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中国人などの外国人観光客による観光公害・オーバーツーリズム


 観光公害関連の話をまとめ。<中国人などの外国人観光客による観光公害・オーバーツーリズム>、<外国人観光客が増えたら逆に日本の古民家壊しまくり…なぜ?>、<タイの観光地では「中国人お断り」の看板…これで効果はあった?>、<新型コロナウイルスで外国人観光客ゼロはチャンス!歓迎する声>などをまとめています。

2022/09/14追記:
●観光庁がオーバーツーリズムの報告書発表、予想外の分析結果に… 【NEW】


●中国人などの外国人観光客による観光公害・オーバーツーリズム

2019/11/23:観光公害というのは、海外だと「オーバーツーリズム」と呼ばれるそうです。知恵蔵によると、観光地において、観光客の過度な増加が、地元住民の生活や自然環境に悪影響を及ぼしたり、土地の魅力を低下させたりすることを指す造語だといいます。

 具体的には、ごみのポイ捨てや自然破壊、文化財の損傷のほか、観光バスによる交通渋滞や混雑、立ち入り禁止区域への侵入・撮影、夜間の騒音などといったもの。世界各地の観光地で問題となっているんだそうです。うちでもこの観光公害の話を書いていたと思ったのですけど、メインではやってなかったみたいなので今回ひとつ作ることに。私が誤解したのは、中国人などの外国人観光客は迷惑!バブル期日本人のハワイ旅行を見よ?をやっていたせいみたいですね。

 中国人などの外国人観光客は迷惑!というのがまさに観光公害なわけですけど、当時の投稿ではその対策としてバルセロナで参考となる先行事例があると聞いたことがあるという話も書いていました。ただ、私の読んだサイトでは、具体的にバルセロナがどういう対策をしているか?については不明。わかれば参考にできそうなんですけどね。


●外国人観光客が増えたら逆に日本の古民家壊しまくり…なぜ?

 この観光公害は興味あるところであったため、「観光公害は受け入れ側の問題」、アレックス・カーがほえる!:日経ビジネス電子版(篠原 匡 日経ビジネス副編集長 2019年8月22日)という記事が気になりました。タイトルからすると役に立たない精神論の可能性も感じられるものの、一応読んでみることに。

 記事でインタビューされていたアレックス・カーさんというのは、2004年以降、京町家の再生を通して京都という町の伝統的価値を後世に残そうと尽力されてきた方だそうです。カーさんのこの取り組みを真似する人が出る一方、京町家の維持が進むと思いきや、逆にまた古民家の破壊ラッシュが始まっているといいます。

 これは、外国人観光客側の都合ではなく受け入れ側の都合でした。不動産価格の高騰も重要ポイントです。不動産価格が上がりすぎているため、京町家を宿泊施設やバルのようなレストランにリノベーションするよりも、壊して小さなホテルをつくったり、マンションを建てたりする方が儲かるためだといいます。

 この選択は市場原理的にはやむなし。ただ、海外で観光公害に悩むバルセロナやアムステルダムなどの都市では、そもそもこのようなことができないように規制しているとのこと。アレックス・カーさんは市全体の規制ではなく、「場所を選んで規制」という現実的な提案もしていて納得しました。

 うーん、日本人は「日本文化は素晴らしい」と言いつつ、それを活かす意識は低いのかもしれませんね。そう思いながら読んでいたら、後半でアレックス・カーさんは「日本は(引用者注:観光客の)数の議論ばかりで、文化を大事にしよう、景観を大事にしようという思い自体が希薄」ともおっしゃっていました。


●問題は観光客じゃない…「観光公害は受け入れ側の問題」と言える理由

 上記がすでに、「観光公害は受け入れ側の問題」という話。さらに、行政は単純に観光客を増やすことにお金を使うことしか考えておらず、そもそもマネジメントをしていないとも指摘。自分たちで観光客を増やしておきながら、増えすぎると観光客を叩くのですから、ひどい話。確かに受け入れ側の問題と言えそうです。

 なお、私はそもそも国や自治体の観光客を増やす政策は、効果が低い税金の無駄遣いが多いのではないかと考えています。例えば、クールジャパンが失敗する本当の理由 忍者地方創生で3億円の税金、潤うのは代理店ばかり?がそういった話でした。

 なので、そういったPRより、「市街地へのアクセスや駐車場、景観規制などのルール作りにカネを使う方がいい」というアレックス・カーさんの指摘には、その意味でも賛成できます。これは我々日本人のためにもなる話。観光客増加の被害を抑えつつ、観光客増加の利益を得ることができます。


●タイの観光地では「中国人お断り」の看板…これで効果はあった?

 カーさんも本当はそんなことはしたくないとしていましたが、観光客を増やすよりも選ぶ必要があるのではないかとも指摘。例えば、人が多すぎると京都の風情がなくなるため、有料制や抽選にして本当に価値を感じる人に絞り込むことを提案。ここでは触れられていませんが、観光客の多さは文化財を痛める危険性がありますので、保護とのバランスを取る必要もあります。

 また、観光客を増やすためにアクセスを良くする自治体が多いがこれも逆だろうとのこと。海外の観光地では車の進入を制限しているものの、それでもちゃんと人は来るとのこと。安価だから来るという観光客は減らしていった方がむしろいいのではないかということで、これも観光客を選ぼうという趣旨の話です。

 日本の観光地のお店の人によると、日本人こそマナーが悪いそうですが、観光客のマナーの問題も出ていました。こちらは「選ぶ」というよりは「教育を」という話。タイのある観光地では中国人観光客の態度が悪く、「中国人お断り」という看板を出す店まで登場。しかし、成功した対策はこの看板ではありませんでした。

 効果的だったのは、観光バスを降りる前に1~2分、タイの行儀作法についてレクチャーするという取り組み。これを始めたら効果てきめんで、中国人観光客のマナーは大きく向上したそうです。これで100%解決ってことはないでしょうが、確率としては良くなるでしょうね。こうした提案をわざわざ否定する理由はなさそうです。


●新型コロナウイルスで外国人観光客ゼロはチャンス!歓迎する声

2021/07/30追記:新型コロナウイルス問題で外国人観光客が激減どころかほぼゼロに。新型コロナウイルスは外国人観光客のせいだと叩く記事や、新型コロナウイルスは観光公害を改めるチャンスだとする記事もあったものの、これはこれで極端であり、打撃が大きすぎ。ちょうどいい感じになってくれませんね。

<感染拡大前にはインバウンド(訪日外国人)など急増する観光客が集中し、住民生活が損なわれる「観光公害」が深刻化していたが、一転して窮地に立たされている。
 府が休業要請を出す前日の17日午後、京福電鉄嵐山駅(京都市右京区)前で観光客向けの飲食店や土産物屋が立ち並ぶ嵐山商店街は、多くの店がシャッターを閉め、臨時休業を知らせる張り紙が並んだ>

 上記は、新型コロナ 緊急事態宣言 「観光公害」一転窮地に 外出自粛で各地に大打撃 /京都 毎日新聞 2020/4/19という記事から。他に、新型コロナ: 神奈川・鎌倉、観光公害の街一変 「大河」見据え苦闘: 日本経済新聞(2020年7月15日)という記事も出ています。

 鎌倉市は最初のときにちょっと書いた「日本人の方がよほどマナーが悪い」と言っているお店の人がいた街なのですが、記事によると、<市街地に観光客が殺到する鎌倉市は「オーバーツーリズム(観光公害)」に悩まされてきた>とのこと。一方で、今は地元の商店や飲食店は観光客の急減に頭を抱えている状態です。

 鎌倉市は周辺自治体と同様に海水浴場開設を中止して、海の家が営業停止しており、この時点で打撃。ただ、「海水浴場を中止しても警備で出費は強いられる」(市幹部)といい、市には一定のコストがのしかかります。さらに、鎌倉駅から鶴岡八幡宮に続く小町通りの店舗には休廃業も出始めており、影響は海の家にとどまりません。

 ホテルが少ない鎌倉駅前に4月に開業したばかりの、客室数130室超のホテルメトロポリタン鎌倉ですが、こちらもいきなりピンチに。国の緊急事態宣言後、宿泊キャンセルが広がり、予約が大きく減ったそうです。ただ、記事では、<結果的にオーバーツーリズムに配慮した受け入れ体制を探る時間ができたともいえる>と前向きに終わっていました。


●観光庁がオーバーツーリズムの報告書発表、予想外の分析結果に…

2022/09/14追記:最初にリンクした知恵蔵では、他にも具体例がありました。私が気にしていたスペインのバルセロナの話も少し出ていましたが、「観光客向けのアパートや民泊が増えたことによって、賃貸住宅が減るなどし」とだけで、対策は不明。一方、以下は、対策までわかる事例です。

<「水の都」として有名で、住民の500倍以上に相当する年間約3000万人の観光客が訪れるイタリアのベネチアでは、長年、観光客の増加による混雑や路上でのごみの散乱などの問題が指摘されてきた。このため、住民らの不満が高まり、ベネチア市は混雑緩和などのため、旅行者から「入場税」を徴収することを打ち出した>
<オランダのアムステルダムでは2017年、酔っぱらって騒ぐ観光客の騒音などが問題となり、複数の乗客がビールを飲みながらペダルをこいで動かす人気の乗り物「ビアバイク」の市内中心部での利用が禁止された>

 我が国でも観光庁が2019年6月、国内の観光地における現状や今後の方針などをまとめた報告書「持続可能な観光先進国に向けて」を発表。しかし、「現時点においては、(日本では)他の主要観光国と比較してもオーバーツーリズムが広く発生するには至っていない」との見方だったそうです。これは予想外かもしれません。


【本文中でリンクした投稿】
  ■中国人などの外国人観光客は迷惑!バブル期日本人のハワイ旅行を見よ?
  ■クールジャパンが失敗する本当の理由 忍者地方創生で3億円の税金、潤うのは代理店ばかり?

【関連投稿】
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