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公共工事は儲かりすぎ?利益を返還する企業現る 脱談合の希望社


2010/8/31:
公共工事は儲かりすぎ?利益を返還する企業現る
脱談合の希望社、「談合しない」の垂れ幕も
高すぎる公共工事はまだたくさんあるのではないか?
2018/04/04:
希望社は激安ホテルも運営している


●公共工事は儲かりすぎ?利益を返還する企業現る

2018/04/04:最近は人件費が高騰するなど、また状況が異なると思いますけど、以下、2010年当時の話です。

2010/8/31:建設業界で公共工事はおいしい仕事だと言われますが、一方で特別なノウハウ(それともコネ?)のある会社じゃないと取れないも聞いたことがあります。(ただ、その特別な会社の下請け、孫請けを狙うという手はあります)

 「おいしい」というのは、つまり価格が高すぎるということ。"公共工事で余った880万円、返します 岐阜の建設会社"(2010年8月24日 朝日新聞 前田基行)なんてニュースを見てしまうと、やはり過剰な利益が生まれているのでは?と考えたくなります。
http://www.asahi.com/national/update/0823/NGY201008230016.html

 記事を元に時系列で起こった出来事を並べていきます。

(1) 岐阜県立衛生専門学校の耐震工事を「希望社」が、「最低制限価格」を少し上回る約5100万円で落札。
(2) しかし、工事が完了して精算したところ、費用は最終的に約3580万円で済む。(これは、希望社が「適正な利益」と考える約360万円を含む)
(3) そこで、県から受注した工事で「過剰な利益」が出たとして約880万円の返還を申し入れる。(残る640万円は、工費の圧縮に協力してくれた下請け業者らを招いた感謝の集いや今後の入札改革の活動原資に充てる方針)
(4) 県側は希望社に「入札の支払いの精算は終わっており、返還はあり得ない話」(公共建築住宅課)と説明。
(5) すると、今度は同額を寄付する考えを伝える。(県側は「内部で検討したい」とのこと)


●脱談合の希望社、「談合しない」の垂れ幕も

 この岐阜市の建設会社「希望社」は変わった会社で、大手ゼネコンに勤務していた桑原耕司会長が1988年に創業。社屋には「談合しない」と書かれた垂れ幕を掲げており、「脱談合」を大きなテーマとしているようです。

 この会社について他に何かないかなと探すと、"川崎市談合で課徴金1億2000万円 20数社に納付命令へ"(産経新聞 2010/03/04)なんてニュースがヒットして、「え?ちょっと前まで談合していたの?」と勘違いしてしまいましたが、希望する会社という意味での「希望社」で全然関係ない話でした。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/364615/

"関係者によると、20数社は遅くとも平成20年3月から約1年間、川崎市が発注する下水道を地中に埋設する工事の一般競争入札で、落札したい社は事前にその旨を他社に伝え、希望社が複数ある場合は話し合いで決めるよう調整する方法で談合を繰り返していた疑いがもたれている"

 他に見つけた"「談合反対」業者を排除した市に賠償命令、岐阜地裁"(産経新聞 2009/10/28)という記事は、ちゃんと関係あるもの。希望社が公募型指名競争入札1件を除く指名競争入札で、指名されなかったことに対して岐阜市に損害賠償を求めたものです。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/318104/

 岐阜市は「(同社のように)公共工事の実績がない業者は、下請け工事などの経験を経て指名対象にするのが慣行」と主張しましたが、判決は「慣行が存在したとは認められない」と退けます。そして、「指名回避の合理的な理由はなく、(市の措置は)裁量権の逸脱」などとして、訴えのうち一部期間について違法と認めたそうです。

 これなんかは最初に書いた「特別なノウハウ(?)のある会社」ってヤツかもしれません。


●高すぎる公共工事はまだたくさんあるのではないか?

 最初の話に戻って、「最低制限価格」の必要性について。これは安すぎて怪しい業者を排除するために設けられているのではないかと思いますが、この工事ではそれを「少し上回る」価格でありながら、希望社が「適正」と考える以上の利益がたくさん出てしまっています。

 これは県側の設定したそもそもの「価格」が高すぎるということで、この件に限らず日本中の多くの公共工事で余分な「利益」が生まれている可能性があります。

 冒頭で紹介した「公共工事はおいしい」というのも、本質的に利益を追求しないという自治体の性もあると思いますが、それ以上に受注価格が高すぎるのではないかと思います。

 希望社の桑原耕司会長は「最低制限価格の設定など、役所主導の仕組みがコスト削減努力や競争原理を阻んでいる。公共工事の発注の現状を県民に知ってほしい」とも話しているそうですが、むしろこのことを一番よく知っていてほしいのは自治体側だと思います。

 「入札の支払いの精算は終わっており、返還はあり得ない」という対応自体は間違っていると思いませんが、この経験は今後に生かしていけるはずです。

 自治体にとってはどうせ「他人の金」という程度のものなのかもしれませんが、無駄に使われているのは「国民、県民の税金」です。このことは各自治体にも真剣に考えてほしいと思います。


●希望社は激安ホテルも運営している

2018/04/04:希望社については、意外なニュースの中で目にしてびっくりしました。反おもてなしで客にゴミ出しさせる激安ホテル「ウィークリー翔」、希望社が運営というので書いているのですけど、ホテルもやっているんだそうな。このホテルもめちゃくちゃユニークなものです。

 あと、談合関係の話もその後いくつか書いています。その中で一番強烈なのは、談合の割合は2割?国交省発注公共工事の統計分析で不自然な入札が出現という投稿でしょう。

 受注結果を分析すると、談合があったとしか思えない不自然な価格の工事が多量にあることがわかったのです。よく考えたなという手法で、研究者の方は分析されています。


【本文中でリンクした投稿】
  ■反おもてなしで客にゴミ出しさせる激安ホテル「ウィークリー翔」、希望社が運営
  ■談合の割合は2割?国交省発注公共工事の統計分析で不自然な入札が出現

【関連投稿】
  ■建設の談合を悪とするのは反日左翼なマスゴミ思想!安倍政権潰しの狙いもJR東海リニア談合問題にはある
  ■ダム建設費用問題の盲点 寿命が来たら更新・撤去する費用も必要
  ■公共事業とは、税金をいかに無駄に使うかを競う競技である
  ■日本と海外の公共事業予算の推移を比較すると日本は少なすぎというのは本当か?
  ■政治・政策・政党・政治家についての投稿まとめ

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