褒めて伸ばす…すら、相手をコントロールしようとすることでいけないという考え方もありますが、叱るより褒めるの方が良いことは多くの研究で確かめられています。
ただ、褒める以上に認めるが良いとか、結果ではなくプロセスを褒めるべきとかいった話があり、私はこちらにより説得力を感じています。今回の話もそういった内容でした。(2014/12/15)
2017/09/22追記:子供の賢さや能力を褒めると不正増加や勉強のやる気が低下
●子供のどこを褒めるかによって効果に違い 勉強をやる気になる褒め方は?
2014/12/15:スタンフォード大学のキャロル・ドウェック教授は、科学・テクノロジー・エンジニアリング・数学(英語の頭文字をとって「STEM」と呼ばれる)のような"難しく脱落しやすい学問で踏ん張れるように"と、親や教師が行う以下のような行為は「正しいとは思わない」と述べています。
「とても頭が良く、才能に溢れていると語りかけ唱え続けることで、子どもが自信をなくさないように励ますことが大切だ」
たぶん「頭いいね~。すごいね~」みたいなものでしょう。私も個人的には嫌いです。では、ドウェック教授はどうすべきだと言っているかと言うと、"素質や才能ではなく、「プロセス(過程)の素晴らしさ」"を褒めよ…というものです。
"ドウェック博士の研究によると、母親が1歳から3歳までの子どもに対してプロセスを褒めるほど、子どもが5歳になったときにいろいろなことに挑戦したいという欲求が大きいことが明らかになった"とのこと。
私も結果より努力した過程を褒めるべきだと最近考えているので、これは個人的にも好みのやり方です。
(
多くの子どもが投げ出してしまう科学・数学などの勉強が長続きするよう親がするべき大切なこととは? - GIGAZINE(2014年11月06日 09時00分31秒)より)
●一貫性のない褒め方は問題がある
また、褒め方について。"さりげなく褒めるべきか大げさに褒めるべきかという"部分は特に定説がないそうです。それより大切なのは、以下のような部分なのでしょう。
「研究によると、褒めて褒めて褒め倒してからある時を境に褒めることを止めた場合は、子どもはモチベーションを失い、さまざまなことに挑戦しようとしなくなる事が分かっています」
私は実家のペットを相手しているときに思いますが、一貫性のないことをすると当然相手は混乱します。子供が悪いと思う前に、親のやっていることに一貫性があるか?を考えた方が良いです。
●実を言うと「褒める」は最適ではない
また、最初に書いた褒めることで子供をコントロールしようとすることに、うしろめたく思う方にも朗報があります。というか、最後に来て、台無しになる話が…。
実は、"子どもが勉強に限らず物事を投げ出すことなく続けるようにするためには
「褒めること」が最適なものでは"ないそうです。
今までの話は何だったの?という話になりますが、一応結果よりプロセスを…という方向性はいっしょです。
"「どんなふうにやったの?教えてちょうだい」と子どもがやってきたプロセスや採用してきた戦略について話し合うのが大切で、子どもの行為をよく理解し励ますことが褒めることよりも良いとのこと"でした。子供に興味を示し、理解することの方が大切なのです。
なお、最初にも書いたように、「叱る」が効果的でないことは既に判明しています。「褒める」が最適ではないからと言って、「叱る」という選択肢を取る必要はありません。
●子供の賢さや能力を褒めると不正増加や勉強のやる気が低下
2017/09/22:上記のようなことを知っていれば、それほど意外ではないと思われますが、
賢いことを褒められると子供は不正行為をしやすくなるという調査結果(スラド 2017年9月21日 17時01分 (2017年9月22日 14時49分 更新)が出たそうです。
この調査結果を発表したのは、米カリフォルニア大学サンディエゴ校やトロント大学、杭州師範大学のチーム。論文は、カリフォルニア大学サンディエゴ校のNews Center、Slashdot、Psychological Science誌に掲載されました。
研究によると、子供に賢いと言い続けると壁にぶつかったときに諦めやすくなるだけでなく、不正行為をする可能性が高くなるといいます。 同じ研究者らの別の論文によると、直接的に褒めずとも、単に「賢いことを評価する」だけでも同様の傾向が見られたとのこと。理由については、褒められたことやそれによって期待されていると感じることがプレッシャーになるのではないかと分析しています。
また、努力ではなく生まれつきの能力を褒めることは、学習意欲や失敗したときへの対処能力の低下に繋がるとしていました。なので、結局、やはりプロセスに関心を持ちましょうということですね。
「褒める」というのは才能がある子や成功した場合にしかできません。チャレンジを認めるのであれば、成功した場合だけでなく失敗した場合もできること。結果ではなく、過程が大事であり、それが子供の心の持ち方に影響を与えるようです。
「結果を出さないと意味がない」という考え方は、教育としては逆効果と言って良さそうでした。
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