★2015/1/18 小保方晴子の犯罪 詐欺・業務上横領・虚偽公文書作成罪は立証可能か?
★2015/1/24 小保方晴子氏をES細胞の窃盗容疑で刑事告発へ 理研OB石川智久氏が決意
★2015/1/27 理研OB石川智久の刑事告発 小保方晴子側は小保方叩きと批判、対抗措置にも言及
★2015/2/4 小保方晴子さんの刑事告発 弁護士は警察が受理する可能性は低いとの見解
★2015/2/10 言うだけ詐欺?理研が小保方晴子刑事告訴と研究費返還請求を検討中
★2015/2/12 理研に怒りの声、小保方晴子氏への刑事告訴や研究費返還の検討で
★2015/2/13 小保方晴子氏に刑事告訴や返還請求 理研や野依良治理事長の責任は?
★2015/3/17 理研、結局ポーズだけ 小保方晴子氏への刑事告訴見送りでうやむやに
★2015/1/18 小保方晴子の犯罪 詐欺・業務上横領・虚偽公文書作成罪は立証可能か?
小保方氏 詐欺、業務上横領、虚偽公文書作成罪の可能性も- NEWSポストセブン(2015年1月18日07時00分)(週刊ポスト2015年1月30日号)という記事が出ていました。
小保方晴子さんが詐欺罪などに当たるかどうか?という話は、定期的に出てきています。先月もあったよなとブックマークを探したら同じ週刊ポストでしたわ。再利用でしょうか?
小保方晴子氏 「調査次第で詐欺罪での刑事告訴も」と弁護士- NEWSポストセブン(2014年12月17日07時00分)(週刊ポスト2014年12月26日号)
新しい記事の方では、お金の問題に多く言及しています。
小保方氏については、2013年3月からのユニットリーダー時代、年間800万円以上の給与に加え、国の交付金からユニットに対して研究費・人件費が各1000万円、計2000万円支給されている。笹井研究室の年間約6億円の研究費も使用していたのではないかと指摘する報道もあった。
加えて疑惑発覚後、理研は検証実験に約1500万円、外部委員会の調査に約1400万円、計約2900万円を投じている。いずれの金も原資は税金である。
検証実験の結果が発表になる以前の先月の記事では、長谷川裕雅弁護士の以下のような話を載せていました。
「3月に終了する調査結果次第では、詐欺罪での刑事告訴が考えられます。ありもしないSTAP細胞をあるかのように見せかけて研究費を騙し取った疑いです。立件は簡単ではないが、実刑となれば10年以下の懲役になる。また、民事でも損害賠償請求が行なわれる可能性はあります」
再利用かな?と思ったら、新しい記事の方では別の弁護士の方を持ってきていました。みずほ中央法律事務所代表弁護士の三平聡史さんという方。"小保方氏と同じ早稲田大学理工学部出身"の弁護士さんなんだそうです。
「ユニットリーダーになる前からSTAP現象の発現があり得ないと知りつつ虚偽の実験結果を記載・説明して研究費・人件費などの申請を行なったとすれば、刑法246条の詐欺罪に、ユニットリーダーになった後でSTAP現象発現はあり得ないと知ったとすれば、刑法253条の業務上横領罪に問われる可能性がある。
また、独立行政法人の職員である理研の研究者は『みなし公務員』として、公務員同様の刑法の罰則が適用される。そのため、『虚偽公文書作成罪』に問われる可能性もある。
(中略)成立すれば法定刑は懲役10年以下の懲役となります」
ただ、実際に有罪というところまで持って行くのは、かなり難しいのではないかと思います。
まず一つ、上記のいずれの罪も「故意の立証が必要」だということ。「研究者の不正において故意か過失かを立証することは非常に難しい」ので、正直望み薄ではないかと思います。
そして、意外にハードルが高いのではないか?というのは、この前の段階です。そもそも訴えないのではないか?と、私は疑っています。
というのも、「監督責任がある理研には、不正を見逃して小保方氏に交付金の一部を差配した社会的責任がある。そのため、刑事告発をするとなれば、理研以外の研究者や市民団体などでなく、理研がその立場にある」とあったためです。刑事告訴可能なのは理研のみみたいなんですね。
理研がSTAP細胞問題でひどい対応をしていたのは自己保身のためが大きいのでしょうが、その中には小保方さんから訴えられたくない…というのもあったと思います。以前別の研究者から訴えられて苦労したことがあるためです。
「血税が使われたのだから、(理研には)そうすべき道義的責任は当然ある」と三平弁護士はおっしゃっており、私も誠にその通りだと思います。ただ、今までの対応を見る限り理研がそのような誠実な行動を取るとは思えません。
このままでは、数千万円あるいはそれ以上の税金が無駄にされたものの、結局、責任のとり方は不十分、お金も一銭も戻ってこない…という最低な結果になりそうです。もっと国民は怒るべきでしょう。
★2015/1/24 小保方晴子氏をES細胞の窃盗容疑で刑事告発へ 理研OB石川智久氏が決意
報じているのが東スポなんで心配なんですが、この記事はジャーナリストの津田哲也さんによるフライデーの記事を元にしているようですので、東スポというよりは、フライデーの取材と言った方がいいかもしれません。
内容はついに小保方晴子さんを刑事告発という話。ただ、告発の内容は
小保方晴子の犯罪 詐欺・業務上横領・虚偽公文書作成罪は立証可能か?など、これまで有力視されてきたものではありませんでした。
また、告発者もこれまでに名前が出てきた方ではありません。初登場です。いろいろと意表を突かれた感じの話です。
記事によると、告発するのは、昨年3月まで理研にいたOBの石川智久さん(60)。"理研横浜研究所の創薬・医療技術基盤研究プログラムのテーマリーダーを務めていた人物"だそうです。
小保方さんと接点はないものの、「日本の科学への信頼が地に落ちる」ことを危惧したというのが告発を決意した理由とのこと。
(
窃盗容疑で小保方晴子氏を刑事告発へ 東スポWeb 2015年01月24日 07時00分)
そして、告発内容は「小保方氏がES細胞を若山照彦教授の研究室から盗んだ証拠をそろえた」というもの。26日にも"兵庫県警に近く、窃盗容疑で刑事告発する"としています。
"告発状に添付される証拠は、小保方研究室にあった「2つの箱」に入っていた「チューブ」の写真"です。"1つ目の箱のチューブにはES細胞"とありました。
一方、"2つ目の箱のチューブには「STAP幹細胞」と書かれているもの"がありました。しかし、ご存知の通り、STAP細胞もSTAP幹細胞もありませんでしたので、これは"ES細胞など別の細胞が入っていた"ようです。
"当時の若山研で培養していたES細胞が“消失”し、同一とみられるものが小保方研で見つかったことは昨年から一部で報じられて"おり、"小保方氏が盗んだES細胞をSTAP細胞と偽っていたという結論に達した"とのことでした。
ただ、この件が直接的に小保方さんの逮捕に繋がったり、事件の真相解明に繋がるか?というと、そうではなさそうなことを書いています。
小保方晴子の犯罪 詐欺・業務上横領・虚偽公文書作成罪は立証可能か?の話は別の罪状ですが、告発するなら理研だと言われておりました。それで、私は理研自身は動くつもりはないだろうと予想していました。
今回の話においても、「警察には写真やチューブのリストを提出するそうですが、現物はまだ理研にあるでしょう。箱の所有権は理研にあるので、窃盗の被害届が出されることは望めない」(津田哲也)となっていました。やはり理研主体なのです。
しかし、津田さんは、今回の件で警察が動くことにより、「理研に強制捜査が入って箱が押収されるだろうし、小保方氏も事情聴取されるだろう」と事態が動く可能性を指摘しているようです。
うーん、でも、どうなんでしょうね? 石川さんが盗まれたわけじゃないので、警察がそもそも動かないんじゃないか?という心配もあります。
さらに、"刑事告発に対し、名誉毀損訴訟などで反撃に出る可能性"という別の心配もあります。
石川さんは覚悟の上らしく、津田さんによれば、「訴えられても受けて立つ」とおっしゃっていたとのこと。
津田さんはこの件について、"小保方氏の代理人(三木秀夫弁護士)に取材を申し込んだ"のですが、"応じてもらえなかった"ので、実際にどうなるかはわかりません。
三木秀夫弁護士は検証実験以降、気持ち悪いくらいおとなしかったですが、以前は攻撃が激しかったので名誉毀損訴訟は十分あり得ると思います。
もちろん私は、不正を犯した人はきちんと罰せられるべきだと思っていますし、真相解明に繋がればいいと思っています。ただ、うまい方向に行ってくれない可能性も多いのではないか?と悲観的です。
それもこれも小保方晴子さんや理研が悪いからなんですけどね…。
★2015/1/27 理研OB石川智久の刑事告発 小保方晴子側は小保方叩きと批判、対抗措置にも言及
刑事告発は予告通りであり、新しい情報はほとんどありません。ただ、注目していた小保方晴子さんの代理人の反応は出ていました。
まずは刑事告発そのもののニュースから。
理研OBが小保方氏告発、ES細胞窃盗容疑 :日本経済新聞 2015/1/26 22:52
STAP細胞問題に絡み、論文作成に使用した胚性幹細胞(ES細胞)を盗んだとして、理化学研究所元上級研究員でNPO法人理事長の石川智久氏(60)が26日、窃盗の疑いで理研元研究員、小保方晴子氏(31)に対する告発状を兵庫県警神戸水上署に提出した。
前回の記事では引用しなかったものの、「刑事部の担当者が受け取ることも打ち合わせ済み」としていました。ただ、昨日の記事の時点では、「県警は受理したかどうかを明らかにしていない」とのことです。
あと、石川智久さんの所属について補足。理研の最後の所属は、理研ライフサイエンス技術基盤研究センターだったみたいですね。
横浜なのでSTAP細胞問題で決定的な解析データを出した遠藤高帆上級研究員といっしょかな?と思いましたが、遠藤さんは理研統合生命医科学研究センターでしたので異なりました。
さて、メインである小保方晴子さん側の反応です。石川さんも「訴えられても受けて立つ」と反撃は想定していたようですが、前回は、刑事告発に対し、名誉毀損訴訟を起こされる可能性があってリスクが高いよという話を書きました。
記事によると、小保方さんの代理人である、お馴染みの三木秀夫弁護士は以下のような発言をしていたとのこと。
「(小保方晴子本人は)当然、とってない、ということは言っている」
「メディアの情報しか把握できておらず、(兵庫県警も)正式受理もしてないと聞いている。告発者から問い合わせがあったわけでもない」
「被害者が言ってくるならまだしも、無関係の第3者がどういう感覚でやっているのか」
「昨年12月の調査委の報告書でも、若山研の誰もが知らないと言っていると記載されている」
「ならば被害者は誰なのか。普通は被害者が言ってくるものだし、理研に被害者意識はないと認識している」
「警察から要請があれば正式に対応するが、(窃盗があったとする時期が)数年の間に、と特定もできていない。告発者は誰から何を聞いて、どういう法的論理を書いているのか、さっぱり分からない」
小保方氏「とってない」…窃盗告発に/芸能/デイリースポーツ online(2015年1月27日)
ご覧の通り、批判ばかりですけど、以下が気になっていた反撃に関わる発言です。
「小保方叩きに乗じた動きとみている。根拠もなく盗んだとか言っているなら虚偽告発だし、(対抗措置は)選択肢のひとつだが、今はごちゃごちゃさせたくない」
前回、やけにおとなしくなったと書いたように、今回もまずは静観の構えですね。
「小保方叩きに乗じた動き」という問題を矮小化した発言が腹立たしいです。ただ、それ以外の指摘については、出て当然の疑問だとも思います。
小保方晴子さんの不正や三木秀夫弁護士を擁護するわけではないんですが、ちょっと今回の件は分が悪い気がするんですよね。
ただ、検索してみると、窃盗罪は告訴権者の告訴がなければ公訴提起ができない「親告罪」ではないようですので、告訴そのものは可能なんですね。
親告罪とは - 村上法務事務所
親告罪とは、告訴権者の告訴がなければ公訴提起(刑事裁判をすること)ができない犯罪で、刑法上の親告罪は、次の2種類に分類されます。
(中略)
(2)相対的親告罪
通常は親告罪ではないが、犯人と被害者とが親族関係のある場合に限り、告訴条件となる次の犯罪をいいます。
①窃盗罪(刑法235条,244条)
親族間での窃盗ではありませんので、告訴なしでも訴えることが可能なようです。
警察の捜査で果たしてどこまでわかるだろうか?という疑問もありますけど、事件の解明に向けて手を尽くしてほしいとは私も思います。無事受理されて、警察の捜査が開始されるといいですね。
★2015/2/4 小保方晴子さんの刑事告発 弁護士は警察が受理する可能性は低いとの見解
小保方晴子さんの刑事告発の件。弁護士さんの見方が載っている記事がありました。スター綜合法律事務所の冨宅 恵(ふけ・めぐむ)弁護士の話です。
ES細胞を盗んだ?「刑事告発」された小保方さん――警察はどう動くのか|弁護士ドットコムニュース(2015年02月02日 12時03分)
私はそこらへんよくわかっていませんでしたが、そもそも「告発」は犯罪行為に関係のない第三者からの申告によるものだそうです。被害者からの被害届の場合は「告訴」と呼ぶようです。
●窃盗罪は成立可能か?
当たり前の説明ですが、「窃盗罪は、他人が管理している物を盗みとるという犯罪」です。ただし、「形式的に窃盗罪が成立するとしても、きわめて財産的価値が低い物を盗みとった場合には、窃盗罪で処罰する必要がないとして、捜査されない場合」があるそうです。
では、今回盗まれたとされている「ES細胞」はどのような扱いになるのでしょうか?
冨宅弁護士は、「ES細胞は、開発されるまでに多額の費用と時間を要し、量産や管理にも少なからずの費用がかかる貴重な財物であると評価されると思います」という見解。つまり、窃盗罪の成立に十分な財産的価値があるとみないしているようです。
●捜査機関が告発状を受理していない理由は?
告発前の報道では、警察が告発を受理することになっていると言われていました。しかし、蓋を開けてみると、警察は告発を受理したかどうかは明らかにしていないとのことでした。この記事でも、「告発状の受理を慎重に検討している」といった書き方をしています。
このことについて、冨宅弁護士は「捜査される側からすれば大きな負担となるため、捜査機関も十分な証拠がないのに、探索的に捜査を始めることはありません」としていました。有罪まで持っていける道筋がある程度ついていないと、受理しないということですかね?
加えて、今回のような第三者による告発は、「捜査機関はより慎重に、捜査を行うか否かを検討すると思われます」としていました。
●捜査機関が告発状を受理する可能性は?
では、どういった場合に告発状を受理する可能性が高いのでしょう? 冨宅弁護士はたとえば以下の2つを(おそらく両方)クリアする必要があるのでは?といったことを言っていました。
(1)若山氏が管理していたES細胞と、小保方氏が使用した可能性のあるES細胞との同一性が、ES細胞が納められていた容器などによって、ある程度特定されている
(2)告発状に、若山氏が小保方氏にES細胞を提供していなかったことが、相当の確度をもって示されている
しかし、「告発者がまったくの第三者である場合には、上記(1)と(2)について、捜査機関が納得できるように示すことは難しいのではないかと思われますので、捜査機関が告発状を受理する可能性は低いでしょう」としていました。
私もあまりこの刑事告発の件は期待していないのですけど、この弁護士さんもところどころ妙なことを言っていると感じます。
たとえば、上の(1)や最後のところで「仮に、検察官によって起訴された場合、ES細胞が納められていた容器を盗みとったか否かについて、法廷の場で明らかにされることになります」と言っていました。「ES細胞」の窃盗がいつの間にか「ES細胞が納められていた容器」の窃盗にすり替わっています。不思議です。
しかし、その前の「窃盗罪は成立可能か?」の部分では、「ES細胞」の財産的価値について言及していたので、その部分では「ES細胞」の窃盗を問題にしていたのだと思います。よくわかりませんね。
あと、「容器」を問題にしているところを見ると、実験室に残っていたES細胞のことを指しているのだと思われますが、告発状ではそれのことを指しているんですかね?
同じ記事では、告発状に関して「小保方氏が、(中略)研究室から、ES細胞を盗み出した」「このES細胞を混入させた細胞サンプルを若山氏にわたし、実験をおこなわせていた」とあるので、直接的には実験に使われた「ES細胞」のことを指している気がします。
また、若山教授の作った「STAP幹細胞」とされていた細胞は、小保方さんの冷凍庫から見つかっています。この細胞は既にゲノム解析されており、当時若山研究室に所属していた研究員の作ったES細胞細胞だと判明しているようです。(この件は、別にもう一つ書きますね →
STAP細胞の正体だったES細胞の作製者は?大田浩説と中国人留学生説)
それよりハードルが高いのは、(2)の「若山氏が小保方氏にES細胞を提供していなかったことが、相当の確度をもって示されている」かな?と思いました。
ただ、考えてみると、小保方晴子さん自身がES細胞を受け取っていないって言っていませんでしたっけ? 確認のために検索。以下が出ました。
STAP細胞:小保方氏会見 主な一問一答(下) - 毎日新聞 2014年04月09日
Q STAP細胞ではなく、ES細胞が混入したのではないかという指摘があるが、その点についての反論は? 実験室の状況、混入をどのように防いでいたのか。どういうことが表れているからES細胞ではない、という点からお願いします。
小保方 まず、STAP細胞を作製していたころ、研究室ではES細胞の培養は一切行っていない状況でした。なので、ES細胞の混入は起こりえない状況を確保していた。
そういえば、この「ES細胞の混入は起こりえない」は、最近小保方さんも「混入したかも」といった感じで主張が後退していました。あと、上記は受け取っていないとはまた表現が異なりますね。いっしょにできません。
(この他に、一時期研究員の1人から受け取っていたとも報道されていたこともありましたが、これはその研究員が否定していたはずです)
ここらへん確認しきれませんでしたが、仮に受け取り側が提供されていないと主張していた場合は、提供側が提供していないことを証明する必要はない気がします。
…と書いた後、もう少し検索していたら出てきました。
小保方晴子サイド反論!「研究室にあったES細胞もマウスもすべて若山教授の提供」 : J-CASTテレビウォッチ
代理人の三木秀夫弁護士らは小保方研究室に残っていたES細胞に関して、小保方氏がES細胞を作製したことはなく、保存されているES細胞は実験の比較のために、若山研究室から譲与されたものと説明した。
あれ、貰ったって主張していたんですね? こうなるとやはり証言が食い違ってきます。「提供していなかったこと」を証明するってのは確かに相当難しいでしょうね。
それから、気になったのが、STAP細胞によって研究室が廃止されるなど規模縮小されたことによって、「理研において研究活動を継続できなくなった研究員がいて、小保方氏に対して個人的な感情を抱いている人も少なくなく、その結果として、元研究員が告発状を提出するという事態が発生したのではないか」などと告発側をさげすめるような言い方をしていたことです。
STAP細胞問題でずっと気になっているのは、不正を指摘する側が悪いかのような言い方が多いことです。ただ、これは日本的なものなのかもしれないとも思います。企業での不正の内部通報や学校などでの体罰・いじめの通報に関しても、通報者側を悪く言う人があとを絶ちません。非常におかしいです。
一筋縄ではいかないとは思っているので、今回の件で告発状が受理されない可能性はあるという結論自体は不思議ではないのですが、弁護士さんの話には腑に落ちないところがありました。
★2015/2/10 言うだけ詐欺?理研が小保方晴子刑事告訴と研究費返還請求を検討中
小保方晴子さんらの処分に関しては、初期報道の8記事くらいだけ読んで書きました。ただ、通信社の記事を転載しただけの短い記事が多かったですけどね。
それらの最初に読んだ記事の中では、理研が小保方さんらに対して告訴を検討しているという話はなかったと思います。ですので、「小保方晴子を懲戒解雇相当」の話では、今まで通り理研は事なかれ主義的に行くのだろうといったことを書いてしまいました。
最初のもので書いたように、そもそも理研が本当に今回の件を問題だと思っていたのなら、時間稼ぎせずにさっさと調査を始めたでしょうし、検証実験のような壮大な税金の無駄遣いもしなかったと考えられるためです。今までの理研の対応は小保方さんの反撃を気にしている感じでした。
ところが、1つ書き終わってその次を書くために別記事を読んでいたら、理研が今までの対応とは異なる処置を検討しているというニュースが出ていました。
理研、小保方氏らの刑事告訴と研究費返還請求を検討 :日本経済新聞 2015/2/10 15:54
理化学研究所は10日、小保方晴子氏らに対し、刑事告訴と研究費返還請求を検討していることを明らかにした。理研の加賀屋悟・広報室長は記者会見で「弁護士などにアドバイスをもらいながら検討している。1、2カ月以内には結論を出したい」と話した。
理研OB石川智久さんの刑事告発のシリーズや
小保方晴子の犯罪 詐欺・業務上横領・虚偽公文書作成罪は立証可能か?などで書いているように、本来こういったことは理研がすべきことだと思っています。やらないでいいと言っているわけではありません。
でも、さんざん書いてきたように、理研は期待を裏切る行為ばかりで、期待するだけ無駄という感じでした。とにきには予想よりさらに悪いところすらやらかしていたので、今回の告訴検討などは本当に予想外でした。まさか理研が仕事するとは…と衝撃です。こんなまともな対応するの、初めてじゃないですかね?
まあ、まだ「検討中」ですけどね。「検討中」と言うだけならタダです。
なお、"研究費の返還範囲について、加賀屋室長は「少なくとも検証実験にかかった1500万円と若山(照彦)研究室にいたときの研究費が返還の対象になる」と述べた"とのこと。
刑事告訴は若山照彦教授も対象になるかもしれません(「返還請求は」と書いていたので、20時に訂正)。THE PAGEによれば、以下の3パターンを想定しているとのことで、小保方晴子さんだけではないのです。
(1)小保方氏が対象になる場合
(2)小保方氏以外も含める場合
(3)被疑者不詳で告訴する場合
小保方氏への告訴や研究費返還「理研として検討している」 | THE PAGE(ザ・ページ) 2015.02.10 16:12
また、まだ検討段階ということで、非常にいろいろなパターンがあります。まず、「刑事告訴については、何を対象とするか、そもそも告訴に該当する案件か」の段階から検討中。当然、告訴に該当する案件ではないとなれば、さっき書いた言うだけタダということになります。
それから、罪としては、"ES細胞の窃盗罪や偽計業務妨害罪などを含めて"検討中。さらに研究費の返還についても、以下の2点で検討中とのこと。
(1)研究不正の検証にかかった費用
(2)不正が認められた研究費
あと、私が気にしている小保方さん側の反撃に関して。NHKによると、小保方元研究員の代理人を務める三木秀夫弁護士は「コメントをすることはありません」としているという話でした。
(
小保方元研究員 「懲戒解雇」相当の見解 NHKニュース 2月10日 15時15分)
まだ、理研が発表したばかりで小保方さん本人と連絡が就いていない可能性がありますし、具体的に決まったのを見てからという可能性もあります。とはいえ、おとなしい反応ですね。
具体的なものが出てきてからの反応という違いがありますが、石川智久さんの刑事告発に関しては、「(窃盗があったとする時期が)数年の間に、と特定もできていない。告発者は誰から何を聞いて、どういう法的論理を書いているのか、さっぱり分からない」などとチクチクと攻撃していました。
まあ、このときも一時期に比べると控え目な反撃というものでした。それに石川智久さんの告発に対する文句を見ると、理研からの告訴は予想外だった感じも受けます。
「被害者が言ってくるならまだしも、無関係の第3者がどういう感覚でやっているのか」
「ならば被害者は誰なのか。普通は被害者が言ってくるものだし、理研に被害者意識はないと認識している」
特に「
理研に被害者意識はないと認識している」は決定的です。私自身がそうだったように、小保方さん側としてもまさか理研から仕掛けてくるとは思わなかったのでしょう。
今度こそ理研がちゃんと仕事してくれることを願っています。マジで言うだけ詐欺は勘弁してくださいよ。「騙されてやんの」と後で笑われるかもしれませんが、今回は私、結構信じています。
★2015/2/12 理研に怒りの声、小保方晴子氏への刑事告訴や研究費返還の検討で
"言うだけ詐欺?理研が小保方晴子刑事告訴と研究費返還請求を検討中"で書いた理化学研究所が、小保方晴子さんらに対し、刑事告訴と研究費返還請求を検討しているという件について。
後でツイッターの反応を見たら、小保方晴子さんかわいそうというか、理研に対する怒りの声が再び増えていました。ここまで来ると、やりすぎだと思う人が多いのでしょうか?
"別に小保方氏を庇うわけでも、理研の何を知ってるわけでもないのに、この広報部長と人事部長の如何にも薄汚なさをまとったような顔つきに嫌悪を感じる。勝てて加えて、彼らの主張していることもまともとは思えない"
"小保方氏1人に責任を押しつけているように見えるのは私だけでしょうか?"
"この団体、本気で腐ってる。我が研究員が悪事を働きごめんなさいが先だろう"
"先ずは小保方よりも理研が責任を取るべきだろう!小保方を面接し雇ったのは、理研なのだから。雇う前に調査していれば不正は見抜けたはず"
"もういいやん。徹底的に小保方さんつぶさなきゃならない理由でもあるのかな?世にでちゃいけないものでもあるのかな?"
"ひどいしっぽ切りに見える"
"さすがにやりすぎだ"
"そりゃあ操られたにしろ、彼女の懲戒解雇相当は妥当でしょう。でもこれって、そもそも一部とはいえ、理研の組織ぐるみの演出でしょ?彼女だけを罰してどうするの?"
"組織の欠陥であって、個人の問題ではないと思う"
"でコレは結局のところ、何処の誰の陰謀なんすか?"
"これはおかしい!!基本的に「理化学研究所」が悪いのは確実。小保方晴子さんの研究員としての採択、彼女の管理、指導不足が原因の事件だからね"
"すんごい後出しジャンケン"
"おかしい。これだけ大事にした張本人は理研でしょ?本来なら誰からも顧みられずに闇に葬り去られるだけの論文をわざわざ突っつき回して金かけて検証する意味なんて全くなかったはずだ"
"告訴はともかく、検証実験費を返せ、は苦笑するしかない"
"なんかもう、そっとしといてあげなって感じですが"
"論文発表の時は担ぎ上げといて、不正?ってなったら告訴!って。最初から検証せずに発表した理研がすることか?"
"総括してほしいのですが"
"何をばかなことを考えるんですかね! 自分の無能力さを、再度、衆目に曝す"
"頭がおかしいね。解散しろよ理研"
Ceron.jp - 小保方氏への告訴や研究費返還「理研として検討している」 (THE PAGE) - Yahoo!ニュース 割合としては、上記のようなものが7割くらいの感じですかね? もちろん「訴えて当然でしょ?」という反応もあるにはあります。
私もまた今度書きます(書きました。
小保方晴子氏に刑事告訴や返還請求 理研や野依良治理事長の責任は?)が、理研も責任を取るべきというの意見は理解できます。私はずっと理研も小保方晴子さんも両方悪いとしてきました。
コメントで気になったのをいくつか。最初の"この広報部長と人事部長の如何にも薄汚なさをまとったような顔つきに嫌悪を感じる"が、論理性ゼロで完全な印象だけでの誹謗中傷です。
"すんごい後出しジャンケン"というのもありましたが、全く逆です。不正が確定してからでないと、こういった行為を行ってはいけません。不正したかどうかもわからないうちから、不正したと決めつけて訴えた方が問題です。
ただ、理研の場合はやらなくて良い検証実験に税金突っ込んでましたからね。検証実験も本来不正かどうか確認して、白と判明してからやるべきでした。この費用の請求は理研幹部や圧力をかけた政治家から取るべきというのなら、気持ちとしては理解できなくもないです。
このようにわからないところがないでもないのですけど、やはり小保方晴子さんは優遇されているなと感じます。同じ研究不正のディオバン問題や不正経理問題などでは、こういった擁護論は沸き起こっていませんでした。
理研はお粗末だったものの、不正を知っていたという証拠は今のところ出ていません。ディオバン問題でのノバルティスファーマでは、それより怪しい感じでした。
参加すること自体が利益相反で問題なのに、上司が研究に関わっていることを認識していた他、そもそも白橋伸雄社員を紹介したのもノバルティス社で、社長に対しても早い段階で不正を指摘する声が出ていたのを無視していました。
ですので、私は一社員の問題ではない、会社の問題だとしていました。結局、STAP細胞問題と同じく両方悪いってことですけどね。
この件では、白橋さんは悪くないって世論はありませんでした。本人を知る一部の人から「そんなタイプとは思えない」みたいな声が少し出たくらいです。
それから、研究費返還請求としては珍しくない不正経理問題では、もっと同情の声なんか出ないでしょう。これは不正をしていると、外からでもわかりやすく見えるためだと思います。
この不正の明らかさでは、小保方晴子さんも本当は同様なんですけどね。一番わかりやすかったのは、出勤してもいない日に細胞数を計測したとするグラフを作ったこと。完全な捏造です。そして、本人も認めている件です。
(関連:
小保方晴子、STAP細胞の殆ど証拠提出せず そもそもデータがない?)
途中で書いたように理研にも責任があるというのはもっともなことなのですけど、小保方さんが間違いなく悪質な不正をしたということは忘れないでください。
ディオバン問題では、「海外では、不正をするのなら日本でやるのが良いという認識だ」とすら言われていました。(個人的にはさすがに本当かな?と思いますけどね。ただ、他の先進国より不正が多い…というデータは見ています)
何度か書いているように、日本人は不正に甘すぎます。
★2015/2/13 小保方晴子氏に刑事告訴や返還請求 理研や野依良治理事長の責任は?
私はSTAP細胞研究では一部で捏造が確定していること、研究全体の捏造の疑いも強くあることから、小保方晴子さんに対して刑事告訴や研究費返還が検討されるのは妥当だと考えています。
理研に怒りの声、小保方晴子氏への刑事告訴や研究費返還の検討でで書いたように、過去の不正研究・不正経理などの例を見ても、小保方晴子さんだけを特別扱いする理由はありません。
一方で、同じ投稿においては、「理研も責任を取るべき」という声も理解できるとしました。私はもともと小保方さんは間違いなく悪いものの、理研も悪いという考えです。
研究者個人の問題=組織の責任となることについては、特に研究者の人としては認められないと思いますが、STAP細胞問題は他の問題より組織の関わり方が強かったこと、問題点が多かったこと、疑惑発生後の対応も悪かったことから、組織の責任を問われて当然だと思います。
ここらへんの理研の責任については、毎日新聞が繰り返し言及してきました。今回も以下のような記事が出ています。
STAP論文:主要著者、誰も実質処分受けず 毎日新聞 2015年02月10日 21時07分(最終更新 02月10日 23時17分)
理研はこの日、昨年10月に給与の一部自主返納を決めた野依良治理事長と理事5人の責任には触れなかった。今回の処分の根拠になる調査結果は返納決定後の昨年12月に出たものだが、加賀屋悟広報室長は「経営上の責任は既に果たしており、変更の予定はない」と説明する。研究不正に詳しい榎木英介・近畿大講師は「社会的な影響が大きかった問題であり、野依理事長が公的な形で何も処分されないことには疑問を感じる」と話す。【清水健二、斎藤広子】
特に野依良治理事長については、
野依良治ら理研がデータ解析公表に圧力、竹市雅俊は資料検閲で書いた問題があります。
以前の毎日新聞の記事によれば、「2人(引用者注:、遠藤高帆(たかほ)・理研上級研究員と若山照彦・山梨大教授)の解析結果公表に圧力がかかった」ため、改革委委員が2人の解析結果について公開するように促すメールを送っています。
白紙・STAP論文:/1 データ解析、結果公表に圧力 募る不信、理研を断罪 改革委「軟着陸」許さず 毎日新聞 2014年07月03日 東京朝刊
委員の一人は6月上旬、「理研がなぜ(情報を隠そうとするなど)後で非難されることをするのか分からない」と記者に漏らしています。隠蔽という認識をされていました。
若山照彦山梨大教授の解析については、6月3日に"野依良治理事長ら幹部約30人が並ぶ理研改革推進本部の会合で解析結果を報告し、早期の公表を希望し"ていました。ところが、「発表は早すぎる」と口々に難色を示されています。"野依理事長もそれに同意"しているのです。
それより早い時期の遠藤高帆上級研究員の解析については、"本部は理研内の研究者組織「科学者会議」と議論してから投稿するよう"にと、「極めて異例」の注文をつけていました。
これらの解析結果は結局、STAP細胞が別の細胞の混入であったことを示すときの大きな助けとなっていました。問題が長引き、混乱した原因は、このように野依良治理事長らの判断の問題が大きいです。
かなり早い時期の話でしたし、検証実験なんかは明らかに不要でした。検証実験実施にで税金を無駄にしたことに関しては、理研幹部や圧力をかけた政治家ら責任の方が大きいですね。この点に関して言えば、小保方さんは気の毒かもしれません。
毎日新聞の記事は新聞社の記事としては長いもので、他にもいくつかの問題点を指摘していました。
たとえば、前述の引用部は、以下のように続いていました。
また、理研が検討している小保方氏への研究費の返還請求も、理研広報室によると、退職者への請求方法や、対象者が返還を拒んだ場合の手続きに明確な規定はなく、研究不正の責任追及の難しさが浮かぶ。
うーん、返還請求ってかなり弱いんですね。研究不正問題はこの手の逃げ切り勝ちが多いです。この後も調査委員会の限界についての話が続いています。
こういった問題が刑事告訴やむなし…ということに繋がってくるわけですけど、この刑事告訴という判断については、STAP細胞問題追求に熱心だった方でも評価は分かれています。これはまた別に書くかもしれません。(→
理研による小保方晴子氏の刑事告訴、研究不正批判者でも賛否分かれる)
記事の最初の方では、また別の責任追及の難しさについて触れていました。タイトルの「主要著者、誰も実質処分受けず」の件ですね。
研究不正の調査終了前に当事者が退職し、処分できなくなるケースは過去にも多い。昨年12月に調査の最終報告がまとまった東京大分子細胞研究室を巡る論文不正では、不正認定された教員6人全員が退職。退職金を受け取り、別の大学の教授に就いた人もいた。調査に1年3カ月かかっていた。
職にとどまる人と退職者の間で不公平感が生じる研究不正の処分について、佐倉統(おさむ)東大教授(科学技術社会論)は「理研は、最初から全面的な調査をしなかったことや、検証実験に時間をかけた問題があった。調査を迅速化する工夫が必要だ」と指摘する。
東京大分子細胞研究室の不正は組織的な犯行であり、STAP細胞問題とはいっしょにできない面がある点は注意が必要です。退職した「教員6人全員」というのは、不正への関与が強く認定された人たちでした。
そういう人たちの話ですが、研究不正が確定する前に退職してしまうのも、私はやむを得ないと思っています。労働者には退職する権利があるでしょうし、
理研に怒りの声、小保方晴子氏への刑事告訴や研究費返還の検討でで触れたように、不正確定前に不正だと決め付けることはできません。
小保方さんの場合は調査結果公表直前というタイミングで辞めたので特殊ですが、後ろ暗い人は調査結果が出るはるか前に辞めてしまうケースが多いです。調査の迅速化は当然目指すべきところでしょうけど、おそらく限界があり、さっさと辞める人までは防げない気がします。
こちらも法的に問題があるのでしょうが、「退職金の返還請求」という方向性で何とかなりませんかね? 不正研究問題ではあまり聞かない話です。(なお、小保方さんの場合はもともと退職金が存在しない契約です)
退職に関しては私がしつこく書いているように、問題発覚後に退職よりも問題発覚前に退職して問題なく就職というのが一番マズイ例です。
「問題発覚後に退職」の場合ならまともなところは雇ってくれませんので、ある程度罰を受けています。ただ、今逃げ切りで一番問題になるのは、他で就職して立派な地位に就いている人が前の職場での不正発覚というパターンです。前の職場での不正に関して、今の職場が罰を与えるというケースは極めて稀です。
これについてもせめて「退職金の返還請求」や「研究費の返還請求」をしてほしいですね。今は研究不正をして逃げ切ったときの利益と比べて、発覚したときの不利益がまだまだ少ないと思います。
厳罰化すれば不正を100%防げるというわけではないのですけど、現在はそもそも甘すぎで話になっていない状態です。
★2015/3/17 理研、結局ポーズだけ 小保方晴子氏への刑事告訴見送りでうやむやに
つい期待するなどと書いてしまった理研の刑事告訴検討。でも、確かポーズだけかもしれないとも一応書いていたような気もします。で、結局、その後者の方でした…。
小保方さんの告訴見送り…STAP細胞問題うやむや幕引き ― スポニチ Sponichi Annex 社会
STAP細胞論文の研究不正問題で、理化学研究所が小保方晴子氏(31)に対する刑事告訴を見送る方向で検討していることが16日、分かった。関係者によると、小保方氏を告訴するのに必要な事実は確認できないと判断したとみられる。週内にも開かれる外部有識者による委員会の前に決定する。[ 2015年3月17日 05:30 ]
まあ、そりゃそうですよね。証拠的に苦しいってのもありますが、以前理研が刑事告訴するとは思っていなかった理由として書いたように、理研としてもSTAP細胞問題は早くうやむやにしてなかったことにしたいはずです。冷静に考えれば、ファイティングポーズ取っているだけ…というのはわかったはずです。この点は反省しています。
記事についての補足で、まず「証拠的に苦しい」に関連するもの。
"小保方氏を含む誰かがES細胞を無断で持ち出したとする窃盗の容疑を弁護士と協議した"ものの、"当時は誰でも実験室に入れる状況で目撃者がおらず、混入させた人物を特定できない上に、故意か過失かも分からなかった"からとしています。
同様に読売新聞でも、"理研が弁護士と相談した結果、故意ではなく器具の誤操作で混入した可能性も排除できず、新たな証拠を得る見通しはないと判断"したとありました。
これによって、"告訴の要件に該当するような疑義はない"という結論になります。また、"小保方氏の不正が理研の業務を妨害したとまでは認められない"とも判断されました。
(
理研、小保方氏の告訴見送り…謎残し究明終える 読売新聞3月16日(月)16時1分)
読売新聞によると、スポニチにあった「週内にも開かれる外部有識者による委員会」というのは、理研の不正防止策などに対する評価をまとめる外部有識者らの「運営・改革モニタリング委員会」のことみたいです。
読売新聞は理研の野依良治理事長の息子さんが所属していますので警戒が必要ですが、この委員会も"告訴見送りを容認する見通し"だとしていました。
ただ、読売新聞も「不正の経緯に謎を残したまま、真相究明を終えることになる」と、非難ともとれる書き方はしていました。
スポニチも同様に、「刑事告訴が見送られることで、STAP問題は不正の経緯に不明な点を残したまま幕引きとなる見通しとなった」としています。
また、他にない記事を書いていたのが日経新聞です。(登録前で読める冒頭部分のみ購読)
小保方氏に研究費請求 理研方針、論文投稿費など 2015/3/17 13:16 日本経済新聞 電子版
STAP細胞の論文不正問題で、理化学研究所は小保方晴子元研究員に対し、研究費の一部を返還請求する方針を固めた。請求の対象は英科学誌ネイチャーへの論文投稿に伴う費用などになるもようだ。近く正式に発表する。
研究費の返還請求をやるのでしたらまだマシですね。ただ、これまたポーズだけの可能性があります。というのも、「小保方氏が返還に応じるかは不明だ」ということで、返還されないおそれがあるためです。
当初、理研が刑事告訴しないだろうと思っていたのは、小保方さんとのトラブルを増やしたくないから…というのもありました。刑事告訴なしで返還請求だけなら、小保方さんと理研の間で大きな摩擦は生まないと思われます。
あと、返還請求には検証実験の費用は含まれないような書き方をしています。検証実験の法はそもそも理研がわざわざやると言わなければ、行われることはありませんでした。ですので、この費用に関しては、小保方さんではなく理研幹部や小保方さん参加に圧力をかけた政治家が支払うのでもいいのでは?と過去に書きました。
でも、まあ、そういう考えは毛ほどもないんでしょうね。理研幹部らにはもっと責任を感じてほしいです。
関連
■
STAP細胞で川合真紀理事、「どれくらいたちが悪いか」と開き直り ■
異常だった小保方晴子のSTAP細胞会見 女性研究者らしくない演出 ■
STAP細胞は世界三大不正?小保方晴子=詐欺師という海外マスコミも ■
理研の予算が肥大化した理由 科学者の楽園から族議員の楽園へ ■
研究不正疑惑についての投稿まとめ
Appendix
広告
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|