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半額専門店TOAmart(トーアマート) 運営の東亜産業は謎企業?


 TOAmart(トーアマート) の話をまとめ。<半額専門店TOAmart(トーアマート) 運営の東亜産業は謎企業?>、<考えられないペースの新規出店であっという間にトーアマートだらけ>、<実際に店舗に行きました!おもしろかったものの万人受けは…?>、<大量閉店?出店だけでなく閉店スピードが早いのも実は良い戦略>などをまとめています。

2023/02/16追記:
●大量閉店?出店だけでなく閉店スピードが早いのも実は良い戦略
2023/04/27追記:
●「2023年中に500店舗」のはずが200店舗のほぼすべて閉店へ 【NEW】


●半額専門店TOAmart(トーアマート) 運営の東亜産業は謎企業?

2022/05/15:半額専門店TOAmartなるものがあると知って興味を持ちました。この店名の読み方に迷ったものの、「トーアマート」と読む模様。運営している会社が東亜産業だと知って納得します。そのまんま会社名を使った店名ですね。知ってみれば、至って普通な感じです。

 ここの「半額専門」という売りはユニークであり、てっきりビジネス系の記事が出ているだろうと思ったら全くなし。Wikipediaなどもありません。謎の企業っぽさがあります。仕方ないので出店情報系のニュースから少し紹介。ものすごい勢いで出店してるため、この手のニュース記事なら多量に出てきます。

<東亜産業(本社・東京都千代田区)が展開する24時間営業の半額専門店「TOAmart(トーアマート)」が、北海道での出店を加速する>
<「TOAmart」は、日用雑貨、美容・健康器具、食品などの企画開発・製造、卸を行っている東亜産業が全国展開している24時間営業の半額専門店。問屋を介さず直接仕入れをすることで、低価格を実現>
(24時間営業半額専門店「TOAmart」どこまで増える!七飯町、江差町、幕別町にも出店へ | 北海道リアルエコノミー | 地域経済ニュースサイト 2022/04/21より)
 
 扱っている商品は、食料品、菓子、ドリンク、日用消耗品、衛生用品などなど。要するに「スーパー」という感じですね。ただし、「入荷状況によって店舗の商品は異なる」とのこと。安さを売りにするお店というのは、こういうところがありがち。安くできるものを置いている…といった感じだと想像します。


●日用家電から​化粧品・医療機器、食品まで幅広い商品を取り扱い

 オフィシャルの会社概要や沿革によると、株式会社東亜産業は1996年に東京都中央区にて設立されており、比較的新しい会社。2016年に移転した現在の本社所在地も東京都で、東京都千代田区外神田にあるそうです。すでに上記までの説明で出てきたように、もともといろいろやっていた会社のようでした。

代表取締役 深井昭匡(ふかいあきまさ)
<我々の強みのひとつとして、日用家電から​化粧品・医療機器、食品まで幅広い商品を​国内3ヶ所の自社工場と、中国国内にある​協力工場で迅速に製造できます。 常に様々なところにアンテナを張り巡らし、​目的意識を持って、柔軟な姿勢で取り組むことで、​有益な情報をキャッチアップし、時代のニーズを捉え、​価値を創造することが大切です>

沿革
1996年9月 東京都中央区にて株式会社東亜産業設立
2016年12月 本社を現在の東京都千代田区に移転
2017年
1月 自社工場竣工。九州に自社工場を設立。メイドインジャパンにこだわったものづくりに特化。
7月 グループ会社の設立。東亜化粧品等、別の事業形態の関連会社を数社設立し事業を拡大。
8月 深井が代表取締役に就任と同時に 「東亜グループ」としてホールディングス化
2020年
9月 新社長に深井昭匡が就任
 自社販売ECサイト「TOAMIT」立ち上げ。
2021年
1月
PCR検査センターを開設
10月
TOAmart事業を開始 1号店として秋葉原店をOPEN


●考えられないペースの新規出店であっという間にトーアマートだらけ

2022/05/23追記:トーアマートで驚いたことで特筆すべき点だと思ったのは、出店スピードの早さ。上記の沿革にあるように、「TOAmart事業を開始」したのは2021年の10月となっているのですが、これを見て驚き、「書き間違いではないか?」と信じられませんでした。すでに多数の出店があるためです。

 TOAmartのオフィシャルサイトでは、2021年には100店舗、2022年5月までには300店舗、同年夏期には500店舗の出店を予定しているとしていました。これは飽くまで予定ですが、考えられないスピードでの出店を目指しているとわかります。店舗一覧から2022/05/23時点での店舗数も数えてみました。

北海道 13
東北地方 10
関東地方 58
中部地方 21
近畿地方 20
中国地方 9
四国地方 8
九州・沖縄地方 21
合計 160

 2022/05/23時点では、「2022年5月までには300店舗」という目標の半分程度である160店舗。目標未達です。ただ、これでも約9ヶ月で160店舗、月20件ペースですから、考えられないスピードでの出店。こうしたスピードは成功新興企業の共通点のひとつ。とはいえ、リスクも高く、日本企業らしからぬ大胆さとスピードです。

 この速さの秘密の一つは、沿革の2021年1月にあった「PCR検査センターを開設」というところが関係。「PCR検査センター」そのものは物議を醸したものらしいのですが、ここらへんの話は今後書くことにして、今回は「PCR検査センター」とトーアマートの出店ペースの早さの関係についてだけ書きます。

 どうもこのPCR検査センターをトーアマートに模様替えしているために、物件取得の時間が短縮できている模様。これは発想自体が秀逸で大胆で見事ですね。ところが、最近はPCR検査センターからの転用ではなく、空き物件への居抜き出店が増えているそうですから、やはり驚異的なスピード出店だと思いました。


●実際に店舗に行きました!おもしろかったものの万人受けは…?

2022/06/06追記:トーアマートの感想を見たところ、良いものはあっという間に売り切れるとのこと。おそらく目玉商品を毎日限定数売る…などといった調整をせず、仕入れたものをそのまんま全部出して売り切ってしまうやり方じゃないかと思われます。なので、当たり外れがありそう。掘り出し物探しな店っぽいです。

 で、地元苫小牧にもトーアマートのお店ができていたので、実際に行って見てきました。このお店は空き店舗に出店した形っぽいですね。見てみると、予想した以上に品揃えがマイナー商品ばかり。お菓子が最も多いです。他では見かけない珍しいへんてこ商品が多いので、おもしろがってかなり買ってしまいました。

 ただ、お買い得かの判断は、なかなか難しいところ。ネットで事前に見た感じだと、「半額」というのはどうもコンビニ基準のよう。コンビニはめちゃくちゃ高いため、その半額だと他の安い店と大差ない程度に。また、前述の通り、そもそもマイナー商品ばかり。私は平気ですが、そういう不満もありそうです。

 また、お菓子の中でも特に容量が少ないお菓子が目立ちます。一般的に大容量の方が安く、少ないものは割高になりがち。割高な小容量商品だからこそ半額にしても利益が出せるという事情かもしれません。そもそも売れ残りっぽい商品のラインナップでもありましたけどね。私は好きですが、万人受けしない感じでした。


●新規出店の早さと安さの秘密?簡素なレジ・置いただけ陳列

2022/06/15追記:お店の感想の続き。品揃えが少ないせいか、同じ商品をいろんなところにおいて、品揃えがある感じを演出していたのは笑いました。苦肉の策でやっているんだと思うのですが、実はこれ、賢いやり方かもしれません。単純接触効果と言って、目にする機会が増えるほど好感度が増す効果が知られているためです。

 確か商品はダンボールそのままに置いているだけで棚もなしでした。地価が安い地方の店舗ということもあるかもしれませんが、ドン・キホーテみたいな積み重ねはなく、むしろ低い位置。全く逆に大規模なお店ですが、昔行った別のディスカウントショップによく似ていて、これぞディスカウントショップ!という店内でした。

 また最初に入ってすぐに目についたのが、レジの簡素さ。台をならべてそこに小さいレジ(?)を置いただけでスッキリ。お客さん側にお金の表示がなく、レシートが出るまで一切確認できません。店員さんに聞いてみると、タブレットを使ってるとのこと。ここらへんは安く早く出店するコツでしょうね。おもしろいお店でした。


●大量閉店?出店だけでなく閉店スピードが早いのも実は良い戦略

2023/02/16追記:トーアマートネタはまだまだたくさんあったのですが、書き忘れているうちに<メディア注目の激安店「トーアマート」が大量閉店 「突然の知らせです」従業員悲鳴、現場に混乱も>(J-CASTニュース / 2023年2月15日 18時45分)という記事が出ていました。出店だけでなく、閉店もスピードが早いのかもしれません。

<トーアマートのウェブサイトでは、2月13日時点で206店舗が掲載されている。そのうち3店は閉店したと案内があるが、2月以降に約30店舗の閉店が各店のSNSで発表された。在庫一掃セールや時短営業を始める店も目立つ。SNSアカウントが確認できなかったり、ほとんど運用していなかったりする店も多くあり、規模はこれ以上に及ぶ可能性もある>
https://news.infoseek.co.jp/article/20230215jcast20232456090/

 閉店スピードが早いというのも、実は優れた企業である可能性があるんですよね。いくつかの日本企業について閉店のうまさを紹介した投稿を書いたことがあります。ただし、店長、社員、スタッフなどが「当日いきなり閉店の知らせを受けた」などとする投稿がSNSで複数出ているというのは気になるところ。問題ある可能性があります。

<閉店する店の従業員への対応は適切だったのか。(引用者注:東亜産業の)管理本部は「我々の方で中央労働局と連絡を取り合って、当社としての対応方針を報告しています。そこでただちに問題があるかどうか回答があるわけではないですが、報告した方針に従って対応していきます」としている>

(2023/04/27追記:スピード閉店は良い戦略ではあるものの、解雇通知などは法に従って行う必要があります。正社員なら今回のようなものはたぶんアウトじゃないかと。ただ、どうも契約社員やバイトを使っていたようで、ここらへんのルールがよくわからず。法的な部分を深掘りした記事も見当たりませんでした)

 あと、記事タイトルには、「メディア注目の激安店」という言葉が使われていました。私が書き始めたときにはむしろマスコミ情報がなさすぎて困ってしまったのですが、その後、結構取り上げられたのかもしれません。以下のような実際の例が出ており、確かに私が書いた後は結構報道されていた感じです。

<メディアでの注目度も高い。「ネット上には『小さなドン・キホーテ』という声もある」(毎日新聞)、「値上げラッシュの救世主」(@DIME)、「物価高に苦しむ消費者に喜ばれて、急成長」(ITmediaビジネスオンライン)と次々に紹介されていた>


●「2023年中に500店舗」のはずが200店舗のほぼすべて閉店へ

2023/04/27追記:以前調べた2022/05/23時点でトーアマートは、「2022年5月までには300店舗」という目標の半分程度である160店舗でした。今回読んだ記事によると、2023年1月時点では約200店舗ほど。またしても目標未達でしたが、それでも「2023年中に500店舗」の目標を掲げていたそうです。

 しかし、前回書いた通り、一転して閉店ラッシュ。しかも、前述の店舗数の話があった記事のタイトルは、トーアマート、殆どの店舗が2023年春までに閉店か-東亜産業の24時間営業激安店、開店1年未満で | 都市商業研究所(2023年2月13日 )というもの。「2023年中に500店舗」どころかほぼすべて閉店となるようです。

<「トーアマート」(TOAmart)の殆どの店舗が、2023年2月ごろに閉店する>
<閉店は2023年1月から2月にかけて多くの店舗で突然告知されたもの。全店舗の半分以上が閉店発表しているとみられる。開店したばかりの店舗も少なくなかったため、驚きの声が上がっている>


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