日本の住宅の寿命については、27年とか26年とか30年とかいろいろと言われていますが、大体それくらいの記述が多いです。たとえば、以下は26年としています。
日本の家の平均寿命が短い理由 _ web R25(2014.04.29 榎並紀行)
多くの人にとって生涯で最も高い買い物は家だろう。だからこそできるだけ長く住み続けたいところだが、日本の住宅は欧米諸国に比べてかなり寿命が短いことをご存じだろうか? 平成8年に国土交通省が試算したデータによれば、日本の住宅が平均築26年で建て替えられるのに対し、アメリカは築44年、イギリスは築75年。
記事では「日本の住宅はなぜこんなに寿命が短いのだろうか?」と、まず疑問を提示しています。
そして、その疑問に対して、「多くの国民が家を持つ時代に入」ったことで、「ニーズを満たすために住宅の大量生産が求められるなか、安価で質の悪い資材を使った、質の悪い家も多く建てられ、結果として日本の住宅寿命が短くなるきっかけとなったように思います」という良質住宅促進協議会理事長の澤田升男さんの答えを載せていました。
ただ、一方で実際の日本住宅の寿命はもっと長いと考えるべきだという意見もあります。
住宅の平均寿命は本当に20年程度なのか? - HPO機密日誌(2008-11-21)では、"確かに、発表されている現在存在している住宅の寿命の加重平均をとれば25年前後になってしまう"ものの、違う見方をするともっと長いと主張しています。
"「平均寿命」を「残存率=50%」ととらえれば、(中略)すでに40年から60年の間である可能性が高い"という考え方です。表を見ると、戦後まもなくの建物ですら平成10年時点の残存率59%でした。以降の建物はさらに長寿命化されていますので、最近の建物が寿命30年ということはなさそうです。
この投稿については
日本の住宅はもう寿命が短くないかもしれないことと、その価格への影響について - 不動産屋のラノベ読み(2013-05-02)でも紹介されているのですが、似たような指摘をした
(PDF)1980年以降における木造専用住宅の寿命の推移(堤 洋樹 小松幸夫)という研究論文もいっしょにリンクされています。
論文では、"1980 年には28.6 年であるが(略)2000 年には47.2 年と、20 年の間に20 年程度延びている"とあるようです。
また、こちらのサイトさんでは、論文のデータから大体「築年数が5年古くなると耐用年数が10年減る」感じではないかと予測しています。古い住宅は古いだけでなく耐用年数も少ない、逆に言えば、新しい住宅は以前よりずっと耐用年数が多いということ。
日本では、今の住宅の寿命を昔の住宅とはいっしょにできないようです。昔がひどかったという話なんですが、成長著しいとも言えます。良いことです。
あと、以前うちで似たような話をやらんかったっけ?やってたら面倒だけど訂正しなきゃ…と検索。出てきたのは、
日本の住宅価値、25年で価格0に下落 上昇する欧米と異なる理由でした。
25年というのは、前述の寿命と近い数字なのですが、寿命とは違う住宅の価値・住宅の評価の問題です。違う話でした。
ただ、もしかしたら既存の住宅の寿命を住宅価値算出の根拠としているかもしれません。その場合は無関係とはいえませんね。
とりあえず、今回の話と合わせると、住宅価値は25年でゼロと判断されるけど、住宅そのものはもっと長く持つよ…ということなります。
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