ニューハーフの話をまとめ。<イスラム教国と違いニューハーフ差別がない仏教国タイ 日本では?>、<イスラム教ばかり悪く言われるが実はキリスト教も差別がひどい>などをまとめています。
●「ニューハーフ」とはそもそもどういう意味?
2018/07/18:当初の投稿のときにちゃんと調べていなくて、そもそもニューハーフの意味を把握せずに書いていました。私は性別の一種のような意味だと思っていましたが、
大辞林 第三版での「女装した男性や、女性に性転換した元男性の俗称」との説明です。性別とはだいぶ違いますね。
また、
デジタル大辞泉ではより範囲が狭く、「女装して、女性のように振る舞う男性のこと」としていました。ここでは、"昭和56年(1981)にデビューしたタレント松原留美子がこのキャッチフレーズで売り出したことから一般化した"といった説明もあります。
松原留美子さんというのは、検索して出てきた
松原留美子 [六本木美人]を読んでみると、当初は女性だと思われていたという方なんだそうです。注目されてから男性と判明し、「ニューハーフ」と銘打って売り出したという順番だとされていました。かなり特殊な経緯ですね。
●イスラム教国と違いニューハーフ差別がない仏教国タイ 日本では?
2010/9/15:"どうしてタイはニューハーフに寛容なの?"(R25 伊藤 裕/GRINGO&Co. 2010.08.10)では、『バンコク恋愛事情 愛タイ!』の著者青山誠さんが、「タイでニューハーフが認められる理由」を推測しており、それは国民性ではないかとして次のように語っていました。
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/wxr_detail/?id=20100810-00003170-r25
「タイ人の気質はおおらかで、『マイペンライ(気にするな、の意味)』という言葉がよく使われ、物事に寛容であるといえるでしょう。近隣のイスラム社会のように、女装や同性愛は処罰をされる、といったことがないのも一因のようです。また、タイ人の約 95%が仏教徒であり、タイで浸透している仏教においては、人の体は、現世における単なる『借り物』という考え方が主流。だから、気持ちが女性なのに、器となる体が男として生まれたんだね、くらいの感覚でニューハーフという存在を認める人が多いのでしょう」
「日本のように、ニューハーフであることで職業選択が狭くなるということもあまりないようです。デパートの化粧品売り場で売り子をしているほか、日系の一流企業でも、職場にニューハーフの方がけっこういると知人が話していました。また、タイの医療技術は世界でもトップクラス。世界から性転換手術の希望者が訪れるため、実績が増えて、技術レベルが上がっていく好循環が作られているようです」
ここで、気になったのは「仏教徒」の件です。日本は神道の影響も強いでしょうし、簡単には仏教の国とは言い切れませんが、少なくともイスラム教徒はほとんどいません。ここだけ見ると、タイのようにニューハーフへの差別がなさそうなものに思えます。
しかし、その日本では「ニューハーフであることで職業選択が狭くなる」としており、日本では差別的なものがあるという理解の書き方になっています。同じ仏教徒が多い国でも、タイと異なるってことなんですね。
●日本では24時間テレビで「オカマが地球を救うのか」などと批判
気になって検索してみると、
24時間マラソン「はるな愛」内定 2010年06月08日 東京スポーツという記事が出てきました。このはるな愛さんはニューハーフNo.1を決める「ミスインターナショナルクイーン」の2009年度優勝者だそうです。
記事によれば、タイトルの通り24時間テレビのマラソン走者に内定したものの、それまで「大モメにモメた」そうです。そのモメた理由は、「ニューハーフだから」であり、「オカマが地球を救うのか」とか「チャリティー番組の精神を視聴者に理解してもらえなくなる」とか言われたとされています。
「オカマが地球を救うのか」という批判が事実であれば、これは不思議なもの。地球を救うのに性別は無関係で、オカマだけでなく男女も無関係。はっきりと差別感情が現れているとわかれます。それは番組スタッフもわかっていたのか、「ニューハーフだからマラソンランナーに選べないというのは差別になる」と思っていたようです。
ただ、まだよくわからないのは「日本外国特派員協会で会見したはるなの知名度や人気は“ニューハーフ”の枠を超えたという結論に至った」という部分。「はるなの生きかたに日テレスタッフが共感した」なんて最後はきれいに締めていますが、普通のニューハーフなら駄目ということでむしろ差別感情が色濃く現れている部分です。
●イスラム教ばかり悪く言われるが実はキリスト教も差別がひどい
しかし、何で日本とタイでは、こんなに違う受け止め方になってしまったのでしょうね。「宗教が関係している」という話で言うのであれば、一つには日本の場合、欧米文化の影響が強いためではないかと想像。世界三大宗教の残りのもう一つであり、欧米で主流であるキリスト教のことを思い浮かべます。
最初の青山誠さんの話では近隣国のことしかしていませんので出てきませんでしたが、このキリスト教は果たして「ニューハーフ」に対して寛容なのでしょうか。クリスチャンの方が書かれている「普通(normal)の人々?」コラムというブログの
キリスト教とニューハーフの普及についての考察によると、答えは「否」のようです。
この記事によれば、本来「聖書には性別を自分の都合で勝手に変えるなという文章がない」ものの、「暗黙上、キリスト教では性転換については反対の立場」をとっているし、「社会そのものが保守的」で、性同一障害者(ニューハーフと性同一障害者は完全なイコールではありませんが、ここでは同一とみなされています)を変質者とみなしているようです。
また、特にキリスト教原理主義では、同性の結婚の厳禁、性転換の厳禁、最先端医療の世界への口出しがあるそうです。(今回の件とは無関係ですが、キリスト教原理主義者は堕胎にも反対で、アメリカでは産婦人科医への暴行殺人という事件も頻繁に行われているとのこと)
日本人の差別感情が本当に欧米文化に依存するものかはわかりませんが、この場合欧米を見倣うよりタイに学ぶべきだとは言えるでしょう。
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