Appendix

広告

Entries

日本の言論統制?自民党がマスコミに出したお願い文書報道で誤報


 もともと話題になっていた記事は以下でした。
自民が訂正要求した記事に誤りなし 参院選「違憲状態」判決 _ GoHoo  日本報道検証機構, 初稿:2014年12月12日 18:13

選挙区間の1票の格差が最大4.77倍だった2013年参院選の定数配分の合憲性が争われた裁判で、最高裁判所大法廷は11月26日、選挙当時の格差は違憲状態だったが、是正されなかったのは違憲ではないとの判決を出した。これを報じた一部報道に対し、自民党が「完全な誤り」があると訂正を求める文書を記者クラブに配布していたが、日本報道検証機構が調査した結果、指摘された部分に誤りはなかった。

 何じゃこれ?と思った話なんですが、自民党は、記者クラブ(通称、平河クラブ)に配布した文書において、毎日新聞が「国勢調査人口(確定値)」をベースに報道したと主張したようです。

 しかし、毎日新聞が記事で使った11月26日の最高裁判決文では普通に「有権者数」ベースのものであり、別に誤りじゃないよという検証でした。自民党もよくわからんところにイチャモンつけていますね。不思議でした。

 ただ、この記事が話題になっていたのは、自民党が配った文書に「2014年11月27日の日付は入っているものの、差出人、名宛て人の記載はなかった」という点です。それって組織としてどうなの?ということみたいで、ここが盛んにツッコまれていました。


 このGoHooというサイトはこういう誤報の検証サイトみたいですね。他の記事もおもしろいです。

 パッと目についたのが、読売「与野党が選挙報道要請文」 大半の党「出していない」 | GoHoo(初稿:2014年12月3日 15:47)という記事。"自民党が民放各局に選挙報道の中立公正を要請する文書を出していたこと"に絡むものです。

 この問題では自民党の言論統制だという批判が強かったです。言論統制うんぬんという話題を出してしまうと、最初の意味不明な言いがかりも圧力の一貫だったのかな?という気になってきますね。

 しかし、この問題での「誤報」としてすぐに思い浮かんだのは、「自民党だけじゃない。他の政党も出している」という指摘でした。ただ、タイトルを見てわかるように、そういう方向性じゃありません。
 読売新聞は11月27日、ニュースサイトに「民放へ選挙報道の中立公正求める文書…与野党」と見出しをつけた記事を掲載した。自民党だけでなく「与野党」から在京民放キー局に選挙報道の中立公正を求める文書が届いていると報じており、与野党の全部もしくは大半が同様の文書を出しているかのような印象を与える。しかし、日本報道検証機構が自民党を除く与野党8党に問い合わせたところ、要請文を出したと確認できたのは日本共産党と新党改革だけ。民主党など6党は出していないと回答している。

 自民党に批判的なものばかりだと「中立公正」じゃないと言われそうなので、そうじゃないものも。上記は誤報レベル5だそうですが、最近の中で一番高かった6である以下の記事は、自民党支持者にとってもゴキゲンなものだと思います。
福島第一海域「東電、低精度測定でND強調」 東京新聞、続報で修正 | GoHoo(初稿:2014年12月9日 03:15)

東京新聞は12月1日付朝刊1面トップで「本紙調査でセシウム検出 福島第一 海洋汚染収束せず」との記事を掲載した。この中で、東京電力が福島第一原発付近の海域で、「精度の低い測定をしていながら、『検出せず』を強調」していると指摘。しかし、実際は、東電は低精度の「日常分析」とは別に、精度の高い「詳細分析」も実施し公表していた。記事は、東電が低精度の測定しか実施、公表していないとの誤った印象を与える内容。東京新聞は訂正していないが、5日付朝刊の続報で「詳細分析」の存在を取り上げ、事実上修正している。

 ただ、もう一つの誤報レベル6は、産経新聞のネタでした。産経、江川氏コメントを不正流用 朝日前社長「顧問辞退」で | GoHoo(日本報道検証機構, 2014年12月8日)というものです。

 私はタイトルを見て、無断転載かな?と思いました。しかし、報道的には無断転載であっても、引用の範囲内であれば問題ないはずです。これをレベル6というのは変ではないか?と先入観を持ちながら読みました。

 記事は、"朝日新聞社が12月5日、社長交代を含む新体制発足時に、木村伊量前社長が就任を予定していた顧問を辞退したこと"に関するものです。

 産経の記事は、木村さんが5日の臨時取締役会で顧問を辞退したことに言及した後、「江川紹子氏は、木村氏の処遇について『対外的には理解されないので、身を引くべきだと思っていたが、これで渡辺体制での再出発の環境が整った』と評価した」と記載しました。

 これだけ読むと何が問題なのかはわからないんですが、そもそも"江川氏が産経記者の電話取材に応じたのは、木村氏の顧問辞退が明らかになる前の5日午前10時5分ごろ"でした。顧問を辞退していないのに「再出発の環境が整った」などと言えるはずがなかったのです。こりゃおかしいです!

 実際の江川さんのコメントは以下のような内容であり、顧問就任を前提にそれを批判するものでした。

「誰も木村氏の首に鈴をつけられないのは問題だろうが、それ以上に私が理解できないのは、木村氏の対応だ。(中略)木村氏は、なぜ自ら身を引いて渡辺新体制での再出発の環境を整えようとしないのか」

 しかし、産経新聞はコメントの最後の部分を「これで渡辺体制での再出発の環境が整った」と変更。日本報道検証機構は「都合よく変えられていた」という言い方をして、江川さんも"今回の産経記事とは「捏造に近い」と指摘"するに留まっていますが、これは「捏造だ」と断言すべき性質のものでしょう。見出しからした想像とは全く違う悪質なものでした。

 江川さんが「もしかしてコメント取り直しがあるかなと気にしていたが、なかったのでボツになったんだろうと思った」と言っているように、取材を面倒くさがってでっち上げたという捏造です。過去にもこの手の捏造をやって、解雇された記者がいましたね。


 もう一つ産経新聞絡みの話がありました。これは以前うちでも紹介しているのと同じですが、産経前ソウル支局長「韓国紙引用」記事で起訴 実際は独自情報も記述 | GoHoo(日本報道検証機構, 2014年12月3日)という記事。タイトルで大体わかるので内容は引用しません。これがレベル5でした。

 …で終わろうと思ったら、下書きしている間に今日(12/19)の更新があってレベル6が追加。また、産経新聞で笑いました。うちで昔やった産経新聞、小保方晴子リーダーがSTAP細胞の再現実験に成功と報じるの件、理研の発表があって完全に誤報とみなしたようです。

誤報と確定 「小保方氏、STAP再現実験に成功」 _ GoHoo( 日本報道検証機構, 2014年12月19日)

 新聞に誤報はつきものなんですが、本当嫌になるくらいありますね。ただ、以前書いたようにこういった誤報があることは知られないまま埋もれていくことが多いため、検証するところがあることは良いことです。良いサイトさんだと思います。


 関連
  ■産経新聞、小保方晴子リーダーがSTAP細胞の再現実験に成功と報じる
  ■朝日新聞批判は儲かるから?産経新聞は新規購読募集ビラまで配布
  ■「ドント・コリア(インチキするな)」はレコードチャイナの捏造か?
  ■朝日新聞への脅迫文に見る日本民族精神 美しい日本人のあり方とは?
  ■読売新聞が勧誘強化 慰安婦報道・朝日新聞たたきは購読者欲しさ?
  ■政治・政策・政党・政治家についての投稿まとめ

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

世界一スポーツ選手の平均年収が高いのはサッカーでも野球でもない
チャッカマンは商標・商品名 じゃあ正式名称・一般名称は何?
ジャムおじさんの本名は?若い頃の名前は?バタコさんとの関係は?
ワタミの宅食はブラックじゃなくて超ホワイト?週5月収10万円
朝日あげの播磨屋、右翼疑惑を否定 むしろ右翼に睨まれている?
レーシック難民は嘘くさいしデマ?アメリカの調査では驚きの結果に
赤ピーマンと赤黄色オレンジのパプリカの緑黄色野菜・淡色野菜の分類
アマゾンロッカーってそんなにすごい?日本のコンビニ受け取りは?
就職率100%国際教養大(AIU)の悪い評判 企業は「使いにくい」
ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
移動スーパーの何がすごいのかわからない 「とくし丸」は全国で約100台
ビジネスの棲み分け・差別化の具体例 異業種対策には棲み分けがおすすめ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
タコイカはタコ?イカ?イカの足の数10本・タコの足8本は本当か?
トンネルのシールドマシンは使い捨て…自らの墓穴を掘っている?
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
好待遇・高待遇・厚待遇…正しいのはどれ?間違っているのはどれ?
コメダ珈琲は外資系(韓国系)ファンドが買収したって本当? MBKパートナーズとは?
大塚家具がやばい 転職社員を通報、「匠大塚はすぐ倒産」とネガキャン
不人気予想を覆したアメリカのドラえもん、人気の意外な理由は?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由