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茨城県知事激怒、群馬県知事は法的措置 都道府県魅力度ランキングで


 都道府県魅力度に関する話をまとめ。<観光魅力度になっているとクレーム、でも調査名をよく見て!>、<ブランド調査に「こだわる必要はない」と言いつつ未練たらたら>、<茨城県知事激怒、群馬県知事は法的措置 都道府県魅力度ランキングで>、<知事の法的措置発言でむしろ「群馬県のイメージ」低下のおそれ>などをまとめています。

 その後、<ランキングに激怒して法的措置…実際にやった企業はどうなった?>、<1位目指すと宣言も最下位で茨城県知事激怒「どんな調査なのか」>などを追加しました。

2022/12/30追記:
●1位目指すと宣言も最下位で茨城県知事激怒「どんな調査なのか」 【NEW】


●連続最下位で茨城県知事激怒 地域ブランド調査都道府県ランキング

2014/11/17:地域ブランド・魅力のある都道府県ランキング2014年 連続最下位の県とは?でやった通り、このランキングでは茨城県が最下位でした。2年連続だけでなく、9回中5回目の最下位でもあるそうで、最下位の常連です。

 地域ブランド最下位「茨城県」…知事「住みやすいのに」と“ご立腹”- 産経ニュース(2014年11月9日12時29分)(篠崎理)によると、茨城県の橋本昌知事はこの結果にご立腹なんだとか。

 こういうランキングは信頼性はイマイチなことが多いので、あてにならないと主張するのはわかります。でも、このランキングに文句言っちゃうってのが格好悪いですし、言っている内容も首を傾げるものでした。恥の上塗りのような感じですね。


●観光魅力度になっているとクレーム、でも調査名をよく見て!

 橋本昌知事がとりあえず主張しているのは、「魅力度というが、(調査は)観光魅力度になっている。一点豪華主義で、1つでも日本中に知られているようなものがあると、そこがぐっと魅力度が上がる」とのこと。

 でも、橋本さん、ランキングの名前をよく見て下さいよ。「地域ブランド調査2014」ということで、最初からブランド価値を調査しているのです。「観光」だけということでもないんですが、ブランドのランキングなので観光魅力度と近くて当然といった面があります。

 これは、英語のテストで最下位だったという話をしているのに、「うちは数学がいいのに。許せない」みたいなクレームをつけられるようなもの。対応に困りますわ。


●ブランドランキングに住みよさランキングの方が大事だと主張

 さらに「茨城県はトータル的に県民が住んでよかったという県を目指している。住みよさランキングの方が大事だ」というよくわからない反論。うん、だから、ブランドランキングは最初から住んで良かったというランキングじゃないんですってば…。

 その地方に住んでいる人に聞いている調査ではなく、全国の皆さんに聞いているもの。なのでむしろ県外の人の、茨城県に住んでいない人のイメージの方が大事なランキングなんです。趣旨が違っています。

 住みよさに関しては、"橋本知事は、東洋経済新報社(東京都中央区)が今年6月発表した全国の市を対象とした「住みよさランキング2014」で上位100位以内に茨城県内の自治体が7市入っていること"を指摘したとのこと。これはうちでも住みよさランキング2014・ベスト20を紹介していますが、ベスト20にも茨城県が2市入っていました。確かに優秀です。

 しかし、「地域ブランド調査」はそういうランキングじゃないので、文句言っても仕方ありません。恥ずかしい人だなぁ…。

 それよりある県幹部の「県民は茨城がそれなりに住みやすいことを分かっている。だから『まあ、いかっぺな(いいじゃないか)』と、県民もそんなに魅力度にはこだわってないんじゃないかな」という姿勢の方が良いですね。橋本知事もこれだけ文句をつけた癖に、「魅力度調査に、そんなにこだわる必要はない」と述べていたみたいですが…。


●ブランド調査に「こだわる必要はない」と言いつつ未練たらたら

 魅力度調査下位の都道府県ではこれを励みに…と魅力度アピールを頑張っているところもありました。しかし、気にしないなら気にしないでも良いと思います。前述の通り、絶対的な価値を示したランキングではありません。考え方としてはアリです。

 ところが、橋本昌知事は「そんなにこだわる必要はない」と言いながら、「交流人口を増やすため、観光施設については精いっぱい知名度アップを図りたい」「他県とも連携して、点ではなく線にする広域観光を進め、できるだけ茨城の名前が知れ渡るよう努力したい」とも話していたようです。思いっきり、気にしてるんじゃねーか!

 うーん、こういう態度って、むしろイメージを落とすものなんじゃないですかね? いかにもイチャモンつけているという感じの悪さでした。 茨城県のスローガンは「なめんなよ?いばらき県」で、県外の人からは「さすがヤンキーの本場」などと、揶揄(やゆ)する声もあり、県議会でも大きな議論となったそうです。スローガンに納得してしまう県知事の態度の悪さでした。


●その後茨城県の順位はどうなった?最新のランキングでは…

2020/01/13:その後茨城県の順位はどうなった?と検索。どうも状況は変わっていないようで、地域ブランド、茨城県が7年連続10度目の最下位 -日刊スポーツ[2019年10月17日13時57分]というニュースが出ていました。さすがにかわいそうになってきますね。

 ブランド総合研究所による47都道府県の魅力度を探る恒例の「地域ブランド調査2019」で、1位は北海道、2位は京都府、3位は東京都でした。1位の北海道は11年連続だったといいます。一方で、茨城県は7年連続10度目の最下位。茨城県は魅力度を18年の「8・0」から「9・4」にアップさせたのですが、47都道府県で唯一1ケタ台。1位の北海道は「61・0」、46位の佐賀県は「11・2」だそうです。

 最初のときに紹介したように、「地域ブランド調査」に対して観光魅力度になっているとクレームが以前ありましたが、やはり茨城県では、「観光意欲度」という調査項目が特に低く、「ぜひ行ってみたい」は5・1%しかなかったと紹介されていました。

 一方、前年ブービーで茨城県のライバルだった徳島県は44位に順位を上げました。NHK紅白歌合戦で米津玄師が「Lemon」を歌った大塚国際美術館が話題になり、「魅力的な美術館・博物館がある」の分野で19位に躍進したのが大きいといいます。

 また、「翔んで埼玉」が大ヒットした埼玉県も43位から41位に上昇したという参考例も。ただし、こうした上がり方は一時的なものである可能性があるとのこと。例えば、「お前はまだグンマを知らない」で18年にブレークした群馬県は42位から45位に順位を落としました。なかなか難しいのだと思います。

 ただ、最初のときにも書いたように、「この順位にこだわらない」という選択肢もあって良いと思いますね。最初のときよりもさらに踏み込むと、そもそもこうしたブランドを高めることが税金の使い方として正しいのか?本当に地域のためになるのか?というのも考えてほしいところです。


●茨城県知事激怒、群馬県知事は法的措置 都道府県魅力度ランキングで

2021/10/14追記:知事激怒の茨城県には驚いたのですが、それ以上かもしれない都道府県が出てきてびっくり。都道府県魅力度ランキングに対し法的措置を検討すると、群馬県の山本一太知事が言い出していたそうです。<群馬県知事の「法的措置」発言、調査会社が反発「意図が理解できない」 魅力度ランキングめぐり>(10/13(水) 13:10配信 弁護士ドットコムニュース)などの記事が出ていました。

<このランキングは民間の調査会社「ブランド総合研究所」が年1回おこなっているもので、点数が大きいほど消費者はその地域を「魅力的」と感じる人が多いことになるという。群馬県は2021年、44位(前年40位)と順位が下がった。
 これに対し、山本知事は10月12日の臨時会見で「なぜ群馬県の順位が下がったのか、判然としていません。根拠の不明確なランキングによって、魅力がないと誤った認識が広がることは、県民の誇りを低下させるのみならず、経済的な損失にも繋がる由々しき問題」と懸念を示した。
 その上で、「弁護士とも相談の上、法的措置も検討して参りたい」と話した>
https://news.yahoo.co.jp/articles/07d8f45a6dfdaddbb37317682da47c5691e04579

 調査を実施している「ブランド研究所」の担当者は2021年10月13日、取材に「困惑しております」と回答していました。ヤフーコメント欄の 石川智久 ・日本総合研究所 調査部 マクロ経済研究センター所長も「このランキングは一つの見方であり、法的措置はやや行き過ぎのような気がします」としていました。

「そもそも、我々は消費者調査を行い、その結果を発表しているだけであり、調査結果の発表を押さえつけようという発言であれば、それは言論の自由、報道の自由を妨害することでもあり、世の中のすべての調査結果の公表・公開を妨害するということになるのではないでしょうか」

 ちなみに山本一太知事は自民党で安倍首相に近い人として有名だったんですよね。右派の人って、気に食わないことがあると圧力かけて変えようとしますね。安倍首相とそっくりです。自分の意向に沿わないことは圧力をかければ変わってきた…という成功体験があるのかもしれません。もちろんこれは悪いことなんですけど…。


●知事の法的措置発言でむしろ「群馬県のイメージ」低下のおそれ

 私は以前書いたように、このランキングを気にしないなら気にしないでも良いと思うんですよ。信頼性の高いランキングではありません。 独身研究家の荒川和久さんも「この調査会社の出しているランキングがどれだけ客観性の高い信用性のあるものかは置いておいて」と前置きした上で以下のようにコメントしていました。

<これに限らず都道府県別ランキングにしろ、国別ランキングにしろ、いろんなものが世の中には出ています。同じ題材を扱ったランキングにしても、調査機関が違えば結果は変わります。データ自体が共通していても、それをどう組み合わせて解釈するかによって結果は変わるものです。いわば、視点の可視化くらいなもので、「なるほど。そういう見方もあるのか」と情報のアップデートの一助にすればいいだけ。そう目くじら立てるものではないと思います。
 これが問題視されてしまうのであれば、私の記事は都道府県別の婚姻や離婚や未婚などかなりたくさんランキング化しておりますので、全国の知事から訴えられてしまいますね。困ったものです>

 一般人のコメントも以下のようにあまり好意的ではないものが多めでした。下の方まで見ていくと、「根拠が記事に欲しいランキングは世の中沢山ある」「発表する方も文句を言う山本氏もどちらも自由なのだから気がすむまでやり合えばいいと思いますよ」といったものがあったものの、上位5つくらいまでは批判だらけでした。

<怒って「法的措置」とか言い出している会見が全国放送で取り上げられ繰り返し放送されるのが視聴者の「群馬県のイメージ」を下げている気がする。山本知事が必至すぎるのは、大人げないというか器が小さい人にみえる>
<そもそも本当に魅力があるのであれば、こんなランキング気にする必要ない>
<知事さんの怒りはネガキャンにしかならないでしょうね>
<知ってる人はちゃんと群馬県の良さをわかっているんだから、県のトップがこんなことしたら県民の皆さんは悲しみますよ>
<それよりも、了見の狭い知事のほうがどうかと思うぞ>


●ランキングに激怒して法的措置…実際にやった企業はどうなった?

2021/11/02追記:前回書いた、都道府県魅力度ランキングに対し法的措置を検討すると群馬県の山本一太知事が言い出していた件。実を言うと、企業では過去に実際に訴訟した例があります。ヤマダ電機です。ヤマダ電機はブラック企業報道に対して法的措置で対抗しているのですが、顧客満足度ランキングでもやったことがあるんですよ。

<ブラック企業批判だけではない。ヤマダ電機は、どのメディアもやっているような顧客満足度調査の結果に対してまで、訴訟を起こしている。
 訴えられたのは経済誌「日経ビジネス」(日経BP社)。同誌では、毎年、アフターサービスの満足度に関するアンケート調査を行なっているが、07年度調査よりランキング項目に「家電量販店」が設けられると、ヤマダ電機が18社中18位の最下位に。しかも、満足度指数はダントツの最下位で、「『電話に出ない』『店員が少ない』『長く待たされる』など現場の人員不足による不満が多い」とサンザンな評価が掲載された。
 しかし、この結果に納得がいかないヤマダ電機側は、翌年度(08年度)調査(08年7月28日号)で再び最下位になると、発行元の日経BP社に5500万円の損害賠償を求める裁判を起こしたのである>
(訴訟圧力でブラック批判を黙らせるヤマダ電機に未来はあるか!?|LITERA/リテラより)

 ちなみにこの訴訟は、2010年12月の判決で「ランキングの根拠となった調査には、恣意的な結果が生じるような事情はなかった」とヤマダ側の請求が棄却されているとのこと。つまり、ヤマダ電機が負けました。群馬県の山本一太知事が提訴してもたぶん負けるでしょう。ただ、問題は「提訴する」と発言するだけで脅しとなることです。

 上記の記事では、ヤマダ電機がすぐ提訴する企業であるため、マスコミが問題を指摘する記事を書きづらいことを指摘していました。「訴訟されるかも」と思わせるだけで萎縮効果が期待できるのです。なので、ヤマダ電機は前述の件では敗訴したものの、敗訴した以上の効果が得られているとも考えられます。

 同様に政治家の法的措置発言も圧力として十分でしょう。というか、政治家からの圧力の方がずっと怖いケースも多いですからね。何しろ行政は大きな力を持っています。山本一太知事程度ならあれですが、これが自民党の大物政治家ならもっと圧力が大きかったでしょう。政治家のこうした発言には基本的に問題があります。


●1位目指すと宣言も最下位で茨城県知事激怒「どんな調査なのか」

2022/12/30追記:以前とは別の茨城県知事も結果に激怒していたようで、2019年10月23日に<茨城県知事が激怒した「魅力度ランキング」の調査方法と発表タイミング(小林洋三 アサ芸ビズ エキサイトニュース)という記事が出ていました。ただ、以前の茨城県知事や群馬県知事のときと違って、この記事はなぜか激怒に理解を示しています。

<10月17日、民間調査会社のブランド総合研究所により、毎年恒例となっている「都道府県魅力度ランキング」が発表され、茨城県が7年連続の最下位となったことが明らかとなり、大井川和彦茨城県知事が怒りを露わにした>
「大井川知事は『都道府県魅力度ランキング』に対して『ダントツで1位を目指します』と意欲を見せて積極的にキャンペーンも展開していたことからか、『県のイメージを著しく損なっている』と激怒。『この調査がどのような方法で行われているのか精査し、適切な対応を考えたい』とのコメントを発表しました。また、台風19号で茨城県が被災し、甚大な被害が出ているこのタイミングでランキングが発表されたことに対しても『復旧に努力をしている被災者の気持ちを考えれば甚だ遺憾である』と不快感を示したのです」(社会部記者)
https://www.excite.co.jp/news/article/Asageibiz_8546/

 ただ、これ、上記の擁護発言の時点でおかしいんですよ。以前も書いたように、最初から「ブランドランキングは気にしない」というのはアリです。でも、「ランキング1位を目指す」と言っておいて、いざ結果が悪いとなると「激怒」ってわがまますぎ。子供じゃねーか!という話です。

 そもそも後から「この調査がどのような方法で行われているのか精査し」などと言い出しているのがおかしなこと。「ランキング1位を目指す」と言うのであれば、先に調べておくものでしょう。調査条件を調べずに1位宣言して、結果が思い通りにならないと「調査条件がおかしい」といちゃんもん。低レベルすぎますわ…。

 こちらと比べると、「台風19号で茨城県が被災し、甚大な被害が出ているこのタイミングでランキングが発表された」はまだ理解可能。ただ、これも「難癖をつけている」と判断される可能性はあります。災害後は発表延期という配慮はアリだとは思いますが、こうした措置は他の各種調査でも慣例化されておらず、現時点ではクレーマーに近いです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■地域ブランド・魅力のある都道府県ランキング2014年 連続最下位の県とは?

【関連投稿】
  ■地方が強い住みよさランキング 福井県・石川県・富山県が上位に多い
  ■地域ブランド・市町村魅力度ランキング2014年 強い都道府県に集中
  ■魅力のある都道府県ランキング、4年の変動 福島県・和歌山県が大きい動き
  ■市町村魅力度ランキングベスト100・都道府県別分類 ランクイン0の県は?
  ■雑学・歴史についての投稿まとめ

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