飲みニケーションが必要だというのはよく言われるのですが、通常の勤務時間に十分なコミュニケーションが取れていないという意味になるので、問題だとも捉えられます。また、本当に必要なのであれば、業務とみなして残業代を支払う必要があるとも考えられるでしょう。仕事に必要と言いつつ給与は払わない…という矛盾したところがありそうです。
とは言っても、飲み会を仕事とを結びつけるブラックな昭和的企業は今でも多数あります。この関係で、前半では、飲み会を断っても必要とされる社員になった例を紹介。また、「飲み会をやれば職場のコミュニケーションが良くなるわけじゃない」といった話も紹介しています。
その後、<酒乱遺伝子が多い日本人、DVアル中は「人付き合い」と正当化>などの話も追記。こういった被害防止のためにも飲み会は減らした方が良いかもしれません。
2023/07/23:
一部見直し
●昭和時代には当たり前!飲み会は仕事を円滑に運ぶための「潤滑油」?
2015/2/12:渡部幹さん(モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授)は共著『
不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)
』の中で、飲み会の役割について肯定的に評価していたみたいですね。
少なくとも昭和時代までは、不機嫌な職場において社内運動会やアフター5の飲み会に、社員同士、上司・部下間のインフォーマルな情報交換を促進し、仕事を円滑に運ぶための「潤滑油」としての役割があったことを指摘したとのこと。そして、その部分について同意するコメントや意見を、多数いただくことができたといいます。
これを書いた記事
飲み会を断り続けて味方が増える人、減る人の違い 内容と効率で生き残るコミュニケーションのススメ|ニューロビジネス思考で炙り出せ!勝てない組織に根付く「黒い心理学」 渡部幹|ダイヤモンド・オンライン( 2015年1月21日)では、上記の記述の後も「やはり飲み会は大切だということがわかった」といったコメントを多くいただいたとあり、飲み会肯定派からは強力な同調を得たようです。
●飲み会をやれば職場のコミュニケーションが良くなるわけじゃない
ただし、作者の渡部幹さん自身は、現在に置いても飲み会を推奨している…というわけではありません。「功罪両方ともある」として、「功」だけではなく、「罪」の部分にも触れていたのです。
本の中で指摘した「インフォーマルコミュニケーション促進剤」としての飲み会は、飽くまで昭和時代の話だとのこと。アルハラ、セクハラ、パワハラの温床にもなりがちな飲み会を、現在では手放しに推奨することはできないとして、むしろ強く否定的な感じでした。
「飲み会になど参加したくないし、行ったって上司と話す気にならない」という部下は、"コミュニケーション不全を引き起こす"と書いていました。しかし、同時に「飲み会じゃなければ、ぶっちゃけた話ができない」という上司も、やはり"コミュニケーション不全を引き起こす"のです。なので、飲み会をやればうまくいく…なんて単純なものではありません。「コミュニケーションの取れない飲み会」ならば意味はないとしていました。
●飲みニケーションは不要だった 飲み会を断っても必要とされる社員に
記事で多くの部分を占めていたのは、「飲み会を断り続けて味方が増える人、減る人の違い」というタイトルの通り、2人の社員の違いについてです。大雑把に言うと、飲み会だけでなく仕事の中でも接触を拒み続けて降格となった社員と、仕事中は相手のことを理解しようと努力し続けて職場からもうるさい取引相手からもなくてはならない存在となった社員という感じでした。
<ここからわかるのは、不機嫌な職場の解消のために必要なのは、仕事の場での会話の中でも効率的に相手を理解し、相手に自分を理解させる「エフェクティブコミュニケーション」だ。無理矢理に皆が集まる「飲み会」などではない>
渡部幹さんは以上のように飲み会の利益についても認めています。しかし、飲み会に参加しない社員が、参加している社員以上に必要な存在になれたところを見ると、やはり飲み会は重要ではないのではないか…と感じます。必要とされた社員は相手の良いところを見つけようとする人であり、私も飲み会の良いところを見つけてあげるべきなんでしょう。ただ、このエピソード自体は飲み会が不要であることの証明するもののような気がします。
●飲みニケーションが必要なのは、勤務時間中のコミュニケーション不足のせい
私は以前<仕事には飲み会も取引先とのお酒も宴会もいらない するなら残業手当を>(後半にまとめ)を書いているように、もともと飲み会が不要だと考えている人間です。ということで、もともとアンチ飲み会な人なので割引が必要でしょうけど、飲み会でコミュニケーションを取る必要があるというのは、勤務時間中のコミュニケーションが不足しているからだという風に見えました。
最初の「やはり飲み会は大切だということがわかった」といったコメントを多くもらったというところも、そもそも「不機嫌な職場」という特殊な職場の話だとされていましたよね。飲み会が必要だと言い出す職場は、おそらく仕事中のコミニュケーションに失敗している職場なのだと思われます。
きちんと勤務時間中に仕事できずに、勤務時間外に仕事のための時間を割かせようというのは、きつい言い方をしてしまうと「甘え」じゃないですかね? 勤務時間外に仕事のための時間を割かせる…というのはそれでもまだマシな言い方であり、はっきり言っちゃうと「サービス残業の強要」。ブラック企業な思想だと思います。
●飲み会は仕事中の失敗を回復させるためのサービス残業
記事では、「飲み会に部下を誘ったら、『その分残業扱いになるんですか』と返してきた」という「上司」の嘆きと、「自腹切って飲み会いって、上司に囲まれて説教食らって鬱、ってどんな罰ゲームよ?」という「部下」の書き込みを紹介していました。
私は部下の言い分の方が理解できます。後半の<仕事には飲み会も取引先とのお酒も宴会もいらない するなら残業手当を>で書いているように、「飲み会が必要だ」というのならそれはもう立派な「仕事」です。そして、それはやはり「サービス残業」の強要だということに繋がってきます。
これは飲みニュケーションを取る必要があるというのは、先程の仕事中のコミニュケーションに失敗しているためといった話でも同様。仕事中の失敗を取り返させるために、「飲み会」というサービス残業で働かせている格好です。したがって、飲み会が必要だと主張してしまう時点で、答えは明白でしょう。
●立教大教授が指摘、「飲んでいればどうにかなる」は思考停止
2018/10/11:中原淳・立教大学教授(人材開発)は、渡部 幹准教授と同じように過去と現在とでは違うといった指摘をしていました。「取りあえず飲んでいればどうにかなる」と考えるのは思考停止であり、より効果的なコミニュケーション方法を取り入れるべきといった話もあり、元の投稿に極めて近い内容です。
・飲み会が結束を高めるために一番簡単なチームビルディングの方法だったのは、一度入社したら定年まで勤めることを意味していた伝統的な日本企業の雇用形態、日本人、男性、正社員だったからこそ。
・職種や労働時間などを限定して採用する雇用形態が登場し、派遣や非正規雇用の人、共働き世帯や外国人も増えると、皆が夜、同じ時間に飲むことには無理が出てきた。
・若い世代も、社会の不確実性が上がり、一度組織に入れば給料が上がり続ける時代ではない。
(
(フォーラム)カイシャの飲み会:1 現状は:朝日新聞デジタル 2018年9月23日05時00分より)
●そもそも飲み会を仕事と関連付けるのは差別ではないか?と指摘
2021/02/27:このページは、当初「飲みニケーションは不要だった 飲み会を断っても必要とされる社員に」というタイトルでした。ただ、そもそも飲み会への参加・不参加や飲み会での振る舞いを理由に仕事の評価に差をつけるというのは、差別行為ではないか?という視点の指摘が出ています。
別ページでも紹介した記事なのですが、紹介したかったのは、
(フォーラム)カイシャの飲み会:朝日新聞デジタルという記事。「カイシャの飲み会」を取り上げたところ、読者から多くの反響が寄せられたとのこと。お酒が飲めない人の苦悩と関連しそうなコメントもあったのです。
例えば、神奈川県の67歳の女性は、飲み会に参加するかしないかで仕事や人間関係に差が出るのであれば「不公平だ」と指摘。女性が務めたどの職場でも飲み会は付きもので、お酌をする、料理を取り分ける、たばこの煙を吸わされる、男性社員が裸になる宴会芸を見せられる、帰り道に男性に追いかけられるなど、嫌なことばかり。それでも、仲間だという安心感を共有するために会社が求めていると感じていたから、飲み会に参加し続けたとのこと。しかし、それがそもそもおかしいだろうという指摘ですね。
一方、千葉県に住む52歳の大学教員は、「お酒を飲める・飲めないと、飲み会が好き・嫌いとは必ずしも一致しない」として、飲み会には肯定的。体質的にお酒が飲めないものの、飲み会は楽しいといいます。ただし、「コミュニケーション能力の高い人と、そうでない人を選別する場にもなりかねない」とは指摘。やはり飲み会と仕事を関連付けることに疑問が生じてくる指摘でした。
●部下だけでなく上司も飲み会に疑問「飲んでもは楽しくないと思う」
2021/04/28:
6割超が「上司の武勇伝聞かされた」 飲み会を民間調査:朝日新聞デジタル(2018年8月21日 6時41分)にあったクラフトビール大手の「ヤッホーブルーイング」(本社・長野県軽井沢町)が20~50代の会社員ら800人からインターネットに聞いた「飲み会実態調査」。これを見ていると、飲み会役立つ派はひょっとしたら声のでかい少数なのかもしれないと思いました。
まず、上司との飲み会で体験したことを選択肢で尋ねると、64%の人が「武勇伝・自慢話を聞かされる」と回答。一方で、「上司の話が分からなくても、とにかく笑顔で相づちを打つ」「何度か聞いた話でも初めて聞くような反応をする」も、それぞれ67%でした。若手がとりあえず聞いているというポーズのため、この飲み会が役に立っているとは思えません。
これ以外に飲み会の効果として期待されているのは、「結束力を高める!」みたいなものでしょうが、こんな楽しくない飲み会にその効果が期待できるのかは疑問。そもそも嫌がる人を参加させている時点でマイナスな気がしますけどね。調査結果からは、若手にとって飲み会は有意義なものでもはく、上司の接待の場であるような感じもうかがえます。
こうなると、飲み会に効果があると思っているのは上司だけ…と言いたくなりますが、より衝撃的なのは、上司の立場にある人に尋ねた項目の方でしょう。なんと上司への調査では、「自分たちと飲んでも部下は楽しくないと思う」も48%を占めていたとのこと。上司側も飲み会のプラス効果に疑問を持っていそうな感じです。
●取引先との飲み会は不要 必要だってのはプロ失格じゃないですか?
2013/4/1:個人の価値観という話なのですが、私も常々思っていたという内容でしたので、
僕が仕事の相手とお酒を飲まない理由 食事のコミュニケーション(日経ビジネスオンライン 岩瀬 大輔 2013年2月18日(月))という記事を紹介したくなりました。
<僕は食べることが大好きです。飲むことも大好きです。けれども、仕事の相手と夜、会食をするのは好きではありません。夜の会食は、基本的にいらない、というのが個人的な考えです。
じゃあ、なぜ僕が「仕事相手と夜の会食はいらない」と断言するのか。まず、仕事の相手は、プロフェッショナルな関係です。だったら、お酒を飲もうが飲まなかろうが、仕事に必要なことは語り尽くせるし、議論もできるし、分かり合えるはずです。
お酒を飲まないと、お互いなかなか本音が出てこない? それはおかしい。本音が出てこないのはお酒を飲んでないからではなくて、向き合って腹を割って話をしていないからです。何も酒の力を借りる必要はありません。 >
●飲み会の効果もわからなくはないがリスクもある
岩瀬大輔さんはライフネット生命保険副社長という立場ですが、上記を書いた2013年当時は37歳くらいという若い方で価値観が上の世代とは違うんのかもしれません。「お酒を飲まないと本音が~」ってのは、本当よく言われるもので、何で仕事の時間に大切なことを言えないの?と、私も不思議に思っていました。
岩瀬さんも"もちろん、お酒の席で、会議室では出てこないようなプライベートが垣間見えることはあります"とはしています。いわゆる「飲みニケーション」で、"お互いの距離がぐんと縮まって、仕事にもいい影響が出る"ということもあるでしょう。
しかし、今ならそれもフェイスブックでいいでしょ、とのこと。しかも、飲み会は"酔っぱらっているだけに、逆に険悪な関係に陥ってしまうおそれ"があります。酔っ払うことのリスク…というのは、確かにありそう。酔っ払って絡んで気分を悪くさせる他、酔っ払って取引相手には言ってはいけないことを言うというのも考えられます。
●飲みニケーションが必要なのはコミュニケーション不足のため
以上は取引先との関係。では、社内は?というのが次です。これも結局、「それってアマチュアだよね」と言えそうですね。
これも結局取引先との飲み会と同様に、確かにいっしょに飲むことで仲良くなるなどの良い効果が生まれることはあるだろうと、岩瀬大輔さんは認めています。しかし、岩瀬さんは経営者ということもあり、社員との一定の距離を取るようにしているとのこと。結果、社員とのコミュニケーションを就業時間中にちゃんととらなければいけない、ということになります。
そして、このことを逆に言うと、普段の勤務時間内に十分にコミュニケーションがとれていないから、飲み会をしなくちゃいけなくなるという話。「飲みニケーションで親睦を図ろう、と考えていると、逆に普段のコミュニケーションがおろそかになってしまうかもしれません」としていました。
●本人らが納得しても問題…社員同士の飲みにもリスクが存在する
さらにツッコんで、社員同士の方も"あまりおすすめいたしません"とのこと。で、先に岩瀬大輔さんは若い世代だと言いましたが、60代の出口治明社長も"同意見"だそうです。
ただ、こちらは個人の自由ですので、干渉すべきではないと思います。日本では先輩の誘いを断れないって問題も同時にありますので、本当に自由意志なのか怪しいというところもありますね。私は先輩の誘いをズバッと断って、説教を食らったことがあります。「社員の自由意志」というのはかなり怪しいのです。
<会社の人間同士で飲みにいくと、必ず話題が内向きになってしまうからです。飲み会のテーマは、仕事への愚痴と、会社への不満ばかりになります。その愚痴や不平不満の吐露で、何かいいことがあるか、というと、ありません。まったく生産的ではないのです。
それに、仕事相手の飲み会のところでも話しましたが、飲みニケーションはプラスに働くとは限りません。日頃から不満のある同士の場合、酔ったあげくに喧嘩になったりすることもあり得ます。社員同士の関係は、「友だち」ではありません。「プロフェッショナル」です。酔いにまかせて、ということは、あってはならないのです。
それに、酒好き、飯好きとしても、貴重な夜の時間を、愚痴と会社への不満ですごしてほしくないな、と思います。もちろん長い時間を一緒に過ごしていますから、家族のような関係になったりします。より仲良くなるためにお酒でも、と思うのもわかります。それで得られる関係もあるでしょう。でも、失うものもある。しらふの状態で、仲良くなってほしい。 >
●お酒が入るのはダメだけど…ランチタイムや朝食ならOK?
一方、「昼食や朝食の時間を活用して、仕事相手や社員とコミュニケーションをとるのは、大いに結構だと思います」としており、ランチタイムなどについて、岩瀬さんは肯定的なようです。実際よくやっているとのこと。おいしい弁当を注文して、会議室で、みんなで食べながらあれこれ話すのも大好きだとしていました。
<また、朝食=パワーブレックファーストも活用の価値がありますね。そもそも、仕事相手と朝食をとりながらミーティングを行うパワーブレックファーストの習慣は欧米企業では昔からあったもので、日本でも外資系企業がずいぶん前から実施していたりします。
朝7時から8時くらいに、仕事相手や、社員や、勉強友だちや、経営者仲間と、朝食を囲みながらミーティングする。パワーブレックファーストというと、高級ホテルの高い朝食をとりながらというイメージがありますが、スターバックスのようなカフェで十分です。お金をかける必要はありません>
ランチという言葉が出てきたときに海外の話を言おうかと思いましたが、岩瀬さんがそちらも書かれていました。また、実は社内の飲み会じゃなくて、社外の人と仕事の後…というのは海外でもあると聞いたことがあります。この場合は英語の苦手な日本人の出席率が悪く、むしろ外国人には不評なんだとか。内弁慶ですね。
しかし、私は国際的にはそうだからと賛成するわけでなく、やはり仕事のことは仕事の中でやるメリハリをつけるべきだと考えています。つまり、私の場合は、飲み会以外であっても、プライベートに仕事を持ち込むなという考え方です。
●お酒も宴会もいらない!必要なら残業手当を出さないと矛盾
あと、最後の部分、朝の場合についても、時間外労働みたいな強制性があるんじゃないかな?と、私はこれにも問題を感じます。朝だから良い、昼だから良い、お酒が入らないから良いといったところは、本質ではないでしょう。
そして、私は夜の飲みなんかも仕事なんだと思っていますから、それならその分残業代がほしいなと思います。会社が飲み会の費用を出すとか、先輩がおごるとかだけじゃなくて、残業手当をつけろという話です。サービス残業みたいなものですよ、これ。
「飲み会は仕事に必要なんだ」と飽くまで言い張るのであれば、なおさら残業手当をつけても構わないのではないでしょうか。現状は、「飲み会は仕事に必要」と「飲み会は仕事である」と認めながら残業代は支払っていないので、サービス残業のようになって、会社による社員の搾取が起きてしまっています。
●アルコールが入って同僚を殺したり殺しかけたり…
2017/11/28:
日本人は世界一というレベルで会社が嫌いな人が多いことがわかっています。これは当然ながら会社にとってマイナスです。なので、私のように飲み会が嫌だという人にとっては、飲み会も会社にとってマイナスに作用していると考えられます。
これより直接的でわかりやすい問題として、最初の投稿時に出てきたアルコールが入ることによるリスクの例を出してみましょう。元記事が消えて孫引きなのですが、大阪府豊中市消防本部の消防士長が、駅ホームで同僚を押し電車に接触させたとして、殺人未遂の疑いで逮捕されてしまったという話(2012.8.28 12:20)が見つかりました。一緒に酒を飲み帰宅する途中だったそうです。
(
消防隊員逮捕 駅ホームで同僚突き飛ばす 一緒に酒を飲んでいた - アルコール・カフェイン業界と芸能人の広告戦略とアルコール・カフェイン中毒についてより)
これはたぶん会社で実施したものではなく、個人的にという例。会社としては止められないケースだと思われます。ただ、アルコールが入ることによるリスクとしては、わかりやすかったでしょう。検索しても見つからなかったのですが、私が記憶していた例では、殺人事件すらあったと思います。
この例が見つからないかな?と検索したら、別の話で死亡例がありました。また駅のホームから転落というケース。こちらはどうも会社の同僚数人と酒を飲んでみんなで帰宅する途中で、うち2人が口論になってもみ合いになりいっしょに落ちたようです。一人は軽傷でしたが、もう一人は亡くなりました。
(2013/10/05 07:33 リンク切れ http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000013588.html
山梨 同僚と飲酒後口論に…駅ホームから男性が転落死 - アルコール・カフェイン中毒と広告の影響より)
こっちは参加人数も多く、会社の飲み会に近い事例。お酒が入ると、こういうことが起きやすくなるのです。
●忘年会や花見や歓送迎会は残業?人事向けサイトによると…
2019/08/21:私から見ると、「飲み会は仕事に必要と言いながら残業代を支払わない」ということの方が非常識なんですが、「飲み会に残業代を」という意見は非常識だと思う人が多いでしょう。ただ、驚いたことに、人事向けサイトでも一部の事例で残業代が必要なことを認めていました。
Q.会社の忘年会は、残業になるって本当ですか?
A.「勤務時間外」に行なわれる会社の忘年会などの飲み会に参加を強制する場合、企業は社員に残業代(勤務時間外手当)を支払う必要があります。
(
会社の忘年会は、残業になるって本当ですか?(人事労務Q&A)|人事、採用、労務の情報ならエン人事のミカタより)
Q.花見や歓送迎会は、残業になるって本当ですか?
A.「勤務時間外」に行なわれる会社の歓送迎会などの飲み会に参加を強制する場合は、残業代(勤務時間外手当)を支払う必要があります。
(
花見や歓送迎会は、残業になるって本当ですか?(人事労務Q&A)|人事、採用、労務の情報ならエン人事のミカタより)
●社員も納得して参加していれば残業代は支給しなくても良い?
サイトでは、「会社が業務の範囲を超えて指示・命令をするのであれば必然的に労務の対価として、賃金を支払う義務を企業が負うことになります」とされていました。法的には私の考えが当然だと思うので、このような説明になって当然といえば当然なのですが、人事にとっては都合の悪い考えですので、正直に説明しているというのはちょっと驚きでした。
あと、こういう情報を知ると「社員も納得して参加しているから良い」という主張が出てくると思いますが、実はこれもダメだと思われます。たとえ両者納得の上であっても法律違反は許されません。社員だけでなく顧客や取引先なども同意すればOKという理屈がダメなのは同じなので、悪徳商法や違法契約という例を出すとわかりやすいでしょう。
また、社員や取引先などは前述の通り、立場上逆らえないだけという可能性があります。それから、悪徳商法や違法契約というのを出したように、事実ではない情報によって納得させられているという可能性もあるでしょう。まずは正しい情報が広まってほしいですね。
●上司による飲み会参加強要はパワハラ、教師の飲み会で見解
2019/10/19:神戸市立東須磨小で教諭4人が同僚をいじめていた問題で、被害者の男性教諭(25)が2017年、当時教頭だった前校長(今春異動)から飲み会の参加を強要されていたことがわかりました。男性教諭は採用1年目だった17年夏ごろ、参加しないと告げていたのですけど、前校長から「新人なら行くべきだ」と強く注意されたといいます。
"前校長が被害者に飲み会参加強要 神戸・教諭いじめ問題"(共同通信 / 2019年10月17日 17時9分)によると、市教委関係者は「パワハラに当たるとみられる」と話しています。また、前校長は市教委の聞き取りに強要に当たると認めているとのことでした。
https://news.infoseek.co.jp/article/kyodo_kd-newspack-2019101701001844/
私は飲み会参加強制はパワハラという判断で良いと思います。ただ、こうした判断が教育委員会のようなところから出てきたのは正直意外でした。とはいえ、これはいじめ問題に絡んでいるから、上司である校長が認めたからなどといった特殊ケースであり、おそらく一般的ではないでしょう。この判断がスタンダードになると良いのですけど…。
●飲みニケーション支持率が急落!初めて不要派と必要派の割合が逆転
2021/11/29追記:まだまだ…という感じですが、日本もやっと少しずつ良くなってきているのかな…というニュースがありました。日本生命保険の調査でお酒を飲みながら職場の仲間と親交を深める「飲みニケーション」を「不要」とする回答が6割に達し、2017年の調査開始以来、初めて「必要」の割合を上回ったというニュースです。
調査は2021年10月1~13日にネット上で実施し、男女7774人が答えたもの。飲みニケーションが不要だと答えた人は全体の62%で、内訳は「不要」が37%、「どちらかといえば不要」が25%でした。不要と考える理由は「気を使う」が37%、「仕事の延長と感じる」が30%だったそうです。この回答だと「不要」というか、「したくない」という感じですね。
この記事は、
飲みニケーション支持急落 6割が「不要」、日生調査 | 共同通信(2021/11/23)というタイトル。ただし、これまでの数字が不明で、本当に急落したのかはわかりません。とはいえ、不要が過半数となったのは初めてという書き方のため、50%未満から62%まで急増した感じ。「急落」と言っていいかもしれません。日生は、新型コロナウイルス禍でお酒に頼らない親睦の在り方を模索する人が増え、意識が変化したと理由を推測していました。
●酒乱遺伝子が多い日本人、DVアル中は「人付き合い」と正当化
2023/04/29追記:とあるPCメーカー会長に暴力(DV)を受けていたという元恋人の記事を以前読みました。この元恋人は「(彼は)アルコール依存状態にあったのだと思います。お酒を飲まないと手が震え、イライラすると本人も言っていました」と言っており、性格うんぬんではなく病気の問題だと言えそう。精神論では無理で、治療が必要そうです。ただ、暴行を行っていますので、擁護がしづらいところではあります。
また、元恋人が「『飲みに行かないでほしい』と伝えたこともありましたが、『俺は~様、人付き合いが命』と言って聞いてくれませんでした」と言っており、お酒を控える気もなかった可能性も…。アル中の方のためにも飲み会は少なくしていった方が良いかもしれないと思ったので、こちらにも追記しています。
加えて、以前別のところで書いた「酒乱」に関する話も転載。医師である眞先敏弘教授によると、「日本人は遺伝的に酒乱になりやすい人が多い」とのこと。酒乱には、大脳皮質の大部分がまひに陥り、道徳的な規範などが守れなくなるタイプが見られ、これまた大迷惑。やはり飲み会をなくして、彼らの飲む機会を減らすべきかもしれません。
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