ドラえもんのひみつ道具「しあわせトランプ」の話をまとめ。<本当は怖いドラえもんのひみつ道具「しあわせトランプ」の恐怖>、<ツッコミどころがある気がするが…「しあわせトランプの恐怖」の教訓>、<未来の人が「しあわせトランプ」のような怖い道具を作った理由>などをまとめています。
2023/01/30まとめ:
●自分が幸せだと思えば幸せになれる…幸せに関する名言多すぎ!
●他人の不幸は蜜の味…人を妬んでも幸せになれないって本当?
●ドラえもんの「しあわせトランプ」をうまく使える条件とは?
●未来の人が「しあわせトランプ」のような怖い道具を作った理由
●本当は怖いドラえもんのひみつ道具「しあわせトランプ」の恐怖
2010/10/5:小さい頃見たアニメやマンガなどをやけに詳しく覚えている人がいるのですけど、私はすっかり忘れてしまっているというタイプ。ほとんど憶えていません。ただ、稀に妙に記憶に残っている話もあり、ドラえもんの「しあわせトランプ」が出てきた回というのはそんな話のひとつです。
この「しあわせトランプ」について検索してみると、
ドラえもん (27) (てんとう虫コミックス)
に載っている、「しあわせトランプの恐怖」という回の話だとわかりました。Wikipediaに記述があったためにわかったのです。
その
Wikipediaの説明を読むと、このトランプの持ち主はトランプを持っているだけで願いが叶うという便利な道具。トランプを欲しがる人がいればその人に譲渡することもできます。ただ、欲しがる人がいなければ、どこに捨てても持ち主の手に戻ってくるために、捨てることはできません。
ただ、この説明だけだとなぜ私が「恐ろしい」と思ったのかわからないでしょう。「しあわせトランプ」が怖いのは、願い事に代償があるため。願いが一つ叶うごとに1枚ずつトランプが消えていき、最後のジョーカーだけになったらその時点の持ち主はそれまでの幸運を埋め合わせるように立て続けに不運に遭うという設定なのです。
「黒ひげ危機一発」的な感じですかね。恐ろしさがあるので、軽さのある「黒ひげ危機一発」よりは「ロシアンルーレット」的と言った方が良いかもしれません。…と書いていたのですけど、推敲していて「それよりババ抜き的な発想だと言うべきじゃ?」と思って調べ直したら、普通に漫画中でババ抜きが出ていたようです。
●ツッコミどころがある気がするが…「しあわせトランプの恐怖」の教訓
この話はのび太の同級生達が乱用した挙句、2枚だけとなってのび太の元に戻ってきてしまうというところまでは覚えていました。当然、のび太がすごく恐怖していた気がするのですが、本当の最後がどうなっていたのかまでは記憶なし。ただ、Wikipediaではその最後のオチまで書いていました。
ネタバレなしで読みたい方は、ここらへんを読み飛ばしてほしいのですけど、「最後のカードの効力によって泥棒がのび太からひったくって権利が移った為のび太は難を逃れる事になった」とのこと。ここは全く記憶になく、ひたすら怖さだけ私は覚えていました。
この「最後のカードの効力」って言うのは、たぶんジョーカー寸前のカードのことですよね。これで「誰か他の人に譲りたい」と願えば叶ってしまう…というのはちょっとずるいような気がします。でも、そこで別の願いを無意識に思っていたらたいへんなことになりますから、やはり恐ろしい道具には違いありません。
「なんでそんな恐ろしい道具を作ったのか」とか「それをなぜドラえもんが持っていたのか」とか野暮なツッコミはなしにして、「楽して利益ばかり得ようとすると恐ろしい目に遭う」ということを伝えると同時に、そうは言っても「人に責任をなすりつけて、おいしいところだけ持って行ってしまう人もいる」という教訓を詰め込んだ素晴らしい作品ですね。
それにしてもこの話だけ覚えているって言うのは、軽くトラウマなのかもしれないと思いつつ、今日はここで終わりにします。
●Wikipediaの「しあわせトランプの恐怖」の結末は間違いだった?
2011/6/26:コメントで「Wikipediaに載っているしあわせトランプのオチが違う」とのご指摘を受けました。なので、Wikipediaを再度確認してみると、該当部の記述が消えていましたが、キャッシュを探すと、上記で私が書いたような説明があります。
「見た目は普通のトランプだが、このトランプの持ち主はトランプを持っているだけで願いが叶う。ただし、願いが一つ叶うごとに1枚ずつトランプが消えていき、最後ジョーカーが残ったらその時点の持ち主はそれまでの幸運を埋め合わせるように立て続けに不運に遭う。1枚でも使えばその者を持ち主と認め、何処に捨てても持ち主の手に戻ってくる。ただし、それを欲しがる人がいればその人に譲渡することもできる。
ジャイアン達のび太の同級生達が乱用した挙句の果てに2枚だけとなってのび太の元に戻ってきてしまうが、最後のカードの効力によって泥棒がのび太からひったくって権利が移った為のび太は難を逃れる事になった。」
一方、いただいたコメントは、以下のような説明。こちらのコメント内容の方がWikipediaにあったものより「話が合う!」といった内容。最初のときにも書いたように、<「誰か他の人に譲りたい」と願えば叶ってしまう>じゃ、ずるいですからね…。
> のび太が残り2枚になった時点でトランプを所持し、
> 叶えた願いは「ママに怒られない」だったのです。
>
> ママから逃げてたのび太が悩んでたので、トランプが勝手にママの怒りを鎮めて、
> その瞬間トランプはジョーカー1枚になりました。
>
> そしてのび太が「1枚になった!」と恐怖に震えた瞬間、
> ひったくりがトランプを引ったくって逃げてったのです。
> そして逃げた引ったくりのその後は、ニュースで知るという落ちでした。
●自分が幸せだと思えば幸せになれる…幸せに関する名言多すぎ!
2011/7/28:ここから、当初は<幸せに関する名言としあわせトランプ>というタイトルで書いていた話をまとめ。名言の中には、人気ジャンルというのがあり、幸せに関する名言というのもその一つ。世界の名言・金言・箴言を集めた
e-Searcherというサイトを見ると、幸福に関するものだけで一ジャンルを作っており、その多さがわかります。
これらの幸福に関する名言を見てみると、幸福に関する名言というのは単に多いというだけでなく、ある程度共通点を持った名言が多いことにも気づくはずです。例えば、「幸せは自分の外にあるのではなく、自分の内にあるのだ」といった内容の名言が多くあります。
ウィリアム・シェイクスピアは、本人の発言なのか、劇中のセリフなのかは不明ですが、「世の中には幸福も不幸もない。ただ、考え方でどうにでもなるのだ」としていたとのこと。幸せや不幸というものが決まって与えられるものではなく、自分自身が幸せだと思えば幸せになれる…といった考えでしょう。
また、ロシアの作家フョードル・ドストエフスキーも、「人間が不幸なのは、自分が本当に幸福であることを知らないからである。ただそれだけの理由によるのだ」と言っていたとのこと。アメリカ大統領だったエイブラハム・リンカーンも「心に幸福のイメージを描くと、そのイメージと同じような幸福が得られる」もこの系統でしょう。
これ以外に、ノーベル文学賞を受賞したイギリスのバートランド・ラッセルの名言「幸福の秘訣はこういうことだ。あなたの幸せをできるかぎり幅広く探せ」も目に付きました。上記までとはやや異なるようにも見えるものの、「幸せは探せば見つかるものだ」という考えですから、同じ系統だと考えられそうです。
●他人の不幸は蜜の味…人を妬んでも幸せになれないって本当?
幸せに関する名言では、スペインの神父バルタザール・グラシアンによる「妬みによって幸福になる人間はどこにもいない」というのも気になりました。これも「幸せは自分の外にあるのではなく、自分の内にあるのだ」とやや通じるところがあるかもしれません。
ただ、「妬みによって幸福になる人間はどこにもいない」が事実であるかどうかはちょっと疑問。名言として数えられることはないかもしれませんが、「他人の不幸は蜜の味」という言葉や、「他人の不幸でメシがうまい(メシウマ)」というネットスラングも知られているためです。
残念なことですが、他人の不幸を自分の幸せに変える人々というのも、確実に世の中には存在するんじゃないかと思います。グラシアン神父的には、「それは偽物の幸せであり、本物の幸せじゃない」「幸せになっているようで不幸になっている」といったことなのかもしれませんけど…。
●ドラえもんの「しあわせトランプ」をうまく使える条件とは?
ここで急に話を変えるのですけど、以前うちで書いた<本当は怖いドラえもんのひみつ道具「しあわせトランプ」の恐怖>(同じページの前半部分)という投稿では、「願いが一つ叶うごとに1枚ずつトランプが消えていき、最後ジョーカーが残ったらその時点の持ち主はそれまでの幸運を埋め合わせるように立て続けに不運に遭う」という道具が出てきています。
この投稿を書いたときにはすっかり忘れていたのですが、
ろじっくぱらだいす(Logic Paradise) (通称:ろじぱら)というテキストサイトの2005.03.02の日記で、この「しあわせトランプ」についての興味深い考察を読んだことがありました(ただし、すでに過去ログは削除されています)。
このサイトは大抵軽い話が中心ですが、ときたますごく感心する良い話があります。この日は、<友達から「しあわせトランプを貰ってくれない?」と言われたとき、貴方は受け取るべきでしょうか?断るべきでしょうか?それとも何枚以上残っていたら受け取るべきでしょうか?>という問題が提示されていました。
『天才数学者・株にハマる』

この問題は、
『天才数学者・株にハマる』という本に載っていた問題に触発されて、テキストサイト「ろじっくぱらだいす」の作者自身がつくったものみたいですね。そして、この本
『天才数学者・株にハマる』の考え方を応用すれば、以下のように考えられるとしていました。
【トランプの残りが1枚の場合】……トランプを受け取る人はいない。なぜならその1枚はジョーカーだから。
【トランプの残りが2枚の場合】……トランプを受け取る人はいない。なぜなら自分が願いを叶え、すぐに他の人にトランプを渡そうとしても、ジョーカー1枚しか残っていないため誰も受け取らないから。
【トランプの残りが3枚の場合】……トランプを受け取る人はいない。なぜなら自分が願いを叶え、すぐに他の人にトランプを渡そうとしても、上記より2枚しか残っていないトランプを受け取る人はいないから。
【トランプの残りが4枚の場合】……トランプを受け取る人はいない。なぜなら自分が願いを叶え、すぐに他の人にトランプを渡そうとしても、上記より3枚しか残っていないトランプを受け取る人はいないから。
……
つまり、「何枚残っていようが、受け取ってはいけない。このゲームに参加してはいけない」という結論です。
●未来の人が「しあわせトランプ」のような怖い道具を作った理由
以前書いた投稿で私は「なんでそんな恐ろしい道具を作ったのか」とか「それをなぜドラえもんが持っていたのか」とか野暮なツッコミはなしにして…と書いていました。読み直したら、先に読んでいたはずのろじぱらでも「未来の技術者は、なぜ決して使われることのない道具を作ったのか?」という疑問を出していましたね。
しかも、「ろじっくぱらだいす」の作者はこれに対する回答も考えています。前半の<本当は怖いドラえもんのひみつ道具「しあわせトランプ」の恐怖>で私は漫画の教訓について書いていたのですけど、そもそも道具自体が教訓のために作られたのではないかという考えです。
<このゲームに参加する人は、「自分が幸せになれるのならば、53番目の人が不幸のどん底に落ちようがかまわない」ということを認めているわけです。そういった利己的な考え方ではいけないよ、ということを示すための道具なのではないでしょうか>
他人の不幸を踏み台にして幸せになろうとする人はいますし、他人の不幸を糧にして暮らしていく人もいるでしょう。でも、そういった方々もまた、他の人々に不幸になるようにと願われているのですから、負の連鎖はどこまでも続いていきます。
ただ、その負の連鎖に誰しもが加わらなければいけないか?と言うと、もちろんそうではありません。最初のサイトでは、アメリカの教育家ジョセフ・マーフィーさんの<誰かがあなたの不幸になることを祈っているとき、その人に力を与えるのは愚かなことです。最良の方法は彼らを笑い飛ばすことです>という名言が載っていました。
こういう選択肢もあるのです。
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