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ビジネスのヒントになる開成高校野球部のセオリー 空振りのススメ


2015/1/18:
●開成高校野球部には9回がない?なぜかと言うと…
●とにかく異常に下手で「ボールが怖い」「逆上がりもできない」
●練習週一回で下手なのにそこそこ勝てる理由とは?
●まぐれ当たりが相手ピッチャーなどの動揺を誘い守備崩壊!
●ビジネスのヒントになる開成高校野球部のセオリー 空振りのススメ
●開成高校も最近は苦戦…その理由として想像できるのは?



●開成高校野球部には9回がない?なぜかと言うと…

2015/1/18:「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー (新潮文庫)の著者である髙橋秀実さんは、著書について「ビジネスにも役立つのでしょうか」と聞かれて、「正直言うと、著者である私には自信がありません(笑)」と答えていました。
(強豪の混乱誘い「ドサクサ作戦」で勝つ:日経ビジネスオンライン(小笠原 啓 2014年12月10日)より)

 ただ、これはすごくビジネスのヒントになると思いますよ。たいへんおもしろいものでした。

 純粋におもしろさであれば、日刊SPA!の方が良さそうなので先にそちらを紹介。記事が古いのであれ?と思ったら、2014年の発売ではなく2012年でした。
(下手でも勝てる!? 開成高校野球部の“異常な”戦術 | 日刊SPA!  2012.10.04 土屋 敦(HONZ))

 本では<野球は9回裏まで何が起こるかわからない」という決まり文句があるが、開成の野球には9回がない>と表現されていました。そういった表現の元になったのは、たとえば、「平成17年全国高等学校野球選手権大会の東東京予選」での以下のような戦績。勝つのも負けるのも、ほとんどコールドゲームなんです。

・1回戦 開成10-2都立科学技術高校(7回コールド)
・2回戦 開成13-3都立八丈高校(5回コールド)
・3回戦 開成14-3都立九段高校(7回コールド)
・4回戦 開成9 -5都立淵江高校
・5回戦 国士舘高校10-3開成(7回コールド)


●とにかく異常に下手で「ボールが怖い」「逆上がりもできない」

 髙橋秀実さんが開成高校の練習を見に行って驚いたのが、とにかく異常に下手なこと。内野ゴロが野手の股の下を抜ける、フライの落下点を誤って後逸するなんてのは序の口、キャッチボールでさえエラーするといいます。しかし、彼らはあまりこれを気にしていないようです。「エラーは開成の伝統ですから」と胸を張って言うほどです。

 他にも「内野は打者に近い。近いとこわいです。外野なら遠くて安心なんです」(レフト)、「実は、僕は逆上がりもできないんです」(ピッチャー)といった名言を連発しています。

 ここから日経ビジネスオンラインからの引用になりますが、下手な上に「練習時間は週一回のみ」なんだそうです。それではますます上達しません。では、それでなぜそこそこ勝てるのでしょうか。


●練習週一回で下手なのにそこそこ勝てる理由とは?

 高橋さんによると、開成高校野球部はそもそもうまくなろうという気持ちを捨ててしまったようです。「勝つためには何が必要なのか」だけを考えた末、守備力を捨てて点を取ることだけに力を入れました。

 具体的に言うと、打撃練習では「当てにいく」ことを禁止。当たらないとダメな気がしますが、むしろ当ててはいけないというのです。というのも、下手な野球部員が当てようとすると、かえって体のバランスを崩してしまうため。

 一方、当たるという前提で思い切りバットを振るよう指導しました。すると、当然、空振りが増えます。しかし「ナイス空振り」といって褒めて、これを続けさせるといいます。

 打率3割でもうまい選手であり、失敗する方が多い…どうせ失敗するなら、大きく振った方がいいってことみたいですね。もちろんこれには理由があります。力いっぱいバットを振れば、当たった時にボールが遠くに飛ぶのです。監督はそこに賭けたそうです。


●まぐれ当たりが相手ピッチャーなどの動揺を誘い守備崩壊!

 しかも、それだけでなく、力いっぱい振るというのは、様々な効果をもたらすと作者の高橋さんは言っていました。

 例えば、ピッチャーにとっては、思い切りバットを振る選手は怖いもの。ホームラン狙いの豪快なスイングはそれだけで精神的な影響があるようです。

 また、たまたままぐれ当たりで強打が出たら、これが大きいんだそうな。まさか開成の選手に打たれるとは思っていないため、強豪校の選手は動揺してしまうというのです。

 すると、ピッチャーのコントロールが乱れ、練習しているはずの守備でもエラーが出るように。その混乱に乗じて、大量得点を取ってしまうということで、「ドサクサ作戦」と呼んでいるとのこと。これこそが、開成高校野球部の勝利のセオリーだということでした。


●ビジネスのヒントになる開成高校野球部のセオリー 空振りのススメ

 ビジネスへのヒントとしては、これは私が好きでよく言っている「たくさんチャレンジして失敗しよう」と似ていると思いました。どれが当たるかわからない、とりあえず、やってみて当たるのを狙おう、それまでたくさん失敗してもいいんだ…という話です。

 ただ、これは失敗できるような環境にしなくちゃいけませんからね。会社が潰れるような大きな仕事じゃ、もちろん失敗できません。たくさん失敗できるように小さく早く失敗するというのが理想的です。

 あと、作者が甲子園行く高校みたいなのは守備力がいると言っていたように、綿密にやるやり方が悪いわけでもなく、それはそれぞれの環境によるでしょう。弱小高校と強豪校が異なるように、中小企業と大企業でも異なることがあると思われます。


●開成高校も最近は苦戦…その理由として想像できるのは?

 日刊SPA!では「エラーしまくると相手は油断する。エラーは一種の戦略でもあるのだ」といったことも書いていました。

 さっきのものを含めて、開成高校がうまく行っていたのは相手が開成高校の戦術を知らないというのが大きかったのでしょう。検索してみると、最近はもっと早くに負けています。心の準備があると動揺も抑えられてしまうからでは?と思いました。

 これをビジネスにたとえるとどうなるか?というのは、特に思いつきませんでした。ただ、ヒット商品を当てることができて安泰というわけではないというのは、ビジネスでも同じです。ヒットしたら他社に真似されてしまうという問題があります。

 同じような商品を他社に作られてはうまみが減りますし、中小企業の場合は大企業とまともに戦うとなると、いろいろとかなわない面があるでしょう。USB扇風機のメーカーだったかな? 忘れちゃいましたが、ヒットは出したものの、真似されて大きな利益は出なかったと言っている会社が昔ありました。

 中小企業としては辛いところですけど、ヒット商品を一つ出しても空振りすることをやめてしまわずに、バットを振り続けなくてはいけません。


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