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圧迫面接のような馬鹿なことをする企業の意図とコンピテンシー面接


 圧迫面接をやる企業は馬鹿だと思っています。なぜかと言うのは、1年ほどの前の以下の記事に出ていた事例を見ればすぐにわかります。

圧迫面接がなくならないワケ 企業の事情と対策  :日本経済新聞 2014/4/2 7:00

 記事では、テレビCMで有名な外資系生命保険会社と大手IT企業を受けた人の例が載っていましたが、「この会社の保険に入ることは絶対にない」「この会社が嫌になりました」という反応でした。そりゃそうでしょう。未来の顧客を逃すのは確実です。本当に馬鹿だと思います。

 では、BtoC企業ではなく、学生らが顧客になりづらいBtoB企業ならアリか?と言うと、やはりやめておくべきです。興味ある分野だから受けている可能性が高いため、同業他社など後に接点があるおそれがあるというのが、まず一つの理由です。

 そして、もっと大きいのは大企業が今あまり圧迫面接をやらないという以下の理由でわかります。

「大手企業はネットで悪評が広がるのを恐れて、露骨に就活生を否定するような圧迫面接はやらなくなっていると思う」(大手メーカーの採用担当者)

 でも、これをある程度やるまで気づかないってのは、やっぱり頭が悪いと思います。圧迫面接をやるような会社は、学生の方から願い下げってことで良いでしょう。


 この大手メーカーの採用担当者は同時に「学生のことを深く知ろうとして『なんで、なんで』と質問を重ねる面接が就活生に圧迫と受け取られているのでは」とも言っていました。

 「圧迫面接がなくならないワケ」というのは、つまり、質問を重ねる面接が圧迫面接として勘違いされているからということみたいですね。

 "就活指導を手掛ける大原学園の民間就職課長の野口英雄さんによると、約1000社分の面接情報をもとに、圧迫面接は3種類に分類できる"としていました。約1000社分を調べたというのは立派なものですね。下記のようになっています。


 (1)「何を言っているかわからない」など厳しい言葉による圧迫面接
 (2)面接官と学生の距離が極端に近いなど場面による圧迫面接
 (3)「なんで」「どうして」と質問を重ね、行動予測をするコンピテンシー面接


 (1)が最も圧迫面接らしい圧迫面接でしょう。「すぐに辞めるような学生を採用しない」というのが、この圧迫面接の採用する理由です。学生の方から願い下げだと書いたように、ブラック企業感アリアリです。やめておいた方が無難な企業です。

 (2)はイメージしづらくて私はよくわからなかったのですけど、「場の空気にのまれないかどうかを見る」という意図だそうです。

 最後の(3)は「仕事の能力をはかるため、どう行動するかを見る」という意図。「就活生の面接対応力があがり、従来の面接では適性を見抜くのが難しくなった」(野口さん)ので、採用が多くなったという理由もあるそうです。

 この(3)が先ほどの大手メーカーの採用担当者が言っていたものでしょうね。最近の圧迫面接と見られるものも、(3)が主流になっているともありました。


 このコンピテンシー面接とやらは微妙ですね。「なんで」「どうして」と質問を重ねることは大切なことであり、面接ではなく普段のビジネスでも、自社の有利さを説明するときなど、なぜを数回重ねても答えられるようにしようとアドバイスする人もいます。(実際にはあまりできるビジネスマンはいませんが)

 要するにどこまで突き詰めて考えているか、上っ面だけでなく深く考えているかどうかを見たいということです。説明だけ読むと、必ずしも悪いことのようには見えませんでした。

 ただ、先ほどの大原学園でやっている「模擬圧迫面接」の様子を見ると、やっぱこれは印象悪いなぁ…と感じるものでした。


学生「積極性とは自分が興味を持ったことにどんどん突っ込んでいけることです」
面接官「興味ないことはやらないの?」
学生「仕事でやらないといけないと思ったら進みます」
面接官「進むって? 具体的イメージが湧かないけど」
学生「初対面の会社に営業する時、しっかり調べ上げ準備して訪問します」
面接官「どんな営業を目指すの?」
学生「1社1社と深いつながりができる営業になりたいです」
面接官「深いつながりって何?」
学生「信頼関係です」
面接官「信頼関係って何?」
学生「仕事を任せても大丈夫と思ってもらえる営業マンになりたいです」

 
 私はコンピテンシー面接をやる意図については、前述のように理解できると感じました。ただ、上記を見ていると、やり方には工夫が必要だろうなとも思います。

 ビジネスにおいてもコンピテンシー面接のような場面はあると書きましたが、険悪ムードでやっても良いことはありません。後々に禍根を残します。

 圧迫面接とは全く関係ない話ですが、シャープの倒産危機は必然?他社社員を「おまえ」と呼んで嫌われるでやったように、シャープは新入社員でも取引先の従業員を「おまえ」と呼んでひどく嫌われていました。そんなことをしていては、困ったときに助けてくれるはずがありません。やはりアホだと思います。

 コンピテンシー面接の場合は、「なんで」「どうして」を繰り返すにしても穏やかな雰囲気を出す、「なるほど」などを入れながらやさしく尋ねるといったやり方ができるはずです。

 「なんで」「どうして」と聞くというのは、相手の話に興味を持った場合にも行われるでしょう。そういう意味では、会話の苦手な人のための会話のコツ4 ~聞き上手~のような会話のコツシリーズにも繋がる話です。

 これは当然うまく会話をしようというコツの話ですので、圧迫して嫌われるための手段じゃありません。和やかに深堀りするってのは、十分可能だと思います。

 いずれにせよ、むしろ好感を持って応募した可能性すらある学生らに、わざわざ嫌われるようなやり方をしてアンチを作り出すというのは馬鹿げています。企業側ももう少し頭を使った方が良いです。


 これで終わりにしても良いんですが、もう一つ。先ほど企業側がコンピテンシー面接を採用するようになった理由に、「就活生の面接対応力があがり、従来の面接では適性を見抜くのが難しくなった」(野口さん)というものがありました。

 しかし、「コンピテンシー面接といってもせいぜい20~30分。就活生がきっちりしたシナリオをつくっていれば、すべてを見抜くことは難しい。緻密な面接シナリオを描いた学生ばかり内定をとるという偏りが生まれる」(採用代行会社の担当者)というこの面接の問題点も指摘されていました。

 大原学園が「模擬圧迫面接」をやっているように、圧迫面接のように取られるコンピテンシー面接もまた対応が可能なのです。そうなると、今後また別の面接が流行りだすかもしれません。イタチごっこみたいになっていますね。


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