「手当がもらえるなら・・・」 残業代を求める若者は「社会をなめている」のか?|弁護士ドットコムニュース(2014年09月23日 12時10分)では、日本生産性本部・日本経済青年協議会が、2014年度の新社会人約2200人が行った「残業についてどう思うか」というアンケートのことが載っていました。
記事によると、「手当がもらえるからやってもよい」は過去最高である一方、「手当にかかわらず仕事だからやる」は下降傾向だそうです。
■「残業についてどう思うか」
「手当がもらえるからやってもよい」69.4%
「手当にかかわらず仕事だからやる」23.7%
話題になっていたのは、このアンケートそのものというよりは、その反応です。
ネットの掲示板サイトでは、「金貰う為に働いてるのに貰えない分まで仕事する意味がわからん」といった意見がある一方で、「残業代が欲しいなら、残業代が払えるほど利益を会社に与えろ」「まだロクに仕事も覚えてないのに…」「社会なめすぎ」といった意見もあった。
上の後半部分ですね。いかにも社畜らしい意見ですが、ちょっとできすぎている気がします。本当にあったの?と思って検索すると、微妙に文面が異なるのもありますが、
2ちゃんねるの【悲報】若者「企業はキチンと残業代を払うべき。残業代が出ないなら残業しない」←社会なめすぎワロタっぽいですね。
スレの最初はむしろ残業代を要求する若者がおかしいという意見の方が大勢。本当だったんだ…。
しかし、記事ではもちろん、残業代が欲しいならまず一人前の仕事を…といった残業代未払いは、合法ではなく違法だとしています。当たり前ですね。本文読まずに「この記事の方がなめている」といった感じで憤慨している方がいましたが、記事では肯定しているわけがありません。
記事で出ていた波多野進弁護士は「会社は社員に対して、『まだ一人前の仕事ができてないから、残業代は払わない』と言うことはできません」「新人社員であろうが、熟練社員であろうが、同じです」と断言されています。
この記事では、なめているのは会社の方…といった反応も多かったですが、これは波多野弁護士も本文でおっしゃっています。まず、「『社員が働いた分の賃金をきっちり支払う』というルールは、労働契約で最も基本的なルールです。むしろ問題なのは、それを守らない会社のほうでしょう」と指摘しています。
そして、「法定の労働時間を超えて働かせておきながら、残業代を支払わないのは、企業が『労働基準法をなめている』」とそのまま「なめている」という言葉を使っていました。
ただ、困ったことに「半人前には残業代を払いません」といった「残業代の支払いを逃れる口実」は、現実では多く使われているようです。「法定労働時間では到底こなしきれない業務を指示しておきながら、『時間内にできないのは能力不足だ』と指摘して、残業代を払わないというやり方は、いわゆる『ブラック企業』で横行して」いるとのこと。
なぜ明らかな違法行為が多くの企業で行われているのか?というのは、不思議です。ただ、考えてみると、一つは最初のスレに出てきたような社畜的な人たちがブラック企業の論理を受け入れているためでしょう。いわば社会的な理解がある程度得られているのです。法律上は違法な体罰が学校で生き残っているのと似た状況だと思います。
それから、もっと大きいのが国が本気で取り締まっていないということでしょうね。違法であることは間違いないのですから、労働者に告発を推奨したり、労働基準監督署の働きを強化したりできそうなものですが、そういった動きは弱いです。
たぶん一気に取り締まりを強めてしまうと処理能力オーバーするので気をつけながらしなくちゃいけないとは思うんですが、こういうところももう少し力入れてくれればいいのに…とは感じます。
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