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エース刑事がむしろ冤罪事件を連発!拷問で自白得る警察の伝統


 警察の冤罪事件の話をまとめ。<エース刑事がむしろ冤罪事件を連発!拷問で自白得る警察の伝統>、<「証拠より推理が大事」と主張!紅林麻雄に学んだ刑事が伝統継承>、<細すぎて本人が履けない捏造証拠のズボンがあっても死刑判決!>などをまとめています。

2023/08/13追記:
●細すぎて本人が履けない捏造証拠のズボンがあっても死刑判決! 【NEW】

蚕の王 (単行本) [ 安東 能明 ]


蚕の王



●エース刑事がむしろ冤罪事件を連発!拷問で自白得る警察の伝統

2022/01/20追記:『撃てない警官』など多くの警察小説で知られる作家、安東能明さんの最新作『蚕の王』(中央公論新社)は、戦後の静岡県でじっさいに起こった冤罪事件をモデルとした小説。安東能明さんの出身地でもある静岡県は冤罪事件が集中する地域なんだそうな。そして、それには理由があるとされていました。

 静岡県で冤罪事件が連発されることになったのは、紅林麻雄(くればやし あさお)という刑事さんのせいだろうとのこと。足を引っ張るダメ刑事なんてことはなく、静岡県警では優秀なエース刑事とされていました。逆に大物だから周囲が逆らえず、無実の人を犯人に仕立て上げるまで行ってしまったようです。

 で、この冤罪を作る手法というのが、拷問による自白。この話を載せた記事は、「袴田事件」は必然だった? 数多くの冤罪を生んだ静岡県警エース「紅林麻雄」の捜査手法 弁護士ドットコムニュース / 2022年1月16日 8時31分というタイトルだったんですよ。ただし、無実の人に自白させること自体は、残念ながら現在の日本の警察でもよくある話です。日本警察の伝統であり、まだ変わっていませんね。


●むしろ重大なミスを犯した事件を手柄にしてカリスマ化される…

 拷問を含む強引な捜査で知られ「昭和の拷問王」とも呼ばれた紅林麻雄刑事について、安東能明さんは「もともと優秀な刑事ではあったのですが、1941年から42年にかけて浜松地方で9人が殺され6人が重傷を負った『浜松事件』という連続殺傷事件を契機に変わってしまいました」としていました。

「犯人が自分の家族を殺傷した第3の事件の現場に行って、家にいた犯人自身からも事情を聴いていながら、初歩的な確認を怠ったため犯人を見逃し、その後に起きる第4の犯行を防げなかったというミスを犯したのですが、なぜか事件解決に殊勲をあげたとして検事総長捜査功労賞を受賞します。
 その後、彼は『浜松事件は自分が解決した』と手柄を誇張するようになり、殺人事件捜査の権威になってしまいます。警察の上層部も、彼を重用し、県内で殺人事件があれば指揮者として呼ばれ捜査を指揮するという絶対的な存在になりました。誰も彼の言うことに反対できなくなってしまいます」


●「証拠より推理が大事」と主張!紅林麻雄に学んだ刑事が伝統継承

 小説で描かれるのは現在でも問題になっている有名な「袴田事件」(1966年)の10年以上前に起きた「二俣事件」(1950年)という一家4人殺害事件。静岡ではその直前にも「幸浦事件」(1948年)という一家4人殺しが発生しています。両事件では、被告人に死刑が言い渡されたものの、のちに逆転無罪が確定。つまり、冤罪だったわけです。

 静岡県では、その後も小島事件、島田事件、さらに前述した袴田事件…といった感じで、紅林麻雄刑事の在職中だけでなく退職した後も重大な冤罪事件が連続しています。これは偶然ではなく、紅林麻雄刑事の薫陶を受けた刑事が残っていて、冤罪を生み出すシステムが代々受け継がれていたことが大きいと見られていました。

 警察内部向け雑誌では、当時の現役の捜査幹部が『我々の行う捜査はややもすると、推理捜査をおろそかにし、現場鑑識によって得る有形証拠に頼る弊が生じているのではなかろうか』と書いていたとのこと。難しい言い方ですが、要するに「証拠より推理」って言っているんですよ。現実の警察官の方が小説家みたいな感じです。

 安東能明さんは「袴田事件でも、犯行時の着衣とされるものが、発生から1年以上後になって、みそタンクの中から見つかったというのは明らかに怪しいですよね。推理が大事で、物的証拠は後からなんとでもできるという思想が脈々と受け継がれているように思えます」としていました。袴田事件もこのパターンの冤罪事件ではないかという見方です。


●逮捕少年は無実!絶対権力者だった紅林麻雄刑事に逆らった刑事も…

 なお、冤罪事件を止めることはできませんでしたが、紅林麻雄刑事に反対した刑事はいたとのこと。その勇気ある刑事の手記がきっかけで安東能明さんは今回の本を書きました。もともと二俣事件があった二俣は、安東能明さんの地元でもあります。父が、事件発生の翌日、たまたま事件現場の近くを通りかかったともおっしゃっていました。

「実際に書こうと思ったのは、3、4年前お墓参りの帰りに、事件現場のはす向かいにある文具店に立ち寄ったところ、そこにいた旧友の兄から、二俣事件の捜査に加わった元刑事の手記を見せられたことがきっかけでした。
 その元刑事は、拷問によって少年を犯人に仕立て上げようとするリーダー格の刑事のやり方に義憤を感じて、新聞に少年の無実を訴える記事を書いたり 、証人として法廷にも立って無罪を主張したりした勇気ある人物です」

 ただ、その元刑事が手記の中である人を真犯人と名指ししている部分には問題あり。この手記は様々なメディアで取り上げられていて、新たな冤罪を生んでいるのではないかと思ったそうです。こちらも結局きちんと裁判を経て有罪が確定したわけではないために、冤罪と同じ種類の問題がありますね。


●細すぎて本人が履けない捏造証拠のズボンがあっても死刑判決!

2023/08/13追記:静岡県警・検察の冤罪事件のひとつと考えられている「袴田事件」では、袴田巌さんの再審=やり直しが決定。ついに検察も間違いを認めると予想されていました。ところが、なんと検察が有罪を求める立証を行う方針。子供みたいに意固地になっている感じですが、これ、冤罪だとすれば、人の人生をさらにぶち壊すという話ですからね。

 <【解説】静岡 袴田さん再審 検察は有罪立証へ 審理長期化か | NHK>(2023年07月21日)によると、争点となっているのは、有罪の決め手ともされた証拠「長期間みそに漬けられていた血痕に赤みが残るかどうか」だそうです。

<東京高裁は、弁護団が出した専門家の鑑定結果などを踏まえ、「1年以上みそに漬けられると血痕の赤みは消えることが化学的に推測できる」と指摘。そのうえで5点の衣類について、「事件から相当な期間が経過した後に捜査機関の者がみそタンクに隠した可能性が極めて高い」と、証拠がねつ造された疑いにも言及したのです。
(中略)検察は、やり直し裁判に向けて証拠を検討し直したほか、血痕の色がどのように変化するか専門家に改めて見解を求めるなどの補充捜査を実施しました。その結果、“証拠がねつ造された疑いがある”という判断についても改めて争うことを決め、有罪を求める立証を行う方針を決めたとみられます。具体的には、新たに法医学の専門家の鑑定書などを証拠として提出し「血痕に赤みが残ることは不自然ではない」と主張する考えです。>
https://www.nhk.or.jp/shizuoka/lreport/article/003/03/

 ここが争点となっているというのは、危ないと感じるところ。というのも、「血痕に赤みが残るかどうか」に関わらず、証拠の捏造が可能なためです。私が以前袴田事件 - Wikipediaを読んだときは、以下の方が捏造がわかりやすく、これで決まりのような気がするんですけど…。

検察側の証拠捏造疑惑について
<第2次請求審では、犯人が着ていたとされたシャツについた血液のDNA型が袴田元被告と一致しないとの鑑定結果が出た。村山裁判長は決定理由で、DNA鑑定結果を「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に該当する」と評価。事件の約1年後に発見され、有罪の最有力証拠とされたシャツなどの衣類について「捜査機関によって捏造された疑いのある証拠によって有罪とされ、死刑の恐怖の下で拘束されてきた」と指摘した[103]。
 『毎日新聞』の荒木涼子記者は、このことに加え、以下のような検察側の証拠捏造の疑惑を示唆した。1970年代にあった控訴審での着用実験で、(使用していたとされる)ズボンが袴田には細すぎて履くことができなかった。だが、検察側は「タグの『B』の文字は84センチの『B4』サイズの意」などと言い張り、確定判決でもその通り認定された。しかし、これは捏造とも言える主張だった。「B」についてズボン製造業者が「色を示す」と説明した調書の存在が、今回の証拠開示で明らかになった[104]。 >

蚕の王 (単行本) [ 安東 能明 ]


蚕の王



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