政府の隠蔽工作に関する話をいくつかまとめて。もともとは、"安倍政権が日銀黒田総裁発言削除"(2015/2/25)という話題でしたが、これに自衛隊PKO日報問題と、経産省の使用済み核燃料の再処理工場に関する隠蔽工作の話をセットにしました。(2017/08/20)
●安倍政権・日本政府の隠蔽体質 PKO日報は公開すべきではなかった
2017/08/20:安倍首相の最側近とも言われる衛藤晟一首相補佐官が、加計学園問題で隠蔽と公私混同を認める発言をしていました。(関連:
加計学園で隠蔽と公私混同認める 安倍首相の最側近・衛藤晟一首相補佐官)
一応危機意識があるのかな?と思うような出来事でしたが、相変わらずだと感じたのが、
PKO日報「公開すべきでなかった」自民部会、意見続出:朝日新聞デジタル(2017年7月31日20時19分)というニュース。
政治家の支持があって日報を隠蔽した場合ももちろん問題なのですが、軍が政治家の支持なしに勝手に非公開というのはたいへん危険です。ところが、7月31日にに開かれた自民党国防部会では、この「隠蔽工作」を批判する声はほとんどなかったと言います。
代わりに「日報は国民に報告するものではなく、指揮官に報告するものだ。なぜ公開しないといけないのか」「そもそも不開示と言えなかったのか」などといった発言が出て、隠蔽しておいた方が良かったという見解。ヤバイ国ですね。
“自民党の本音とはこういうもの。そして支持者も同じ考え。原発関連でも隠すし、オリンピック招致の文書は廃棄した。一貫している”(custardtarte 2017/07/31)
“我が国は中世です。”(netcraft3 2017/07/31)
“情報公開する気なんてまるでない、反省どころか徹底的に隠蔽すべきだと。”(rauman-men 2017/07/31)
“予想の斜め下をいくなあw”(t714431169 2017/07/31)
(
はてなブックマークより)
●経産省も都合の悪い情報の“非公表”指示 再処理工場の建設費増額分
もう一つセットでということで、
経産省が“非公表”指示 再処理工場の建設費増額分(テレ朝 2017/07/18 11:51)をここに追記。
使用済み核燃料の再処理工場の建設費が7500億円増え、2兆9000億円と当初の予定の4倍近くに膨らみました。この建設費で、既に国の認可も下りています。ところが、再処理機構はまだ正式に公表しておらず、しかも、その理由が都合が悪いから隠蔽したのでは?と疑われているのです。
取材に応じた関係者は、経産省の資源エネルギー庁が、機構に対して「6月30日の公表を避けるように」と指導したとしています。都議選への影響を考慮したとみられるものの、都議選の翌日も「会見など大げさにやらないように」と指示していたので、とにかく隠そうと言った感じでクソでした。
なお、その都議選ですが、
安倍首相「都議選は公明党抜きで勝負するいい機会」→歴史的大惨敗で書いたように、隠蔽工作の甲斐なく大敗しています。無駄なあがきでしたね。
●安倍政権が日銀黒田総裁発言削除「日本国債にリスク、財政健全化を」
ここから当初書いていた投稿です。
2015/2/25:読まれない話だよなぁと悩みつつも、気になっていて紹介したかった話。
「議事録から削除と箝口令」 日銀黒田総裁の発言(02/20 11:48)テレ朝ニュース
(経済部・門秀一記者報告)
前回の諮問会議は財政健全化がテーマでした。議事要旨の黒田総裁の発言部分、私が読んでも1分ほどです。しかし、実は自ら発言を求め、5分以上も日本国債のリスクなどについて話していて、そうした発言は議事録から削除されていました。出席者などによりますと、黒田総裁は、ヨーロッパで国債をリスク資産とみなし、銀行への規制を強化する議論が始まっていると説明しました。そのうえで、日本国債の格下げに絡み、「安全資産とされている日本国債も持っていることでリスクになり得る」などと述べ、財政健全化に取り組むよう訴えました。こうした発言はマーケットに影響を与える可能性もあるため、議事要旨から削除され、箝口令(かんこうれい)も敷かれたということです。
日本銀行・黒田総裁:「財政について信認が失われれば、国債の価格、あるいは金利に影響が出る恐れがある。リスクがあることは事実でありまして、であるからこそ、政府は財政再建目標を決め、それに向けて着実に前進しておられると思う」
これで日本国債暴落…となると、短絡的です。しかし、それより気になったのが、議事録の削除という話です。こんなことってあり得るんですかね? 異常だと感じました。
記事中の諮問会議というのは政府の経済財政諮問会議のことです。
経済財政諮問会議 - Wikipedia(最終更新 2015年1月25日 (日) 06:26)によると、"内閣総理大臣の諮問を受けて、経済財政政策に関する重要事項について調査審議する"会議です。
"会議は議長と10人以内の議員から成"ります。同じくWikipediaによると、現在のメンバーは以下の通り。
2014年10月21日-
総理大臣(議長) 安倍晋三
官房長官 菅義偉
経済財政担当大臣 甘利明
総務大臣 高市早苗
財務大臣 麻生太郎
経産大臣 宮澤洋一
日銀総裁 黒田東彦
民間有識者 (民間議員) 財界 榊原定征 新浪剛史
民間有識者 (民間議員)学者 伊藤元重 高橋進
多くは政府のメンバーですね。政府が設置している会議ですし、実質的に安倍政権が隠蔽工作したと考えて良さそうです。
●本当は考え方が合わない安倍首相と黒田総裁
隠蔽工作の話からは離れますが、
日刊ゲンダイ|黒田総裁「国債リスク発言」削除 安倍首相との“本当の仲”(2015年2月24日)では、安倍首相と黒田総裁が不仲であるという話が出ていました。
「昨年の追加緩和、いわゆる“黒田バズーカ2”は、消費税率10%を前提にぶっ放したものなのに、大義なき衆院選のために先送りされてしまった。黒田総裁も以前は記者会見で口調は穏やか、でも“上から目線”だったのが、近ごろはどこか自信なさげで、慎重に言葉を選んでいる。安倍首相にハシゴを外され、たまりにたまったストレスを、非公開の諮問会議で“爆発”させたともっぱらです」(日銀関係者)
黒田東彦総裁は確かに安倍晋三首相と合っていないところがあります。これは当初黒田総裁誕生を歓迎し持ち上げていたリフレ論者と合わない理由でもあるのですけど、黒田総裁はやはり本質的には財務官僚なのだと思います。黒田総裁の発言から見える消費税増税重視・財政健全化重視というのは、財務省のスタンスそのままです。
一方の安倍首相はリフレ論者や黒田総裁の主張の好きなところだけ取っている感じです。もちろん誰かの主張を取り入れるる場合にその全てを取り入れなくちゃいけないわかではないのですが、日本のためというよりは自分のためという判断基準っぽいのが私は気に食わないです。
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