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エレキのソニーは間違い 家電もスマホもリストラし撤退・売却すべき


 まだ読んでいませんが、最近ソニーが復調しているという記事も見かけてブックマークしています。でも、この投稿は過去の悪かったときの話。

 "ソニーのバイオ売却の評価分かれる パソコン事業撤退は正解か?"(2015/2/1)と"ソニーはパナソニックに倣い家電をリストラせよ スマホも売却が正解"2015/2/22)を合わせて、全体に修正しています。(2017/06/06)


●ソニーのエレキの看板ブランドバイオ売却にショック

2015/2/1:最初に投稿した時点で、すでに1年前という古い話だったのですが、"ソニーのバイオ売却の評価分かれる パソコン事業撤退は正解か?"は、バイオ売却・パソコン事業撤退の話でした。

 この件については、一般の人はネガティブなものが多かったと記憶しています。以下の日経新聞記事もそういったネガティブさを感じるタイトルでした。

ブランドも売る、限界近づく「算術のソニー」(編集委員 武類雅典 2014/2/7 7:00 日本経済新聞 電子版)

 作者の武類雅典さんが10年前から知るソニー元幹部に、ソニーがパソコン事業の売却やテレビ事業の分社などの合理化策を発表したことを伝えると、「少しびっくりしたような口ぶりだった」といいます。

「とうとうソニーの聖域まで踏み込んだね。バイオも今まで手をつけられなかったところ。GE(ゼネラル・エレクトリック)の選択と集中が頭に浮かんだ」

 "驚きの理由の1つは、バイオの場合、ブランドまで手放したこと"だとしていました。

 これは今まで"ソニーがエレクトロニクス事業の看板ブランドを他者の手に委ねたことはなかった"というのがあります。また、ソニーにとってブランドというのは、非常に大切にしていたというのもあるようです。
 テレビの「ブラビア」、ビデオカメラの「ハンディカム」、デジタルカメラの「サイバーショット」……。社内では、こうした商品ブランドを「サブブランド」と呼び、歴代の経営トップは「SONY」ブランド同様、大切にしてきた。

 その1人、大賀典雄氏のこだわりは、米アップルのスティーブ・ジョブズ氏ばりのすごみさえ感じる。世界中で有名な「SONY」のロゴのデザインは、大賀氏自身が文字の大きさや太さなどに何度も手を加え、現在のかたちに落ち着いたという。

 思い入れは、商品ブランドであろうと同じ。バイオの育ての親で、ソニー元社長の安藤国威氏は在任中、「ソニーにとって、ブランドとはDNA」とまで話していた。

●パソコン事業撤退・売却はむしろ正解という見方も

 ただ、先のソニー元幹部が言った「GE(ゼネラル・エレクトリック)の選択と集中が頭に浮かんだ」で出てきたGEの「選択と集中」は、むしろ世界の企業が参考にすべき成功例として知られるものでした。(関連:GEジャック・ウェルチは嫌われ者だった 徹底した選択と集中に非難)

 ですので、パソコン事業撤退・売却そのものは、むしろ正解ではないか?という見方もあります。たとえば、同じ日経新聞でも以下の記事では、「最短で復活する処方箋はソニー自身がエレクトロニクス企業という旗を下ろし、業態転換することかもしれない」としていました。
ソニー、「エレキ中心主義」が遅らせる復活 :日本経済新聞(2014/2/7 6:00 堤正治)

 エレクトロニクスの不振を尻目に、それ以外の事業は好調を維持している。ソニー生命などの金融事業は4~12月で1330億円、映画と音楽のエンターテインメント関連は524億円と、エレクトロニクス事業を上回る営業利益を稼ぐ。金融、エンターテインメントの稼ぎをエレキが食いつぶすというのは、ここ数年続いている構図だ。

 ソニーはテレビやパソコンなど赤字事業の止血とともに、コア事業と位置付けるモバイル、ゲーム、デジタルイメージングへ経営資源を集中する戦略。しかし、モバイルの中心商品であるスマートフォンやタブレット(多機能携帯端末)は、すでに競争激化で市場そのものの変質が始まっている。

 株式市場からは「これからは商品を軸にした戦略ではなく、消費者の生活の中の『エンターテインメント』の部分に焦点をあてた戦略に切り替えるべきだ」(メリルリンチ日本証券の片山栄一調査部長)との指摘もある。例えば子供時代にゲームでソニーに触れてもらい、成長とともに映画や音楽に興味の対象を広げてもらう。大人になってからは保険や銀行などでソニーの顧客として囲い込むといった具合だ。そこでは、テレビやスマホといったエレクトロニクス製品はそれぞれのコンテンツを楽しむための機器に過ぎない。

●間違ってないが、遅すぎてビジョンが見えない判断

 ただし、上記の記事でも"「エレキ中心主義」が遅らせる復活"というネガティブなタイトルになっています。記事にあった「間違ってないが、遅すぎる」が非常にわかりやすい言い方でしょう。パソコン事業撤退そのものは正解であるものの、判断時期は間違いという評価でした。

 そして、売却を好んでいないようなタイトルに見えた最初の記事においても、実はパソコン事業撤退そのものは評価している感じがあります。上記の記事に合わせて言うと、「間違ってないが、ビジョンが見えない」といった感じでしょうか?
ブランドも売る、限界近づく「算術のソニー」(編集委員 武類雅典 2014/2/7 7:00 日本経済新聞 電子版)

 米IBMがちょうど10年前に決断したパソコン事業の売却劇は、「IT(情報技術)の巨人」がソフトウエアや情報サービスに事業の軸足を大きく移す象徴的な出来事として知られている。NECは先週、子会社でインターネット接続事業者(プロバイダー)のNECビッグローブの売却を決定。遅ればせながら、法人向けの情報システム事業で生きていくことを宣言するディールだった。

 つい最近までソニー以上に事業売却や撤退を繰り返していたパナソニックは、自動車分野や住宅設備分野に一気にシフトする戦略を打ち出している。事業領域の再定義は明確だ。

 それらと比べて、ソニーはどうか。縮小均衡の残像を焼き付けてしまったのではないだろうか。

 ソニーの6日の会見では、これからのエレクトロニクス事業について語るとき、スマートフォン(スマホ)やゲーム、画像センサーといった3本柱に集中する姿勢を改めてアピールすることに終始した。後はリストラの説明。

 日本企業の世界のブランド価値ランキング トヨタ,ホンダ,任天堂などで紹介したように、海外のブランドランキングを見ていると、依然としてソニーというのは日本で最高の部類です。家電メーカーとしては、日本では未だにトップでした。

 このブランド価値という資産をこのまま食いつぶしてしまうというのは、非常にもったいないと思います。


●パナソニックと異なり、リストラできないソニー

2015/2/22:ここから"ソニーはパナソニックに倣い家電をリストラせよ スマホも売却が正解"で書いた話。「世間と違ってVAIO売却はむしろ高評価しているビジネス記事はあるよ」という上記の話よりももっと過激で、VAIO以外もどんどん売ってしまえ!というアドバイスでした。
パナソニックとソニーの明暗を分ける、最も根本的な理由:日経ビジネスオンライン 入山 章栄 2015年1月27日

 近年のパナソニックの事業転換は興味深いといえます。同社は、2012年に津賀一宏社長が就任以来、それまで主力だった家電分野を大胆にリストラし、旧松下電工の事業ドメインを中心とした住宅・自動車関連への大胆なシフトを進めています。逆に言えば、これはシュンペーター型競争への深入りを避け、チェンバレン型(一部はIO型)に軸足を戻していると解釈できます。

 対照的なのはソニーです。同社はパソコン事業を切り離したものの、依然シュンペーター型に近いスマホやゲームを主要事業に位置づけています。そこに(国内ではチェンバレン型、海外ではIO型の)テレビなどの家電事業があって、さらに(恐らくチェンバレン型に近い)保険などの金融事業も手がけているのです。

 パナソニックの事業転換については、よく知りませんでしたので検索。「BtoB事業シフト」という言い方をされていることが多いです。一般人向けではなく、業者向けという感じですね。最近の電機メーカーでは、BtoBが強い方が成功している傾向があります。(パナソニックについては最後に少し補足します)


●ジェィ・バーニー教授による「3つの競争の型」

 上記の引用部では、「シュンペーター型」などの聞き慣れない言葉がたくさん出てきたと思います。これは私がいきなり結論部分を引用したためです。

 記事のメインは実はこちらのタイプ分けでした。これがおもしろいんですよ。"ジェィ・バーニー教授が、1986年に主要経営学術誌「アカデミー・オブ・マネジメント・レビュー」(以下AMR)で提示した考え"だそうです。

 バーニー教授によれば、"競争戦略を考える上では「3つの競争の型」の理解が重要であり、型ごとに適用できる経営理論が違う"とのことです。

(1)IO(Industrial Organization、産業組織)型
 業界構造が比較的安定した状態で、その構造要因が企業の収益性に大きく影響する業界です。例えば「参入障壁が高くて、新規企業が参入しにくい」「大手2~4社が市場シェアの大部分を占める寡占状態」「各社が緩やかに差別化しながら、ガチンコ競争を避けている」といった状況です。

 IO型競争の代表は、米シリアル業界やコーラ飲料業界でしょう。シリアル業界はケロッグ、ゼネラル・ミルズなど上位4社が寡占状況を何十年も保っていますし、コーラ業界がコカ・コーラとペプシコの2社寡占なのはいうまでもありません。他にも化学分野や、鉄鉱石などの国際的な資源分野にも、IO型の業界が多くあります。日本でIO型に近いのは、例えばビール業界でしょうか。

 そして、IO型競争をしている業界で有効な戦略はポーターのSCP戦略です。

(2)チェンバレン型
 IO型よりも参入障壁が低く、複数の企業がある程度差別化しながら、それなりに激しく競争する型です。この型では「差別化しながら競争すること」が前提になっているので、その「差別化力」を磨いていくことこそ、各社が重視すべき戦略になります。結果、各社は少しでも優れた(差別化された)製品・サービスを提供するために、自社の技術力やサービス力に磨きをかけます。従ってこの型の業界では、技術・人材などの経営資源に注目するRBVに基づく戦略が有用なのです。

(中略)例えば、自動車産業はいまだに国内主要乗用車メーカーだけでも8社もあって、各社が高品質・信頼性・低燃費などを軸にした差別化をしながら、激しく競争をしています。

(3)シュンペーター型
 この型の最大の特徴は、「競争環境の不確実性の高さ」にあります。例えば、「技術進歩のスピードが極端に速い」「新しい市場で顧客ニーズがとても変化しやすい」といった競争環境です。もちろんIO型でもチェンバレン型でもビジネスに不確実性はつきものですが、それが際立って顕著な環境といえます。

 現在なら、ネットビジネスを中心としたIT(情報技術)業界は典型的なシュンペーター型といえるでしょう。ネット技術は日進月歩で、顧客のニーズもすぐに変わります。国内SNS(交流サイト)サービスも数年前まではグリーやミクシィが人気でしたが、今は無料対話アプリのLINEや短文投稿サイトのツイッターが主流です。とはいえ、この2社だって5年後に安泰かどうかは読み切れない、そんな業界なのです。

●「3つの競争の型」でわかる日本企業低迷の理由

 作者は日本には(2)のチェンバレン型が多かったとしています。そのために、IO型の戦略であるポーターのSCP戦略は無意味と断言する経営者も多かったとのこと。ただ、実際にはタイプが違う企業で有効な戦略なので、通用しなかったってだけなんでしょうね、この考え方だと。

 この日本に多いというチェンバレン型。パナソニックやソニーの家電業界もそれに当たります。ところが、新興国市場の場合、「普及品をボリュームゾーンに売る」「高い販売シェアで小売りに強い交渉力を持ち店舗の棚を確保する」「消費者のブランド認知を高める」といったことが重要でIO型に近いため、日本メーカーは苦手なようです。

 また、チェンバレン型の得意な日本メーカーが、"スマートフォン(スマホ)やウエアラブル端末など、ハイエンドな製品を主軸にしよう"とするのも、これまたうまく行きません。"ハイエンド製品では技術革新のスピードは以前よりさらに速くなって"いる、"すなわちシュンペーター型の競争"にさらされるためです。

 ちなみに作者はこのシュンペーター型では、私の好きな「小さく早く失敗せよ」が合うとしていました。
 不確実性が高いのですから、そもそもどのような製品・サービスが当たるのか、どのような技術が有用になるか、誰にでも判断するのは難しい状態です。ですから、小規模・小ロットでいいから、まずは素早く投資をしたり製品・サービスをローンチしたりして、反応を見ることが重要なのです。

 もちろん不確実性が高いのですから、こういった行動の多くはうまくいきません。しかし、少額投資であればダメージは大きくありません。製品・サービスも、小ロットならすぐに販売中止ができるので、痛みは小さくて済みます。

●エレキのソニーは間違い 家電もスマホもリストラし撤退・売却すべき

 そして、これらを踏まえたのが、最初のパナソニックとソニーの話でした。作者がソニーに家電を捨てよと言っているのは、大きく二つの理由があるようです。

 一つはソニーがもともと得意なチェンバレン型中心にするという理由。そして、もう一つが社内で扱う「競争の型」がある程度揃っていない場合、戦略を決めづらいためという理由です。

 そもそも「競争の型」自体意識されていないものと思いますが、事業ごとに細かく違う戦略を取ろうというのはたいへんだということでしょう。

 初めて聞いた話ですけど、結構スッキリとしてそうな感じ。おもしろかったです。


●シュンペーター型でもスマホと違いゲームは健闘

 ああ、あと、最初にあった切り離すべきものの一つ、「シュンペーター型に近いスマホやゲーム」について。大ゴケしてダメっぽいスマホは、サムスンの苦戦、その前はノキアやブラックベリーなどの没落を見てわかるように明らかにシュンペーター型だと思います。

 一方、イノベーションのジレンマ 任天堂の破壊的イノベーションの成功と失敗で見ると、イノベーションを起こしたもののユーザーを引き継げなかった任天堂と違って、ソニーのプレイステーションは手堅い感じです。

 技術進歩のスピードが速いには速いのでしょうが、Wiiのような極端な変化をしなくても支持を受けています。スマートフォンほどは納得できませんでした。


●パナソニックの「BtoB事業シフト」

 それから、パナソニックの「BtoB事業シフト」についての補足。以下の記事によると、ソニーにもその傾向が見えるという話でした。
BtoBシフトが鮮明になった2015年のCES - 大河原克行|WEBRONZA - 朝日新聞社 大河原克行 2015年01月29日

 米国時間の2015年1月5~9日、米ネバダ州ラスベガスで開催された世界最大の家電見本市「2015 International CES」は、日本の電機メーカーの今後の方向性が、明確に打ち出されたイベントになったといえよう。

 というのも、展示会場に出展した国内電機大手に共通していたテーマは、「BtoB」へのシフトであったからだ。なかでも、2年前のCESで基調講演を行い、BtoBシフトを宣言したパナソニックは、その傾向を一層色濃く打ち出した。

 同社は昨年まで、大量のテレビを展示し、テレビメーカーとしてのイメージを強調していたが、今年はそうした展示をやめた。

 "その代わりに、メインの入口に展示した"のは、ホテルやテーマパーク向けの設備。その他にもリチウムイオン電池をテスラモーターズ向けに販売していることを強調。完全に一般人向け製品ではなく、企業向け製品に力を入れていることがわかります。

 日本人はおそらくこういった傾向を寂しいと思うでしょうし、ソニーのVAIO売却が叩かれたように快く思わないでしょう。ただ、大きな時代の流れとして、家電製品における日本メーカーの存在感はこれからも下がり続けていく…というのが専門家の見方のようです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■日本企業の世界のブランド価値ランキング トヨタ,ホンダ,任天堂など
  ■イノベーションのジレンマ 任天堂の破壊的イノベーションの成功と失敗
  ■GEジャック・ウェルチは嫌われ者だった 徹底した選択と集中に非難

【その他関連投稿】
  ■ソニー倒産なら戦犯はこの5人だ!スマホ大赤字・下方修正の責任者など
  ■誰が買うのかと言われたソニーのカメラ・サイバーショットRX1が人気
  ■海底に6週間放置でもスマホ起動 日本の技術力とソニーの技術力
  ■ソニー今度はレンズだけという非常識デジカメQX10を発売 評価は?
  ■ソニーなど日本の家電復活・アップル没落の兆し 電機業界の株価の流れが変化
  ■企業・会社・組織についての投稿まとめ

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