●調布市の陥没は外環道と因果関係あり、国などの調査委員会が報告
2021/01/06:東京都調布市で発生した道路陥没。住宅街にぽっかりと開いた穴の大きさは5m×2.5m程度で深さは5mほどになりました。この地点より40m以上深い地下では、東京外郭環状道路(外環道)のトンネル工事を行っていたというところ。ただ、大深度地下工事は、地表に影響はない…とこれまでされてきたそうです。
しかし、国と東日本高速道路(NEXCO東日本)が設置した「東京外環トンネル施工等検討委員会」が調査し中間報告では、陥没した周辺を「流動化しやすい層が地表面近くまで連続している特殊な地盤」としつつ、「トンネルの施工が陥没箇所を含む空洞の要因の一つである可能性が高い」と指摘。東日本高速道路が道路陥没と外環道トンネル工事の因果関係を認めた形です。
このことを書いた記事
「大深度地下」工事は適正なのか、調布市の陥没で外環道と因果関係:日経ビジネス電子版(江村 英哲 日経ビジネス記者 2021年1月5)では、住民への補償が発生すれば外環道の事業性に疑問符が付くとしていました。さらに、リニア中央新幹線など他の大深度工事に影響を与える可能性も指摘されているとも書いています。
●大深度地下工事なら地上は安全…は嘘 道路陥没リスク、国は知っていた?
上記の記事は無料部分しか読んでいないのですけど、大深度地下工事はこれまで地表に影響はないとされていた…という記述でした。また、検討委員会の中間報告では、「流動化しやすい層が地表面近くまで連続している特殊な地盤」である特殊要因だともしています。ただ、別記事を見ると、どうもそうではないようにも見えたんですよ。
これが書かれていた記事は、
「大深度なら地上に影響ない」はずだったのに…リニア工事は大丈夫?<調布陥没>:東京新聞 TOKYO Webというもの。やはりリニアの話もしており、同様に大深度地下で建設されるリニア中央新幹線の工事で、地上の安全に不安が出てきたという話がありました。
このリニアの住民説明会では、「『大深度だから地上には影響ない』と聞いていた」とのこと。また、政府もこれまで、大深度工事が地上に及ぼす影響を否定してきました。以下のように書かれており、ここの部分だけ読むと、大深度地下工事なら地上は安全であり、陥没は全く予想できなかったように見えます。
<2015年3月の衆院国土交通委員会では、当時の国交省道路局長が「外環の本線トンネル工事は大深度地下を使用したシールド工法を採用しており、地上への影響は生じない」と説明。太田昭宏国交相(当時)も「シールド(トンネル)自体が壊れることがなければ地上への影響は生じない」と答弁していた>
ただ、どうもリニアをやるJR東海も国も都合の良いところだけ説明していたっぽいですね。なんと大深度工事を認可する国交省土地収用管理室は取材に対し、「認可は『大深度だから安全』と保証するものではない」と強調。「大深度なら地権者と権利調整をしなくていいというのが制度の趣旨」という説明をしていました。だとすれば、安全と誤解させる前述のような説明をしてきたことは卑劣で問題があるでしょう。
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