2012/3/11:
●ヒマワリの除染効果、デマだった?ほとんどセシウム吸収せず
●放射性廃棄物が増えてしまう?むしろ逆効果の可能性すらある
2020/03/06:
●チェルノブイリ救援NPO団体も警告、ヒマワリは菜の花とは違う!
●ヒマワリの除染効果、デマだった?ほとんどセシウム吸収せず
2012/3/11:福島第1原発事故で汚染された農地でヒマワリによる除染の実証実験を行っている農林水産省などが、「放射性セシウムの除染効果は小さい」とする実験結果をまとめました。
2011年8月5日に開花したヒマワリの茎葉と根を刈り取って調べたところ、1平方メートル当たりの土壌に含まれるセシウムの2千分の1に当たる520ベクレルしか吸収せず。最も効果的だった方法というのは、結局、表土を削り取る方法。最大で97%低減できました。農水省は「ヒマワリはセシウムの吸収率が低く、除染に極めて長い時間がかかるため実用的ではない」としています。"
以下の筑波大学の生井兵治元教授のように、「最終結論が出たわけではない」と諦めていない人もいらっしゃるようですけど、どうも全然良い方法ではなさそうでした。
<筑波大学の生井兵治元教授(植物遺伝育種学)は「茎葉より花や種の部分が最も吸収するため結論を出すのは早い。また、今回の実験はヒマワリだったが、チェルノブイリ原発事故以前から吸収効果が高い植物として菜の花(西洋菜種)とカラシナが知られている」と指摘する。農水省によると、種まきの季節の関係でヒマワリの実験を先行させたといい、今後菜の花やヒエなど他の植物の除染効果も調べる。またヒマワリの種も収穫期に効果を調べるという>
("福島の農地 農水省が実験結果 ヒマワリ、低い除染効果 (産経新聞)"より)
http://news.www.infoseek.co.jp/search/story/sankein_snk20110915088/%25A5%25D2%25A5%25DE%25A5%25EF%25A5%25EA/
●放射性廃棄物が増えてしまう?むしろ逆効果の可能性すらある
農業をやっている渡部有三さん(72)も「チェルノブイリで効果があったというので信じられない」としており、ヒマワリの効果を信じたい模様です。その上で、「ただヒマワリを植えることで農地がやせることを防いだり、風評被害を減らしたり意味もある」と効果を見出そうとしていました。
一方、東京大学の中西友子教授(放射線植物生理学)は「吸収量にもよるが、セシウムの吸収が目的なのにヒマワリが大きく育ってしまうことで、汚染土壌より大きな放射性廃棄物になる恐れもある」と指摘。ひょっとしたら効果がないどころの話ではなく、逆効果となって、本末転倒なのかもしれません。
こうなってくると、「ヒマワリで除染するのが効果的」という全然事実ではない説が、なぜ広くこれだけ伝わっていたんだろう?と不思議な感じがしてきます。「ヒマワリで除染」というイメージの良さに騙された感じでしょうか。シンボルマークとして、ヒマワリってなんか良いですしね。
●チェルノブイリ救援NPO団体も警告、ヒマワリは菜の花とは違う!
2020/03/06:検索してみると、その後の話は検索上位にはなく、結局、ヒマワリによる除染効果が薄い…という結果は覆らなかったのかもしれません。また、検索上位で興味深かったのは、「ヒマワリで除染」みたいな話が好きそうなNPO団体がむしろ強く反対していたことです。
チェルノブイリ原発事故の被害者救済を目的に、20年以上活動を続ける老舗の団体「チェルノブイリ救援・中部」。2006年からはウクライナのナロジチ地区で「菜の花」を植え、放射能除染とバイオディーゼル燃料化を試すプロジェクトに着手。その成果を踏まえて、今回の原発事故でも福島の各地で土壌浄化に協力しています。ただ、飽くまでヒマワリではなく「菜の花」なんですよ。
どうも菜の花がいつしか「ヒマワリ」と混同され始めたみたいです。2011年8月中旬、同法人は以下のような見解をサイトに掲載。「確かなデータに基づかずに行動すれば、汚染された土地とバイオマスが残ってしまう。安易に焼却するのは危険」と同法人は警告していました。
<ヒマワリは菜の花よりも土壌中の放射能を吸い上げる能力は低く、水耕栽培での効果を示す研究論文はあっても、福島で問題になる土壌中の放射性セシウムを効率的に吸収するという論文は見当たらない。また、茎や根は大きく育つうえ木質成分のリグニンも多いため、菜の花のような分解、発酵が難しい。このため大量の汚染ヒマワリの処理が問題となる>
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