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その勉強法は本当に正しい?反復練習という勉強のやり方の疑問点


 「反復練習」に関する話のまとめ。<その勉強法は本当に正しい?反復練習という勉強のやり方の疑問点>、<分散学習が集中学習より効果的 休憩中に長期記憶を作るため…>などをまとめています。


●その勉強法は本当に正しい?反復練習という勉強のやり方の疑問点

2015/2/7:「反復練習は大事だよ」という話が話題になっていました。どうも脳が冴える勉強法―覚醒を高め、思考を整える (NHK出版新書 369)(築山 節)という本がベースとなっているようです。



 私も反復練習の重要性は否定しません。そりゃ1回やるより2回、2回やるより3回やる方が記憶に残りやすいというのは嘘じゃないでしょう。ただ、その反復練習の勉強法の肝となる部分で、気になるところがあったんですよね。人は誰でも否定されるというのは嫌なものですから、ネガティブな内容である今回の話は書きづらいんですが、そこらへんについて少し書いています。

 今回話題になっていたのは、<一つの科目を短期で集中的にやる。間隔を開けるにしても、なるべく短くするようにする>という勉強法でした。ただ、集中型学習は間違いだった!効率の良い勉強法は集中させないことで出てきた研究では、以下のように短期集中型の練習法には極めて不利な結果だったんですよ。運動に関する研究という違いがあるものの、気になるところです。

・1日で4つのレッスンを受けたグループより、1週間で4つのレッスンを間隔を空けて受けたグループの方が優れていた。
・研究によると、メインのスキルを習得するため、別の練習を2つ以上組み合わせて交互に学習する方が効果的だとわかった。
(以上、1万時間勉強するより効果的な学習方法とは? - GIGAZINE 2014年04月23日 06時00分17秒より)


●分散学習が集中学習より効果的 休憩中に長期記憶を作るため…

 上記の結果はピーター・ブラウンさんらの研究とされていました。同じ投稿で紹介した以下の研究は、理研による別の研究です。こちらの理研の研究の場合は記憶に関する話が出ており、しかも、短期集中型の練習法に不利な結果になっているように見えます。

・休憩中に小脳皮質のプルキンエ細胞で作られるタンパク質が長期記憶に必要なため、分散学習の方が集中学習よりも、学習効果がある。
(一夜漬けっていい勉強法? | 大学受験の予備校・塾 東進ハイスクール 青葉台校より)

 研究結果がすべてというわけではなく、研究が間違っている、研究者になって異なる結果になる…ということはよくあります。2つ目の研究は理研によるものですが、理研のSTAP細胞問題は研究の不確かさを示す象徴的な事件でした。

 とはいえ、個人の経験や経験則よりは、研究の方を一般的には信頼した方が良いです。じゃあ、脳が冴える勉強法―覚醒を高め、思考を整える (NHK出版新書 369)はどんな本なのか?研究による裏付けがあるのか?と言うのが気になるところ。とりあえず、作者の築山節さんは専門家みたいですね。

・著者について
<医学博士。財団法人河野臨床医学研究所附属北品川病院長。1950年、愛知県生まれ。日本大学大学院医学研究科卒業。埼玉県立小児医療センター脳神経外科医長、河野臨床医学研究所理事長を経て現職。脳神経外科専門医として多くの診断治療に携わる。92年、脳疾患後の脳機能回復を図る「高次脳機能外来」を設立。著書に『フリーズする脳』『脳が冴える15の習慣』『脳と気持ちの整理術』『脳から変えるダメな自分』など。<
脳が冴える勉強法―覚醒を高め、思考を整える (NHK出版新書 369)(アマゾン)


●著者は「専門家」 むしろ科学的な根拠があるというレビューも

 また、むしろ他の本とは異なり、科学的な根拠があるというレビューがあります。「脳科学的な裏付けのある分かりやすい勉強法」と題されたレビュー投稿や「覚醒のピークは1日せいぜい3回。教科書は13回繰り返す!」という題のレビューでは、以下のように極めて好意的でした。続けて紹介しています。

<勉強法については数多くの書籍が出ているが、それらの多くは著者自らの経験に基づく勉強法であり、科学的な裏付けがほとんどなく物足りなさを感じていた。また、そういった書籍の勉強法は、自分との「相性」の問題もあり、その勉強法を実践しようとしてもなかなかうまくいかないことが多い。
 その点、本書は、脳神経外科専門医である著者が、意欲や集中力を高めて効率良く勉強する方法を脳の仕組みや性質といった科学的な観点から解説しており、ひとつひとつ納得しながら読み進めることができる。
また、著者自身の勉強法についても脳科学の観点から考察しており、本書は「相性」を気にせずに読めると思う>

<脳神経外科専門医である築山先生が、脳神経の基本的な仕組み、機能などの科学的根拠を元に、いかに脳の覚醒度を高め、脳に記憶させるか、を教えてくれるわかりやすい一冊。
 脳の覚醒度を高めるための、睡眠方法/脳の休ませ方や、集中する方法、脳の回路を効率化する方法、ノートの取り方など簡潔かつ要点をついた解説で、新書ではもったいないような内容。
 脳の覚醒のピークは1日2、3回とのことですが、「ヘッブの法則」を使って、習慣化すれば、効果的に記憶ができるのです>

 ただ、専門家というだけで信じると、結局、先程出したSTAP細胞と同じです。やはりSTAP細胞絡みで書いたSTAP細胞問題など、バイオ(生物)・医学系で研究不正が多い理由では、医者というのは特に信頼できないという指摘もあります。STAP細胞問題のときにも、小保方晴子さんを擁護していたお医者さんが結構目について、困ったことだなぁと思って見ていました。私も常々お医者さんはトンデモが多いと感じていたんですよね。

 この本の根拠となった話では、どれくらい研究ベースのものがあるのか?はちょっとわかりませんので、ある程度研究の裏付けがある可能性はあります。ここがポイントですね。ただ、個人的には、実際に比較している集中型学習は間違いだった!効率の良い勉強法は集中させないことで紹介した話の方に信頼性を感じます。

 とはいえ、前述のように専門家によって異なる主張が出ることは珍しくありませんので、とりあえず結論は出さないでおいて、新たな研究が出るのを待っていようと思います。STAP細胞問題のときにも言われたように、様々な研究が出ることによって、仮説を少しずつ確かなものにしていくというのが科学です。


【本文中でリンクした投稿】
  ■集中型学習は間違いだった!効率の良い勉強法は集中させないこと
  ■STAP細胞問題など、バイオ(生物)・医学系で研究不正が多い理由

【関連投稿】
  ■子供のどこを褒めるかによって効果に違い 勉強をやる気になる褒め方は?
  ■毒親の過干渉という呪縛 20年前の「いいお母さん」像が今は毒母
  ■親の期待は子供を伸ばすのか?潰すのか? 「無関心」「認める」など
  ■学校・教育・子どもについての投稿まとめ

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