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STAP細胞報道マスコミ座談会 一面トップにした理由・しなかった理由


 日本記者クラブ会報 2014年11月10日第537号では、2014年9月10日に行われた「最先端研究どう伝えるSTAP報道の現場から」というマスコミ座談会が載っていました。

 最初は一面への掲載について。4大全国紙のうち、日経新聞のみ2,3番手の扱い、他の読売新聞・朝日新聞・毎日新聞はトップ記事でした。

 このことについて、鹿児島昌樹・日本経済新聞社科学技術部長は、「一面トップにしなかったのはマウスレベルの実験結果だったからです」と説明していました。これを読むと、日経新聞が一番冷静だったように見えます。

 ただ、日経新聞は他の3紙と異なり、経済紙です。STAP細胞問題では生臭い話が後からたくさん出てきたように、大いにお金に関係するものではあったのですが、やや日経新聞らしくない話題です。

 また、過去に日経新聞がリーク依存症である理由 スクープ・特ダネ至上主義と独占状態という話もやっています。日経新聞は結構「えっ、これトップ記事なの?」という話が普段からありますし、ちょっと雰囲気が異なると思います。

 …と思いながら読んでいたら、"編集会議で、本当に一面トップにしなくていいのか、と言われましたが、 「一面のトップにはできません」と申し上げた"とのこと。トップにしなかった理由はまだまだ課題が多いためです。

 そして、"課題がいっぱいある、と指摘する必要があるなと思って、三面に載せた記事は、そういう見出しを取りました"としています。「ヒト細胞での作製課題」という見出しです。

 なるほど、こうやって聞くと、当時からちゃんと考えていたんだなというものです。STAP細胞問題での報道は得点も失点もない感じで地味だった日経新聞ですが、意外に初期報道はしっかりしていました。
(11/18追記:忘れていました。日経新聞は事件・イベント直後の報道では目立たなかったものの、特集記事・連載記事では重厚な良いものを出していました。政治サイドへの取材が豊富で、他紙にない掘り下げ方でした。だいぶ引用させてもらったのにど忘れしていました。申し訳ありません)

 なお、全国紙以外だと、"東京新聞は一面の下の方に囲み風で、産経新聞は、一面の左肩"だったとのこと。全紙一面ですが、3大全国紙以外は一番手にはしていませんね。くっきりと分かれています。


 この一面記事での話おもしろかったのは、毎日新聞。元村有希子・毎日新聞社デジタル報道センター編集委員によると、"毎日は 「初の万能細胞」 "としていましたが、これが問題視されたようです。

 というのも、"朝日と読売が 「第3の万能細胞」 と見出しにとって"おり、"結果的に他社と違っていて"いたためです。

 しかし、これは毎日新聞がマズいとも思えません。"iPSやESは胎盤にならない、つまり多能細胞である。今回のSTAPこそが万能だという意味で、 「万能細胞、初作製」" というのが、毎日新聞の説明です。この万能性はSTAP細胞の大きな売りの一つでした。

 ただ、そもそも万能細胞 - Wikipedia(2014年7月18日 (金) 14:26)によると、"「万能細胞」という呼称は、主に一般向けの解説やマスメディア向けに用いられている用語で生物学用語ではない"そうです。

 STAP細胞問題でも発言が多かったサイエンス・ライターの粥川準二さんは、"英語圏で「万能細胞」に対応する言葉が見つからない"という指摘もしています。

 とりあえず、Wikipediaによれば、ES細胞が報告されたときに「万能細胞」という言葉が登場、iPS細胞が出てきて「新型万能細胞」と呼ばれていたようです。この数え方で言えば、STAP細胞は3つ目…となるわけです。


 それから、一面に掲載した理由について。日経新聞の鹿児島部長は、「万能細胞の第一人者というと、山中伸弥先生 (京都大iPS細胞研究所長) ですよね。山中先生は、すぐにコメントを発表して、重要な成果だとおっしゃった」という理由を挙げています。

 同様に林敦彦・朝日新聞大阪本社科学医療部デスクは、「信頼できる何人かの専門家の意見を聞いてみると、ほとんどが前向きな評価だったということも加味し、一面トップ級のニュースで差し支えないという判断をしました」と言っています。

 「マスコミはプレスリリースをそのまま垂れ流すのが仕事だと思っている」と言っている人もいますが、これ以外の理由ももちろんあり、以上のように一応ある程度考えてから掲載していたようです。ただ、まあ、話を聞いた識者が怪しい…ということもよくあるでしょうからマズいですけどね。

 読売新聞、慰安婦強制連行肯定の永井和論文を誤読 結論ありきのせい?の件では、使用する予定だった学者の論文が慰安婦強制連行を肯定しているとわかると不採用として、自社にとって都合の良い別の「識者」を持ってきたように見えました。こういうことは、よくあることなのでは?と思います。

 ここらへんの真偽の判断・有力さの判断の問題は、たぶん今後も残り続けるでしょうね。残念ながら、そのうちまた何か起きるんじゃないかと思います。

 また、研究に関してはそもそも少しずつ確かめられていくものであり、いきなり白黒はつけようというのがそもそも無茶です。研究報道は常に慎重に…くらいの感じで、派手な報道の仕方を改めることなら可能だとは思うのですが…。


 関連
  ■日経新聞がリーク依存症である理由 スクープ・特ダネ至上主義と独占状態
  ■読売新聞、慰安婦強制連行肯定の永井和論文を誤読 結論ありきのせい?
  ■小保方晴子報道で「リケジョ」を避けた新聞はどこ? 理由は?
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