裁量労働制だから必ずブラック企業か?と言うとそうではありませんけど、それに近いところがあります。わざわざ裁量労働制を利用してくる企業はブラック労働を狙いとしていることが多いのです。そのため、就活でのアドバイスやブラック企業を問題視している人たちは、裁量労働制について言及することが多くなっています。
裁量労働制の方が実際の労働時間が長くなってしまうことは、政府のデータからも確認できました。これはもともと政府が捏造的なデータを出してきたということで判明したものなのですけど、裏を返せば捏造までやらないと裁量労働制の方が有利というデータを作れなかったということ。裁量労働制の内容は相当悪いようです。
この裁量労働制関連で、<現実見ろよ…「みんないい人」という非現実的な性善説での擁護>、<裁量労働制で36時間連続勤務の長時間労働で体調悪化→過労死>などもまとめています。
2023/07/04まとめ:
●高額年収条件消滅!平社員・新入社員すら「残業代ゼロ」の案
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●裁量労働制はブラック企業の目印
2018/02/20:「裁量労働制」というのは、労働時間の規制を緩める制度の一つです。実際に働いた時間でなく、あらかじめ定めた労働時間に基づいて残業代込みの賃金を払うという、たいへん変わった制度。
(
「最長残業」根拠に首相答弁 残業データ、違う質問比較:朝日新聞デジタル 贄川俊、村上晃一 2018年2月19日05時00分より)
この「あらかじめ定めた」というのが、ブラック企業が悪用するポイント。なぜか?と言うと、これにより「それ以上働いても追加の残業代は出ない」とすることができるため。「裁量労働制」は以前やった固定残業代やみなし残業代問題と絡むものです。
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みなし残業代・固定残業代は残業しなくても貰える!問題は残業が多いとき こうしたブラック企業が利用しやすい制度のため、就活でのアドバイスでは「ブラック企業」発見の目印とされます。また、既に悪用が目立っているようで、2017年のブラック企業大賞の発表・授賞において、ブラック企業ユニオンの坂倉昇平さんが以下のように述べていました。
「来年(引用者注:2018年)は、裁量労働制の問題が焦点となる。ゲーム業界、IT業界(ウェブデザイン)、出版・メディアから相談が来ている。合法だけれど、過労する人が発生する状況がある。厚労省・労基署逃れの手法が広がっている」
(
ブラック企業大賞「来年は裁量労働制が焦点」「公共部門がヘタっている」委員らが議論 - 弁護士ドットコム 2017年12月23日 17時23分より)
●ほぼブラックとイコールの「裁量労働制」を拡大の意向
最初の記事によると、「裁量労働制」は「仕事の進め方をある程度自分で決められる働き手に限って適用できる」ということになっています。具体的に言うと、研究開発職などが対象の専門業務型と、企業の中枢で企画・立案をする人が対象の企画業務型に限られていました。
ところが、なぜか安倍政権は、このたいへんブラックになりやすい制度の対象業種を拡大しようとしています。完全に改悪の方向性です。これは、ブラック企業大賞の発表・授賞式でも問題視されていました。政府がすすめている「働き方改革」について、同実行委員会の委員の佐々木亮弁護士が、以下のように指摘していたのです。
「『同一労働同一賃金』など、耳障りの良い改革が含まれているが、ブラック企業の拡大に役立つ『裁量労働制の規制緩和』については、通していけないと考えている。来年の通常国会の最大の焦点になる」
●政府は労働時間捏造と隠蔽で推進
安倍首相は働き方改革が議論された1月29日の衆院予算委員会で、厚労省の調査を元に「平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」と答弁していました。ところが、裁量労働制で働く人の方が1日あたり平均20分前後短いとするデータに疑義があると野党から追及を受け、14日に答弁を撤回することになります。これは捏造とみなされて仕方ないほど根拠のない数字でした。
裁量労働制で働く人には1日の「労働時間の状況」を聞いていたのですけど、なんと一般労働者への質問は、1日の残業時間について1カ月のうちの
「最長時間」を尋ねていました。普通の労働時間と「最長の労働時間」を比較すれば、そりゃ「最長の労働時間」の方が長くなるに決まっています。単純ミスとは考えづらいです。
この答弁の根拠になったのは厚生労働省が2013年に公表した「労働時間等総合実態調査」。全国1万1575事業所の「平均的な人」の労働時間を調べたものです。この調査を元に、1日あたりの労働時間は一般労働者(平均9時間37分)より裁量労働制で働く人の方が平均20分前後短いと政府は説明していたわけです。
ただ、そもそもこれだけひどい捏造をやっても、わずか20分しか違わないというのですから、実際の裁量労働制で働く人の労働時間は相当長いものと予想されます。
また、"「平均的な人」の労働時間を調べた"という微妙な言い方もひっかかりますね。これはつまり単純に平均時間を見ているわけではなく、加工されたデータということ。なので、ここらへんも都合良くなるようにデータをいじっている可能性があります。
さらに、共同通信によると、この捏造の問題を、加藤勝信厚労相は7日の時点で把握していたことも判明。調査方法などを精査した結果が公表された19日まで約2週間かかっており、隠蔽していたことも疑われます。
(
東京新聞:労働調査、厚労相7日に不備把握 裁量制で野党「隠蔽」と批判:政治(TOKYO Web) 2018年2月19日 19時40分(共同)より)
●なぜか知らないがブラック企業が好きな自民党 海外右派も同傾向
このように捏造と隠蔽までして安倍政権がブラック企業社会を推進しようとしていることは、一般人にとっては不思議に見えます。ただ、過去に書いているように、なぜか保守派はブラック企業的な思想と親和性が高いんですよね。被害者である社員ではなく、ブラック企業側と仲良くする…ということもよくあります。
例えば、過労死社員への暴言を繰り返していたワタミの渡邉美樹さんを擁立、予定していたブラック企業対策も公約から外してしまったということがありました。また、以下の投稿で書いたような、保守派の好む自己責任論や根性論・精神論というのも、ブラック企業社会の形成に一役買っています。
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ブラック企業が跋扈するブラック国家日本 その精神は戦前からの伝統か? 根性論・個人に責任転嫁・人命軽視などの共通点 左派は労働者に味方するので、右派は経営者の味方って感じもありますかね。アメリカの右派とリベラルでも日本と同じような傾向が見られますので、世界的な共通点かもしれません。
●裁量労働制で増える労働時間、調査せずに法案成立の方を優先
2018/02/22追記:「働き方改革」関連法案に絡み、問題となった裁量労働制のデータ誤用に関し、衆院予算委員会で、立憲民主党の逢坂誠二議員が実態把握のため再調査を求めました。データが間違っていたのですから、正しいデータが必要で再調査は当然。正しいデータをもとに改めて検討が必要になってきます。
ところが、安倍晋三首相は実際に働く人の労働時間の再調査を行う必要はないとの考えを示しました。安倍首相は、再調査を実施しない理由として「労働時間の資料も含めて労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)で審議をした」と説明していたものの、この説明ではさっぱりわかりません。
(
安倍首相、裁量労働の再調査せず=加藤厚労相、データ誤用で故意否定:時事ドットコム 2018/02/20-20:33より)
首相自身がデータをもとに裁量労働制の良い点として言及していたわけですから、データは重要なはず。その根拠データが嘘だったとわかったのに、調べ直す必要なしってことではないでしょう。また、そもそも裁量労働制導入によって、労働時間がより長時間になる可能性が高いのですから、これをよく調べておく必要があります。「労働時間がどれくらい増えるか知らんけど導入します」じゃ、国民に説明できないでしょう。
本当なぜここまでして、日本を悪くしたいのだろう?と不思議。どこかの国から日本を悪くするために派遣されたスパイなのかもしれません。
●裁量労働制は本当に「定額働かせ放題」なのか?批判に対して反論
2018/03/08追記:<裁量労働制は本当に「定額働かせ放題」なのか>というタイトルの裁量労働制に関する雑な擁護があったようで、
はてなブックマークでツッコまれていました。そのツッコミの内容だけで、主張がある程度わかります。
muchonov 「裁量労働制が悪いんではなく、労基法を踏み倒して平気な雇用者がいることが問題」という指摘は正論だけど、それは「裁量労働制は労基法の踏み倒しがより容易な制度」ということとは矛盾しないんすよね。
ただ、そもそも理解が間違いだらけでは?ってコメントもありました。
nabeteru1Q78 裁量労働制は場所的拘束の免除はない。在宅勤務制度を裁量労働制と勘違いしていないだろうか。裁量労働制に仕事量の裁量はなく法律を守っても定額働かせ放題は可能。あと、既存の裁量労働制を無くす話も今はない。
よりシンプルな指摘としては、現行法でもできることを主張しているのでは?というもの。
arrack 何回でも言われてるけど「本人努力で時短した成果物でOK」とするのは現行法制化でも可能だからね。
atsushieno 「現行法に沿ってもできる」という「野党の皆さん」の主張に1ミリも反論できていない、薄っぺらい主張だった(彼らの主張はわたしの労働形態にも合致している)。
そもそもが変な話なので、擁護しようとするとどうしても無理筋になるようです。
●現実見ろよ…「みんないい人」という非現実的な性善説での擁護
日本でブラック企業問題が深刻なのは、法律があっても全然守られていないというのが大きいです。「同意が必要」などの制限があっても、日本では上司に逆らえない可能性が高いというのも懸念されるでしょう。前述の通り、法改正前の現行制度においても、既に裁量労働制がブラック労働に利用されています。
dennou_kurage ここでいうところの「適用に際して労働者本人の同意が必要」というルールほど形骸化しやすいルールはないということをもっと真剣に考えていただきたい。
murasakizaru 「適用に際して労働者本人の同意が必要」上司や人事の「能力を活かして柔軟に働きたいよね?残業代欲しがるような無能じゃないよね?」に逆らえる労働者がどれだけいるか。反対派の丁寧な論証に雑なレッテルはるな
Pgm48p 不利な契約なら同意しなければいいと自己責任論に帰結させるのは禁物。労使の力関係的に労働者は使用者の搾取に抗えない存在だから、強行法規の労働基準法で守る必要があるという原理原則はもっと重んじられるべき
こうした反論は「みんなが丁寧に運転すれば交通ルールは作らなくていいよね?」みたいな話。俗に言う「性善説」であり、非現実的な主張です。この方はどういう人かわからないですけど、与党支持者の方はむしろ普段は性善説を信じる人をバカにしているんじゃないかと思うのですが…。繰り返すように、既に悪用されているというのが現実なんですよね。
●裁量労働制で36時間連続勤務の長時間労働で体調悪化→過労死
2018/05/18:裁量労働制が悪用されたという悲惨な例がまた一つ。
裁量労働制の28歳過労死 制度適用後すぐ36時間勤務:朝日新聞デジタル(千葉卓朗 2018年5月16日19時11分)という記事が出ていました。池袋労働基準監督署が労災認定していますので、確実な案件です。
記事によると、システム開発会社で裁量労働制を適用されていた男性社員(当時28)が、「うおー! やっとしごとおわったぁー!! 社会人になってから36時間ぶっ通しで働いたの初めてやがな」と書き込むなど、長時間労働を続けた後に体調を崩し、1ヶ月後に死亡しています。
はてなブックマークでは、やはり今後のさらなる悪化を心配するコメントが注目されていました。
murasakizaru 生の事実が、人の命が教えてくれる。裁量労働制、高プロ、どう名前を変えようと残業代なしで働かせる制度を正当化する政治家、学者、有識者は大量殺人鬼だ。
vabo-space 現在国会で審議中の高度プロフェッショナル制度も、インターバル規制等がなくて法的に何日も連続勤務を命じられる点も大きな問題になってる。やはり必要なのは規制緩和でなく規制強化
kyo_ju なお、今国会で成立しそうになってる法案では、(高プロは青天井なのは勿論)残業時間月平均80時間までは合法とされるので、この事例(2ヶ月の平均残業80時間台)ですら労災認定されなくなるおそれが強い。
gabill この悲劇で世の中少しは変わるかな...と思ったけど、そもそも今の高プロのキッカケは電通過労死事件だった。どうしてこうなった。
raic ちゃんと運用できないのだから裁量労働性も高プロもやめてしまえよ。これ以上規制緩和という名の奴隷制度拡大はやめろ。
●過労死遺族会も「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)に反対
なお、このニュースの少し前には、
過労死遺族、安倍首相に面談要請:時事ドットコム(2018/05/16-20:36)という記事もありました。タイトルだけだとよくわからなかったものの、これは「高度プロフェッショナル制度」に関する話でした。
過労死の遺族でつくる「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子代表が、政府が「働き方改革」関連法案に盛り込んだ高度プロフェッショナル制度(高プロ)の導入に改めて反対するとともに、安倍晋三首相に面談を申し入れたというものです。
ただ、安倍首相らはどうもこのような制度が「働き方改革」としてふさわしいと考えているようです。
怪我押して出場を美談にしてはいけない 稀勢の里が連続休場、横綱ワースト記録にで書いたように、安倍首相は公務員に「甘え許されぬ」と言って、怪我押して強行出場した稀勢の里を例に出した人ですからね。
●裁量労働制のみなし労働時間悪用で、労基署が是正勧告
2018/09/19:裁量労働制をブラック労働に利用していた企業のニュースがまたあったので追記しておきます。
未払い残業代700万円 裁量労働制不正適用で是正勧告:朝日新聞デジタル(2018年9月18日20時16分)というニュースが出ていました。
裁量労働制の導入には、会社側が労働組合か労働者の多数決などで選ばれた労働者代表と労使協定を結ぶ必要があります。しかし、P総合計画事務所では会社が指名した人を労働者代表としており、中央労基署はこの協定に基づく同制度の適用は無効と判断。女性に違法な残業をさせ、残業代を支払わなかったとして是正勧告しました。
今回問題となったブラック企業のみなし労働時間は1日8時間でしたが、実際の残業は月80時間を超えることが大半だったといいます。同じ労使協定で裁量労働制を適用された社員が約80人いるそうで、まさにブラック企業に裁量労働制をうまく悪用されたというケースでした。今後、こうした被害は広がるものと思われます。
●厚労省が裁量労働制の実態調査結果を公表…時短効果はあるのか?
2021/07/05:
裁量労働制、時短効果なし 1日20分、週2時間長く | 共同通信(2021/6/25 19:12 )というニュースが出ていました。「知ってた」という話ではありますが、改めて確認できたのは良いことではあります。また、政府が「時短に繋がる」と捏造してまで裁量労働制を推進したことは、やはり問題だったとわかる話でもあります。
厚労省は2021年6月25日、裁量労働制が適用される労働者の実態調査結果を公表しました。調査は19年11~12月に実施したもので、裁量制適用の有無で分類した計約1万4千の事業所と約8万8千人の労働者から回答を得たものです。結果、1日の平均労働時間は裁量労働制が適用されない労働者より約20分長く、週平均でも2時間以上上回ることがわかりました。
これについて、裁量労働制がが必ずしも長時間労働の抑制につながっていない現状が浮き彫りになったと記事では書いています。また、記事では、裁量制を巡っては2018年、安倍首相(当時)が時短効果を強調していたことや、その根拠とした厚労省の調査に不適切なデータが次々と発覚し、政府が適用業種の拡大を断念した…という経緯についても説明していました。
●高額年収条件消滅!平社員・新入社員すら「残業代ゼロ」の案
2023/07/04まとめ:ここから<年収1000万円はどこへ?平社員・新入社員すら「残業代ゼロ」の案>のタイトルで書いていた過去投稿をまとめています。それ以前の似たような悪い法案の話もありますし、昔から日本人の労働環境の悪化に熱心であったことがわかる話でしょう。
2014/5/30:あんまり話題になっていない気がする「残業ゼロ」案に、東洋経済が噛み付いていました。<「ヒラ社員も残業代ゼロ」構想の全内幕 | 東洋経済オンライン>(風間 直樹 :東洋経済 記者 2014年05月26日)という記事を出していたのです。
http://toyokeizai.net/articles/-/38399 ここで重要なのは、通称「長谷川ペーパー」。2014年4月22日の経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議において、産業競争力会議雇用・人材分科会主査である長谷川閑史(経済同友会代表幹事)の名前で提出された説明資料だそうです。この「長谷川ペーパー」の原案は、4月9日に開催された産業競争力会議雇用・人材分科会の際に、非公式に話し合われたものだとあり、以下のように説明されていました。
<会議では「多様な正社員(限定正社員)」と「解雇の金銭解決制度」について議論されたが、実は分科会の開催前、内閣府副大臣の西村康稔、厚生労働副大臣の佐藤茂樹を中心に関係者が集まり、西村の部屋で非公式な会合を持った。議題となったのは、22日の合同会議で初めて議論されたことになっている「新たな労働時間制度」である。
(中略)現在の労働時間制度は工場労働者を想定した仕組みであり、ホワイトカラーには適さない、それに代わる新たな労働時間制度として「スマートワーク」なるものを創設するというものだ。
このスマートワークでは、対象者の範囲に業務や地位の限定を設けず、本人の同意と労使の合意に委ねることで、幅広い労働者の利用を可能にするとしている。実際そこで図示された対象者のゾーンには、「ヒラ社員」の最末端、つまり新入社員まで含まれている。本人の同意と労使合意さえあれば、どんな業務内容の新入社員でも労働時間規制が及ばず、残業代なし、深夜・休日割り増しなしで働かせることができる>
この「スマートワーク」は、第1次安倍政権の2006~07年当時議論された悪名高い「ホワイトカラー・エグゼンプション」以上のインパクトです。「ホワイトカラー・エグゼンプション」では"管理職など一定の層の労働者を労働時間規制の適用除外とする構想"でした。
また、"昨年12月に出された産業競争力会議雇用・人材分科会の提言"の"まずは年収1000万円以上"というもの。ホワイトカラー・エグゼンプションだって十分批判を浴びたものなのですけど、東洋経済によれば、スマートワークに至っては"およそすべての労働者をその対象とする提案"だそうです。格が違います。
●年収が安い人にも影響あるのに高収入の人にだけアンケート
以上のように、この残業法案は、年収1000万円以上に限らない広範な人々を対象にしたものだとのこと。この理解が正しければ、「残業代ゼロ」案と年収1,000万円超の会社員を結びつけた下記のようなアンケートは、案の内容を理解できていないもの。話を逸らすミスリードなものとすら言えるかもしれません。
・「残業代ゼロ法案」に年収1,000万円超の会社員の7割が賛成 - その理由とは?(フォルサ [2014/05/25])
<ビズリーチは、日本版ホワイトカラー・エグゼンプション(正式名称:日本型新裁量労働制)について、平均年収1,110万円のビジネスパーソン1,449名を対象に、アンケート調査を実施した。調査実施期間は5月12日~18日。
(中略)ビジネスパーソンに、日本版ホワイトカラー・エグゼンプションの導入についてどう思うか尋ねたところ「賛成」は29%、「どちらかといえば賛成」が43%で、合わせて7割が「賛成」と回答した。
「賛成」の理由を尋ねたところ、最も多い意見は「時間ではなく、成果で評価されるべき」(74%)だった。次いで多い意見は「正当に評価されるのであれば生産性が上がり、会社にとって良い」(56%)で、「自分のペースで働くことができる」(44%)、「効率的に仕事をし、家族と一緒の時間を大切にしたい」(30%)が続いた。
一方、「反対」と回答した人に理由を尋ねると、「正当に評価されるとは考えにくい」と63%が回答した。「長時間労働が当たり前になる」(51%)、「賃金の抑制につながる」(36%)などの意見も寄せられた。>
http://news.mynavi.jp/news/2014/05/25/029/ この調査では"残業代の支払いはあるか尋ねたところ、65%が「ない」と回答した"そうですから、現状の追認というのが多いのかもしれません。というか、法律変更が議論中の現時点で、残業代の支払いがないってのは、法律的に大丈夫なんですかね? 他のやり方をしているんでしょうか?
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