女性の労働に関する話をまとめ。とりあえず、<フィンランドの「男女平等」は、女性が男性化することではない>と<仕事しなくていいのなら仕事したくない 女性も男性もいっしょ>をまとめています。
●フィンランドの「男女平等」は、女性が男性化することではない
2014/10/27:
午後4時に退社? フィンランド人が徹底的に効率よく働く理由とは(The Huffington Post 投稿日: 2014年08月30日 09時09分 JST 靴家さちこ)という記事がおもしろかったです。まずはうちでタイトルにした<フィンランドの「男女平等」は、女性が男性化することではない>という話から紹介します。
2004年の時点で、"フィンランドの家庭における共働き率は7割を超えていて、働く夫婦は午前8時から午後4時の8時間労働"でした。"子供の朝ご飯は保育園で提供され、夫婦のどちらか朝早い方が子供を送り、残業の可能性が低い方が迎えに行くなどして分担してい"たそうです。
ただ、"朝は父親が園まで送り届け、夕方に母親が迎えに行くというパターン"が多いとのこと。これは夫婦でちゃんと家庭のことを分担し、助け合えている例ではあるのですが、同時に仕事における男女差も示してるのです。日本と同じく女性の方が残業の可能性が低いため、迎えに行くのは女性となりやすいといいます。
また、おもしろいことに、"北欧は「男女平等」の国とはいえ、女性が男性化することが平等とは捉えられていない"そうです。"母親であることを優先する女性は、定刻で帰れる職種を選ぶ"ということで、必ずしも男性職場がいけない、女性を入れなくちゃならないってことはないみたいですね。
あと、記事では「北欧は」としていましたけど、
ノルウェーが欧州で唯一女性も徴兵へ これが本当の男女平等?のノルウェーも本当に同じ考え方なんだろうか?というのは、気になったところ。このとき紹介した徴兵の話で受けた印象では、ノルウェーはフィンランドとはだいぶ考え方が異なるように感じました。
それから、フィンランドはすごいよ、素晴らしいよ…って話じゃないという意味でおもしろいマイナスの話も紹介。なんと「フィンランドの離婚率は50%」だそうです。"共働き夫婦が抱く「家族の時間」や「夫婦の時間」「父親の育児参加」に対するパートナーへの期待は思いのほか大きく、大き過ぎるがゆえに、そのギャップにも傷つきやすい"と作者は解説していました。
他に"アフター4という長い時間を長年共有するというだけで、お互いの欠点や嫌なところが目に付き拡大して離婚に至るケースも珍しくは無い"という記述もあります。「アフター4」とあるように4時で帰るんですけど、この後もゆっくりできないみたいなんですよね。まず、4時で終わる理由は、保育園が基本的に5時で終わるためでした。
そこから家へ帰って"家族でさっと夕飯を食べたら、音楽やスポーツなどの子供の習い事"。親は親で"女性ならヨガやジム、あるいは語学教室、男性ならジョギングやゴルフにハンティングなど"と忙しいです。また、"パソコンで副業をしたり、社用メールの返事を書く人もいる"そうです。何だかたいへんですね。
ただ、先ほど出した離婚率の高さが必ずしも不幸を現すのか?と言うと、複雑なところがあります。以前やった
離婚の多い国・少ない国ランキング 「結婚数-離婚数」日本は何位?を見ると、離婚率の低い国が本当に幸せな結婚をしているのかは怪しく感じます。
1位がエジプトで、2位が中国だったんですよね。不満がなくて離婚しないのではなく、不満があっても離婚できないのではないか?と思わせるものです。離婚できるというのは、ある部分においては幸せであると言えるかもしれません。
また、結婚に関しては、
キルギスの誘拐婚 誘拐された女性の8割が結婚を受け入れる理由の話も考えさせるものがあります。離婚の多い国が不幸せで、離婚が少ない国が幸せ…というのは、短絡的かもしれません。
とりあえず、いろいろとおもしろい記事であり、考えさせる記事でもありました。
●仕事しなくていいのなら仕事したくない 女性も男性もいっしょ
2022/08/11追記:女性の労働に関する話が読まれないのでまとめ。ここからは「仕事しなくていいのなら仕事したくない 女性も男性もいっしょ」というタイトルで書いていた話をまとめています。今考えると、ちょっとよくわらかないタイトルだったかもしれませんね…。
2015/1/27:長時間労働についての話で紹介した
長時間労働は本当に必要? ほとんどの社員が17時に帰る年商59億円の化粧品会社(小川たまか) - 個人 - Yahoo!ニュース (小川たまか | ライター/プレスラボ取締役 2014年11月5日 12時56分)という記事。長時間労働メインの話話では関係ないので飛ばしていたものの、「本当はみんな仕事したくない」って話もおもしろかったんですよ。
これは<ネット上では(ネット上だけではないだろうが)「そもそもそんなに働きたいと思っている女性はいない。景気が良ければ働きたくない女性が大半だろう」という声>について書いたところで出てきました。作者の小川たまかさんは、「働かなくて良い状況になれば働きたくないのは男性だって同じだろう」と指摘していたのです。
言われてみれば、そりゃそうだな…という話ですね。女性に関してだけ上記のような意見がよく言われるのは、男性が家族を養って当然という時代が過去に長かったことで、その意識がまだ強く残っているためでしょう。
ただ、男性は働いて当たり前という意識があるからといって、男性が実際に働いているとは限りません。
ソースが消えてしまっていますが、総務省が実施した2012年の労働力調査によると、いわゆるニートは全国で63万人、うち女性は4割近い23万人というデータが検索すると見つかりました。つまり、男性ニートは40万人ほどいるということです。
また、
「ニート」の若者の割合、過去最高に--25歳~34歳の"年長ニート"が半数超 | マイナビニュース(御木本千春 [2013/06/18])では、ニート自体の数が過去最高にまで増えているという話がありました。
<政府は18日、2013年版「子ども・若者白書」を閣議決定した。同白書で、15~34歳の若者を対象に2012年の雇用状況などを調べたところ、就職せず、通学や家事もしていない若年無業者(ニート)は前年度比約3万人増の約63万人となった。同年代に占めるニートの割合は2.3%で、
統計を開始した1996年以降で最も高くなった。>
なお、理由については、15~19歳では「学校以外で進学や資格取得などの勉強をしている」と「病気・けがのため」が、多かったようです。本来のニートの定義からすればこれでいいんですけど、働かないでサボっているといったイメージや就活失敗というものとは異なります。
大学卒業組の入る20~24歳や、それ以上である25~29歳については、"前述の2つに加え「知識・能力に自信がない」が多かった"という書き方をしていました。結局、さっきの二つの理由も入るんですね。ただ、「知識・能力に自信がない」は皆さんのニートに対するネガティブなイメージに合致しそうなものです。
「働かなくて良い状況になれば働きたくない」とは厳密には異なるものの、最近やった
就活で内定が多いのは、長男長女・次男次女・三男三女以降のどれ?では、圧倒的に長男長女の内定獲得が多く、次男以下の内定獲得状況は劣っていました。
この理由については、長男長女は就職しなくちゃというプレッシャーがあるからでは?といった分析だったんですよ。これを逆に言うと、働かなくてはいけないという要素が減ると、就活も無意識に手を抜きがちになってしまうということでしょう。
実はそこで使った記事の未引用部においては、専業主婦家庭より兼業主婦家庭の方が内定を多くもらっていたという話もありました。この解釈はいろいろと考えられるものの、やはり就職する必要性の高さも関連していると思われます。
(単純な世帯年収で言うと、実は兼業主婦家庭の方が専業主婦家庭より多いです。ただ、大きな差ではないので、片親だけの年収で見るとやはり兼業主婦家庭の方が見劣りすると予想されます)
ああ、そのものズバリな話を忘れていました。過去には、
仕事が嫌い・好きじゃない人、世界の9割 中国・日本は特に悪いというのもやっています。日本は「仕事が嫌い」24% 「仕事が好きじゃない」69% 「仕事が好き」7% という結果。男女合計での数字ですけど、やっぱり仕事なんかやりたくてやっているんじゃないんですという話になります。
なお、途中で男性で働いていない人も増えてきている…といった話を書いたのは、別に男性が女性を養うのが当たり前だと主張したかったわけではありません。むしろ男性が家族みんなを養うというのはハードルが高すぎるために、不幸を招いていると私は考えています。夫婦で助けあって暮らした方が良くありません?
最初でリンクした
長時間労働は本当に必要? ほとんどの社員が17時に帰る年商59億円の化粧品会社という記事の主なテーマは、育児などをする女性でも働けるように労働時間を短くするには?という話でした。その中で作者は以下のようにも書いていました。
<強調したいのは、長時間労働が当たり前という現在の状況が少しでも変われば、変わるのは女性の働き方だけではなく、男性の働き方でもあるということだ>
前半の<フィンランドの「男女平等」は、女性が男性化することではない>でも夫婦で助けあっている感じがありましたし、
シンガポールのホワイトカラーエグゼンプションは残業などしないでも家庭生活を重視していることが感じられました。海外では、私生活の充実のために長時間労働を避けようとする人が、男性でも多いようです。
このように、長時間労働を減らすことは男性にも女性にも良いことでしょう。そして、どちらも働いてお互いに助け合うというのも、これまたお互いにとって利益があることだと思います。
【本文中でリンクした投稿】
■
ノルウェーが欧州で唯一女性も徴兵へ これが本当の男女平等? ■
離婚の多い国・少ない国ランキング 「結婚数-離婚数」日本は何位? ■
キルギスの誘拐婚 誘拐された女性の8割が結婚を受け入れる理由 ■
仕事が嫌い・好きじゃない人、世界の9割 中国・日本は特に悪い ■
就活で内定が多いのは、長男長女・次男次女・三男三女以降のどれ? ■
シンガポールのホワイトカラーエグゼンプションは残業などしない【関連投稿】
■
仕事・ビジネス・就活・経済についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|