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高く売れる野菜は有機栽培・無農薬じゃなくて普通においしい野菜


 野菜の話をまとめ。<売れる野菜は有機栽培・無農薬じゃなくて普通においしい野菜>、<産地にこだわるとむしろ逆効果?意外なおいしい野菜の条件>、<生産者の顔写真をつけたら売れるはず…スーパーの安易な売り方>などをまとめています。

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●農家以上に若者が挑戦しないのは八百屋!繁盛する3条件とは?

2014/11/30:おいしい野菜が売れる…なんて言うと、普通すぎて何言っているんだ、こいつ?と思うでしょう。しかし、多くのお店はそれが実際にはできていないのかもしれません。そう思ったのは、都心で繁盛する青果店「価格の法則」  :日本経済新聞(2014/8/13 7:00 大岩佐和子)という記事を読んだため。本来信頼性が高いわけではない個別事例の話ですが、参考になりそうな興味深い話が多数ありました。

 記事で出ていた五反田と赤坂にある「旬八」(しゅんぱち)という青果店の左今(さこん)克憲さん(32)は、大学時代から農業を専攻。若い人は農業には挑戦するのに、青果店のなり手はおらず、商機はあるはずだとビジネスモデルを模索し続けていたそうです。農家になる若者が少ないってよく言いますが、八百屋さんはもっと少ないんですね。

 ダメでもいいから勢いでやって成功する人もいますが、上記のような考え方をして選択しているというのは、じっくりと考えるタイプなのかもしれませんね。左今克憲さんは経験を通して得た繁盛する青果店の条件も分析しており、(1)新鮮さ (2)おいしさ (3)適正価格 の3つだとしていました。


●売れる野菜は有機栽培・無農薬じゃなくて普通においしい野菜

 私は有機野菜を売りにするというのが個人的には嫌いです。左今克憲さんの「旬八」はどうしているか?と言うと、有機野菜にはこだわらなっていないとのことで好感を持てます。この有機野菜にこだわらない理由は「有機でもおいしくなければ売れないから」という単純なものでした。

 「有機でもおいしくなければ売れない」というのは、裏を返せば、おいしくない有機栽培野菜も珍しくはない…ということでしょう。無農薬野菜(広義の有機栽培は、無農薬栽培を含む)については特に触れていませんでしたが、おそらく考え方はいっしょだと思われます。

 当たり前のように見えるこのおいしい野菜優先主義ですが、通常のスーパーでは、味のように実際に体感してわかるものではなく、店頭で表現できる安易な情報を欲しがるでしょうから、意外にできないのだと思います。「有機栽培」とか「無農薬」とかってブランド化できる方が楽なのでしょう。


●産地にこだわるとむしろ逆効果?意外なおいしい野菜の条件

 うちのブログでは、以前、日本の魚問題についてシリーズを書いており、その中では、捨てられるおいしい魚 魚が売れない理由は高い価格だけじゃない魚の価格は高い?安い? 漁師は買い叩かれて儲かっていないなどで、新鮮じゃない魚の問題が出てきています。

 前述の「おいしさ」と密接に絡むと思われるのが、こうした「新鮮さ」です。魚の場合の古い理由は、流通の問題やお店の人が価格しか気にしていないせいなどあるのですが、とりあえず、スーパーに並ぶ魚は既に新鮮さを失ったものばかり…という残念なことになっています。

 同様の話は野菜でも言えるんでしょうね。<産直が広がってきたとはいえ、野菜や果物の商流・物流はまだまだ複雑>と記事にはありました。スーパーでは取れてから店頭に並ぶまでに時間がかかるというのです。これは特定の有名な産地にこだわるなどすると、逆効果になりそうですね。

 というのも、魚の場合、ブランド化できる築地市場を通すことで、築地ブランドは鮮度が落ちるという現象が発生。野菜でも似た現象が考えられそうです。鮮度に関して言うと、左今さんのお店は新鮮に食べてもらうために、「できるだけその日のうちに売り切る」方針。たとえ売り切りなくても「店内でサラダや漬物に加工している」とのことでした。


●高く売れる…とは言っても高すぎるとやっぱり買ってくれない

 魚の話では先程「お店の人が価格しか気にしていない」と書きました。また、うちでの全体タイトルは「高く売れる野菜は有機栽培・無農薬じゃなくて普通においしい野菜」としています。ただ、もちろん価格が高すぎてもいけません。先程出てきた3条件の、3つ目のポイントは「適正価格」でした。

 "左今さんは試行錯誤を繰り返してきた結果、都会の消費者が「この鮮度でこの味なら少しぐらい高くても買おう」とお金を出すのは、スーパーなどで売られている平均的な価格の1.2倍までだとわかった"としていました。あまり高すぎると普通にダメなんですね。

 記事では、"1枚5000円のバスタオルや、100グラム400円の黒豚など、ほかの消費財や精肉だと2倍以上のものも売れるのに"などと書いていましたが、野菜は例外なんですね。"1.2倍を超えると、どんなに新鮮でおいしい自慢の商品も売れなくなる"ようです。

 魚シリーズとの比較では、生産者との交渉の話も印象に残りました。左今さんは生産者と"厳しい交渉もする"そうです。魚の価格は高い?安い? 漁師は買い叩かれて儲かっていないを思い出します。しかし、おもしろいと思ったのが、「交渉して取引が成立するのは全体の約2割」ということ。無理して取引しないんですね。

 こうすると、それだけ交渉を多くしなくちゃならないので、面倒だと思います。ただ、きちんと利益を出すためには、こういう考え方はあり。一方、儲からないものについては、"粗利益の高い商品と低い商品を組み合わせる「粗利ミックス」で利益を確保"ということもしているようです。


●生産者の顔写真をつけたら売れるはず…スーパーの安易な売り方

 野菜の話なのに魚の話ばっかりするのもあれなんですが、もう一つ、また魚シリーズの捨てられるおいしい魚 魚が売れない理由は高い価格だけじゃないと絡む話をします。そちらでは、売り手であるスーパーの人自身がおいしい魚の食べ方を知らず、消費者にも提示できていないのだという話が出ていました。

 左今克憲さんの八百屋「旬八」の場合は、お客さんが頻繁に店員に質問していて、「このナスのお薦めの食べ方は?」などと質問しているようです。やはりおいしい食べ方を紹介することは大事なのだと感じさせる状況。八百屋もスーパーもまだまだ工夫できる余地があるのかもしれません。

 また、<会話を聞いていると、消費者が知りたいのは生産者の顔写真ではなく、おいしく食べる方法なのだと痛感した>という記者のまとめは、最初に書いた「店頭で表現できる安易な情報を欲しがる」スーパーに対する強烈な皮肉になっていました。


【本文中でリンクした投稿】
  ■捨てられるおいしい魚 魚が売れない理由は高い価格だけじゃない
  ■魚の価格は高い?安い? 漁師は買い叩かれて儲かっていない

【関連投稿】
  ■日本のかぼちゃの英語、実はパンプキン(pumpkin)じゃなかった……
  ■白菜に黒い斑点!食べられる? ゴマ症と言ってカビ・虫ではない
  ■野菜ジュースの必要な野菜1日分は嘘?ビタミンC,カルシウム不足
  ■食べ物・飲み物・嗜好品についての投稿まとめ

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