2015/1/16:
●超ホワイト企業未来工業 社員を「管理しない」という人材管理
●長時間労働・残業なし、報連相は禁止などが未来工業の特徴
●「休む」というのも実は大事 残業なしでも業績は好調
●長時間労働、実は企業にも個人にもメリットがあった?
●超ホワイト企業未来工業 社員を「管理しない」という人材管理
2015/1/16:超ホワイト企業だと名高い未来工業。ここに関する記事をいくつか集めていたんですが、なぜか書く気が起きなくて後回しにしていました。今回やっと書きます。
まず、
超ホワイト企業は“怒りの芽”をうまく摘む 未来工業ではなぜ社員が能動的に動く?- 東洋経済オンライン(2014年11月3日08時00分)によると、未来工業は、岐阜県大垣市に本拠を置き、電気設備資材等の製造販売を行う企業。聞いたことないと思うかもしれませんが、それも当然でしょう。東証一部上場のような大会社ではありません。調べてみると、名証でしかも「2部」です。
しかし、ホワイト企業として注目されている企業ということも事実。記事では、この会社の人材管理は、他社と大きく異なっていることで有名という書き方をしていました。ただ、山田昭男元社長(故人)は、「社員を管理するなんて、まったくのムダだよ」と述べていたため、<「管理」という言葉を用いること自体誤っているのかもしれません>とのこと。管理しないという話だと、初期に書いた
AZスーパーセンターは従業員教育をしないし営業会議もやらないも思い出します。
●長時間労働・残業なし、報連相は禁止などが未来工業の特徴
未来工業の場合はどのようなことをしているのか?と言うと、以下の通りだそうです。
・タイムカードなし、残業なし
・1日7時間15分労働
・育児休暇は最長3年(何度取ってもいい)
・年間140日間の休暇(年末年始は20日連休)
・定年70歳(60歳を超えたからといって給料が減額されることはない)
・パート、派遣労働者は置かない(全員が正社員)
・「ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)」は禁止して現場へ大幅な権限委譲
・失敗は何度してもいい(ただし同じ失敗は許さない)
・ノルマ禁止
・制服を強制しない
最後の「制服を強制しない」は気になりますね。製造も行っている会社ですけど、作業内容によっては安全上ふさわしくない服装、あるいは安全上必要な服装というものがあります。安全軽視という意味ではなく、適切な服装であればOKというのなら良いんですけど。制服ってそういう点楽ですよ。
それ以外は悪い意味では気にならず。「失敗は何度してもいい」は、私がよく書いている良い会社の条件の一つです。あと、ホウレンソウ禁止は以前別の会社でもあったよなと検索。すると、
売上目標・ノルマがなく社員を管理しない成功会社は結構ある メガネ21、未来工業、A-Zスーパーセンターが出てきました。前にも未来工業の話やってんじゃん! しかも、さっき名前を出したAZスーパーセンターとセットです。すっかり忘れていました。
●「休む」というのも実は大事 残業なしでも業績は好調
上記のようにゆるゆるな感じに見える未来工業なのですが、"特筆すべきは、労働時間数が短くとも、業績が好調だということ"。2014年3月期も"前期実績から増収増益"。"業界で圧倒的なシェアを誇る自社製品も多く、施工業者からの評判も高い"とのことでした。
これも何度か書いているように、残業を嫌う企業は業績の良い企業のことが多いという話で、良い会社の条件の一つと言って良いかもしれません。
この記事以外には、
残業禁止! 利益率14.6%“ホワイト企業”未来工業:PRESIDENT Online - プレジデント(PRESIDENT 2014年9月29日号 宮内健=文 的野弘路、川島英嗣=撮影 Vorkers=図版出所)という記事を用意していました。
こちらは、"会社で生産性の高い仕事をしつつ"、"退社後はテコンドーの師範として自身の経営する複数の道場で指導を行う"など、"ビジネスパーソンにとって憧れのような生活をしている"未来工業現役社員の話が載っています。岸玄二さんという方の話です。
岸さんは、会社では開発部で電気設備資材の設計を担当し、年間5~6個の新規製品を開発。1日の働き方は朝8時に出社してメールと提案した商品の出荷数をチェックし、コーヒーを飲んだら、あとはアイデアを考えるか、図面を描くか。アイデアが出なければ散歩したり実際のモノを手にしてみたりしています。
これは、傍目にはぶらぶらしているように見える状況だとのこと。しかし、とやかく言われる雰囲気はまったくありません。そもそもノルマはなく、給与も年功序列。上司はいるが、最初の記事にあったように管理されることはないわけです。この岸玄二さんは以下のようなことをおっしゃっていました。
「頑張ったところで利益という結果が出るわけではありません。面白いモノをつくらないとお客様の目にも留まらないし、頑張ってモノをつくっても利益が出なかったら意味がない」
何だか芸術家のセリフみたいだなと思いました。ただ、「休む」というのも大事な技術ですので、上手に休みながら仕事をしているとも言えるかもしれません。休まないことで集中力や労働生産性が落ちることは証明されています。
●長時間労働、実は企業にも個人にもメリットがあった?
それから、未来工業の労働時間については、総務部総務課・阪本誠課長によると、「他の会社にはない付加価値を持った商品で勝負するには社員を大切に」する必要があるが、「中小企業なので大企業並みの給料は払えない。じゃあ労働時間でいこうとなった」とのこと。
労働時間の短さという価値だけしか認めないというわけではなく、給料では報えないので、労働時間で報うという選択をしたようです。これはちょっとおもしろいですね。
同じ記事において、鶴光太郎・慶應義塾大学大学院商学研究科教授は、「長時間労働が批判されつつも長年にわたって維持されてきたのは、企業や個人にとってメリットもあったからだと考えられます」としていました。つまり、長時間労働も必ず全否定されるわけではないという考え方です。
鶴光教授は長時間労働について、自発的な要因と非自発的な要因に分けていましたので、前者なら悪いことではないという考えがありそうです。
とはいえ、「自律的に労働時間を管理できる労働者は限られている」、つまり、自発的な要因で長時間労働している人は多くないことに触れていました。結局、鶴光教授も多くの労働者が今やっている長時間労働を、望ましいものとは考えていないようです。
【本文中でリンクした投稿】
■
売上目標・ノルマがなく社員を管理しない成功会社は結構ある メガネ21、未来工業、A-Zスーパーセンター ■
AZスーパーセンターは従業員教育をしないし営業会議もやらない【関連投稿】
■
ダイナミックフルーツは労働マルチ?野菜の訪問販売とキャッチセールス ■
高ボーナス企業スター精密の方針 グローバルニッチと身の丈経営 ■
企業・会社・組織についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|