新種のストーカー「クレームストーカー」とは？ 規制法の規制外である困ったストーキング

●接客業が狙われる…新種のストーカー「クレームストーカー」とは？

2015/1/25：今回読んだ新聞によれば、クレームストーカーとは、"接客や窓口業務などを担当する女性が、仕事に対する苦情を名目に客の男からつきまとわれる"ことを指すみたいです。男性→女性と限っているのは変な気がしますが、実際にある例はほとんど男性→女性なのかもしれません。

　この記事クレームストーカー:窓口女性に恋愛感情隠し接近　毎日新聞　2015年01月09日　07時00分（最終更新　01月09日　12時30分）に出ていた具体例を見た感じ、特徴としては以下のようなところが言えそうでした。

・クレームを理由にしつこく面会を要求。電話も。
・不在の際は「本人に謝罪させろ」などと要求。

　この他に「精神的苦痛を受けた」として、ストーカーの人が女性個人に慰謝料を求めて提訴した例があります。これらのことから、ストーカーが相手と手段を問わずにとにかく接触をはかろうとしているのがわかります。裁判を起こされた社員を持つ企業の法務担当者は「クレームは理不尽なものばかりで女性が目当てだったことは明らか。裁判を起こしたのも女性との接点を持ち続けるためだろう」としていました。

　また、企業向けの危機管理コンサルタント会社「平塚エージェンシー」社長の平塚俊樹さんは「男性の中には女性から丁寧に接客されると、『自分に好意がある』と勘違いする人がいる。手に入らないならいっそ相手を苦しめたいと考え、つきまとうのでは」といった分析をしていました。


●全くの想定外…規制法の規制外である困ったストーキング

　一方、こうした「クレームストーカー」はストーカー規制法の規制外であるという問題があります。ストーカー規制法が仕事や近隣トラブルなど恋愛感情以外の理由によるつきまといを規制対象外にしているせい。クレームストーカー加害者は飽くまで「業務への苦情」をしているので、ストーカー規制法では規制できないんだそうです。

　なぜ対象外にしてしまったのか！と思いましたが、一応規制しない理由はあります。「恋愛感情」の目的要件を撤廃すると、取材や調査活動なども含め幅広く取り締まりの対象になる恐れがあるため。政治家などによる、ストーカー規制法の悪用されるおそれがあるということでしょう。実際、彼らならやりかねません。

　わからない話ではなく、「規制範囲がむやみに拡大する」というのはよくある懸念理由ではあるものの、理由を聞いてもやっぱり納得できません。クレームストーカー以外にも「金を返してほしかっただけ」という言い分のせいで、ストーカー規制法違反での立件を見送った例があるそうです。現行法はざる過ぎます。取材や調査活動が取り締まり対象となるのが問題なら、例外規定を設けるなど、やりようがあると思うのですけどね。


●対策難しいクレームストーカー、警察に通報できるケースとは？

　なお、別記事の女性社員の「営業スマイル」を勘違い　あげくに「クレーム」口実につきまとい 2015年 01月21日 21時15分 提供元：J-CASTニュースでは、対策についても少し触れられていました。

法務関連のニュースサイトなどを手がける、More－Selectionsは2015年1月15日の「クレームストーカー対策を考える」と題した記事を掲載。企業にとっては、「クレームストーカー」と思える例でも、外見上は「顧客」なので、対応に苦慮するとしつつ、場合によっては「刑事事件として警察に通報できる場合もある」としていました。

＜たとえば、店内で、店員の制止に従わず、大声を出し続けると「威力業務妨害（刑法234条）にあたる可能性がある。また、無理やり土下座させたり、謝罪文を書かせたりした場合は、強要罪（刑法223条）に当たる可能性もあるそうだ。もちろん、クレームストーカーが、こうした法律の知識を身に付けている可能性もあるが、企業側は「適切な法律知識を身につけた担当者を配置し、毅然とした対応をとることが必要」と指摘している＞

　ただ、問題なのは、そうじゃないケースも多いからではないかと思います。クレームストーカーじゃなくて普通のクレームのケースですが、怒鳴るわけではなく淡々と、しかし、恐ろしく長時間続くというクレームに今手を焼いている企業が増えてきていると聞きました。クレーマーが暴力的というのは偏見なのです。

　こうなってくるとクレームストーカーだけではなく、クレーム全般の話になりますけど、より大きな問題に発展する可能性を感じさせる話です。


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