ドイツで勤務時間外の電話・メール禁止検討というニュースが話題になっていました。日本もやろうよ!と思ったのですが、なんと日本では既に禁止になっていたと知って驚き。
日本の方が進んでいたわけなのですが、実際には勤務時間外に仕事の電話やメールを受けた方はいるでしょう。そもそもそんなの知らなかった…ということで、全く守られていない法律のようです。こういうパターン結構ありますね。
ドイツがこういう法律を作ったのは、ストレス過多による健康被害を防ぐためという目的でした。勤務時間外のメールを受けると、心臓や血管の不調などの病気が多くなるといった報告もあるそうで、こちらについても紹介しています。
2014/11/4:
●ドイツで勤務時間外の電話・メール禁止検討、反対は経営者だけ
●日本では考えられない?政治家が根拠について重視する発言
●勤務時間外の仕事メールや電話 日本ではとっくに禁止になっていた
●過労死とも密接に関係する勤務時間外の仕事メールや電話
2017/12/03:
●勤務時間外のメールを受けると、心臓や血管の不調などの病気が多くなる
●ドイツで勤務時間外の電話・メール禁止検討、反対は経営者だけ
2014/11/4:
ドイツ:「勤務外の電話やメール禁止法を」議論呼ぶ提案(毎日新聞 2014年08月08日 11時51分(最終更新 08月09日 04時38分)篠田航一)によると、ドイツ最大人口州の北西部ノルトライン・ウェストファーレン州のシュナイダー州労働相が、ストレス過多による健康被害を防ぐため、勤務時間外に業務関連の電話やメールを禁じる法律の全国的な導入を求めたそうです。
シュナイダー州労働相は「特定の時間以降、上司が部下に連絡することを禁じる法律が必要だ」と述べ、勤務が終われば、労働者が完全に仕事から離れる権利の重要性を指摘しました。
この法律の全国的な導入は、まだ「議論を呼んでいる」という状態。ただ、賛否は結構偏っているのではないか?と思わせる内容ですね。ドイツ経営者連盟という業界団体が「法制化はやりすぎだ。心身の負担を職場の上下関係だけのせいにするのは不当」としていましが、出ていた反対意見というのは、これくらいなのです。
●日本では考えられない?政治家が根拠について重視する発言
シュナイダー州労働相が属する社会民主党はメルケル大連立政権の与党であり、同党のライマン副議員団長は歓迎。ナーレス連邦労働社会相も5日、報道官を通じ「科学的知見を集め、検討する」と述べ"て、前向きなように見えます。
また、一部の省庁や自動車メーカーが、終業後には緊急事態以外、従業員に業務メールを送らないなどの規則を導入しているということで、産業界でも前例があります。反対している業界団体というのは強敵ではありますが、賛否ははっきりしているように見えます。
というか、途中であった科学的根拠があるかを検証するという発言は、日本の政治では聞いたことが無いものでそれだけでびっくりですね。日本の政治家はあらゆることで、根拠を重視せず、むしろ積極的に無視している風にすら見えます。
(例えば、
朝型勤務「ゆう活」やサマータイム制度がそうです。また、疑惑の説明でも根拠を出しませんね。ここだけ2019/12/26追記)
●勤務時間外の仕事メールや電話 日本ではとっくに禁止になっていた
記事では、経済協力開発機構(OECD)の統計によると、ドイツの労働者の年間1人当たり平均労働時間は1388時間(2013年)で、日本の1735時間(同)より少ないとありました。1400時間のドイツですらこの意識、1700時間の日本もぜひ導入を…と思ったら衝撃の事実が!
なんと
「勤務時間外の電話やメールは禁止」 ドイツで話題の「反ストレス法」日本にも必要?|弁護士ドットコムトピックス(2014年09月02日 11時05分)によると、既に日本では禁止されていて、罰則まであるんだそうです。日本の方が先進的でした。
「実は、日本では、このような行為は、すでに労働基準法によって禁止されています。しかも、違反した場合、使用者への罰則規定もあります」(土井浩之弁護士)
●サービス残業や体罰同様、建前だけの禁止?
夜間や休日を問わず上司などからかかってくる「職務の電話」は、多くの日本の会社で日常茶飯事じゃないかと思います。私も経験がありますね。しかし、法律上は間違いなく禁止になっているんだとのこと。
日本ではサービス残業なんてのも同じ状況ですし、実は学校での体罰も以前から禁止されているのに長らく放置していたというものでした。意識したわけじゃないのに同日投稿になった
トラック運転手の犠牲の上にあった日本の物流システムが限界にもそういう話が出てきています。
それから、
有給休暇に理由は必要ない むしろ理由がいるのは取得を拒む会社側もそういうものですね(この部分だけ2017/12/03追記)。今回の電話・メールの件も、さすが日本だな…と思わせるエピソードです。
しかも、土井浩之弁護士の話を聞いていると、かなり労働者に優しく、企業に厳しそうな法律。「もし、労働者が、就業時間外の電話やメールに対応しなければならないとすると、それは『手待ち時間』ということになり、すべての時間が賃金の対象となる労働時間になる」とのこと。法律上では、電話やメールが来たら残業代も請求できちゃいます。
●過労死とも密接に関係する勤務時間外の仕事メールや電話
苦笑いする日本らしい話ですが、笑っていられないのが次の話。「過労死事件では、ほとんどの事例で、勤務時間外のメールや電話を受けて」いるという恐ろしい事実です。
「こうした時間帯の連絡は、上司からの叱責や、取引相手からのクレームなど、ストレスの大きいものが多いよう」だと、土井弁護士は解説していました。
やはり「日本らしいよね」と笑って許すべきことではありません。法律遵守を求められるような社会を作っていかねばなりませんね。
●勤務時間外のメールを受けると、心臓や血管の不調などの病気が多くなる
2017/12/03:最後の過労死と関係ありそうな話がありました。科学的心理学会(APS)のブログがに掲載された記事では、「メールのチェック回数が多いほど、病気になる恐れが高まる」ことが研究でわかったとしていたのです。
(
勤務時間外のメールチェックは身体に悪影響を及ぼす:研究結果 | ライフハッカー[日本版] 2017.02.09 Jessica Stillman(訳:長谷 睦/ガリレオ)より)
24時間365日、電子的機器を通じて仕事につながれた状態でいるのはストレスになり、燃え尽きや極度の疲労につながるということ。アメリカ人の書いた記事らしく、まどろっこしい書き方をしていてわかりづらいのですが、ドイツで2万4000人を対象に実施された大規模な調査によって導き出された結論のようです。以下のように書かれていたそうな。
「この調査により、勤務時間後に職場から連絡を受けることが多いと回答した人では、健康に問題を抱えていると答える割合も多いことがわかりました。そうした人たちが訴える症状としては、骨や筋肉の痛み、あるいは心臓や血管の不調などが挙げられます」
また、このほかにも、時間外のメールチェックが一般的なストレスを引き起こすことを指摘した研究は数多くあると記事ではしていました。
なお、この記事を書いた人の住むアメリカの場合、このような法律は夢のまた夢だろうと諦めた様子。特にトランプ新政権のもとで、労働者の保護につながる法律を制定しようとする大きな動きが、今後すぐに起きるとはとても思えないとしていました。良かった、日本にも仲間がいましたね。
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