<実はおいしい立ち食いそば屋 重要なのは原価率の低さではない>、<回転率以外にも良いことだらけ…食材ロスの出づらさなどでも有利>、<不思議!すぐ近くにも立ち食いそば屋があるのに潰れない秘密>、<立ち食いで回転率高める「俺のフレンチ」、原価率はむしろ激高>などの話をやっています。
2022/03/04追記:
●原価率の低さは重要ではないとはいえ気になる!原価はどれくらい? 【NEW】
●うまい立ち食いそば屋と食べてはいけない立ち食いそば屋の見分け方 【NEW】
●実はおいしい立ち食いそば屋 重要なのは原価率の低さではない
2014/10/27;うまい・マズいの「おいしい」ではなく、別の意味で立ち食いそば屋はおいしいという話。
回転率 -立ち食いそば屋が潰れない秘密- プレジデントオンライン(2014年8月16日18時15分 公認会計士・税理士 柴山政行 構成=高橋晴美)では、立ち食いそば屋と定食屋の条件を仮定して、次のように比較していました。
立ち食いそば屋 お客1人が平均で6分在店、1時間で10回転 最大15人
客単価:400円 1時間当たりの売上高 「150×400=6万円」
定食屋 お客1人が平均で20分在店、1時間で3回転 最大15人
客単価:800円 1時間当たりの売上高 「45×800=3万6000円」
飲食店ではなぜか「原価、原価」と原価ばかりにこだわる人がいますが、問題は原価率ではないという見方。回転率の早さによって、お客さん一人あたりの売上の低さを補っているという説明です。記事の説明だと、回転率で補っているというか、定食屋よりむしろずっと儲かるという勢いでしたね。
●回転率以外にも良いことだらけ…食材ロスの出づらさなどでも有利
上記では考えていませんけど、定食屋の定員15人のお店の場合、立ち食いそば屋の定員15人のお店より広い面積が必要になってしまうと思われます。こういうところでも立ち食いそば屋は有利ですね。
作者の柴山政行さんは公認会計士として独立する際、商売を学びたいと考えてタイ焼き屋を開いたことがあるそうです。その経験からすると、原材料となる食材を無駄にすることがほとんどないという、そばの食材のロス率の低さというのも効いているのではないか?と書いていました。
コンビニ弁当の廃棄が多い理由 本部が多く注文させるから過剰になどでやったように、この食材の廃棄っていうのは実はかなり効きます。購入したお金が無駄になるだけでなく、廃棄費用がかさんでバカにならないためです。
●不思議!すぐ近くにも立ち食いそば屋があるのに潰れない秘密
あと、これも元記事にはありませんでしたが、立ち食いそば屋さんは比較的使う食材の種類が少ないってのも、廃棄ロスを抑える点で有利になりそうです。作者のやっていたというタイ焼きなんかも顕著ですね。バラエティに富んだラインナップというのは客にとっては嬉しいですが、売れ行きのバラつきのせいで使い切れずに古くなる危険性を増やしてしまいます。
立ち食いそば屋さんみたいなところではあまりメリットないでしょうが、同じ食材が多いというときは価格交渉やスケールメリットの出せるものでも良いかもしれません。BSE発生で完全に裏目に出ましたが、かつての吉野家はメニューを牛丼に絞り込むことでそういったメリットを活かしていたと聞いて感心したことがあります。
最後は話が逸れましたけど、わずか10メートルくらいしか離れていないところに、ライバル店が軒を連ねていることもあるくせになかなか閉店しない立ち食いそば屋の秘密は上記のようなところだと、作者は考えているようです。おもしろいですね。
●立ち食いで回転率高める「俺のフレンチ」、原価率はむしろ激高
立ち食いで回転率って話を聞くと思い出すのは、以前書いた
一流シェフを引き抜いた「俺のフレンチ」の誘い文句とはなにか?の「俺のフレンチ」です。
今回は新たに
Wikipediaを読んでみましたが、"立席をメインとすることにより客の収容数を高めると同時に回転を速めて低価格を実現"として、やはり立ち食いと回転率の話がありました。
これによって薄利多売が可能になり、ドリンク(特に酒)を安く仕入れることもあって、俺のイタリアンでは「原価率40%」以上、俺のフレンチでは飲食業界としては異例の「原価率60%」以上(中には100%を超える商品もある)でも利益を生み出すビジネスモデルを確立した"とも書かれています。むしろ原価率はすごく高いんです。
というか、俺のシリーズでも「俺のそば」ってそばのお店があるじゃないですか。何かいろいろあるんですね、知りませんでした。
食べログ/でレビューを見ているとどうやら安そうな雰囲気。立地が銀座で他店が高いってのもありますかね。俺のフレンチがミシュラン級料理人を入れていたことを考えると、普通の立ち食いそばよりずっとハイレベルの可能性も。立ち食いってのは古くて新しいすごいスタイルのようです。
●原価率の低さは重要ではないとはいえ気になる!原価はどれくらい?
2022/03/04追記:立ち食いそば屋で重要なのは原価率の低さではない…といった話を書いていたものの、原価は実際どれくらいなのか?と知りたい人がいると思うので検索。すると、
かけそばばかり頼まれると苦しい立ち食いそば 儲けの源泉は|NEWSポストセブン( 2014.08.03 07:00 SAPIO2014年8月号)という記事に原価の話が出ていました。
<もちろん店によっても異なるが、かけそばの食材原価は概ね、そば30円とダシ20円で50円程度。これにネギやわかめを乗せて250~300円で提供している店が多い。だが、「業務用スーパーで販売されている1枚40円程度のかき揚げを載せれば400円前後で販売できる。天ぷらをトッピングする人は多いので利益率は大幅に上がる」と前出の店主は語る。
「エビ天はさらに利益率が高い。エビは小型のものを仕入れ、切込みを入れて叩いて伸ばす。これに衣をつけてカサを3倍にする。安い冷凍エビは1尾25円程度。かき揚げよりも原価は安く、売値は100円以上高くなる」>
ただ、前述の通り、この記事のタイトルは「かけそばばかり頼まれると苦しい立ち食いそば」なんですよね。単純に低い原価で稼いでいるわけではなく、上記にあるようなトッピングによって稼いでいるという説明です。とはいえ、結局、原価しか考えていない記事で、全体に考えが浅い三流記事でした。
●うまい立ち食いそば屋と食べてはいけない立ち食いそば屋の見分け方
こんな考えが浅い三流記事が信頼できるかどうかは微妙ですが、いろいろな人に話を聞いており、それぞれの信頼性は別々でしょうか。例えば、“B級グルメ評論家”の柳生九兵衛さんは、「うまい立ち食いそばを食べたいなら、立地の悪い店が狙い目」と指摘。以下のような説明で、納得感はあります。
「駅周辺や駅構内に展開する店は早さを追求しており、麺を茹で置きしてすぐに出せる状態にしています。逆に、駅から少し離れた立ち食いそば店は提供まで多少の時間がかかっても、こだわりのそばを提供する隠れた名店ということが多いですね」
逆にできれば避けたい立ち食いそば店もあり、都内の大手製麺業者によると、「昼のピークタイム後もトッピングのかき揚げなどが山積みされている店は要注意」だとのこと。補足説明がありませんが、鮮度が悪いとか、不人気店とかいった意味ですかね。トッピングは閑散としている状態の方が良いようです。
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