謝罪に関する話をまとめ。<すぐ謝るのは日本人だけではなかった!社会学者が研究した結果…>、<日本にもぶつかって「すみません」とは言わない地域がある どこ?>、<実は日本人もよく理解していない「すみません」の使い分け>などをまとめています。
2022/09/28追記:
●感謝を伝えるべき場面で謝罪 外国人を戸惑わせる日本人の英語
2023/02/16追記:
●感謝の気持ちを書いてから寝ると幸福になる…日本人は例外 【NEW】
●日本人は相手に感謝したりお返しをしたりするのが苦手だった… 【NEW】
●すぐ謝るのは日本人だけではなかった!社会学者が研究した結果…
2019/11/16:昔おもしろいと思っていてローカル保存していたウェブページを整理中。センスが変わって今読むとおもしろくないものばかりなんですけど、以下の2ちゃんねるの書き込みはちょっとおもしろいものでした。
79 おさかなくわえた名無しさん 2007/05/26(土) 23:28:14 ID:YViIgewU
<英国人の社会学者の本が面白かった
ちょっとぶつかりかけただけでソーリーソーリーと謝り合うのが英国人だけか知りたくて
ロンドンの観光名所を回り、いろんな国の観光客にわざと軽くぶつかってみた調査の結果
英国人に匹敵するほど謝るのは日本人だけだったそうだw
「しかし日本人にこの実験をするのは途方もなく難しかった。彼らは衝突直前に
ひらりと身をかわしてよける術に信じられないほど長けているからだ」ってww>
(すみませんの国 すべらない名無しより)
http://by774.blog73.fc2.com/blog-entry-2672.html
●日本にもぶつかって「すみません」とは言わない地域がある どこ?
2ちゃんねる情報ですので、本当かどうか怪しいところ。とりあえず、事実であれば、ぶつかった場合の「すみません」だけの話ではあるものの、すぐに謝るのは日本人だけではない…ということになります。
あと、上記を読んでいて思い出したのが、うちでやった
東京の電車で降りるとき声をかける人は田舎者?無言で体押すのがマナーだと笑われる。このときには、電車の降り方以外の話もいくつかやっており、大阪の人は上記とはちょっと違うとされていたのです。
これもYahoo!知恵袋情報なので怪しいのですけど、とりあえず、そこで出ていた「大阪生まれの大阪住み」だという人は、大阪で電車内でも外でも避けないのは本当だとしていました。
全く避けないということはないものの、人に接触しそうになって始めて避けるという最小限の動きにしているそうです。この衝突回避は失敗することもあります。しかし、大阪では普通なので謝ったり謝れともなりません、と断言されていました。つまり、大阪人には「すぐ謝る日本人」という性質はないということです。本当なんでしょうか。
●外国人から見ると不思議な日本人の「すみません」の使い方
思ったより短くなったので検索して使えそうな話を探すことに…。
日本人はなんで頻繁に謝罪するのか・・・と思ったら、それは誤解だった=中国メディア (2019年7月14日) - エキサイトニュース(2019年7月14日 11:12)という記事が出てきました。
中国メディア・東方網は、「どうして日本人は毎日のように『すみません』と謝っているのだろうかと思ったが、実は必ずしも謝っているわけではなかった」という記事を載せたそうです。これは「日本人は思ってもいない形だけの謝罪をしている」などと言った意味ではなく、日本語の「すみません」の意味が広いといった意味でした。
謝罪以外というのは、例えば、手伝ってほしい時や店員を呼ぶ時などに「すみません」と声をかけるといったものを言っています。さらに席を譲ってもらったときに感謝の意味で「すみません」といったものを紹介していました。これが一番中国人には理解しづらいようです。
●実は日本人もよく理解していない「すみません」の使い分け
ただ、これ、日本人もよく理解していないと思うんですよ。私が中学生のときに他の人の英語理解を見ていて気になったのが、「I’m sorry.」と「Excuse me.」を混同して使っていたこと。これは日本人が明確に意識していない「すみません」の使い方が悪く作用したもののだと思われます。
あと、上記の中国の話を書いた日本人であろう記者も、ひょっとしたら理解がおかしいんじゃないかな?という微妙な書き方をしていました。<記事が示した3つの「すみません」の意味は、元をたどればいずれも発話者の謝罪の気持ちなのであるが、日本語を母国語としない外国人にしてみれば「全く別の意味で使う」という印象を覚えるのかもしれない>と書いていたんですよね。
中国の記者も、謝罪の気持ちがあることをわかっていなかったわけではなく、他人の助けを求める意味での「すみません」について、「邪魔をしてしまって申し訳ない」という気持ちがこもっているのだと解説していました。それを理解した上で、違う役割で使っているという説明。中国人の方が日本語をよく分析しているように見えました。
実際、「すみません」を
goo国語辞書でひいてみても、「相手に謝罪・感謝・依頼などをするときに用いる」と解説されており、いくつかの意味で使っている…という理解の方が妥当だと考えられます。
●感謝を伝えるべき場面で謝罪 外国人を戸惑わせる日本人の英語
2022/09/28追記:日本人も「すみません」をよく理解していない…の関係で補足。「I’m sorry.」と「Excuse me.」の混同はよくあるようで多数解説ページがヒットします。ただ、私が思った以上に使い分け説明が複雑で予想外。例えば、
オンライン英会話のWeblio英会話コラム(英語での言い方・英語表現)では、以下のような説明でした。
<I’m sorry>
同情や後悔を示す表現、深刻な謝罪を示すとは限らない、謝罪を伴わない「残念さ」も表現する
<Excuse me>
軽い許しを求める表現、謝罪を伴わない「許可」にも使える
「I’m sorry」は謝罪を伴わない「残念さ」も表現するとありましたが、英語としてはこちらがむしろ第一義的…つまり、根本的かつ重要な意味だとのこと。厳密にいえば相手に直接に謝罪する表現ではなく、「遺憾に思います」と述べることで間接的に謝罪の意を述べる表現。公式な場面でお詫びするなら I apologize ~のような表現を使った方が適切とされていました。
「Excuse me」が<謝罪を伴わない「許可」にも使える>というのは、逆に言うと、そうではない「軽い許しを求める表現」のときには謝罪のニュアンスがあるということ。「失礼しました」「ちょっとすみません」という意味での「すいません」であり、人を呼び止める、クシャミ、人混みの中を分け入るなどの例が出ていました。
また、日本語の「すみません」の感覚で使うと間違いになってしまうケースとしては、何かしてもらった場面でお礼を述べる際が挙げられていました。これを日本語感覚で sorry や excuse meを使うと、なぜ謝っているのか?首を傾げられることに…。Thank you. または同種の表現が適切とされていました。
この意味での日本語の「すみません」の場合、私は日本人の使い方自体あまり良くないと以前から感じていたんですよね。お礼を言いたいのであれば、「すみません」ではなくきちんと「ありがとうございます」などと言う方が、より相手に感謝を伝えられるだろう…と思うためです。
また、「すみません」「すみません」と恐縮されると、なんか余計相手を困らせるようなことをしてしまっているような罪悪感も湧いちゃうんですよね。それよりはしっかり感謝の言葉を述べた方が良いでしょう。私もつい「すみません」と言ってしまうので、個人的には気をつけておきたいと思っています。
●感謝の気持ちを書いてから寝ると幸福になる…日本人は例外
2023/02/16追記:
「すみません」多用する日本人の謎 心理学者が数式で解き明かすと:朝日新聞デジタル(岡田玄 2022年6月2日)という記事がありました。人づきあいの心理学が専門の相川充・東京学芸大名誉教授(67)はイギリスに行って、うちで書いてきた独特の「すみません」の使い方を実感したそうです。
<人づきあいの心理学を研究してきました。イギリスに研究員として派遣された時に、「すみません、すみません」という態度の自分に気づきました。イギリス人はどっしりと構えているのに。
他人に何かをしてもらったとき、ありがたいとか申し訳ないとか、何らかの気持ちが人間にはわき起こります。日本人は、こうした場面で「すみません」「申し訳ありません」と、謝罪の言葉で対応することが多いのです>
ただ、この記事は有料で詳細不明。一番気になる「心理学者が数式で解き明かすと」は結局謎のままなのですが、「すみません」の話自体は、
人づきあいの技術を高めるソーシャルスキルの心理学 相川 充氏 | 人材・組織開発の最新記事(コラム・調査など) | リクルートマネジメントソリューションズ(2016/08/08)という別記事でも出てきていましたので、こちらを紹介。ただ、その前の部分から引用します。
<ここ数年は、「ポジティブサイコロジー」を意識しています。人々がより幸せになるにはどうしたらよいのか、困難な状況から自力で立ち直っていく力「レジリエンス」はどうしたら身につくのかといったことを研究する「21世紀の心理学」です。
ポジティブサイコロジーでは、エモンズとマッカローの実験成果などから、「感謝するとウェルビーイング(引用者注:幸福感・充実感といった意味)が上がる(精神的、身体的、社会的に状態が良くなり、持続的幸福が高まる)」といわれています>
相川充・名誉教授はこの実験を再現実験。寝る前に今日感謝したいことを書いてから寝る群、嫌なことを書いてから寝る群、何もしない群を作って、数週間続けてもらった上でウェルビーイングの変化を比較してみました。しかし、日本人では感謝群のウェルビーイングは上がらないという予想外の結果になったのです!
これは日本人学生での実験。その後、大塚泰正先生が日本のビジネスパーソンを対象に実験しましたが、結果は同じだったといいます。小見出しでは「日本人は例外」と書きましたが、実を言うと、韓国やヨーロッパでも再現できず。正確に言うと、アメリカだけ例外…という不思議な結果になったといいます。
●日本人は相手に感謝したりお返しをしたりするのが苦手だった…
そして、この結果からやっと「すみません」の話に繋がってきます。アメリカだけ例外…という話からすると、ちょっと納得しきれない説明ではあるんですけどね。「日本人だけ」あるいは国際調査では日本人と似ていることが多い「韓国人と日本人だけ例外」だったらわかりやすかったんですけど…。
<原因は、「心理的負債感」にありました。日本人は感謝を伝えるときに「すみません」と謝ることが多いですが、それは感謝に、自分の利益が「ありがたい」気持ちと、相手の苦労が「申し訳ない」気持ちの両方が入っているからです。そのポジティブ感情とネガティブ感情が打ち消し合って、ウェルビーイングが上がらない。アメリカ人と大きく違う点です>
とりあえず、相川充・名誉教授は、これを解決するには、感謝の感情と行動を分けて考え、「感謝スキル」を高めて、積極的に感謝行動を起こしていくのがお薦めだとしていました。感謝の気持ちを外に出し、「ありがとう」と口に出したり、お返しをしたりするだけでOK。逆に言うと、日本人はこれらができてないんでしょうね。
<すると負債感が消え、人間関係が良くなって、日本人でも感謝とウェルビーイングが比例するようになります。事実、日本の小学生に行った実験では、感謝スキルを高めると互いによく評価し合い、「自分が困ったとき、相手に助けてもらえると思いますか?」という質問に「はい」と答える子が明らかに増えました。ソーシャルスキルを高めることによって、結果的に持続的幸福を高めることにも役立つのです>
日本人は相手に感謝したりお返しをしたりすることがうまくできていない…というのは、自覚がない人が多いかもしれません。相手に伝わっていないために、相手としても一方的に搾取されているように感じるかもしれません。感謝を表現できてない…というのは、お互いにとって不幸なこと。改めていくべきでしょうね。
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