えー、これはOKなんですか?
共同通信の
韓国ロケット日本領海上空通過へ 初の人工衛星搭載によると、「韓国が今年7月末、南部の「羅老宇宙センター」から打ち上げる予定の初めての人工衛星搭載ロケットについて、日本の領海上空を通過する経路設定で最終調整していることが18日、分かった」そうです。
「計画しているロケットは2段式。現在のところ九州南西部から沖縄本島にかけての上空を通過する可能性が高い。その場合、1段目は九州近海の東シナ海に、2段目はフィリピン南東沖に落下する見込み」らしいです。
この書き方だと領土の上は飛ばないのかなと思いますが、これについて「日本政府は「韓国の場合、宇宙の平和利用であるのは明らかだ」として、発射を静観する方針」だそうです。
ただし、記事の後半では「打ち上げに失敗すれば日本の領土や領海にロケット本体や破片が落下する可能性が排除できないため、安全面から「他国上空の通過は避けるのが一般的」(外務省)」とも書かれています。
いろいろと不思議なことが。
まず、経路についてですが4月9日の朝鮮日報の
「北の強みはロケット、韓国は衛星の製作・運営」(中)においては、「このロケットは最初の25秒間で、まず900メートル垂直に上昇した後、南側に傾いて飛行し、沖縄本島那覇の180-200キロ上空を通過する」とされていて、日本の領土の上を通過すると書かれています。
共同通信の方が後の報道ですので経路が変更になった可能性もあります。また、先程の引用部分の直後に「国際法では高さ100キロまでが領空となり、それ以上は宇宙とみなされるため、日本の領土上空を通過しても問題にはならない」ということもあります。
ただし、これは先日の北朝鮮のロケットについても同様のことが言えたわけです。
また、たとえ領土上を通過しない経路を取ったとしても、実際のその通りの経路を通過するかどうかは別の問題・・・要するに失敗も有り得るわけです。失敗は言い出したらきりが無いものの、1番被害の可能性があるのは日本です。(明後日の方向に飛んで行くのであれば別ですが)
もう1つ、「他国上空の通過は避けるのが一般的」の件です。
これは以前私が書いた
人工衛星を発射する前の準備において、どうしても分離部分はどこかに落とさなくてはいけないということを書きました。だから、現にイスラエルは西に飛ばしているわけですし、「内陸の国は他国に土地を借りない限り、まず安全に飛ばすことは無理そうですね」という感想を書いたのです。
これについては領海上でも問題だと思います。
同じく
人工衛星を発射する前の準備に書いたとおり、「日本が衛星を飛ばすときは警戒を呼びかけたり、侵入を禁止したりしている」らしいんです。
今回のを認めてしまうと韓国がロケットを飛ばすたびに、日本が漁船などの安全を確保しなくてはならないと思うんですが。当然、人も時間もお金もかかるはずです(政府も国民も)。
2007年02月08日の記事ですが、
韓国の08年ロケット打ち上げ、日本は経路把握できずで「韓国が朝鮮半島南端に建設中の発射場で2008年に予定しているロケット打ち上げについて、日韓政府の非公式協議が遅れ、ロケットの飛行経路や安全対策などの情報が開示されていないことが明らかになった」とあるように、もともと韓国は日本に配慮していなかったようです。
これらを考え合わせて、前回の北朝鮮のロケットは非難し、今回の韓国のロケットは全く何の問題ないというのは、納得しかねます。まあ、どちらも「政治的な判断」と言われてしまうとそれまでですが、安全確保の費用負担ぐらいは要求して当然じゃないでしょうか。
ネット上は韓国を悪く言うことが圧倒的に多いので、なるべくこんなことは書きたくなかったんです。でも、変なものはやっぱ変でしょと思いつつ、今日はここで終わりにします。
関連
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人工衛星を発射する前の準備 ■
その他の宇宙について書いた記事 ■
その他のアジアについて書いた記事
Appendix
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