ノーベル物理学賞の中村修二教授は日本人かどうか、あるいは日本人とは?国籍とは?という話は他でもいくつかあったんですが、ちょっと眺めただけ。かなり関心が高いらしく、結構ネットでは議論になっていたんですが、私はあまり興味がありませんでした。
でも、これはおもしろそう!と思ったが、
「ノーベル物理学賞の中村教授は日本人だと思う?」 米国の大学生たちに聞いてみた_弁護士ドットコムニュース(ケイヒル エミ/ノースカロライナ州)。米国東部ノースカロライナ州にあるアパラチア州立大学の学生らに、「ノーベル物理学賞の中村修二教授は日本人か?」と聞いてみたそうです。
●「中村教授はアメリカ人」派
「中村教授はアメリカ人」派は、何とゼロ! おもしろいですね。"意外にも、中村教授を「米国人」に限定する答えはみられなかった"とのことです。理由については後述します。
●「中村教授は日本人」派
「中村教授は日本人である」と断言したのは、アイリッシュ系アメリカ人の学生は、「私は個人をどこに住んでいるかという点よりも、その人の文化的な背景や価値観に基づいて定義するので、彼は日本人だと思う」と答えました。同様に米国の永住権も持つ韓国籍の学生も「中村教授は日本人」派でした。
しかし、実はこの答えは多数派ではありませんでした。この二つ以外の答えが多かったのです。
それを紹介する前に、記者がこの回答について鋭い指摘をしていましたのでそちらを。記者は上記のような回答をしているのは、"総じて、一つの国にルーツをもつ学生だといえる"としていました。
逆に言うと、"複数の国家にルーツを持つ"学生は異なる判断をしやすかったわけです。たとえば、ドイツ生まれのガーナ系アメリカ人の学生は、以下のような"異色の回答をよせて"います。
●「私のアイデンティティは私が決める」
「本人がアメリカ人だと言うのであれば、彼はアメリカ人だよ」と自己認識の問題だとしていました。この学生さん自身は"アフリカ系アメリカ人としてのアイデンティティを否定された経験があるそう"で、自身の経験が元になっています。
●「日本人でもあり、米国人でもある」派
最も多かったのは実はこの答えでした。"米国政府による2010年の統計によれば、米国の人口の12パーセントが移民一世であり、11パーセントは、親のうち少なくとも一人が他国出身である米国生まれの市民"とのこと。
"米国の若者たちからすれば、何カ国にもまたがるアイデンティティを持つことは、自然なことなのかもしれない"と、記者はまとめています。
「日本人でもあり、米国人でもある」派が一番多かったわけですが、実際には日本は二重国籍を認めていません。そして、どの意見の学生にも共通していたというのが、この二重国籍を認めない日本への批判です。「中村教授は日本人」派の人ですら、"新たに他国の国籍を取得するときに日本国籍を失わざるを得ない""現行法を「ばからしい」と一刀両断"していたそうです。
こういった反応になったのは上記までのコメントでもわかるように、"自身の文化やルーツを大切に"しているためだと思われます。"中村教授を「米国人」に限定する答えはみられなかった"というのも、同じ理由によります。
記事ではマイナーな国をルーツに持つ学生の話ばかり出ていましたが、アメリカ人は古い時代にイギリスやドイツから渡ってきた人たちも自分たちの先祖をたどる調査が好きだ…という記事を読んだことがあります。日本人も血統やら家系やらが好きですが、アメリカ人も好きなようです。
しかし、祖先のルーツを大事にすると言っても、おそらく日本人とアメリカ人とではその感覚が全く異なると思われます。それが象徴的に現れたのが、今回の国籍に関する考え方の違いでしょう。非常におもしろかったです。
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