★2015/2/12 大塚家具のお家騒動 父大塚勝久会長派、娘久美子社長派で兄弟姉妹分裂
★2015/2/17 大塚家具お家騒動泥沼、勝久会長が反撃で久美子社長解任を提案
★2015/2/12 大塚家具のお家騒動 父大塚勝久会長派、娘久美子社長派で兄弟姉妹分裂
大塚家具でいわゆるお家騒動があったようです。
大塚家具、崩壊の予兆 父娘喧嘩で経営混乱 深刻な業績不振、上場企業の体なさず | ビジネスジャーナル 2015.02.08
ジャスダック上場の大塚家具が父娘喧嘩に揺れている。
大塚家具は1月28日、前社長の大塚久美子取締役が同日付で社長に復帰したと発表した。創業者の大塚勝久会長兼社長は代表権のある会長に就いた。久美子氏は昨年7月の取締役会で突如社長を解任され、勝久氏が社長を兼ねてきたが、わずか半年で元のサヤに収まった。
久美子氏は勝久氏の長女。解任された社長が復帰する異例の人事について、大塚家具は「経営管理体制を強化する(ため)」とのコメントを出しただけである。社長解任時点で勝久氏は記者会見を行わなかったが、久美子氏も今回復帰会見を開かない。株式を公開している企業とは思えない対応である。
この手の騒動はちょくちょくあります。
雪国まいたけでお家騒動 大平喜信オーナーと星名光男社長らバトルもゴタゴタしていました。
規模は違いますが、血縁関係で言うと、
赤福、お家騒動で社長解任 「おかげ横丁に外人来てほしくない」発言もの件の方が近いケースでしょうか?
大塚家具は、"父の勝久氏側に母と長男が、長女の久美子氏の側に弟妹が付いた"とさらに複雑です。
大塚家具の話で最初不思議に思ったのが、解任された久美子元社長が復帰できたことです。"大塚家具の株式は、勝久氏が発行済み株式の18.04%を保有する筆頭株主で、2位は一族の資産管理会社ききょう企画で9.75%を握る"そうです。
このききょう企画がさっき出てきた兄弟ら(5人の兄弟姉妹)がいるところなので内部で割れているのですけど、ききょう企画としては長女を支援したようです。
しかし、それだけではおよそ18%と10%ですから、父勝久会長側の方が優勢です。久美子元社長が反撃するには、何か他の要素があるはずです。
で、不思議に思って読み進めてみると、そこには投資ファンドの米ブランデス・インベストメント・パートナーズという外部株主の存在がありました。"1月14日付時点で持ち株は10.77%"ということで、単純に足せば勝久会長側を上回ることができます。
これで即座に決着とはなりませんが、"株主総会は委任状争奪戦(プロキシ・ファイト)の場となり、大混乱すること"が予想されました。そのため、勝久会長が折れたと考えられています。
(2/17追記:後半で書くように、全然折れてませんでした)
私は大塚家具という会社をよく知りませんでしたが、もともと"2000年代前半までは家具小売りのトップランナーだった"そうです。しかし、"久美子氏が社長に就任して以降、年商500億円台に張り付いたまま、売り上げの伸びはピタリと止ま"ります。
"久美子氏が「コーポレートガバナンスの欠如」を指摘するなど、次々と父の路線を否定したことが父娘の対立の原因とされ"ていますが、会社の不振の方が大きい理由だと記事では分析していました。
そこで、"長女を解任して勝久氏は社長に返り咲"きました。ところが、"それでも業績は持ち直さなかった"ようです。最近の大塚家具は家具業界4位と低迷しています。
"大塚家具の株価は、07年までニトリHDを上回っていた"ものの、15年1月30日現在の時価総額は、増収増益の快進撃を続ける"ニトリHDが7644億円、対する大塚家具は199億円で、38倍の差"。"これが大塚家具に対する市場の厳しい評価だ"と記事では指摘していました。
どちらが先か?と言うと不振が先のようですが、こんな状態で内部で争っているわけにはいきません。でも、まあ、やっぱり不振だからこそ揉めるってのが実際のところなんでしょうね。
ビジネスジャーナルを読んでいるとこれで一段落といった感じだったものの、日経ビジネスオンラインによれば、「これで問題が決着したわけではない」とのこと。どうもまだ内部で権力闘争が行われているようなのです。
"営業体制についてはこれまで通りで勝久会長が掌握"、久美子社長は全権を掌握を目指している…といった説明でした。
(
大塚家具、前代未聞のドタバタの顛末:日経ビジネスオンライン 磯山 友幸 2015年1月30日)
こちらでは、兄弟姉妹以外も内部で派閥が分かれているという話が出ていました。
大塚家具の取締役会は現在8人。勝久氏、久美子氏、長男の勝之専務執行役員、娘婿の佐野春生上席執行役員、従業員出身の渡辺健一執行役員に加えて3人の社外取締役がいる。社外取締役は、阿久津聡・一橋大学大学院教授、長沢美智子弁護士、それにジャスダック上場会社のホウライで会長を務めた中尾秀光氏の3人。
阿久津氏と長沢氏の2人は久美子氏が社長時代に招いた専門家で、中尾氏は勝久会長が招いた銀行出身者。昨年7月に久美子氏を社長の座から引きずり下ろした際には、この中尾氏が半ば主導的な役割を果たしたとみられている。
その中尾氏に近い人物によると、実は中尾氏はすでに取締役を辞任する意思を固め、勝久氏に辞表を提出しているという。おそらく、中尾氏の辞任によって、取締役会の勢力図も微妙に変化したのだろう。
また、ビジネスジャーナルでは触れられていなかった勝久会長の失敗も伝えています。
昨年7月に久美子氏を解任した勝久氏は、多額の広告宣伝費をつぎ込む旧来の手法で拡販を狙った。ところが、消費増税以降の消費はなかなか戻らず、売り上げは思ったほど伸びなかった。結果、広告宣伝費を増やした分が経費の増加につながり、経常赤字に転落する事態に直面した。完全に勝久氏の読みは外れたわけだ。
ワンマン路線・家族経営の父と近代的経営の子の対立というのは、
赤福、お家騒動で社長解任 「おかげ横丁に外人来てほしくない」発言もとよく似ています。私の好みとしては、子ども側の近代的経営です。
ただ、赤福と異なるのは、子どもが成功したかどうかです。赤福の場合は父のミスを挽回して以前よりも成長させたのに、追っ払われて成果を奪われた格好でした。一方の大塚家具は誰がやってもダメという感じです。
まあ、いずにれせよ醜い話であり、赤福のときがそうだったようにイメージが悪くなることには変わりありません。
★2015/2/17 大塚家具お家騒動泥沼、勝久会長が反撃で久美子社長解任を提案
"大塚家具のお家騒動 父大塚勝久会長派、娘久美子社長派で兄弟姉妹分裂"を書いたばっかりというタイミングで、またトラブルがありました。
父である大塚勝久会長は、株主総会が委任状争奪戦(プロキシ・ファイト)の場となり大混乱することを避けて、娘である大塚久美子社長の復帰を受け入れたのでは?と言われていましたが、全然受け入れてなかったんですね。反撃に出て、泥沼化してきました。
仰天!大塚家具、今度は父が娘の解任を提案 | 企業戦略 | 東洋経済オンライン 大野 和幸 :ニュース編集部 ニュース編集長 2015年02月17日
大塚家具(ジャスダック上場)は2月17日、会長であり、筆頭株主でもある、大塚勝久氏(71)が3月下旬の株主総会に提出した「株主提案」について、会社として反対することを取締役会で決議したと発表した。
大塚勝久会長が提案した株主提案というのは、"取締役10人選任”の件と、監査役2人選任の2件"なのですが、久美子社長は含まれていません。実質的な久美子社長の解任要求とも言えます。
最初に書いたように、もともと久美子社長の復帰が決まったのは、勝久会長が折れたためだと考えられていました。
大塚家具、崩壊の予兆 父娘喧嘩で経営混乱 深刻な業績不振、上場企業の体なさず | ビジネスジャーナル 2015.02.08
株主総会は委任状争奪戦(プロキシ・ファイト)の場となり、大混乱することが考えられた。勝久氏は、株主総会での骨肉の争いを避けたかったのだろう。久美子氏が株主提案をする前に、彼女の社長復帰を決めた。勝久氏が折れ、それを久美子氏が受け入れたかたちだ。
しかし、株主総会が大荒れになっても構わないという覚悟のようです。戦う気マンマンですね。
もともと久美子社長が復帰のために株主提案が行われる予定でした。ですので、「やられたらやり返す」だと先の東洋経済オンラインは煽っていました。
もともと株主提案は、2014年7月に勝久氏から久美子氏が社長職を解任された後、復活に向けてしたためていたもの。それが立場が入れ替わり、攻守ところを変えての展開。まさに「やられたら、やり返す」である。
今後の展開は予断を許さない。3月27日開催の株主総会に向けて、場合によっては、委任状争奪戦(プロキシ・ファイト)も想定される。
こういうゴチャゴチャした状況ですけど、何と株価は上がっています。しかし、あまり良い上がり方とも言えません。このお家騒動を狙った上昇です。
<動意株・17日>(大引け)=大塚家具、池上通、ヤマダ電機など | 市況 - 株探ニュース 2015年02月17日15時36分
大塚家具<8186>=買い優勢。(中略)勝久氏は取締役10人と監査役2人の選任を求めたが、現社長である久美子氏の実質的な解任要求となっている。会社側はこの要求に対し「反対」の意向を示しているが、来月には株主総会が予定されている。今後の状況次第では株主総会での“委任状争奪戦”の可能性も出ていることから、この日の株価は買い優勢となった。
株価は上がっているものの、前回も書いたようにこういうゴタゴタはもちろん良いことではないでしょう。
卵が先か鶏が先かについて、前回は業績不振のせいでお家騒動になったという書き方をしていました。一方、以下の日経新聞ように、お家騒動のせいで業績悪化というニュアンスのタイトルもあります。(有料記事の中身は読んでいません)
大塚家具、お家騒動・顧客不在のツケ 4年ぶり赤字 :日本経済新聞 2015/2/13 22:56
どちらが先かは別として業績が悪いのは間違いなく事実なのですから、本当はこんなことしている場合じゃないと思うんですけどね。一度仲違いしてしまうと、なかなか冷静になれないものなのかもしれません。
顧客そっちのけで壮絶な親子喧嘩が繰り広げられています。
追加
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