2015/1/14:
●官僚に人脈などが必要…自動車業界の参入障壁が高かった理由
●電気自動車(EV)は家電メーカーでも作れるハードルの低さ
●トヨタの燃料電池車(FCV)、電気自動車(EV)と大した違いがない…という事実
●燃料電池車(FCV)はハイブリッド車(HV)にも似ている?
2019/03/29:
●やっぱりEVは簡単じゃなかった?テスラもピンチに…
●官僚に人脈などが必要…自動車業界の参入障壁が高かった理由
2015/1/14:
グーグルが自動車業界を破壊 グーグルカーよりAndroidが怖い理由で紹介した
5年後、トヨタ最大の敵はグーグルになる | 東洋経済オンライン(泉田 良輔 :GFリサーチ合同会社 代表 2015年01月12日)という記事。これは、メインとなる話自体はよくわからないけど大事そう…といった理由で取り上げたものでした。
実は記事では、もう一つ興味を引く話がありました。それは電気自動車(EV)の問題です。電気自動車では、これまで必要だった部品が必要なくなるため、ガソリン車と比べて部品点数は大幅に減少します。
より問題なのは、「バリューチェーン」と呼ばれる、ひとつの製品が研究開発を経て、原材料購入・製造から顧客に届くまでの間で、「どこで付加価値が生み出されているか」に注目したつながりが短縮化されてしまうことだとのこと。
高品質な製品を最適なタイミングで顧客に届けるためには、自社や下請けを含めた多くの関係者のハイレベルな仕事が要求されるもの。なので、バリューチェーンが長い、つまり社内外の関係者が多いほど、その分野の監督官庁との人脈や事業経験、技術などの蓄積のない新規参入者にはハードルが高くなってきます。いわゆる参入障壁が高くなるということでしょう。
したがって、 「バリューチェーンが短くなる」ことは、「ハードルが下がり、新規参入者が増える」ということを意味してきます。
●電気自動車(EV)は家電メーカーでも作れるハードルの低さ
このような話が気になったのは、
トヨタのプリウスを潰すのは、イーロン・マスクのテスラか?において、どっかで読んだ記事として非常に曖昧な記憶を元に以下のようなことを書いていたためです。
記事では電気自動車は従来の自動車のノウハウが違って簡単だと書かれていました。極論してしまうと、「EVというのは家電だ」と。家電なので、電機メーカーも作れてしまう、従来の自動車メーカーは優位性を保てないという話でした。
この話が本当かどうか知りませんが、実際、後発のテスラがこうして画期的なものを作ってしまったわけです。そして、海外の自動車業界はそのテスラに強い危機感を抱いているわけです。
上記の話はやはり電気自動車の作りやすさに関するものです。曖昧な記憶で書いていたので、別の似たような指摘の記事が見つかって良かったですわ。
●トヨタの燃料電池車(FCV)、電気自動車(EV)と大した違いがない…という事実
ところで、
トヨタのプリウスを潰すのは、イーロン・マスクのテスラか?で私がトヨタに心配していたのは、電気自動車(EV)を捨てて燃料電池車(FCV)に賭けるのは危ないのでは?というものでした。
しかし、これは心配ないかもしれません。というのも、電気自動車と燃料電池車は意外に似ているという指摘があったためです。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員の河村康彦さんは、"FCVが、実は電気自動車(EV)の一種ということは、なかなか理解されていない"としていました。似ているどころではなく、燃料電池車は電気自動車だという主張です。
(
トヨタのミライ発売で注目の燃料電池車、重大な問題とは?本当に「究極のエコカー」か- Business Journal(2015年1月10日06時00分)より)
なぜ燃料電池車が電気自動車だと言えるかと言うと、まず、燃料電池とは、燃料としての水素と酸素を化学反応させて電気をつくり出す、いわば発電機であることを理解しなくてはいけません。そして、その発電機が生み出した電気エネルギーを用いて走行するので、結局はEVだという理屈です。
この説に従うと、「この先、生き残るのはEVかFCVか」といったよく耳にする議論は、そもそもその設問自体が矛盾をはらむということになります。
本当かな?と思いますが、その通りであるなら前述の私の心配はだいぶ杞憂になります。出遅れでブランドに傷がつくなどするものの、たとえトヨタの燃料電池車が失敗したとしても、しくみが同じですので速やかに電気自動車に移行できます。燃料電池車の開発は、電気自動車転向という保険をかけながらできるということです。
なお、河村さんは、FCVは乗り心地は「EVそのもの」といった話も書いていました。これも電気自動車といっしょという主張です。
●燃料電池車(FCV)はハイブリッド車(HV)にも似ている?
ただ、河村康彦さんは、6年前に本田技研工業(ホンダ)が「世界初の量産型FCV」として発売したFCXクラリティとトヨタのミライについて、EVと同じ…以外の書き方もしていました。
FCXクラリティもミライも、主に減速回生したエネルギーをためる目的で2次バッテリーを搭載することから、FCVは既存のハイブリッド車(HV)のエンジン部分を、燃料電池へと置き換えたクルマと理解しても間違いではないのだとしている部分です。
こちらだとハイブリッド車(HV)とも似ているという理解になりそうです。この部分には、"トヨタやホンダなど古くからHVを手掛けるメーカーが、特にFCVに熱心な理由もこれで納得だろう"という追記もありました。
その指摘自体は確かに納得なのですが、ハイブリッド車の得意な企業が電気自動車に熱心じゃないというのは、じゃあ、やっぱり電気自動車と燃料電池車はちょっと違うからじゃないの?という疑いが頭をもたげる部分でした。
●やっぱりEVは簡単じゃなかった?テスラもピンチに…
2019/03/29:といった話を書いていたのですけど、その後、
EV異業種参入でトヨタに危機?ヤマダ電機・船井電機・FOMM・ダイソンなどで書いたように、意外にEVの新規参入は少なく、あまりうまく行っていません。言うほど簡単ではなさそうです。
これもそちらで書いたことですけど、唯一のすごい成功例であったテスラについても、ヤバイ・ヤバイという報道が増えて、むしろダメだったという感じに。今はそういった報道も一段落しており、ひょっとしたらテスラやばい報道も騒ぎすぎなだけだったかもしれませんが…。
一方で、やはりそちらで書いたように、EV普及に伴う業界の異変的なものは見られています。中国ではマジでEV参入の企業が多いのです。また、新規参入企業が…という話ではないですが、新エネルギー車(NEV)の販売台数ランキングでは、すでに中国企業が1位・2位。EV競争力調査でも中国が日本を抜いて世界一になっていました。報道の偏りで変化が見えづらいだけかもしれませんね。
【本文中でリンクした投稿】
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