さすがに大げさに言っているんじゃないかな?と思いますが、
「劣等生」が過半数を超えた日本の教育現場 : 人類応援ブログでは、「教育七五三」という言葉が紹介されていました。元NHK記者のルポライター瀧井宏さんの著作「
「教育七五三」の現場から-高校で7割・中学で5割・小学校で3割が落ちこぼれ (祥伝社新書)
」によって広がった言葉だそうです。
「教育七五三」は以下のような意味だとされていました。
3割が小学校までに、
5割が中学校までに、
7割が高校までに、
学習指導要領によって定められた学習カリキュラムについていけなくなること。
高校生の7割がカリキュラムを理解できていないわけなのですが、これは高校生の7割が中学生並みという意味ではありません。「一度カリキュラムから脱落した子供たちは、そのほとんどが次のカリキュラムに進むことができないでいる」ためです。
つまり、高校生は以下の4つの理解レベルによる分類に分けられるということでしょう。衝撃的な結果になります。
3割 高校生レベルまで理解している高校生
2割 中学生レベルまで理解している高校生
2割 小学生レベルまで理解している高校生
3割 小学生レベルを理解できない高校生
「一度カリキュラムから脱落した子供たちは、そのほとんどが次のカリキュラムに進むことができないでいる」は科目によるとは思うのですが、元ネタで例示していた算数はわかりやすいです。
例えば小学校の「分数」の分野でカリキュラムについていけなくなった子供がいたとします。彼は分数の概念が理解できないわけですから、「分数の足し算」や「分数のかけ算」に進むことができません。
分数の計算ができないということは、「割合」や「比と比例」などの分数の計算を前提とする高次の分野に進むことができないということでもあります。当然中学以降の数学、例えば「1次関数」や「図形の相似」などにも進むことが出来ません。
当然ですね。積み重ねでやっていく教科の場合、基礎ができていないのに応用が解けるはずもありません。
これは「ゆとり教育」(諸説あるが今は脱ゆとり教育)などと言われた日本の教育レベルが、まだまだ高すぎる、難しすぎるせい…と考えてしまうとちょっと違うようです。
先ほどの七五三の数字はすべての科目において…という意味ではないかもしれないのです。同じく例に出ていたある中学3年生の生徒は、"彼はそもそも二桁の足し算・引き算のレベルから算数に躓いて"いました。しかし、"数学以外の科目には特に問題がありません"でした。
また、"小学生レベルを理解できない"からと言って、理解できる能力がないというわけではないようです。"小2レベルの計算ドリルから学習を始め"ると、"通信簿「1」の劣等生がみんなと肩を並べるまで1年もかからなかった"そうです。
この原因は能力以外のところにあります。数学だけできないことを不思議に思った作者が「小2のとき何かあった?」と聞くと、「インフルエンザで1週間くらい休んだことがあったかも」との答えでした。足し算・引き算で重要な授業の"タイミングを逃してしまい、以後ずっと算数の授業がわからないまま"だったというのが、彼が数学だけできなかった理だと推測されていました。
ですから、多くの「おちこぼれ」「劣等生」の生徒は、特別な指導法がなくても「どこからつまずいているか」を知り、そこからやり直すことで本来のレベルまで取り戻すことが可能だと作者は言っていました。
要は「生徒ひとりひとりに合ったケア」ができれば、少なくとも「教育七五三」のような状態を逃れることは可能なのですが、「主に教員のリソース不足」で頻繁な補習授業などができないようです。
(下書き時には発表されていませんでしたが、最近財務省が40人学級に戻すと86億円の人件費を削減できると試算して、非常に非難されています)
衝撃的な話でしたが、これは飛び級のような抜けてできる生徒の逆パターンかな?と最初思ってしまいました。飛び級クラスの生徒に学年の縛りを与えないように、ある学年でつまずいた生徒も学年の縛りを無くしてできるまでやってもらうってのも手じゃないか?とちょっと思ったのです。
ただ、小中高でこういった留年ってのは抵抗がある人が多そうですし、ちょっとつまずいたのではなく本当にできない生徒はいつまで経っても卒業できません。進級って本来そういうもので、私の行った大学でもガンガン留年(そしてときには退学)していたものの、小中高でそれはさすがに厳しすぎるだろうなと思いました。
第一、そもそもそこまで大げさな話ではなく、元の投稿の指摘はカリキュラムから遅れていないか気にかけて、見つけたらほんの少しケアするだけで良いって話だと思われます。例で出ていた数学のできない生徒なんかは、足し算・引き算でつまずいたことに気づいてなおかつケアすれば、中学3年生になってからやり直す必要など微塵もなかったと思われます。
やっぱり「教員のリソース不足」って話が出ていますので教員の増加、あるいは、書類仕事が多すぎるとも実はあったので、教員の仕事内容の見直し…といった対応が、王道だと思われます。
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