2015/2/12:
ローソンストア100・ローソンマートが大量閉店
ローソンストア100失敗の理由は「特色がはっきりしなかった」ため
一方でコンビニっぽいスーパー「まいばすけっと」は好調
『まいばすけっと』『マルエツプチ』『紀ノ国屋』『成城石井』の特徴
路線変更でますます悪くなったローソンストア100
ローソンは同じ小型店舗の「成城石井」もグループ内に
●ローソンストア100・ローソンマートが大量閉店
2015/2/12:なぜか私の愛用のお店は苦戦するところが多い気がしますが、ローソンストア100が大量閉店するそうです。
100円ローソン、260店閉鎖へ スーパー相手に苦戦:朝日新聞デジタル 2015年1月29日18時51分
ローソンは29日、食品などを主に100円で売っている「ローソンストア100」の2割超にあたる約260店と、小型のスーパー「ローソンマート」全39店を、2016年春までに閉める方針を明らかにした。(中略)
閉鎖店のうち100店は、健康志向の商品を扱う「ナチュラルローソン」や、ドラッグストア機能を持つコンビニなどに業態を変え、収益の向上を狙う。
ローソンストア100やローソンマートが苦戦した理由はいくつか考えられます。「デフレからインフレに切り替わったせい」というのは、真っ先に思いつくものでしょう。ただ、5つほど記事を読んでみたものの、単にインフレだからというのはやや単純すぎる見方という解説をどこもしていました。
経営者onlineでは、この他に「ともに立地条件が悪い地域への出店が多い」という指摘をしていました。これは他でない指摘であったものの、経営者onlineでも本命と見ているわけではありません。
(
「260店舗閉店」100円ローソンが犯した出店戦略のミス | 経営者online)
●ローソンストア100失敗の理由は「特色がはっきりしなかった」ため
では、経営者onlineが最も大きな理由として挙げたいたのはなにか?と言うと「特色がはっきりしなかった」というもの。実は、他の記事でも同様の指摘でした。
"ローソンストア100は、コンビニほど品揃えやサービスが良いわけでもなく、100円均一のように商品が豊富でもない。ローソンマートもスーパーほど品揃えがいいわけでもなく、価格的にも低価格商品を扱う小型スーパーには勝ち目がなかった"(経営者online)
"そもそも低価格路線への傾注は業界で疑問視されていた。定価販売が基本のコンビニの強みが生かせないためだ。実際に、競合するイオンの小型スーパー「まいばすけっと」などの攻勢に遭い、コンビニより安いがスーパーより割高という、「中途半端な業態」(業界関係者)に成り果ててしまった"
(
低価格業態300店を閉店 ローソン不採算店改革の成否|inside Enterprise|ダイヤモンド・オンライン 週刊ダイヤモンド編集部 2015年2月12日 大矢博之)
●一方でコンビニっぽいスーパー「まいばすけっと」は好調
上記の解説の中で「まいばすけっと」という名前が出ています。ここについては、過去の投稿
マルエツとイオンどっちがすごい?同じグループなのに全くの別路線で軽く触れていました。
私が見たのは1店のみですが、都内で地価の高そうな地域での出店。コンビニのような小規模店舗にぎゅっと詰め込んだ食品スーパーという感じでした。独特でおもしろいお店でした。特色があります。
ローソンストア100などは、こういったライバル店と比べて特色がないというのがマズかったというのが、どの記事でも共通した見方でした。
●『まいばすけっと』『マルエツプチ』『紀ノ国屋』『成城石井』の特徴
流通アナリストでプリモリサーチジャパン代表・鈴木孝之さんは、他店の特徴を以下のようにわかりやすく説明しています。
『まいばすけっと』 イオングループの小型スーパー。100円より安い商品を置いているが、グループ全体で共同仕入れ、商品開発を行っているため、仕入れ価格を抑えられ、利幅が取れる。店長ひとりで複数店舗を束ねることで、人件費も抑えている。他店よりアイテム数が多いのも特徴。
『マルエツプチ』 都市生活者のニーズをくんで、輸入品など上質な商品も並べている。
『紀ノ国屋』『成城石井』 高級スーパーの小型店舗。
日刊ゲンダイ|「100円ローソン」260店閉鎖 競合他社の“特色”に押され 2015年2月1日
マルエツとイオンどっちがすごい?同じグループなのに全くの別路線では、マルエツがまいばすけっとと同業態にはとても見えないと書いたんですけど、ここの説明だとマルエツではなくマルエツプチですね。名前からしてそれなら理解できます。
当時読んだのは東洋経済オンラインの記事でしたが、たぶん記者がマルエツとマルエツプチを区別できていなかったんでしょう。
●路線変更でますます悪くなったローソンストア100
先のダイヤモンド・オンラインによると、ローソンストア100の中途半端さは途中から加速していたようです。なんとか挽回しようと、通常のローソンで扱う商品を増やしました。ところが、これが裏目に。100円商品の比率が約6割にまで低下し、「100円均一というコンセプトを外れ、通常のコンビニと差別化できなくなってしまった」(ローソン幹部)といいます。
そのため、既存店舗は、"100円商品の比率を8割まで引き上げ「原点に立ち返る」(同幹部)ことなどでてこ入れを図る"方向性とのこと。
均一にすることの重要性は、
100円ショップに200円商品を置くと売上低下?均一料金が人気の秘密で書いています。確かにローソンストア100は100円以外の商品が多く、買うときも面倒でした。一度勘違いしてレジに持っていってしまったので、キャンセルしてもらったこともあります。
でも、さっきのマルエツ(マルエツプチは行ったことありません)についても
マルエツとイオンどっちがすごい?同じグループなのに全くの別路線で、「中途半端」という感想を書いたんですけどね。こっちは好調らしく、やけに褒められていました。
●ローソンは同じ小型店舗の「成城石井」もグループ内に
今回何度かリンクした
マルエツとイオンどっちがすごい?同じグループなのに全くの別路線は、マルエツの「マルエツプチ」とイオンの「まいばすけっと」がともにイオンが関わっているという話でした。
そして、今回おもしろいのが、ローソンも同じ小型店舗を持つ「成城石井」を抱えているということですね。同じグループ内にやはりライバル店舗があるのです。(「成城石井」は買収した店舗。「ローソンストア100」はベースは買収した「ショップ99」)
ダイヤモンド・オンラインによれば、「成城石井」への転換も視野に入っているようです。
閉店する300店のうち、約100店は健康志向の「ナチュラルローソン」や、高級スーパー「成城石井」など別業態へ転換する方針。とりわけローソンが期待を寄せるのが、50店程度を転換予定の、大衆薬や日用品を強化したドラッグストア型コンビニだ。
ドラッグストア型コンビニは"かつてマツモトキヨシホールディングスと提携しながら掛け声倒れに終わった業態"だとしていました。しかし、
ファミリーマートのコインランドリー参入が良い狙いである理由 ローソンは薬局クオールと提携してコンビニと併設でも書いたように、こういったチャレンジ自体は良いことだと思います。
イオンにしてもローソンにしてもグループ内で食い合いをしているわけで、一見損に見えます。しかし、一つが失敗しても別の路線を取れる保険をかけているという見方もできました。
私はいつも一極集中ではなく、多様性を持つことを推奨しています。ローソンも多様化していたおかげで、まだ傷が浅くなったのでは?とこちらも前向きに捉えています。
【本文中でリンクした投稿】
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マルエツとイオンどっちがすごい?同じグループなのに全くの別路線 ■
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