曽野綾子さんのアパルトヘイト賛美に関するものをまとめています。
曽野綾子のアパルトヘイト賛美、海外メディアが安倍首相の恥と報道 2015/2/14
曽野綾子氏,アパルトヘイト問題でネット批判 南ア大使抗議は無視 2015/2/17
●曽野綾子のアパルトヘイト賛美、海外メディアが安倍首相の恥と報道 2015/2/14
最初に話題になったときも気になったのですが、全体の流れがわからなく揚げ足取りの可能性もあるので、一部の引用ではなく全体を読んでからと思っていました。
ただ、産経新聞のウェブ版では載せないのかもしれません。待っているうちに海外メディアに知れてしまって、そこでまた炎上してしまいました。
ということで、うちでももう取り上げます。まず、最初に話題になったときの記事から。
曽野綾子さん「移民を受け入れ、人種で分けて居住させるべき」産経新聞で主張 The Huffington Post 投稿日: 2015年02月11日 11時53分 JST
2月11日付の産経新聞コラムで、作家の曽野綾子さんが、日本の労働人口が減少している問題について触れ、移民を受け入れた上で、人種で分けて居住させるべきだ、と主張した。(中略)
もう20〜30年も前に南アフリカ共和国の実情を知って以来、私は、居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいい、と思うようになった。
(産経新聞 2015/02/11付 7面)
(中略)
さらに、南アフリカでアパルトヘイト(人種隔離政策)の撤廃後、白人専用だったマンションに黒人家族が一族を呼び寄せたため、水が足りなくなり共同生活が破綻し、白人が逃げ出したという例を出し、「人間は事業も研究も運動も何もかも一緒にやれる。しかし居住だけは別にした方がいい」と締めくくっている。
一応全体を読んでからと思って控えていたものの、該当部だけ見ても十中八九正当化は無理だろうなという内容ではありました。
日本人街のようにある人種が集中して居住するような地域は今でもあるという反論はあるでしょう。ただ、それは政府などが意図して作ったものではありません。全く別の話です。
そもそもアパルトヘイトを肯定的に捉える話が、日本人街の形成といっしょにはならないでしょう。
さて、この話はウェブ上で少し話題になったものの、日本メディアで大きな話題になったわけではありませんでした。しかし、さすがにこういった人種差別への意識は違うのか、海外メディアでは目ざとく見つけて拾ってきました。
この海外メディアの反応は日本メディアでも結構伝えているものの、その前の時点ではたぶんあまり記事になっていなかったはずです。ここらへんは日本のマスコミが反省するべきところかもしれません。
曽野綾子氏コラムに「アパルトヘイトを賛美し、首相に恥をかかせる」海外メディア報じる The Huffington Post 投稿日: 2015年02月13日 23時47分 JST 更新: 2015年02月14日 03時02分 JST
このコラムを受けて、刺激的な論説で知られるアメリカのウェブメディア『デイリービースト』は、「新聞コラムニストが日本にアパルトヘイトを望む」という見出しで、曽野さんが安倍晋三首相の教育再生実行会議に加わっていた、いわば首相のブレーンだったことを詳細に記述。取材に対し、「曽野綾子さんのコラムはいつも掲載している連載もの。多様な意見があるべき、と考えるのは自然」と産経新聞はコメントしたという。
さらに曽野氏が「女性は妊娠したら仕事をやめるべき」と発言したことを挙げつつ、「日本で働いていて、差別に向き合わなければいけないことはしょっちゅうある。大新聞がこんな記事を載せたら、国中の差別主義者を勇気づけることだろう。もうたくさんだ」と日本で働く30歳の南アフリカ人女性の発言を紹介した。
ちなみに教育再生実行会議はニセ学位を持った方がいるなど、非常に内容の濃いメンツです。
(関連:
教育再生実行会議にイオンド大学名誉博士が!佐々木喜一成基コミュニティグループ代表)
ウェブメディアが一つ載せたくらいでは、「海外メディアが」と言うと大げさになります。しかし、反応したのはここだけではありません。ロイターやウォール・ストリート・ジャーナルのブログという超大御所でも取り上げられています。
ロイターも「政府のブレーン、アパルトヘイトを賛美し、首相に恥をかかせる」との見出しで報じ、政治評論家の感想として、「日本にダメージを与える発言。(オリンピックを控えた)東京は海外からのイメージダウンを避けようと必死になるだろう」と書いている。
また、アメリカの大手経済紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』はブログで、「もし記事に誤りがあるなら、私はそれを正します。私も人間ですから、過ちを犯します。しかしこの記事について、誤りがあるとは私は思いません」という曽野さんのコメントを掲載している。
検索すると、この3メディアだけではないようですね。(ただ、Japan Timesはおそらく日本の英字新聞)
移民政策はアパルトヘイトを参考に!と主張する曽野綾子氏のコラム、さっそく世界に紹介される | THE NEW CLASSIC [ニュークラシック] 公開日:2015.02.13 KEN ISHIDA
Japan Timesは「著者・曽野は、論説で人種差別を求める」という記事を公開。コラムの内容と曽野綾子氏が安倍政権によって教育再生実行会議委員に任命されていること、Twitterで沸き起こった批判と産経新聞によるコラムの擁護などが紹介されている。
「アパルトヘイト擁護」の曽野綾子氏コラムに抗議文、海外メディアは安倍氏との関係も問題視 | DailyNK Japan(デイリーNKジャパン) 2015年02月14日
このコラムをめぐっては、海外メディアからも批判の声が上がっている。曽野さんが安倍晋三首相の教育再生実行会議に加わっていたことも問題視されており、「日本の首相が外国人労働者受け入れのためアパルトヘイトを求められる」(英紙インディペンデント)などのタイトルが目立つ。
この件では、産経新聞がこのようなコラムを載せてしまったことも批判されています。また、安倍晋三首相のブレーンともされている曽野綾子さんの発言のため、ロイターは「首相に恥をかかせる」と書いていました。
THE NEW CLASSICによれば、先の『デイリービースト』(Daily Beast)は、これらをいっしょに取り上げています。
産経新聞は「多様な意見があるべき」と掲載した理由を正当化したようですが、まずデイリービーストは"産経新聞の「倫理要綱」を紹介した上で、曽野氏のコラムが「人権の尊重」を逸脱していることを批判的に示唆し"ています。
そして、"日本の「保守的な新聞」である産経新聞が、安倍政権の歴史観などと共鳴していることも指摘"していました。
つまり、産経新聞は人権を尊重しないようなコラムを載せる新聞であり、安倍政権の思想もそれと似たり寄ったりではないか?と遠回しに言っているのだと思われます。
高市早苗・稲田朋美が右翼(ネオナチ)と写真、海外が敏感に反応もそうでしたが、海外メディアはこういう話題には敏感に反応してきますね。日本メディアとは感覚が異なるように思えます。
●曽野綾子氏,アパルトヘイト問題でネット批判 南ア大使抗議は無視 2015/2/17
"曽野綾子のアパルトヘイト賛美、海外メディアが安倍首相の恥と報道"の件。曽野綾子さんが反論しました。ただ、驚くほど短いです。
曽野綾子氏「アパルトヘイト称揚してない」:朝日新聞デジタル 2015年2月17日05時35分
私はブログやツイッターなどと関係のない世界で生きて来て、今回、まちがった情報に基づいて興奮している人々を知りました。
私が安倍総理のアドヴァイザーであったことなど一度もありません。そのような記事を配信した新聞は、日本のであろうと、外国のであろうと、その根拠を示す責任があります。もし示せない時には記事の訂正をされるのがマスコミの良心というものでしょう。
私は、アパルトヘイトを称揚したことなどありませんが、「チャイナ・タウン」や「リトル・東京」の存在はいいものでしょう。
曽野綾子さんの文章をこれまでちゃんと読んだことがなくて知らなかったんですが、普段もこういう感じなのですかね? この記事に関して
はてなブックマークの感想では、「雑」とか「天然」とかって言葉が使われていました。
uturi "炎上商法のような養殖された差別よりも、この人のような天然物の差別の方が強烈。" 2015/02/17
bigburn "ブログやツイッターに雑にケンカ売っていて、ネットと関係なく抗議してきた南ア大使が全く眼中に入ってない通常運転ですね" 2015/02/17
good2nd "「容認している」「許容している」という非難に対して「称揚してない」。雑なのか舐めてるのか。でもこのヒト売れてるんだよね、我々の社会で。" 2015/02/17
私もやはり「雑」や「天然」という印象を受けました。理解の仕方が雑で問題点がわからず、危機感なくボサッと感じで答えています。天然なのでしょうね。
下記コメントでもあるように、政治家などはこういった際に「誤解を招いた」と言ったり、一応謝罪のような格好をしたりして誤魔化すのが常套手段です。曽野綾子さんはそういった火消しすら考えられないようです。
kamezo "外報の話を見たときに「そろそろ『真意が伝わらず誤解を与えた』と言い出すかな」とかブコメしたが、全然違う角度から来た。現実は常に凡人の想像を超える。" 2015/02/17
思えば前回紹介した中でも、「もし記事に誤りがあるなら、私はそれを正します。私も人間ですから、過ちを犯します。しかしこの記事について、誤りがあるとは私は思いません」という曽野綾子さんのコメントがありました。全く問題を理解できていないようです。
理解できてなさとしては、私がネットで保守派が言っているよと書いた「日本人街」の話もそのまましていますね。以下のようなコメントもありました。ただ、主語は「政治が」ではなく「社会が」とした方が、より広範に問題点を語ることができると思います。
shironeko_t "自生的に誕生したコミュニティと、人種や民族ごとに居住地区を政治が指定する違いを理解できていないのか" 2015/02/17
いろいろとツッコミどころがあり、「安倍政権の教育再生実行委員」のことを「アドヴァイザー」と言っているんですよという指摘もありました。
(関連:
教育再生実行会議がヤバイ 人種差別の曽野綾子,つくる会,ニセ学位保持者など)
ただ、私がすべての中で最もひどいと思ったのは、南アフリカに関わる人たちの抗議を一切無視し、ネット批判・SNS批判で終わらせてしまっていることです。これは南アフリカに関わる人たちをよりいっそう傷つけるものです。
"「チャイナ・タウン」や「リトル・東京」の存在はいいものでしょう"などという気遣いのない言い方も、侮辱と受け取られるおそれがあります。
産経新聞:曽野氏コラム、南ア大使も抗議文 人種隔離許容 毎日新聞 2015年02月14日 21時30分(最終更新 02月14日 22時29分)
産経新聞が掲載した作家の曽野綾子氏のコラムにアパルトヘイト(人種隔離)を許容する内容が含まれているとして、南アフリカのモハウ・ペコ駐日大使が同紙に抗議文を送っていたことが14日分かった。同紙によると抗議文は13日付。
同紙によると、ペコ大使は「アパルトヘイトを許容し、美化した。行き過ぎた、恥ずべき提案」と指摘。アパルトヘイトの歴史をひもとき、「政策は人道に対する犯罪。21世紀において正当化されるべきではなく、世界中のどの国でも、肌の色やほかの分類基準によって他者を差別してはならない」としているという。
一方、NPO法人「アフリカ日本協議会」(東京都)も抗議文を送り、コラム撤回を求めている。【町田徳丈】
以上、天然で相手への思いやる心がないことがわかる話でした。これについては、個人的には怒りよりも呆れが勝ります。あまりにも理解できない考え方で、不思議で仕方ないです。
もう一つ不思議でならないのは、途中のコメントで「このヒト売れてるんだよね、我々の社会で」とあったように、曽野綾子さんが有名な作家であり、保守派の代表的な論客として評価されていることです。
理解の仕方も雑で、ピント外れな回答を見ていると、とてもそういった優れた作家には見えません。なぜ評価されているんでしょうね?
他に以下のようなコメントもありました。私も本来、保守派の人はこういう恥ずかしい人が表舞台で目立たないように隠しておかなくちゃいけないと思います。
festerfester "本人には悪意がないんだろう。こういうのがこの世で最もタチが悪い。田母神派界隈にも言えることだけど、自分に正義があると思って国際常識がかけらも見えてない人間が日本の信用を深刻に毀損している。" 2015/02/17
そいつ賞賛しちゃダメだろう…というのを持ち上げちゃうのは左派にも言えることがあり、右派ばかりの問題ではないのですけど、いろいろとショックを受ける曽野綾子さんの反論でした。
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