Appendix

広告

Entries

マルエツとイオンどっちがすごい?同じグループなのに全くの別路線


 個人的には何が良いのかわからないマルエツ。以前はちょこちょこ買い物していたのですが、ここ数年は何一つ買うものがないので素通りしています。年に1回くらいは覗いてますが、やはり買うものはありません。これと言って安くないし、かと言って高級感もないし…で、何がしたいのかわからんスーパーだなと思っていました。

 しかし、そのマルエツがすごく褒められていました。好調マルエツ、イオン傘下でも戦略は真逆 | 東洋経済オンライン(石川 正樹 東洋経済 編集局記者 2014年10月14日)という記事です。

 記事によると、マルエツ好決算のキーワードは「上質商品」「大量目」「素材回帰」の3点です。


●「上質商品」

 「20年間続いたデフレ下であれば、一品価格を下げて買上点数を増やすのがセオリーだが、あえて上質商品を売り込んで単価を上げていく戦略を取った」とは上田真社長の弁。"今上期、集客のために青果の価格を引き下げ"たものの、"精肉などで上質商品や大量目商品を拡充した"のです。

 これは"牛肉の中で伸び率が一番高かったのは、最も低価格の味付け肉で、次いで仙台牛や神戸牛など最も高い銘柄和牛"だったことによるみたいですね。結局一番伸びているのは低価格の味付け肉。まさに二極化です。

●「大量目」

 こちらもセオリーに逆らいます。"従来なら核家族化や高齢化、個食化を背景に、バラ売りや少量目販売が主体だったが、量目の多い商品の販売を推し進めた"とのこと。

 これは"近年、人気商品だったパウチ総菜や冷凍食品が落ち込んだ"って話。「昨年くらいまで、冷食は(売り場の)花形で、今後さらに伸長する、生鮮も素材がどんどん落ちてデリカ化が進む。業界でも、私もそう言っていた」そうですが、大ハズレ。マルエツは路線変更で助かったようです。

●「素材回帰」

 「素材回帰」ってどれに当たるのかわかりませんでしたが、どうもさっきあった「青果の価格を引き下げ」の部分みたいですね。
上期の青果販売は11%増と好調だったが、その中でもっとも伸びたのがジャガイモやタマネギなど、いわゆる「土物」だった。これは火を通し調理しなければ食べられない。「出来合いの商品よりも精選の素材を組み合わせた方が割安ということがあるのは事実だが、一方で手間ひまをかけた方がおいしい物、安全なものへの関心が高まっている」(上田社長)。素材回帰の背景には、昨年末の冷凍食品の異物混入事件や中国からの輸入素材を背景にした消費者の安心・安全志向があると考えられる。

 出来合いの商品は「作らない化」路線としていました。


 マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東の3社は、来年3月に共同持株会社を設立する予定。この会社はイオンの子会社となります。また、Wikipediaによると、現在でもイオン株式会社が31.96%の筆頭株主です。

 このイオンは"あくまで低価格を重視し、作らない化に対応した総菜を重視してい"ます。ですので、マルエツの路線は"戦略は、イオンの商品・価格戦略とは真逆"と言えます。

 さらに"マルエツの営業利益が2.3倍に拡大したのに対し、イオンは上期に総合スーパー事業が131億円の営業赤字、食品スーパー・ドラッグストア・小型店は前年同期比で8割減益"。おまけにイオンは出店先送り路線で弱気、マルエツは拡大路線で強気に攻めるとこれまた逆です。東洋経済オンラインはイオンの同業態「まいばすけっと」に対抗!という書き方でした。

(私はまいばすけっとも見たことがあるものの、マルエツと同業態には全く見えませんでした。私が見たのは都内で地価の高そうな地域の店舗。コンビニのような小規模店舗にぎゅっと詰め込んだ食品スーパーという感じ。ちょっと独特でした。似たようなお店は個人店だと知っていますけど、チェーン店だと思いつかず。
 地域が異なると価格の比較は無意味なので、価格帯の感覚もつかめず。知っているマルエツと同じ地域ではないのでこれまた比較できませんが、場所によっては同業態なのかもしれません)


 これを受けて、はてなブックマークはネットでお馴染みのイオン叩きコメントに。
イオンはダイエーがかつてPBの「セービング」の比率を増やして効率化しすぎた失敗からなにを学んでるんだろうか。PBもいいけど、NBとか、地域性とかも大切にしないとホントつまらない売り場になるよ。 2014/10/14

マルエツはお惣菜がすごくしっかりしててコスパも良いと思う。イオンみたくゴデゴテしてなくて、必要なものがそこにある感じ。 2014/10/1

近所の例だとイオンは接客が悪くマルエツは良い。サッカー場だけを見ても後者には指を湿らすスポンジと台拭きがあり、前者にはカピカピの紙ふきんだけ。 2014/10/14

 ただ、これよりおもしろかったのは、「さりげなく、傘下スーパーに大幅な権限を与えてるイオンすごい。っていう話になるのかも。イオンからすればこの多様性が一種のポートフォリオにもなるわけで」という視点。

 これはイオンの現在の出資比率があまり高くないというのもあると思いますけ。また、今後イオンがマルエツをどう扱うかによっても上記の話が全く通用しなくなる可能性もあります。しかし、こういう多様性という見方が一番おもしろいなと思いました。

 あと、人気コメント以外では、「マテ。そもそも同業他社と比べて利益率が低く不採算店を潰している状況なんだから利益率が上がって当然。食品スーパー全体の月次はイイのでマルエツが例外ではない」というのが気になりました。

 とりあえず、「同業他社と比べて利益率が低く」は確認取れなかったので不明。本文には記載がなかったと思います。

 一方、オフィシャルを確認すると今年の店舗数は微増、その前は減っている時期もあるものの、全体としては増加傾向って感じですかね? Wikipediaには、「フーデックスプレス」業態の出店を急ぎすぎ、拡大路線が裏目に出たとありますが、これは2000年代中盤の情報です。結局「く不採算店を潰している状況」も確認取れませんでした。

 ただ、閉店と開店を同時に行っている可能性はあります。これだと店舗数だけ見てもわかりません。不採算店舗を潰すというのも立派な戦略なのですが、確かにこれで見かけ上の利益率は上がり、実態が見えづらくなるということはあり得ます。

 結局、私は確認取れませんでしたが、東洋経済オンラインが社長のセールストークそのままを垂れ流して、深くツッコんでいないという可能性も否定しないでおきます。


 関連
  ■日本一だったダイエー イオンの完全子会社化で上場廃止,屋号消滅
  ■世界3位小売テスコ日本で失敗撤退 イオンは僅か1円で買収に成功
  ■マーケティングの名言・心得 ベトナムのイオンが大成功した理由
  ■名作旧作映画を定額で見放題 イオンシネマの映画館が平日限定で
  ■地方スーパーの生き残り方は地域密着 平和堂,サンエー,ヤオコーなどの例
  ■企業・会社・組織についての投稿まとめ

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

世界一スポーツ選手の平均年収が高いのはサッカーでも野球でもない
チャッカマンは商標・商品名 じゃあ正式名称・一般名称は何?
ジャムおじさんの本名は?若い頃の名前は?バタコさんとの関係は?
ワタミの宅食はブラックじゃなくて超ホワイト?週5月収10万円
朝日あげの播磨屋、右翼疑惑を否定 むしろ右翼に睨まれている?
レーシック難民は嘘くさいしデマ?アメリカの調査では驚きの結果に
赤ピーマンと赤黄色オレンジのパプリカの緑黄色野菜・淡色野菜の分類
アマゾンロッカーってそんなにすごい?日本のコンビニ受け取りは?
就職率100%国際教養大(AIU)の悪い評判 企業は「使いにくい」
ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
移動スーパーの何がすごいのかわからない 「とくし丸」は全国で約100台
ビジネスの棲み分け・差別化の具体例 異業種対策には棲み分けがおすすめ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
タコイカはタコ?イカ?イカの足の数10本・タコの足8本は本当か?
トンネルのシールドマシンは使い捨て…自らの墓穴を掘っている?
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
好待遇・高待遇・厚待遇…正しいのはどれ?間違っているのはどれ?
コメダ珈琲は外資系(韓国系)ファンドが買収したって本当? MBKパートナーズとは?
大塚家具がやばい 転職社員を通報、「匠大塚はすぐ倒産」とネガキャン
不人気予想を覆したアメリカのドラえもん、人気の意外な理由は?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由