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信用格付けは無意味?日本国債格下げで中国・韓国以下になり批判


2014/12/2:
●アメリカのムーディーズが日本国債格下げ、財政赤字の問題で
●日本国債格下げで中国・韓国を下回る格付け…に多数反応、批判の嵐に
2013/5/10:
●国債の信用格付けは無意味?なぜ存在するのか?
●信用格付けの問題 肝心の破綻予測不能、計算間違い判明など
●そもそも信用格付は先進国の破綻予測には不適切?


●アメリカのムーディーズが日本国債格下げ、財政赤字の問題で

2014/12/2:国債の格付けは気にしすぎてもあれかな…と思うんですが、ムーディーズが日本国債格下げ、財政赤字削減などの不確実性を懸念- ロイター(2014年12月1日19時59分)という記事が出ていました。

 アメリカの"ムーディーズ・インベスターズ・サービスは1日、日本の政府債務格付をAa3からA1に1ノッチ格下げ"したという内容です。"格下げの理由は、財政赤字の中期的な削減目標の達成可能性などについて、不確実性が高まったため"としています。

1)財政赤字削減目標の達成可能性に関する不確実性の高まり
2)デフレ圧力の下での成長促進策のタイミングと有効性に関する不確実性
3)それに伴う中期的な日本国債の利回り上昇リスクの高まりと債務負担能力の低下

 このタイミングですので消費税増税先送りによるものだろうと思って読んでみると、以下の部分で増税について触れていました。
ムーディーズは、日銀の金融緩和により日本国内の総需要はいく分高まったが、4月の消費増税はそれを上回る下方圧力を与えるものとなったと指摘。少なくとも短期的には、財政赤字削減のための主要な政策が安倍首相の経済戦略である経済再生を揺るがしているとした。

 私は最初にここが目について、「えっ、ひょっとして消費税増税が格下げの原因?」と勘違いしてしまったのですが、よくよく読んでみると次の部分でこう書いていました。やはり消費税増税先送りが良くなかったということですね。増税賛成派には朗報となりました。
ムーディーズのシニア・バイス・プレジデント、トム・バーン氏は、格下げ発表後、ロイターなどに対し、消費再増税の延期で赤字削減目標に不透明性が増したと指摘。長期的な日本の債務借り換えコストの増大に懸念を示した。

●日本国債格下げで中国・韓国を下回る格付け…に多数反応、批判の嵐に

 もし仮に「消費税増税が格下げの原因」なら全くの予想外でしたので一つ投稿しようと思ったんですが、「消費税増税先送りが格下げの原因」でしたので、おもしろくも何ともありません。普通です。この話題では投稿するつもりはありませんでした。

 ところが、時事通信が日本国債、格下げ=増税先送りで財政再建「困難」-中韓下回る・米ムーディーズ(2014/12/01-20:46)というタイトルから中国・韓国を引き合いに出して煽る記事を出してきました。
 ムーディーズが日本国債の格付けを変更するのは、1段階下げた11年8月以来約3年4カ月ぶり。今回の引き下げにより、日本の格付けは、中国や韓国を下回り、イスラエルやチェコと並んだ。

 最初に書いたように、私は国債の格付けは気にしすぎてもあれかな…と思っているんですが、中国・韓国以下と言われると我慢できない人たちもいます。ツイッターはムーディーズへの批判の嵐になっていました。


ということは格下である日本から資金援助(ODAなど)は即座にカットしましょう。格上である中韓両国に対し失礼に当たる。

中国の鉛筆なめなめ統計や韓国の財政状況よりも日本の財政再建の方が困難と判断しているのならお笑いだ。もはや信用格付ですらない。

但し、この想定を外したらムーディーズの信用問題になるな
当然、韓国のほうがもっと自体は深刻なのでは?

:では、中韓の国債をせっせと買ってくださいな(笑)。

まあ中国より下はいいけど、韓国よりしたとなると、ムーディーズはあてにならないという事だな。

日本には問題があるが、
中韓よりも日本の方がフツーに安全な投資先なので客観性が無い格付け。

まだ日本のODAを受ける・・・シナ
日本の借入金を返済しない・・・チョン
・・・さてどちらが信用ある・・・ぎゃははのは!!

日本の格付けは、中国や韓国を下回り、イスラエルやチェコと並んだ。←嘘でしょ?まあ、海外の営利企業が言ってるだけだから^^

誰も買わない韓国国債より下って、ムーディーズ信用できないわけだわ。
(Ceron.jp - Yahoo!ニュース - 日本国債、格下げ=増税先送りで財政再建「困難」―中韓下回る・米ムーディーズ (時事通信)より)

 ただ、ざっと見ると、中韓の名前を出さない批判の方が多かったようです。そういう批判の中には「国を値踏みしてそんなにお前ら偉いのか!余計なお世話だ!」なんてのもありました。こうなると、韓国の国債の信用性について言及するのも不適切ということに…。それはそれで極端ですね。


●国債の信用格付けは無意味?なぜ存在するのか?

2013/5/10:国債の信用格付けに対する批判というのは、絶えずあります。その一方で、それらの批判は的外れ…といった反論もあります。

 今回は批判側の話を少し紹介しますが、その前にWikipediaの格付け全般についての説明。まず、その意義から。

 こちらによると、国債に限らない信用格付の重要な機能として、情報の非対称性を減らすことが挙げられる、とされていました。政府や企業が、市場から直接資金を調達することがあります。ただ、政府や企業に貸す側には、リスクが存在します。

 にも関わらず、一般の投資家にはそのリスクを判断する手段を持ちません。私が勝手にだいぶわかりやすく書き換えた説明んですけど、そこで役立つのがこの信用格付だといった感じの説明がWikipediaではされていました。


●信用格付けの問題 肝心の破綻予測不能、計算間違い判明など

 ただし、Wikipediaでも信用格付けに対する問題点がたくさん載っていました。

<信用格付けの信憑性>
2007年から表面化したサブプライムローン問題に端を発する世界的な金融危機では、その格付内容が問題視されている。サブプライムローン等の本来は最低の格付であるはずのローンであっても、証券化商品組み入れの過程で他のローンと組み合わされると、一度に破綻する事はなくリスクが低下したと見なされて、証券としては上位の格付が付いてしまう事が多い。

<債務分析その他手法の問題点>
数理手法の誤りによって債務分析の不十分性が指摘される。それはとりわけ国債の格付けに顕著である。2002年に日本国債が格下げされた際に、日本の財務省が「日米など先進国の自国通貨建ての国債の債務不履行はありえない」として文書で抗議した。その中で財務省は、「日本は世界最大の貯蓄過剰国、経常収支は黒字で世界最大の対外純債権国さらには外貨準備も世界最高であり、国債が極めて低金利で安定的に国内で消化されている」と主張している。
また2011年8月米国債の格下げがS&Pによってなされたが、米国財務省はその格付け会社が約2兆ドルの算出ミスをしていることを指摘しつつ、S&Pによる債務分析に欠陥があると発表している。

<格付け市場の寡占と公平性>
現在のところ米国証券取引委員会(SEC)公認の格付け会社10社のうち、S&Pとムーディーズ、フィッチで市場の9割以上が占められており寡占を懸念する声もある。そのような格付け会社の不十分な解析や、格付け会社自体の市場の失敗などの結果としてリスキーな債券とそうでないものの区別が不明瞭になるケースも少なくなく、投資家など市場関係者の疑心暗鬼を招来し、信用収縮に拍車を掛ける要因の一つとなってしまっていることも否定できない。


●そもそも信用格付は先進国の破綻予測には不適切?

 ここからやっともともと紹介したかった話。バークレイズ・キャピタル証券の土屋剛俊さん、森田長太郎さんへのインタビュー記事で、日本国債のデフォルトは本当に起きるのか? 語られることがなかった「ソブリンリスクの本質」というものです。

 記事では、そもそも「格付け手法は、先進国の分析手法としては必ずしも適切ではない部分があるのではないかという印象を持っている」という話が出てきました。

 こちらではWikipediaでなかった失敗例として、アジア通貨危機のとき、財政黒字国で格付けがよかった韓国がいきなり破綻したことを挙げています。
 このときは、財政というより、ドルペッグ制の国で通貨がどう流れるリスクがあるかという点が重要だった。韓国の場合は、ドルがものすごい勢いで流れ込んでいて、その短期資金が逆流して資金が詰まり、財政黒字にもかかわらず破綻してしまった。

 韓国債は破綻直後にBに引き下げられたが、従来の格付けのロジックが機械的過ぎるため、国の構造変化に対応できていなかったことがよくわかる。

 足もとで危機に陥っているイタリアやスペインのケースも、当時の韓国と非常に似ている。財政赤字国ではあるが、これも財政問題より通貨問題を議論すべきケースだ。

 統一通貨ユーロの仕組みは、ドルペッグ制と同じ。事実上、通貨がペッグされているなかで、高金利の国に短期マネーが流入してバブルが起き、その後マネーが一気に還流した結果、ユーロ圏全体に負の連鎖が広まっている。本来、財政問題とは直接関係のない部分で起きている危機だ。

 これは格付け手法そのものの問題というよりは、経済危機に陥る国は格付けで評価されるものとは別の要因で起こる場合が多いので、そもそも予測には向かないって感じですかね。ただどちらにしても予測できないには予測できないわけで、そうなるとあまり役に立たないんじゃない?って気になってきます。


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