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パレートの法則?仕事ができない社員を解雇した会社のその後…


 パレートの法則関連の話をまとめ。<2-6-2の法則・パレートの法則・働きアリの法則の間違った理解>、<パレートの法則?仕事ができない社員を解雇した会社のその後…>、<下位3割の社員は「仕事ができない」というのは間違いだった?>などの話をまとめています。

 その後、<双方にとって不幸な状態なので、実はリストラされる社員も幸せ?>、<できない社員をいじめて解決…ではない 一番問題なのは会社側>という話も追記しました。

2022/09/16追記:
●双方にとって不幸な状態なので、実はリストラされる社員も幸せ? 【NEW】
●できない社員をいじめて解決…ではない 一番問題なのは会社側 【NEW】



●2-6-2の法則・パレートの法則・働きアリの法則の間違った理解

2019/11/16:パレートの法則・働きアリ(2-6-2)の法則による組織論の嘘 人間はアリと違う、長谷川英祐准教授も言及の後、やろうと思っていた話をすっかり忘れていまいた。

 向こうでやったように、パレートの法則は世の中の物事に偏りがあることを示した経験則。2-6-2の法則や働きアリの法則とも言われますが、働きアリのうち、よく働く2割のアリが8割の食料を集めてくることや、働きアリのうち、本当に働いているのは全体の8割で、残りの2割のアリはサボっている…といった偏りがそういったものです。

 企業の収益においてもこのような偏りはよく見られており、上位2割が8割の収益を稼ぎ出し、下位2割がほとんど役に立っていない…といったことが起きます。こうした偏りはよくあることで、下位2割を解雇してもまた8対2の偏りが見られる…といったことが起きます。

 ただし、私が間違っている理解だと前回強調したのは、これは「下位2割をリストラすると、残った人の2割が以前と同じできない人になるからリストラしてはいけない」という意味ではないということ。できる人同士で集まった組織においても偏りが見られるという意味であり、できる人が突然できない人になるわけではありません。

 これは逆パターンで考えた方がずっとわかりやすいでしょう。さっきとは逆にできる人や普通の人を解雇して、できない人だけの組織にしたら、仕事はできなかった人たちが突然仕事ができる人に次々と変身していくか?と考えてみてください。この例なら「そんなはずない」とわかりますよね。

 もし仮にどのように解雇もしくは採用をしても、どの会社でも同じレベルでできる人とできない人がいるのでしたら、採用試験は要りませんし、会社の優劣も現れないということになります。実際には、できない人をリストラする、できる人を集めるということは、会社の業績向上に有効な場合が多いです。


●パレートの法則?仕事ができない社員を解雇した会社のその後…

 で、紹介したかった話というのが、「仕事ができない人」を全員クビにした会社で起きた驚きの結果 - 新刊JP(2017年11月24日 19時配信)。はてなブックマークでは、<タイトルだけ見て「残った従業員の中からダメな社員がまた現れて云々」という話を予想した人は手を挙げて>が圧倒的な1番人気なっており、パレートの法則を連想した人が多くなっていました。

 しかし、実際の記事の内容は、パレートの法則の話ではなし、前述の間違った理解の結果にもなりませんでした。むしろ逆です。オンラインDVDレンタルから始まり、今では映像ストリーミングサービスで成長を続ける「Netflix(ネットフリックス)」という成功企業の話であり、結果は社名を見た時点で明らか。成功したという話だったのです。

 EXTREME TEAMS(エクストリーム・チームズ)--- アップル、グーグルに続く次世代最先端企業の成功の秘訣によると、ネットフリックスは100人ちょっとの小規模な会社だったときに、資金繰りに窮し、最も有能な社員80人を残して、その他の3割の人材を解雇したとのこと。これはやむなくであり、会社は人員不足を心配しました。ところが、結果は全く逆。むしろ仕事がスムーズになったというのです。


●下位3割の社員は「仕事ができない」というのは間違いだった?

 ネットフリックスのCEOは「誰かの不手際をフォローするための雑務が必要なくなった」と説明していたとのこと。つまり、人数が減った後の方が仕事の質が高まり、業務のスピードも上がったのだそうです。

 優秀な人の少数精鋭になったネットフリックスは、一部の「できない人」に足を引っ張られることなく、卓越した人材同士が信頼し合い、能力を余すところなく発揮できる場になったといいます。これは前述の「リストラすると、残った人の2割ができない人になるからリストラしてはいけない」という誤解と全く逆でした。

 ここまでの劇的な変化はさすがに私も想定外でしたが、下位の3割の社員について「仕事ができない」と表現してきた前述の説明は、どうもこれでもまだかなり甘かったみたいですね。仕事ができないどころではなく、他の人たちの仕事を邪魔するレベルであったようです。かなり残酷できつい話になってしまいました。


●双方にとって不幸な状態なので、実はリストラされる社員も幸せ?

2022/09/16追記:最初のときに書いたはてなブックマークが、私のメモしている「後で書く」リストのところに残っていました。何か紹介したい話があったんだと思われます。正直全く思い出せないのですが、改めて眺めてみて以前紹介した以外の反応も引用しておくことにしました。

 反応で多かったのは、これは評価制度が有効な場合に限る…という話。「日本の場合はまず評価制度からおかしいから、真似すると優秀な3割が消えるぞ」「評価がまともなことが前提だから結構リスキー」などといった反応がありました。日本だけの問題…という点は疑問ですが、リスクがあるという点は同意します。

 あと、実はできない人にとっても幸せなのでは?という反応も。<この場所で「できない人」も、別の場所では「できる人」になれるかもしれない。合わない人が辞められず居続けないといけないのは、双方にとって不幸なのでこの方がいいと思う>、<強引にミスマッチを解消したと見れば妥当か>がそうです。

 読み直してみると、この意見がおもしろいと当時思ったのかもしれませんね。転職が当たり前の海外では、日本のように上司が叱るとすぐ転職してしまうことがあるそうです。「ここでは評価されない。じゃあ、評価されるところに行こう」という考えだとのこと。この考え方を持てた場合、ポジティブな話になってきます。


●できない社員をいじめて解決…ではない 一番問題なのは会社側

 おもしろいと思ったのはたぶん上のコメントですが、もう少し人気コメントを紹介。<開発においてはできない人や新人のフォローコストはバカにならない。新人入れると開発力半分になる見積もりしてるなぁ。採用においてはできる奴入れるよりもできない人を排除する方が重要ってのもよく言われる>は、素直に賛成するものでした。

 関連して、<確かに「ここは職業訓練校じゃねぇんだ」っていう素敵な状況に出くわすことはままある>も人気に。ただ、これは日本特有の採用慣行も関係しているので注意が必要なところ。日本は新卒重視であり、まっさらで仕事ができない社員をわざと多く採用しています。会社で教育する…という考え方だったためです。

 ところが、会社が業績低下で余裕がなくなってくると、新人教育がおろそかになる一方で、教育しなくても仕事ができる新卒社員をほしがる…という幼稚なわがままを言い出すことに。「採用が大事」という話があったように、できない社員がいる最大の理由は会社側にあります。できない社員をいじめて解決…という話ではないことに注意してください。


【本文中でリンクした投稿】
  ■パレートの法則・働きアリ(2-6-2)の法則による組織論の嘘 人間はアリと違う、長谷川英祐准教授も言及

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