高血圧学会、ディオバンで小室一成処分検討 望月正武は聴取拒否

　ディオバン問題で逃げ切り勝ちな感じになっている小室一成教授に関する記事が出ていました。

高血圧学会、小室氏処分「検討中」｜医療維新 - m3.comの医療コラム　関連論文撤回も焦点に、ディオバン論文巡り　2015年2月8日　池田宏之（m3.com編集部）

　降圧剤「ディオバン」を巡る論文不正の問題で、日本高血圧学会は、2月7日までに、千葉大学の論文の最終著者で、同学会理事の小室一成氏（現・東京大学教授）の処分を検討していることを明かした。

　日本高血圧学会は被害者というよりは加害者という感じです。というのも、幹部らがノバルティスファーマのために尽力していた様子が見えるためです。

　1月9日には、やはりディオバンで京都府立医科大学の論文の試験統括責任者だった松原弘明元教授について、「役員資格停止及び厳重注意相当」としています。「相当」というのは、「同学会を退会済み」のためですね。

　松原元教授は大学も辞めて、今はあの徳洲会病院で働いているそうです。徳田毅元議員の件で問題になったグループです。
(白橋伸雄元社員 VS 松原弘明元教授　教授は今、徳洲会病院で医師)

　また、そもそも日本高血圧学会は、ディオバン問題で堀内正嗣理事長が辞めるという事態になっています。これは会員が問題を起こして辞任って話じゃないですよ。堀内正嗣理事長がディオバンの宣伝のための座談会に出席していたという密接な関わりがあったためです。
(ディオバン問題で日本高血圧学会理事長辞任(堀内正嗣愛媛大教授))

　この他に東京慈恵会医科大学の論文の責任著者の望月正武・元慈恵医大客員教授も同学会の会員です。しかし、ヒアリングへの出席を求めたものの「辞退」されており、処分するかどうかという一つ前の段階で検討中のようです。

　「辞退」というと参加してもしなくても良いという感じに聞こえますが、内容が内容だけに聴取拒否というニュアンスでしょう。まあ、拒否する時点で…という話ですし、滋賀医大の論文は既に撤回済み。これだけでも処分は可能だと思います。

　　■慈恵会医大でもディオバン論文データ操作、撤回へ　望月正武客員教授が責任者


　それ以外のメンバーについて。

滋賀医科大学・責任著者・柏木厚典・滋賀医大副学長　同学会員ではない
滋賀医科大学・他の会員　「統計解析に関与していない」
名古屋大学・責任著者・室原豊明氏・名古屋大学教授　同学会の評議員だが、「データの恣意的操作はなかった」の結論

　というか、滋賀医科大学の柏木厚典さんはまだ副学長やってるんですね。面の皮が厚いなと思いますが、滋賀医科大学の自浄能力のなさにも呆れます。

　滋賀医科大学の調査委員会は、「不自然さがあり、恣意性が否定できない」としていましたし、「科学的論文としては不適切」と言われていました。さらに学会誌から論文を撤回されてしまっています。

　そんな不適切な論文書いた人が副学長に居座っているって、大学の恥でしょう。そんなレベルの大学だという話です。

　　■ディオバンで柏木厚典「結論に誤りなし」、ノバルティス刑事告発など
　　■柏木厚典滋賀医科大副学長ディオバン論文、学会誌より撤回の屈辱

　研究組織の不正研究の調査では、不正した人の擁護や隠蔽の方向性の動きをすることが残念ながら時折あるのですが、お偉いさんの不正に関しては特に甘い気がします。＜東北大の井上明久前総長の研究不正疑惑 外部調査しないと幹部が決定＞(怪しい井上明久東北大前学長論文不正問題　損害賠償裁判では勝利にまとめ)の件も不可解でした。

　前半も日本高血圧学会の幹部が…という話でしたし、日本の研究者は下だけでなく上から全部腐っているんでしょうね。


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　　■研究不正疑惑についての投稿まとめ