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才能と努力で成功するとは限らない マーケティング能力が大事


2015/1/24:
●妻がゴーストライターで成功した夫、事実公表を「気が狂っている」と批判
●女が画家になっても売れないと思われていた時代だった…
●映画を作ったティム・バートン監督は絵にも人生にも共感
●娘たちにもバレないように隠れて一人で絵を描き続けていた
●マーケティングの天才だった夫 佐村河内守氏のような才能
●才能があって努力もしても、ビジネス的に成功するとは限らない


●妻がゴーストライターで成功した夫、事実公表を「気が狂っている」と批判

2015/1/24:映画評論家の町山智浩さんの話は基本的にみんなおもしろいんですけど、映画『ビッグ・アイズ』の話もおもしろかったです。

 その町山智浩さんの話に行く前に、『ビッグ・アイズ』のあらすじについて。この映画は伝記映画であり、ある程度実話に基づいています。元ネタである登場人物が本当にいたという映画なのです。

<マーガレットは、娘を連れて夫と別居をはじめた。その別居先の町でバツ1の男性で画家のウォルターと出会う。出会ってまもなく、二人は結婚をした。1950年代にウォルター・キーンはマーケティングでアメリカ中の電機店やガソリンスタンドに大きな目を持つ子供の絵を大量に売る会社を設立した。そして、金持ちになったウォルターはアーティストを自称して、トークショーの常連となった。
しかし実際には、妻のマーガレット・キーンが絵を一から描き、ウォルターはそれに署名するだけだった。そのため、マーガレットの画家としての能力は社会に知られることがなかった。
そんな中、2人の結婚生活は破綻してしまう。これをきっかけにマーガレットは大きな目を持つ子供を描いたのは自分だと世間に公表しようとしたため、ウォルターから「気が狂っている」と罵られる。最終的に2人の争いは法廷に持ち込まれることとなった>(ビッグ・アイズ - Wikipedia(最終更新 2015年1月20日 (火) 10:10)より)


●女が画家になっても売れないと思われていた時代だった…

 以下は、町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でティム・バートン監督がアメリカ版佐村河内事件を描いた映画『ビッグ・アイズ』について語っていたという話。上記のようなことが起きた理由の一つとして、当時は男性優位社会だったというのがあるようです。

(町山智浩)『なに言ってんだ。女が画家になったって売れると思うのか?』って。まあ、そういう時代だったんですね。ひどい時代なんですよ。そのころ。で、『君はだいたい売り込みができないじゃないか。セールスができないじゃないか』と。要するに、あまりね、口が達者じゃないんですね。このマーガレットさんは。
(町山智浩 ティム・バートン監督映画 ビッグ・アイズを語る(2014/12/9)より)

 下の絵を見てもわかるように非常に現代的な絵です。時代を考えると、相当先駆的でした。



●映画を作ったティム・バートン監督は絵にも人生にも共感

 そして、映画を作ったティム・バートン監督がそもそも大好きだったみたいですね。この話で一番感動したのが、ティム・バートン監督はこのトラブルのせいで評価の下がってしまったマーガレット・キーンさんの絵を再評価してもらうために映画を作ったという話です。ティム・バートンさんの作品もなんか目が大きい犬が出てくるそうな。




(町山智浩)そう。だからすごく影響されたんです。やっぱり寂しいっていう気持ちが目に出てるんですって。ティム・バートンっていうのは子どものころ、すごくアメリカ人のみんなスポーツやったりしてる中で育って、すごく怪獣映画が好きで。いじめられっ子だったんで。その寂しさを、その絵で表現してるんですね。ティム・バートン監督は。だからこのマーガレットさんもその男性優位社会の中で居場所のない感じっていうものを、寂しい少女の絵で表現してたんですけども。そこですごく一致したところがあったんですよ。孤独っていう点でね。


●娘たちにもバレないように隠れて一人で絵を描き続けていた

 引用の順番を逆にしてしまったのでわかりづらくなりましたが、マーガレット・キーンさんの寂しさについて。彼女は何と娘たちにもバレないようにと、隠れながら一人で絵を描き続けていたようです。これが孤独感に共感したというところです。

(町山智浩)朝から晩まで絵を描かされてるんですよ。奥さんは。地下室みたいなところに閉じ込められて、奴隷のように。
(町山智浩)だから、ますます絵は寂しくなっていくんですよ。悲しい絵になっていくんですよ。だからこういう、すごい厳しい話でしたね。
(町山智浩)『これ、奴隷じゃないですか?』って聞いたら、『私は洗脳されていたの』って言ってましたね。だから、『お前は世の中に出たって絶対ダメなんだから。そんな女が絵を描いてるって言ったって、みんな相手にしないし。「この絵はこういうことを表現してるんです」とかそういう風に説明できないだろ?』と。
(町山智浩)で、『俺はハリウッドの俳優たちとも上手く話ができるんだ。教養もあるから。お前はなにもできないんだ。お前にできることは絵を描くことだけなんだ』とか言うんですよ。旦那が。
(町山智浩)『自信を失った』って言ってましたよ。『それで完全にコントロールされてしまった。いま考えると、本当に洗脳されていたわ』って言ってましたね。マーガレットさん。

 確かに影がある絵で、だからこそ印象的だったのだと思います。




●マーケティングの天才だった夫 佐村河内守氏のような才能

 こうしたことが起きた理由として、先に男性優位社会を挙げましたが、それだけでなくウォルター・キーンさんが口がうまかったというのもあります。絵の才能はなくても、マーケティングの天才でした。販売方法なんかも非常に先駆的だったようです。

(町山智浩)でも、この旦那のウォルターっていうのは口から先に生まれたような男なわけですよ。で、ベラベラベラベラしゃべって、絵を売り込んでいって。
(町山智浩)あのね、普通の売れ方じゃなくて。絵ってそれまではキャンバス買って額に入れて飾るっていうものが絵の売れ方だったじゃないですか。昔は。そうじゃなくて、それを印刷したポスターとかポストカードが売れるっていうのをはじめてやった人がこの人だったんですね。

 そして、この口のうまさがゴーストライター音楽家の佐村河内守さんと比べられる要因です。私は小保方晴子さんや上杉隆さんにも感じますけど、感動話とか自分に箔をつける話とか作るのがうまかったようです。「自分プロデュース」って言い方も佐村河内さんのときに言われていましたね。マーケティング的にはやはり天才的なものがあります。

(町山智浩)で、今度は『この絵は女の子ばっかり、ちっちゃい幼女ばっかり描いているから、彼は変態なんじゃないか?』って言われ始めるんですよ。
(町山智浩)『ロリコンじゃないか?』と。で、それに反論してテレビでですね、『そうじゃないんだ。私は第二次大戦が終わった後、ヨーロッパに行ったんだ。ヨーロッパに行ったら、戦災孤児がいっぱいいたんだ。かわいそうな戦災孤児たちのことが焼き付いて離れないんだ。私の記憶から。だからそのかわいそうな子たちを描いてるんだ』って言ったんで、もうそういうお涙頂戴大好きじゃないですか。みんな。アメリカ人も日本人も。

 ウォルター・キーンさんも間違いなく才能があったんだと思います。でも、それはポスターなどを始めたビジネスやしゃべりや自分プロデュースの才能でした。マーガレット・キーンさんの絵の才能とは違う方向性なのです。


●才能があって努力もしても、ビジネス的に成功するとは限らない

(町山智浩)結局人間って芸術肌の人と、要するに天然って言われているような人ね。は、やっぱりコミュニケーションとかあんまり上手くできないから、芸術をやるわけじゃないですか。
(町山智浩)で、それを利用する、口が上手いヤツがいるわけですよ。詐欺師的なヤツが。

 マーガレット・キーンさん、"結局騙された時のお金は全部持っていかれ"たと言っていたそうです。ビジネス的には搾取されるだけ搾取されておしまいでした。町山智浩さんは芸術家はこういう人が多いとして、編集者に搾取されていた漫画家などの例も挙げていました。ビジネスの才能とクリエイティブの才能は別だという話ですね。

 これは「多い」というだけで、全部だと言ってしまうとまた極論なのですけど、芸術家肌の人が売り込みがうまいとは限らないとは言えるでしょう。もっと言ってしまうと、技術屋なんかもそうですね。私は技術に長けた人がコミュニケーションを軽視し、マネジメントできなくていい…というのはマイナスになると思うのでおすすめしませんが、実際問題苦手という人が多いです。

 才能がある人は評価されてほしい、報われてほしい、お金もどーんとあげてほしいと思います。ただ、現実としてはそうでない場合も多いのでしょう。

 才能があって努力もしても、ビジネス的に成功するとは限らない…当たり前と感じている人にとっては何てことない話だと思います。しかし、それを当たり前と感じない人の中には、成功できないことに苦しんでいる人もいるかもしれません。そういった方の救いになれば…と思いました。


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