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豆腐と納豆で差がついたのは中小企業分野調整法のせい?相模屋食料・三和豆水庵・やまみは成功


 中小企業分野調整法で守られている豆腐業界が苦戦している一方で、守られなかった納豆が伸びているんじゃないの?という話。ただ、業界の事業者が激減している中でも、最近は豆腐業界からも相模屋食料・三和豆水庵・やまみといった成功企業が現れており、いわゆる二極化した状態になっているようです。(2017/08/03)


●豆腐と納豆を研究したミツカン、豆腐業界には参入できず

2017/08/03:豆腐・ラムネ・シャンメリーは大企業製造禁止 中小企業分野調整法の問題点で、ミツカンの話を追記しました。

 食品特許を読みあさろうによると、ミツカンの特許を見ると、豆腐と納豆両方で特許を取っていたことがわかったそうです。このうち、納豆に関しては「におわなっとう」「ほね元気」といった今までにない商品、ゲル状のタレといった革新的なものを開発して成功しています。

 一方、豆腐は結局参入せず。これについて作者は、「分野調整法」がらみで参入できなかったと推測し、気の毒だとしていました。これは飽くまで推測ではあるものの、中小企業分野調整法の問題点である「革新的な変化があまり見られない」がそのまま納豆と豆腐の差になっているように見えます。


●豆腐と納豆で差がついたのは中小企業分野調整法のせい?

 こうした変化のなさは、業界全体にとってもマイナスではないか?と考えていたので、豆腐業界の売上推移が知りたいと思っていました。検索してみると、残念ながら古いものしか出ていなかったものの、そのデータではやはり豆腐業界の衰退が見えました。

 そして、私が見つけたものでは、ちょうど納豆業界のデータもあり、こちらは豆腐業界とは逆に伸び続けている…というはっきりとした違いになっていました。

 このデータは、(PDF)豆腐・納豆の現状 - 農林水産省(平成18年3月 農林水産省総合食料局食品産業振興課)に載っていた「家計消費の状況」。農林水産省は、「豆腐・納豆への支出額の推移を見ると、豆腐は、平成10年までは増加傾向にあったが、最近は減少傾向にある。納豆は、着実に増加しており、30年前の4.2倍となっている」と分析しています。

 ただ、「豆腐は、平成10年までは増加傾向」も怪しいところ。最新の平成10年頃は豆腐への支出額は年間7000円以上だったのが、最新の平成16年は7000未満になっており、ここだけ見ると確かに近年減っているように見えます。しかし、昭和60年ごろには既に7000円を超えており、平成10年と大して変わりありません。

 なので、昭和60年まで上昇傾向で、その後は横ばいが続き、近年は減少傾向と説明した方が良さそうでした。

 なお、支出額は納豆の方がまだまだ低く、最新の平成16年でも4000円前後でした。ただ、グラフで最も古い昭和50年は1000円程度でしたので、大きく伸びていることがわかります。


●豆腐業界でも二極化 成功している豆腐製造業者も登場

 最初に断ったように、上記はかなり古い話。最近は話題の豆腐が出てきており、頑張っている豆腐会社とそうではない会社で二極化しているという見方もあります。
(激減する豆腐製造業者だが、活気あるメーカーも。二極化する豆腐製造業 | ハーバービジネスオンライン 2016年10月05日<文/丹羽唯一朗>より)

 記事では、まず事業所数が激減しているという話をしていました。豆腐の業界団体である全国豆腐連合会(全豆連)によれば、1989年(平成元年)には22,740事業所あったが、2014年は8,017事業所と、半数以下へと減少しています。

 前述の通り、豆腐の場合家庭での支出額が減っていますのでそのまま苦戦と考えて良いでしょうが、本来こういうのは件数だけ見ても仕方ないところがあります。倒産件数なんかがそういうものです。

 とりあえず、豆腐業界で事業所数が減った理由については、豆腐製造業者は、家族従事者を主体とする小規模事業者が圧倒的多数なので、機械化が取り入れられたこと、スーパー等大型店を通す販売が進み、ある程度の事業規模が必要となったことが挙げられていました。

 大企業の参入が許されない中で、豆腐業界で成功しているのはやはりある程度規模が大きいところ。2009年、売上高90億円と豆腐業界トップに立ち、2010年には業界初の売上高100億円を達成した群馬県前橋市鳥取町に本社を置く相模屋食料株式会社が、その代表例です。

 相模屋食料は、設備投資やM&Aで規模を拡大。豆腐製造工場には、豆腐製造ロボットが稼働し、生産性を上げているというのもありますが、ここはユニークさでも有名。あの「ザクとうふ」を出した会社なのです。
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●活気がない業界というのは自業自得が多い?

 相模屋食料は、「ザクとうふ」以外にも工夫していました。料亭「菊乃井」とのコラボである「菊乃井とうふシリーズ」、「経験のない新食感。もっちもち×のび~る×とろける ナチュラルとうふ」、シリアルブランド No.1のカルビー「フルグラ」とのコラボである「とうふで、グラノーラ。」などがあります。

 他の成功例では、「男前豆腐」、「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」といったマーケティングで成功した三和豆友食品(現三和豆水庵)、国産大豆を100%使用した木綿とうふ「国産大豆 禅とうふ 木綿」などがヒットした株式会社やまみが挙げられていました。

 私は単なるマーケティングのうまさではなく、付加価値をつけるべきじゃないかと思うものの、そもそもマーケティングも全く工夫されてこなかったわけですから、それだけでも段違いでしょう。

 伝統とは変わらないことではない 虎屋黒川光博社長は「伝統は変化の連続」と理解で、和菓子の虎屋の社長が言っていたように、活気がない業界というのは自助努力が足りない場合が多いのだと思われます。厳しい言い方になっちゃいますけどね。


【本文中でリンクした投稿】
  ■豆腐・ラムネ・シャンメリーは大企業製造禁止 中小企業分野調整法の問題点
  ■伝統とは変わらないことではない 虎屋黒川光博社長は「伝統は変化の連続」と理解

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