疑応答として出ていた<「仕事は、成し遂げるもの」と思うならば、「勤務時間そのもの」に捉われることなく仕事をします。なぜなら、「成し遂げる」ことが「仕事の終わり」であり「所定時間働く」ことが「仕事の終わり」ではないから>というのが、特に今回のテーマに近そうな部分でした。

(2021/03/28追記:ワタミに関しては、「ありがとう」という感謝のために働くことを奨励して、賃金のために働くことを批判し、ワタミの利益のために自分を犠牲にすることを正当化していたことなど、ワタミ渡邉美樹、29年考えてできた理念「365日24時間死ぬまで働け」に追記しています)


●休憩や休日をとるやつは二流以下…というブラック企業の論理

 最初の記事では、上記の記事ページでちょうど「あわせてよみたい」という推奨記事にワタミの話が載っていました。ワタミは「1日8時間労働で完全週休2日制」 採用担当者がついていた「大ウソ」(2014.09.25 12:50 キャリコネ)という記事です。

 先述の「365日24時間、死ぬまで働け」という表現をワタミがは今年の5月19日に削除しました。この同じ日に渡邉美樹元ワタミ会長は、「『完全週休二日宣言』も含めた『本意』が、創業者の理念でありワタミ理念集です。これまで、文章の一部だけを切り取り、一方的に誤訳され悪意を込めたイメージ攻撃を受けて参りました」とフェイスブックに書いたそうです。

 ところが、この作者がワタミで"働いていた4年間で「週休二日」休めた日など、いちども"なかったそうです。同期の男性などは入社2~3か月目で上司に「この労働環境はおかしい。入社前に説明されていた条件と全然違う」と言ったのですが、「外食チェーンなんだから、1日8時間労働なんて無理に決まってんだろ?」と回答したとのこと。見事な開き直りです。

 また、後輩の女性社員は「今日のシフトは12時まででしたけど、休憩に行ってないので1時間早く上がっていいですか?」と店長に言ったところ、「いや、休憩行ってないって…。お前はバイトかよ!」と叱責されています。"労働基準法には1日8時間労働する場合、少なくとも1時間の休憩を与えなければならない決まりがあります"。それで「ちゃんと休みを取りなさいよ」という意味ならまだ少しは良いんですが、話の流れからすると「休憩をとるだなんて甘えたこと言うな」ってことでしょうね。

 確かワタミでは、まじめに仕事をしていたら休憩時間なんかとれるはずがない…といったお言葉もあったと思うのですが、これまたブログ内を検索したものの見つかりませんでした。今回のケースのように勤労に関する格言めいた言葉がブラック企業論理に繋がってしまうってのは、困ったものですね。この手の格言を見る度に複雑な気分になりそうです。


●若者応援企業提訴で「ハローワークも信用できないとかどうすれば」

2014/12/28:上記までで書いてきたように、国がホワイト企業として推奨している若者応援企業であるライフクリエイションズは、今元従業員からブラック企業だとして裁判を起こされてしまっています。

<「若者応援企業」とは、若者を積極的に正社員として採用・育成、または、労働関係法令違反をしていないことなどを原則とし、ハローワークが当該企業を積極的にPR等を行う事業のことだ。だが今、若者応援企業が労働関係法令違反しまくり!超絶ブラック企業が目白押しだと話題になっている。
2014年8月7日、神奈川­県の女性(24)が、元勤務先ライフクリエイションズ(東京都港区)に対し、過重な­業務を強いられたとして訴えを起こした。それによると、女性は未経験にも関わらず、わずか1か月の研修で他社に派遣され、高度な専門知識が必要な仕様書の作成に携わっていたという。業務について上司に質問しても無視され、挙げ句の果てには、パワハラ・セクハラの対象に。女性の基本給は18万円で、200時間のみなし残業!さらに研修中の賃金は未払いという始末・・・>
(絶望、若者応援企業の実態- NewsCafe(2014年8月9日11時00分)より)

 この記事では、「ハロワ(ハローワーク)も信用できないとかどうすれば」というネットの反応を拾っていました。ただ、そもそもハローワークって信頼されているんですかね。私はそのようなイメージはなかったものの、以下のような反応もあったので、ハローワークというか、国がお墨付きを出して進めている制度というのもあるでしょうか。
 
「厚労省のお墨付きだから、他を蹴って入社してるかもしれないのに。厚労省には賠償責任は無いのか」
「こんなクソ仕事しかできない労働基準監督署・厚生労働省で働いている人が、難解な筆記をパスし、何回もの面接を潜り抜けているという事が信じられない」


●若者応援企業も?ハローワーク求人票4割で嘘、ブラック企業が利用

 そして、やっぱりハローワークは信用できないのではないか?という思いを新たにしたのが、求人票4割、厚遇「ウソ」…苦情9000件調査- 読売新聞(2014年12月25日07時10分)というニュース。2013年度に全国544か所のハローワークに寄せられた求人票に関する苦情9380件について、求職者や企業側に確認するなどした結果が以下でした。

<その結果、「土日は休みと書いてあったのに出勤させられた」「賃金が20万円と書かれていたのに、2万円低かった」など、3815件(41%)で求人票の内容と実態が異なっていた。求人票には「正社員募集」と書かれていたのに、契約社員として雇われたケースもあったという>

 ああ、ちょっと勘違いしていました。うちでもそのまま見出しにしましたが、ハローワークのすべての企業のうち4割で嘘があったのではなく、苦情が寄せられた企業のうち4割で嘘があったということですね、たぶん。全体の何割かについては書かれていません。

 これは逆に言うと、6割は苦情があったものの、求人票に嘘はなかったということになります。むしろ嘘の確率は少なく感じます。ただ、求職者に確認するのはともかく、企業側に確認するという言い方をしているのは気になりますね。調査ではなく確認という言い方からすると、ここでも企業に嘘をつけば簡単に通りそうな雰囲気があります。



●実は、6割の企業が「嘘を言っていなかった」という意味ではない

 また、文章になっていない円グラフの内容を見てみると、以下のように、4割以外の項目がこれまたひどかったというのも注意が必要だというもの。6割の企業が嘘を言っていなかった…と考えるべきではない感じでした。

労働条件が求人票の内容に反していた 41%
企業側の説明不足 18
言い分が食い違い特定できない 5
求職者の誤解 4
ハローワークの説明不足 2
その他 3
求職者側の要望で事実確認できず 27

 この中で求人票が正しかったと間違いなく言えるのは、4%である「求職者の誤解」くらいです。「企業側の説明不足」「言い分が食い違い特定できない」には、「労働条件が求人票の内容に反していた」が潜んでいた可能性があります。「ハローワークの説明不足」は、おまえが悪いんじゃないか…という話です。

 そして、深刻なのは3割近くもある「求職者側の要望で事実確認できず」です。ハローワーク求職者が不満を持っていても、ハローワークが確認をしてきた時点で企業側は求職者の「密告」を知ってしまいます。ですので、おそらく求職者が不利益を受けるのを恐れて調査を希望しないとしたのでしょう。やはり内容は4割よりずっと悪い可能性が高いです。

 それから、そもそもこの調査を始めた理由というのが、決定的にダメなものでした。"過酷な労働を強いる「ブラック企業」が求人票の内容を良く見せかけて労働者を集めるケースが相次いでいることを受けて"という理由であったため。ブラック企業が混じっているというのが、そもそも事実であり、スタート地点だったんですね。

 既に結構そういうイメージが根付いてしまっていて、私的にはそれほど意外ではないんじゃないかと思うのですが、ハローワークはブラック企業の人材確保として大いに利用されている可能性が高そうです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■ワタミ渡邉美樹、29年考えてできた理念「365日24時間死ぬまで働け」
  ■厚労省・ハロワ推奨の若者応援企業をブラック企業だとして提訴

【関連投稿】
  ■ハローワーク求人から非ブラック企業認定「若者応援企業宣言」
  ■若者応援企業は本当にホワイト? 厚生労働省の説くメリットとは?
  ■ブラック企業の特徴・基準ランキングベスト40 残業や辞めていく社員の多さなど
  ■仕事・ビジネス・就活・経済についての投稿まとめ

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