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官房機密費の使途


 盛り上がっていたのは結構前の話で今さら感アリアリですが、忘れてほしくない問題なので私なりにメモしておきます。


 まず、内閣官房機密費の説明。正式には、内閣官房報償費。内閣官房長官の判断で支出される経費。支出には領収書が不要で、会計検査院による監査も免除。2002年度から2009年現在まで14億6165万円を計上。(※1)

 要するに何に使ってもバレないお金なので、良からぬことに使われている可能性もあるわけです。以下は、そんな疑惑を※1から引用します。


・宇野内閣の内閣官房長官であった塩川正十郎は、「外遊する国会議員に餞別として配られた」、「政府が国会対策の為、一部野党に配っていた」、「マスコミ懐柔の為に一部有名言論人に配られていた」など、内閣官房報償費の実態をテレビで暴露する(しかし、財務大臣に就任後の塩川は国会でこれらの暴露について追及されると「忘れた」と詳細を明らかにしなかった)。


・宮沢内閣の内閣官房長官であった加藤紘一が与野党政治家主催のパーティー券購入や会食、スーツの購入費、出身高校同窓会費に使った事、さらには官房長官による私的流用したと、日本共産党が官邸の内部文書を入手して明らかにした(加藤当人は否定)。


・小渕内閣の内閣官房長官であった野中広務は2010年に読売新聞の取材に応じ、毎月計5千万円、最高計7千万円使ったと述べた。この証言は2009年9月に民主党を中心とする政権に交代が起こり、使途を機密とする悪しき慣習の廃止を望んで行われた。使途は首相に月1千万円、自民党の国会対策委員長と参議院幹事長へそれぞれ月500万円。また、当時の議員の自宅建設費3千万円や野党議員の北朝鮮訪問に際して要求に応じたとも述べた。一方複数の政治評論家にも盆暮れ等数百万円単位で配られたとも証言しており、マスコミの中立性を疑わせるものとして問題になっている。


・麻生内閣の内閣官房長官である河村建夫が2009年8月の第45回衆議院議員総選挙で自民党が惨敗し下野が確定的になった翌9月に2億5千万円を引き出していたことが明らかになり、大阪市の市民団体「公金の違法な使用をただす会」から10年2月に背任罪・詐欺罪で告発されている。


・鳩山由紀夫内閣の内閣官房長官の平野博文は内閣発足の2009年9月から2010年2月まで毎月支出6,000万円だったが、普天間基地代替施設移設問題の5月末決着が近づいた4月2日、4月28日、5月25日にそれぞれ1億円、計3億円支出した。


・菅内閣も2010年6月8日の発足間もなく6月25日と7月23日にそれぞれ1億円、計2億円支出したと、塩川鉄也衆議院議員の質問主意書に答弁書を出した。



 この前話題になったのは、野中広務さんの暴露です。上の記述では「政権交代が起こり、悪しき慣習の廃止を望んで」と格好良いことになっていますが、別の見方もあるようです。

 これは野中広務さんが会長をつとめる全国土地改良事業団体連合会が、小沢幹事長の判断で予算を半減させられたので、その仕返しだという見方です。

 「たしかに自民党はこういうことをしてきた。しかし、民主党はその政治を変えるという期待を担って政権交代したのだから、変えられなければ国民への裏切りだ」という流れを作ることで、自民党の行為は棚上げできます。そして、民主党がそれを廃止しなければ批判に繋がり(実際、私は当時の平野博文官房長官にひどく失望しました)、廃止すれば官邸の資金を封じ込めることができるということで、どっちに転んでも良いわけです。(※2)


 まあ、野中広務さんの真意はわかりませんが、こういった情報が明らかになること自体は大いに良いことです。


 関連するところでは、5月19日(火)に朝日ニュースターの“ニュースの深層”(司会は上杉隆さん)でのゲストの元参議院議員、平野貞夫さんとの会話を、Chikirinさんが編集してまとめてくださっています。(以下、※3より)

上杉氏:野中さんは「評論をしておられる方々にも盆暮れにお届けしていた。額もすべて(引き継ぎ書に)書いてあった。テレビで正義の先頭を走っているような人が、こんなカネを平気で受けとるのかと驚きました。返してきたのは田原総一朗さんだけです。」「1000万円とか3000万円を要求した評論家の人もいた」と書いてありますが、これは間違いないですか?

平野氏:はい、そう思います。それが官邸の慣行になっていました。私が国会対策をやっている副議長秘書の時は、月300万を預かって、記者クラブの主要な社の人達への支払いに使いました。


(以下は、2000年05月31日号にフォーカスという写真週刊誌が掲載した、「極秘メモ流出!内閣官房機密費をもらった政治評論家の名前」という記事からだそうです)

 竹村健一 200万円

 藤原弘達 200万円

 田原総一朗 100万円(返却?)

 俵孝太郎 100万円

 細川隆一郎 200万円

 早坂茂三 100万円

 三宅久之 100万円



平野氏:羽田政権になった時に、当時の官房長官と自分が、今も活躍中の評論家の人と食事をすることになった。官房長官が急にこれなくなったので、お金のはいった封筒を私が評論家に渡すことになった。厚みでだいたいの額はわかった。先方もすんなり受け取った。


(上杉氏:記者クラブの記者への接待の内容は?)

平野氏:ちょっとした料亭(一流ではなく中級の料亭)で7,8人でご飯を食べ、銀座のクラブにいって飲み、女性と話がついて(事前に決めてあるので)・・という。で、朝、一番町にその人達が集合する、一緒に朝ご飯を食べて、というのを一月に一度くらいやっていた。一回の費用は、(昭和40年代で?)少ない時で20万円、多い時で30万円くらいです。

多くの有力新聞の中でそういう遊びの誘いに応じなかったのは朝日新聞の記者だけだった。私の世代から10年~15年の時代には、類似の行為はあったと思う。各派閥の番記者は同じことをやっていたと思う。


上杉氏:国会対策だから野党に渡すのはともかく、新聞記者や評論家がそれを受け取るのはどうなのか?

平野氏:高度成長時代、昭和30年代後半から、日本の巨大マスメディアの記者がまともなジャーナリスムの役割を果たしていたとは思わない。日本の新聞社の姿勢は、近代国家のジャーナリストの姿勢ではなかった。彼らは権力の一員です。だから、1960年以降の政治運営において野党対策と新聞社対策というのはある意味同じことです。評論有識者も、自民党からお金をもらうのは当然だった。これは日本の政治文化です。



 また、飽くまで噂でしかありませんが、NHK解説委員室の影山日出夫副委員長が8月に自殺したのも、官房機密費のせいではないか?と言われているようです。(以下、※4より)

「政権交代を間近に控えていた二年ほど前から影山さんが官房機密費を受け取っていたのではないか、と言われているんです。与野党の有力政治家を招く『日曜討論』での影山さんの司会ぶりは、どう考えても自民党側に偏っていたし、政権交代直前の『日曜討論』は酷かったという声は当時から局内に燻っている。ところが民主党政権が発足し、この事実が週刊誌などで報じられるような事態になれば深刻な打撃を受けると恐れをなしたNHK経営陣が、健康問題を理由として影山さんに退職を迫っていた、と噂されています」(NHK中堅幹部)


「もちろん事実は定かではありませんが、影山さんは受け取った機密費で私腹を肥やしていたわけではなく、局上層部に”上納”していた、とも囁かれています。しかし、記者一本で生きてきた影山さんにとって、NHKを追われるのは死に等しい。だから、思い悩んだ末に”最後の抵抗”として局内で自殺を図ったのではないか、という噂がもっともらしく流れているんです」(NHK報道局記者)



 あと、使途を一つ追加。

新党大地の鈴木宗男代表は一部メディアに対し、一九九八年の沖縄県知事選挙に際して与党候補者を当選させるため三億円もの機密費が投入された、とも打ち明けている。(※4、小渕内閣 野中広務官房長官のときです)



 この問題へのメディアの態度について、※4では鋭い指摘をしているので、簡単にまとめておきます。


 メディア記者がどのような形であっても政権の秘密資金である官房機密費などを受け取っていたとするならば、ジャーナリズム組織としての信頼を根本から揺るがす深刻な事態である。だから、メディアは自ら積極的に機密費問題の闇へと切り込んでいかなくてはならない。

 そして、もし一部記者が機密費を受け取っていたら、徹底した事実関係の公表と断固とした対応を取らねばならない。

 逆に機密費など受け取っていないとするなら、濡れ衣を晴らすために徹底調査が必要。(以上、※4の主張)


 しかし、結局メディアはこれについて、ほぼ黙殺しています。

 不名誉な「濡れ衣」を着せられているのでしたら、積極的に抗議すべきでしょう。それをしていないということは、機密費を受け取っていることが事実で、なおかつそれを隠し続ける気だと考えるのが自然な気がします。


 これについて報じる記者は「黙れ」と言われ疎まれているようですが、国民にとって本当に価値のある報道とはこういうものだと思います。圧力をかけられたいへんでしょうが頑張って欲しいと思いつつ、今日はここで終わりにします。


 参考記事
※1 報償費 Wikipedia
※2 官房機密費を暴露した野中広務の真意を測る 2010年05月02日(日) 永田町異聞
※3 2010-06-04 機密費によるメディア・評論家買収について Chikirinの日記
※4 NHK、影山日出夫氏の自殺で噂される官房機密費との関係 2010 年 9 月 2 日 週刊金曜日


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